初恋

正体。

この弱々しいモノの

正体はヒドく淋しいココロだった。

きっと

俺に話したのはほんの少しで

もっと

もっと

哀しい思いをしてきたんだろう。





こんな綺麗なココロのミナが

こんな汚い俺に優しくできるのは

やっぱり

ココロが綺麗で優しいからだ。




「ミナ？

俺にはミナが特別だよ？

こんな汚い俺にミナは優しくしてくれるよ？

ミナがいなけば俺は家族以外の温もりを感じるコトができなかったんだよ？

俺にはミナが必要なんだ。」




ミナは急に泣き腫らした顔をあげた。

俺はミナに微笑みかけた。

「ヨシ

ヨシは汚くないよ？
この前、僕が全部綺麗にしたんだ。

さっきだって……。








ヨシ
もう一度風呂入ろう。」


そう言って俺の手を引いて
風呂場に向かった。


「さっき入ったよ？
洗いっこしたじゃん？」

ミナに言ったけど
余計にギュッと手を握られた。




脱衣所でミナに短パンと下着を脱がされた。
ミナも自分の短パンと下着を脱いだ。


俺の腰に手を廻し
抱きつくように風呂場に入った。







「ミナさっき洗ったよ？」
もう一度言ってみた。

けれどミナはちょっぴり怒った顔で

優しく俺の髪を洗い出した。



顔は怒っていて
何も話してくれないけど

ミナの手はヒドく優しかった。