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第五章
第220話 回収しちゃいましょう
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「テラ、どこの建物に麻薬とかあるの?」
「もう、本当に驚いたんだからね! まったく」
「そうじゃぞ! 寿命が一億年ほど縮まったかと思ったのじゃ!」
「ご、ごめんなさい。今度からはちゃんと言ってからにします」
テラとアミーに怒られちゃいました······嫌われちゃう······。
「はぁ、大丈夫よライ、ちゅ。そんなにしょんぼりしなくても良いからね。アミーもでしょ?」
「うむ。ちと驚きはしたがライの事は好いとるから安心せい。ちゅ」
「ごめんね二人とも。ちゅ。ちゅ」
「も、もう。ま、麻薬よね、あの一番大きな建物の地下よ。そうね、奴隷の魔道具が沢山置いてある場所は分かるわよね?」
一番大きくて、地下······ありました。
「うん。分かるよ。そこに一旦行けば良いのかな?」
「そうね。それの隣に麻薬が沢山あるから。それに人も今はいないみたいよ」
「じゃあ行きますね、転移!」
パッ
地下室に転移してきて見たのは、大きな木箱へ山のように入れられた奴隷の腕輪です。
僕はそれを収納して部屋を見渡すと、他にも色々と魔道具が棚に並べられていました。
「色々な魔道具が保管されてる部屋みたいですね。悪さをする魔道具はありますか? あれば回収しておいた方が良いですよね?」
「そうね、見た感じは······これだけ収納しておいて『魔力封じ』ね。奴隷の腕輪と同じように、犯罪者に使われる物だけど、魔法が使えなくなっちゃうわ、これはライでも魔法が使えなくなるでしょうね」
「ぐるぐるできなくなっちゃうと困りますね」
「あっ! そっか、ライには効かないかも······効くけど魔力は動かせるはずだし」
「そうじゃな。発動をさせない魔道具じゃし、魔力自体を封じる物ではないからの。まあ回収しておく方が良いじゃろうな」
「分かりました。収納! ではお隣の部屋に行きましょう」
扉の鍵を······。
「困りましたね。魔法の鍵じゃありませんよ。扉を壊しても良いのかな?」
「変わってるわね、態々こんな鍵を使うなんて。こんなの鍵穴になにか突っ込んで上手くやれば開けられちゃうもの」
「じゃあ、戸を壊しちゃい――」
ムルムル? ムルムルが肩の上からみにょ~んと伸びて、戸の鍵穴のところにくっつくと! あっ! ガチャって音がして解錠されたみたいです。
「凄いよムルムル! 鍵を開けちゃいました!」
「やるわね! 流石私の騎獣ムルムル!」
「なんと! 器用なものじゃな」
『まかせて』
戸の鍵を開け、また、みにょ~んと肩に戻ってきたムルムル。どこか自慢気にぷるぷるしています。
「くふふ。ライとムルムルがいればどんな鍵も無いような物ね。さあ行きましょう」
戸を開け、部屋から出て隣の部屋に向かいます。
「ここも同じね。ムルムル、やっちゃいなさい」
『まかせて。ほいっと』
ガチャ。あっという間に鍵を開けちゃいました。
部屋に入ると、狭い部屋に所狭しと積み並べられた木箱が。
「ライ全部よ。空にしちゃってね。ここの麻薬は品質が低い物を置いてるのよ。まだ奥の部屋にも品質の良いものや、素材、精製する道具なんかもあるから進むわよ」
「うん。収納!」
次の部屋は素材が、その次は色んな道具、一番奥には品質が良い物を収納して、麻薬はこれで回収完了です。
「じゃあ次は牢屋にいれられてるけど、無理矢理入れられみたいだから助けるわよ」
部屋を出て、通路を進むと下り階段がありました。階段を降りきったところには、扉があり、ここは魔法の鍵でしたので、僕がぐるぐるして開けました。
中はまっすぐな通路の両側に沢山の扉が付いていて、中に数人ずつ入れられてる事が分かりました。
「手前から順に行くわよ、んん~、良いわね。左右とも開けて良いわよ」
「うん。ぐるぐる~、ほいっと!」
ガチャと鍵が開く音がして、早速牢の戸を開けると中には六人のおじさんとお兄さんがいて、突然開いたからなのか驚いた顔をしています。
「おはようございます。皆さんを助けに来ましたよ。出ても大丈夫ですから、一旦通路に出て待っていてくれますか? 他の方達も解放しちゃいますから」
「ほ、本当に良いのか? 奴隷の腕輪はいきなり無くなったから何か起こっているのだろうとは思っていたが」
「はい。教会の悪さをしていた人達は今、衛兵さんのところに行ってますから大丈夫です。ではちょっと部屋から出たところで待っていて下さいね」
「分かった、ありがとう。おい、出れるようだ、行くぞ」
僕はその後次々に戸を開けて、部屋から出てもらい、分かったことですが、僕より小さい子から、お年寄りまで、男の人も女の人もいて、テラの話だと中にいた人達の、三分の一の方は『回復魔法』のスキルがあったとの事です。
無い方も『手当て』のスキル、回復魔法より格下のスキルらしいのですが、簡単な傷や病気なら治してしまえるスキルを持っていたみたいです。
「本当に良く集めたものね。出身地はみんなこの街の人よ、全員で六十九人。この方達はこれから仕事には困らないでしょうね、ちゃんと使い方を覚えてもらいましょう。回復魔法の本はこの教会のどこかに、んん~、あるわね、この人達はとりあえず外に出てもらって、本を回収しに行きましょう」
「うん。では、皆さん行きますよ、転移!」
パッ
「もう、本当に驚いたんだからね! まったく」
「そうじゃぞ! 寿命が一億年ほど縮まったかと思ったのじゃ!」
「ご、ごめんなさい。今度からはちゃんと言ってからにします」
テラとアミーに怒られちゃいました······嫌われちゃう······。
「はぁ、大丈夫よライ、ちゅ。そんなにしょんぼりしなくても良いからね。アミーもでしょ?」
「うむ。ちと驚きはしたがライの事は好いとるから安心せい。ちゅ」
「ごめんね二人とも。ちゅ。ちゅ」
「も、もう。ま、麻薬よね、あの一番大きな建物の地下よ。そうね、奴隷の魔道具が沢山置いてある場所は分かるわよね?」
一番大きくて、地下······ありました。
「うん。分かるよ。そこに一旦行けば良いのかな?」
「そうね。それの隣に麻薬が沢山あるから。それに人も今はいないみたいよ」
「じゃあ行きますね、転移!」
パッ
地下室に転移してきて見たのは、大きな木箱へ山のように入れられた奴隷の腕輪です。
僕はそれを収納して部屋を見渡すと、他にも色々と魔道具が棚に並べられていました。
「色々な魔道具が保管されてる部屋みたいですね。悪さをする魔道具はありますか? あれば回収しておいた方が良いですよね?」
「そうね、見た感じは······これだけ収納しておいて『魔力封じ』ね。奴隷の腕輪と同じように、犯罪者に使われる物だけど、魔法が使えなくなっちゃうわ、これはライでも魔法が使えなくなるでしょうね」
「ぐるぐるできなくなっちゃうと困りますね」
「あっ! そっか、ライには効かないかも······効くけど魔力は動かせるはずだし」
「そうじゃな。発動をさせない魔道具じゃし、魔力自体を封じる物ではないからの。まあ回収しておく方が良いじゃろうな」
「分かりました。収納! ではお隣の部屋に行きましょう」
扉の鍵を······。
「困りましたね。魔法の鍵じゃありませんよ。扉を壊しても良いのかな?」
「変わってるわね、態々こんな鍵を使うなんて。こんなの鍵穴になにか突っ込んで上手くやれば開けられちゃうもの」
「じゃあ、戸を壊しちゃい――」
ムルムル? ムルムルが肩の上からみにょ~んと伸びて、戸の鍵穴のところにくっつくと! あっ! ガチャって音がして解錠されたみたいです。
「凄いよムルムル! 鍵を開けちゃいました!」
「やるわね! 流石私の騎獣ムルムル!」
「なんと! 器用なものじゃな」
『まかせて』
戸の鍵を開け、また、みにょ~んと肩に戻ってきたムルムル。どこか自慢気にぷるぷるしています。
「くふふ。ライとムルムルがいればどんな鍵も無いような物ね。さあ行きましょう」
戸を開け、部屋から出て隣の部屋に向かいます。
「ここも同じね。ムルムル、やっちゃいなさい」
『まかせて。ほいっと』
ガチャ。あっという間に鍵を開けちゃいました。
部屋に入ると、狭い部屋に所狭しと積み並べられた木箱が。
「ライ全部よ。空にしちゃってね。ここの麻薬は品質が低い物を置いてるのよ。まだ奥の部屋にも品質の良いものや、素材、精製する道具なんかもあるから進むわよ」
「うん。収納!」
次の部屋は素材が、その次は色んな道具、一番奥には品質が良い物を収納して、麻薬はこれで回収完了です。
「じゃあ次は牢屋にいれられてるけど、無理矢理入れられみたいだから助けるわよ」
部屋を出て、通路を進むと下り階段がありました。階段を降りきったところには、扉があり、ここは魔法の鍵でしたので、僕がぐるぐるして開けました。
中はまっすぐな通路の両側に沢山の扉が付いていて、中に数人ずつ入れられてる事が分かりました。
「手前から順に行くわよ、んん~、良いわね。左右とも開けて良いわよ」
「うん。ぐるぐる~、ほいっと!」
ガチャと鍵が開く音がして、早速牢の戸を開けると中には六人のおじさんとお兄さんがいて、突然開いたからなのか驚いた顔をしています。
「おはようございます。皆さんを助けに来ましたよ。出ても大丈夫ですから、一旦通路に出て待っていてくれますか? 他の方達も解放しちゃいますから」
「ほ、本当に良いのか? 奴隷の腕輪はいきなり無くなったから何か起こっているのだろうとは思っていたが」
「はい。教会の悪さをしていた人達は今、衛兵さんのところに行ってますから大丈夫です。ではちょっと部屋から出たところで待っていて下さいね」
「分かった、ありがとう。おい、出れるようだ、行くぞ」
僕はその後次々に戸を開けて、部屋から出てもらい、分かったことですが、僕より小さい子から、お年寄りまで、男の人も女の人もいて、テラの話だと中にいた人達の、三分の一の方は『回復魔法』のスキルがあったとの事です。
無い方も『手当て』のスキル、回復魔法より格下のスキルらしいのですが、簡単な傷や病気なら治してしまえるスキルを持っていたみたいです。
「本当に良く集めたものね。出身地はみんなこの街の人よ、全員で六十九人。この方達はこれから仕事には困らないでしょうね、ちゃんと使い方を覚えてもらいましょう。回復魔法の本はこの教会のどこかに、んん~、あるわね、この人達はとりあえず外に出てもらって、本を回収しに行きましょう」
「うん。では、皆さん行きますよ、転移!」
パッ
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