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第五章
第231話 記録を更新して上げましょう
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「ひょー、ライは格闘もできるのかよ。魔法使いだと思っていたぜ」
「あっ、アルは下りてこれたのですね」
「おう。そうだ、みんな驚かせたな、今日冒険者の登録しに行って友達になったライだ。薬草採取のやり方とか色々教えてもらってんだ。よろしくしてやってくれよな」
「んだよ、アルの連れか。おいみんな、そういう事らしい、解散だ」
ん~と、バーベキューしちゃいま······また今度ですかね。
集まっていたみんながパラパラと、帰って行くのを見ながら僕はテラとアミーのいる屋根の上に。二人を下におろした頃には集まっていた方々はいなくなっていました。
「じゃあ、部屋に転移!」
パッ
誰も見ていませんでしたので、転移で部屋の中に戻っちゃいました。
「うおっ! ライ! ビックリするだろうが! さっきも屋根の上に一瞬で出たりよ! まったく、······で、それ俺にもできるのか? できたらそこの板をいちいち外して部屋に入ることもないしよ。完全に打ち付けておけば誰にも見つかんないだろ?」
「くふふ。ごめんなさい。これは転移と言って、結構な量の魔力が必要ですから、アルがやろうとするなら、あの魔力のぐるぐるを頑張ればできますよ」
「本当か! そりゃ頑張らねえとな。ってかそれより階段を下りようぜ! ずっと気になってたからよ。あのSランクの奴らが探しに来てなけりゃもっと早く覗けたのにな」
「ですね。まあ、ちょっと気の毒なことをしちゃいましたから、今度機会があれば謝っても良いかもしれませんね」
「良いわよ、恐喝するような奴がSランクなんて、ダメダメな奴だわ」
「そうじゃの。先程も何の躊躇いもなくライに襲いかかって来おったし、普段からあのような事は日常茶飯事に起こしておるのだろうな」
「あ~、聞いたことあるぜ。今日みたいに順番を抜かすのは当たり前。気に食わない奴はすぐに締め上げてたって噂もあるしな。それに王都一番の宿に泊まって金は払ってないらしいぞ。スラムの孤児院上がりだけどその宿の掃除夫で働いてる奴が言ってた」
「じゃあ、やっつけて良かったね。よし、アルお待ちかねの地下室に行っちゃいましょう!」
僕達は階段を下りながら、所々に光の魔道具を階段にも取り付けていきます。
そして一番下に到着して部屋の四隅にも魔道具を取り付けておきました。
そして部屋の真ん中に持ち運びハウスを出しましたが。
「うおっ! ······って小さくないか? 俺の部屋くらいしかねえぞ」
「それがですね~♪ さあアル。中に入ってみてください。驚きますよ」
「ま、まあ、良いけどよ。飯はこの中にあるのか?」
「はい。色々あるので、驚くと思いますよ」
アルを連れて四人で中に入ると、アルは······くふふ。
「なっ、なっ、なんだよこれは! 無茶苦茶広いじゃねえか! それも一部屋じゃないぞ! 二階もあるし! どうなってんだよ! うおっ! ソファーがふかふかだぜ! こっちは――」
アルは持ち運びハウスの中を興奮しながら走り回り、色々見て回っていますので、テラとアミーにはソファーで待っていてもらい、今夜の夕ごはんはオークステーキにしちゃうことにして、焼き始めました。
ステーキと簡単な野菜スープ、それにパンを用意し終えた時、アルも持ち運びハウスの探検も終わったようで、戻ってきていました。
夕ごはんも『なんだこれ! オークステーキってこんなに美味いのか! 俺、絶対すぐにオークを倒せるようになってやるぜ! そうすりゃ毎日食えるよな!』って。
それからお風呂にと思ったのですが、今日はもう色々あって眠くなりましたから、ムルムルにお願いして汚れを綺麗にしてもらい、客室でアルに寝てもらって、僕達はいつものように寝る事にしました。
翌朝。みんなが起きる前に朝ごはんを作って食べた後、今日もダンジョンに向かいます。
「じゃあライ達は先に進むんだろ? 俺は今日も薬草の採取をするからよ。頑張ってこいよ」
「うん。夜にはまたアルの部屋に行くからよろしくね。行ってきます」
そして僕達は、今日一日で『疾風怒濤』を追い抜くつもりで進みます。
魔物とか、採取は······ほんの少しだけやりましたが、一階層ごとに背負子と、お姫様抱っこをテラとアミーで交代しながら全力近い速度で走り回り、お昼に四十階層。
「この分なら確実に抜けるわね。それにここまで来ると誰もいないわね」
「うん。そう思うとあの『疾風怒濤』のお兄さん達はやっぱりSランクパーティーの実力はあるみたいですね。でも普通、冒険者ギルドで横入りとかするのはCランクくらいだと思っていましたが、Sランクでやるなんてね」
「そうじゃな。あのような事をしておればその内ギルドマスターが言っておった降格もあるやもしれんの」
そして昼からも走り続け、おやつの休憩には六十階層を過ぎ、夕方、アルと約束した時間には八十三階層を攻略して、珍しく、リンゴが生えていましたので沢山採取して帰る事にしました。
待ち合わせ場所の冒険者ギルドがある広場に転移で戻り、早速ギルドに入ったのですが。
「くそ! なんて事しやがる!」
アルと『疾風怒濤』のお兄さん達が、買い取りカウンターで言い争っているところでした。
「あっ、アルは下りてこれたのですね」
「おう。そうだ、みんな驚かせたな、今日冒険者の登録しに行って友達になったライだ。薬草採取のやり方とか色々教えてもらってんだ。よろしくしてやってくれよな」
「んだよ、アルの連れか。おいみんな、そういう事らしい、解散だ」
ん~と、バーベキューしちゃいま······また今度ですかね。
集まっていたみんながパラパラと、帰って行くのを見ながら僕はテラとアミーのいる屋根の上に。二人を下におろした頃には集まっていた方々はいなくなっていました。
「じゃあ、部屋に転移!」
パッ
誰も見ていませんでしたので、転移で部屋の中に戻っちゃいました。
「うおっ! ライ! ビックリするだろうが! さっきも屋根の上に一瞬で出たりよ! まったく、······で、それ俺にもできるのか? できたらそこの板をいちいち外して部屋に入ることもないしよ。完全に打ち付けておけば誰にも見つかんないだろ?」
「くふふ。ごめんなさい。これは転移と言って、結構な量の魔力が必要ですから、アルがやろうとするなら、あの魔力のぐるぐるを頑張ればできますよ」
「本当か! そりゃ頑張らねえとな。ってかそれより階段を下りようぜ! ずっと気になってたからよ。あのSランクの奴らが探しに来てなけりゃもっと早く覗けたのにな」
「ですね。まあ、ちょっと気の毒なことをしちゃいましたから、今度機会があれば謝っても良いかもしれませんね」
「良いわよ、恐喝するような奴がSランクなんて、ダメダメな奴だわ」
「そうじゃの。先程も何の躊躇いもなくライに襲いかかって来おったし、普段からあのような事は日常茶飯事に起こしておるのだろうな」
「あ~、聞いたことあるぜ。今日みたいに順番を抜かすのは当たり前。気に食わない奴はすぐに締め上げてたって噂もあるしな。それに王都一番の宿に泊まって金は払ってないらしいぞ。スラムの孤児院上がりだけどその宿の掃除夫で働いてる奴が言ってた」
「じゃあ、やっつけて良かったね。よし、アルお待ちかねの地下室に行っちゃいましょう!」
僕達は階段を下りながら、所々に光の魔道具を階段にも取り付けていきます。
そして一番下に到着して部屋の四隅にも魔道具を取り付けておきました。
そして部屋の真ん中に持ち運びハウスを出しましたが。
「うおっ! ······って小さくないか? 俺の部屋くらいしかねえぞ」
「それがですね~♪ さあアル。中に入ってみてください。驚きますよ」
「ま、まあ、良いけどよ。飯はこの中にあるのか?」
「はい。色々あるので、驚くと思いますよ」
アルを連れて四人で中に入ると、アルは······くふふ。
「なっ、なっ、なんだよこれは! 無茶苦茶広いじゃねえか! それも一部屋じゃないぞ! 二階もあるし! どうなってんだよ! うおっ! ソファーがふかふかだぜ! こっちは――」
アルは持ち運びハウスの中を興奮しながら走り回り、色々見て回っていますので、テラとアミーにはソファーで待っていてもらい、今夜の夕ごはんはオークステーキにしちゃうことにして、焼き始めました。
ステーキと簡単な野菜スープ、それにパンを用意し終えた時、アルも持ち運びハウスの探検も終わったようで、戻ってきていました。
夕ごはんも『なんだこれ! オークステーキってこんなに美味いのか! 俺、絶対すぐにオークを倒せるようになってやるぜ! そうすりゃ毎日食えるよな!』って。
それからお風呂にと思ったのですが、今日はもう色々あって眠くなりましたから、ムルムルにお願いして汚れを綺麗にしてもらい、客室でアルに寝てもらって、僕達はいつものように寝る事にしました。
翌朝。みんなが起きる前に朝ごはんを作って食べた後、今日もダンジョンに向かいます。
「じゃあライ達は先に進むんだろ? 俺は今日も薬草の採取をするからよ。頑張ってこいよ」
「うん。夜にはまたアルの部屋に行くからよろしくね。行ってきます」
そして僕達は、今日一日で『疾風怒濤』を追い抜くつもりで進みます。
魔物とか、採取は······ほんの少しだけやりましたが、一階層ごとに背負子と、お姫様抱っこをテラとアミーで交代しながら全力近い速度で走り回り、お昼に四十階層。
「この分なら確実に抜けるわね。それにここまで来ると誰もいないわね」
「うん。そう思うとあの『疾風怒濤』のお兄さん達はやっぱりSランクパーティーの実力はあるみたいですね。でも普通、冒険者ギルドで横入りとかするのはCランクくらいだと思っていましたが、Sランクでやるなんてね」
「そうじゃな。あのような事をしておればその内ギルドマスターが言っておった降格もあるやもしれんの」
そして昼からも走り続け、おやつの休憩には六十階層を過ぎ、夕方、アルと約束した時間には八十三階層を攻略して、珍しく、リンゴが生えていましたので沢山採取して帰る事にしました。
待ち合わせ場所の冒険者ギルドがある広場に転移で戻り、早速ギルドに入ったのですが。
「くそ! なんて事しやがる!」
アルと『疾風怒濤』のお兄さん達が、買い取りカウンターで言い争っているところでした。
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