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第五章
第206話 こんな感じで良いよね
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「ん? それならここに到着してすぐに終らせたぞ。洗脳されたままなんて子供達が可哀想じゃねえか、大人もついでだからやっちまったぞ」
「おおー! そうなのですね、ありがとうございます。じゃあ僕はこの大人の方達を戻そうと思うのですが、一応奴隷の腕輪と、グランジさんの魔道具と交換して方が良いかな?」
「ん~、そうだな、交換しておけば、消すのも一瞬だからな。じゃあ付けちまうから、今みんなに付いてるのは外してくれるか? さっさとやっちまおうぜ」
そういいますので僕は、グランジさんが一瞬で魔道具を創造して付けた後、みんなの腕輪の魔道具を収納しました。
「ではグランジさん。僕は戻りますけど、どうしますか?」
「今は行っても王様に任せるしかないだろ? 俺はこのままアマンダと孤児院の大改造だ。何度かは奴隷の魔道具をどうするか聞きに行くが、構わねえだろ?」
おお! もう呼び捨てですか! くふふふ。良い感じです。並んでいる姿も夫婦って言われても疑いようの無い自然さですよ。
「はい。アマンダさんもよろしくね」
「ああ、だが次増やす時は孤児院の建物が狭くなるぞ、もっと大きいのにしてくれよ」
「任せて、立派な物を建てちゃいますからね、じゃあ行ってきまーす、転移!」
パッ
王城の庭に戻ってきたのですが。
「おお~、グランジさんが連れてきた人達もいっぱいいますね」
「そうね、どれだけ奴隷にしていたっていうのよ、どうするの? 私達を見付けて騎士が走ってくるわよ?」
「ん~と、僕の言うことはもう聞いてくれないのでしたね、じゃあナガト男爵さんと王様に挨拶だけしに行きましょうか」
「そうじゃな、もうここにおってもやることはないのじゃからのう。ナガトには短い間じゃったが楽しんだ仲じゃ、挨拶はせんとな」
そんな事を話している内に、騎士さんが走りよって来ました。
「お前らは何者だ! ん? いや見覚えのある奴も······」
「騎士さん、この方達もえっと、左側の多い方が良い人で、右の少ない方が悪い人なので、後はよろしくお願いしますね」
「ぬっ!? こ奴らは貴族街にいた者だな? という事は、この者達も宰相の」
「はい。奴隷の魔道具を付けられていた方ですね。今は王様にご主人様が変わっていますから、もう大丈夫ですよ。では失礼しますね、転移!」
パッ
「ただいまです。ナガト男爵さん、あの後はどうなりました?」
「ひゃあ! ラ、ライ殿、驚かせないで下さいよ。あの後ですが、王は謁見場に行きまして、私はこの資料整理ですね。急ぎの物から、少しばかり猶予のあるのに分けて、さらにそこでの順番を分けているところです。ライ殿は送った者達をこちらに?」
くふふ。驚いてますね、テーブルの上に資料を広げて積み直しているナガト男爵さんは、ソファーから飛び上がり驚いていました。と言うか、メイドさんが一人とナガト男爵さんだけなのですね。
「はい。僕の方は庭で騎士さんに引き渡してきましたよ。王様も動き出したなら僕はもう用無しですよね?」
「ま、まあそうですね、この資料を渡して、宰相をやっつけるまでが目的でしたし。あっ、ちなみに宰相は今謁見場で自分の罪を話しているところですよ、私も聞きたかったのに王がこれを······」
あはは······、確かに当事者ですし、できれば自分の目で耳で見聞きしたいですよね~。
「その様子だと、ナガト男爵さんが次の宰相さんかもですね。じゃあ僕は湖の向こうのダンジョンの街に行ってみるつもりなので、ここでお別れですね」
「おお······面倒な宰相なんかやりたくは無いのですが、はは。ライ殿達はダンジョン街ですか、良いですね。私も当主を継ぐ前に少しだけあそこのダンジョンに行きましたが、草原が広がっていましてね、美味しい果物が採れるダンジョンはおすすめですよ、魔物もゴブリンだけでしたから、果物取り放題です」
「ふむふむ。それは良い事を聞きました。僕は果物でジュースを作りますから、果物は大歓迎です!」
「くくく。では、今度できたジュースを飲ませていただきたいですね。私もそのためにもぐったのですから。ではライ殿、しばしの別れですが、テラ殿と、アミー殿、それからムルムル殿もお元気で」
「そうね、あなたライとも仲良くなってるし、面白いからまた遊びに来てあげるわ」
「くくく、そうじゃな。貴族の中では変わり者じゃなナガトは、私もまた何か良い物があれば土産に持って行ってやろう」
『ながとがんばれ、またね』
僕達は再開の約束をして、転移で湖の畔にやって来ました。
「あれ? 人集りができてますね、何かあったのでしょうか?」
王都を出た湖の畔には、沢山の人が集まって湖を見ています。もしかすると、何か珍しい物でもあるのでしょうか?
湖の方へ歩いて行くと、声が聞こえてきました。
「だから水柱がドバババッてまるで水の上を走るように立ち上っていたんだよ」
「俺も見たぞ! あんなの今まで見たこと無いぞ、凄かったよな!」
えっと、それって僕達だよね、ま、まあ内緒にしておきましょう。
皆さん湖の方を向いていましたから、僕は背負子を担ぎ、しゃがんでアミーを乗せ、テラをお姫様抱っこして飛び上がりました。
高く飛び上がった後······もちろん。
「テラ、結界お願いね、行きますよ、ムルムルも落ちないように掴まっててね、そーれっ!」
高く浮かび上がった僕は、一気に降下しながら加速して――っ!
ドバババ······
水面ギリギリをダンジョン街へ向けて······。
「おおー! そうなのですね、ありがとうございます。じゃあ僕はこの大人の方達を戻そうと思うのですが、一応奴隷の腕輪と、グランジさんの魔道具と交換して方が良いかな?」
「ん~、そうだな、交換しておけば、消すのも一瞬だからな。じゃあ付けちまうから、今みんなに付いてるのは外してくれるか? さっさとやっちまおうぜ」
そういいますので僕は、グランジさんが一瞬で魔道具を創造して付けた後、みんなの腕輪の魔道具を収納しました。
「ではグランジさん。僕は戻りますけど、どうしますか?」
「今は行っても王様に任せるしかないだろ? 俺はこのままアマンダと孤児院の大改造だ。何度かは奴隷の魔道具をどうするか聞きに行くが、構わねえだろ?」
おお! もう呼び捨てですか! くふふふ。良い感じです。並んでいる姿も夫婦って言われても疑いようの無い自然さですよ。
「はい。アマンダさんもよろしくね」
「ああ、だが次増やす時は孤児院の建物が狭くなるぞ、もっと大きいのにしてくれよ」
「任せて、立派な物を建てちゃいますからね、じゃあ行ってきまーす、転移!」
パッ
王城の庭に戻ってきたのですが。
「おお~、グランジさんが連れてきた人達もいっぱいいますね」
「そうね、どれだけ奴隷にしていたっていうのよ、どうするの? 私達を見付けて騎士が走ってくるわよ?」
「ん~と、僕の言うことはもう聞いてくれないのでしたね、じゃあナガト男爵さんと王様に挨拶だけしに行きましょうか」
「そうじゃな、もうここにおってもやることはないのじゃからのう。ナガトには短い間じゃったが楽しんだ仲じゃ、挨拶はせんとな」
そんな事を話している内に、騎士さんが走りよって来ました。
「お前らは何者だ! ん? いや見覚えのある奴も······」
「騎士さん、この方達もえっと、左側の多い方が良い人で、右の少ない方が悪い人なので、後はよろしくお願いしますね」
「ぬっ!? こ奴らは貴族街にいた者だな? という事は、この者達も宰相の」
「はい。奴隷の魔道具を付けられていた方ですね。今は王様にご主人様が変わっていますから、もう大丈夫ですよ。では失礼しますね、転移!」
パッ
「ただいまです。ナガト男爵さん、あの後はどうなりました?」
「ひゃあ! ラ、ライ殿、驚かせないで下さいよ。あの後ですが、王は謁見場に行きまして、私はこの資料整理ですね。急ぎの物から、少しばかり猶予のあるのに分けて、さらにそこでの順番を分けているところです。ライ殿は送った者達をこちらに?」
くふふ。驚いてますね、テーブルの上に資料を広げて積み直しているナガト男爵さんは、ソファーから飛び上がり驚いていました。と言うか、メイドさんが一人とナガト男爵さんだけなのですね。
「はい。僕の方は庭で騎士さんに引き渡してきましたよ。王様も動き出したなら僕はもう用無しですよね?」
「ま、まあそうですね、この資料を渡して、宰相をやっつけるまでが目的でしたし。あっ、ちなみに宰相は今謁見場で自分の罪を話しているところですよ、私も聞きたかったのに王がこれを······」
あはは······、確かに当事者ですし、できれば自分の目で耳で見聞きしたいですよね~。
「その様子だと、ナガト男爵さんが次の宰相さんかもですね。じゃあ僕は湖の向こうのダンジョンの街に行ってみるつもりなので、ここでお別れですね」
「おお······面倒な宰相なんかやりたくは無いのですが、はは。ライ殿達はダンジョン街ですか、良いですね。私も当主を継ぐ前に少しだけあそこのダンジョンに行きましたが、草原が広がっていましてね、美味しい果物が採れるダンジョンはおすすめですよ、魔物もゴブリンだけでしたから、果物取り放題です」
「ふむふむ。それは良い事を聞きました。僕は果物でジュースを作りますから、果物は大歓迎です!」
「くくく。では、今度できたジュースを飲ませていただきたいですね。私もそのためにもぐったのですから。ではライ殿、しばしの別れですが、テラ殿と、アミー殿、それからムルムル殿もお元気で」
「そうね、あなたライとも仲良くなってるし、面白いからまた遊びに来てあげるわ」
「くくく、そうじゃな。貴族の中では変わり者じゃなナガトは、私もまた何か良い物があれば土産に持って行ってやろう」
『ながとがんばれ、またね』
僕達は再開の約束をして、転移で湖の畔にやって来ました。
「あれ? 人集りができてますね、何かあったのでしょうか?」
王都を出た湖の畔には、沢山の人が集まって湖を見ています。もしかすると、何か珍しい物でもあるのでしょうか?
湖の方へ歩いて行くと、声が聞こえてきました。
「だから水柱がドバババッてまるで水の上を走るように立ち上っていたんだよ」
「俺も見たぞ! あんなの今まで見たこと無いぞ、凄かったよな!」
えっと、それって僕達だよね、ま、まあ内緒にしておきましょう。
皆さん湖の方を向いていましたから、僕は背負子を担ぎ、しゃがんでアミーを乗せ、テラをお姫様抱っこして飛び上がりました。
高く飛び上がった後······もちろん。
「テラ、結界お願いね、行きますよ、ムルムルも落ちないように掴まっててね、そーれっ!」
高く浮かび上がった僕は、一気に降下しながら加速して――っ!
ドバババ······
水面ギリギリをダンジョン街へ向けて······。
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