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第四章
第142話 ムルムル
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「だからそんなに急には人を集められんと言っとるだろうが! 手は尽くすがこの町では人手が少なすぎる。手分けして近隣の町にも手配はする! だから落ち着け!」
(スタンピードでしょうか? ん~、近くにはそんな気配はありませんが、この近くのダンジョンが国境のダンジョンみたいになってるのかな?)
(それは考えられるはね。どうするの、先を急ぎたいところだけどライなら手助けしたいのでしょ?)
テラは仕方ないなぁって顔で僕を見てきました。くふふ。やっぱり分かってくれるのですね。
(うん。それじゃあ声をかけるね)
受け付けカウンターでお話ししてる二人の元に近付いて声をかけました。
「あの、お手伝いしましょうか? 急がないといけないみたいですが、何かあったのなら少しはお役に立てるかと」
「少年、ありがたいが遊びじゃねえんだ、すまねえな」
「うむ。この話は少しでも人手はあった方が良いぞ、少年にも頼めることはある。例えば近隣の町は遠いが村になら何か所か行けない事もない」
「そ、そうだな、すまねえな、事が事だけに大人を集める事しか考えてなかったぜ」
「はい。僕も王都に向かって行く用事がありますから、そっち方面ならまったく問題ありませんよ」
「ふむ、考えている方向とは違うがそれもありか、人数は多く集めたいところだ。よし、依頼料は銀貨一枚だが良いか? 良ければギルドカードを預かろう、早速手続きをすまそう。一刻を争うからな」
急ぎですか、では依頼を請けて早速走りませんとね。イシェには一言だけでも知らせておきたいですが、門番さんがいるでしょうし、言付けておきましょう。
僕はテラの分もギルドカードを出し、おじさんに渡します。
「はい。それとギルドマスターさんにもお手紙をお届けしていますので、ギルドマスターさんはいますか?」
「預かろうギルドマスターは俺······んなっ!? Sランク!」
「うおっ、初めて見たぞ······ってか少年Sランクかよ! もう少年に頼むしかねえ! 頼む! お嬢様と仲間達を見付けて助けてくれ!」
ん? どこかで聞いたような······あっ!
「あの、そのお嬢様ってイシェじゃなくて、アフロディーテ公爵?」
「そうだ! 先日人攫いにあってお嬢様と仲間が連れていかれたんだよ! 早く見付けねえと、奴隷にされて売られちまう!」
「それなら、この町の管理監の所にいるはずですよ。今日ここに来る前に助けましたから」
「え?」
「国境砦に向かう街道で見付けて助けました。アフロディーテ公爵も冒険者の方達も全員無事って何人いました? 攫われたのって、アフロディーテ公爵と男の人二人に女の方が三人なら全員ですけど」
「え? あ、ああ、その人数だが······本当に? 全員無事?」
「はい。ですから早く安心したいなら管理監さんのお家に行くと良いですよ」
「王国の新たなSランクの『スライム使い』なぜもう一つの『風使い』を使わないか分かった、その肩のスライムか。おっと、手紙は俺が見て良いのだな。サーバル男爵、剣聖からの手紙か······」
おお。『スライム使い』って呼ばれてるのですね。ムルムルとはずっと一緒ですから『風使い』も良いですが、僕は『スライム使い』の方が好きです。もちろんテラも好きだよ。
(も、もう! 私も······す、好きよ! ムルムルもね!)
(······うれしい······すき······らい······てら)
(え!?)
(ムルムルが喋った!)
(······すこし······できた)
(神眼! やっぱり! ムルムルにスキルよ! 念話が増えてるわ! 流石私の騎獣よ!)
テラはムルムルを見て、そう言いながらぽよんぽよんとムルムルの上で飛び跳ねています。
(凄いよムルムル! 今日は、お祝いだね♪ 何か良いのあるかな、夜にあのお宝の中から探そう!)
いつの間にか僕も飛び跳ねたみたいで。
「どうした急に飛び跳ねたりして、ってか俺は仲間に知らせて早速管理監の屋敷に向かう! ありがとうな『スライム使い』の少年!」
そう言ってお兄さん冒険者は飛び出していきました。
よし、手紙も渡しましたしこれで行こうかと思いましたが、ギルドマスターにはバラクーダ辺境伯とタシンサ男爵の悪さを教えないといけませんね。
そう思い、手紙を読んでいるギルドマスターに向き直ると、険しい顔になっていました。
「これは本当の事なんだな、教国か、怪しいとは思っていたが国をあげて人攫いか······」
「それとですね。バラクーダ辺境伯とタシンサ男爵ですが――」
ギルドマスターはさらに険しい顔になり、怒り顔に変わっていきました。
「――ですから手紙の事と国境砦のダンジョンの話も近くの村にお知らせして欲しいのです。僕はこのまま帝都に向かいながら街道沿いはお知らせの手紙を配って行きます。ですのでそれ以外をお願いしたいですが」
「くそったれだな、分かった、それも合わせて知らせに回る。街道沿い以外か、この近くを回るには一週間だな、よし早速動くことにする。知らせてくれて助かった、残りの道中は任せた」
「はい。では僕はこれで失礼しますね」
ギルドマスターと分かれ、管理監の屋敷に向かうため、ギルドを出ました。
(スタンピードでしょうか? ん~、近くにはそんな気配はありませんが、この近くのダンジョンが国境のダンジョンみたいになってるのかな?)
(それは考えられるはね。どうするの、先を急ぎたいところだけどライなら手助けしたいのでしょ?)
テラは仕方ないなぁって顔で僕を見てきました。くふふ。やっぱり分かってくれるのですね。
(うん。それじゃあ声をかけるね)
受け付けカウンターでお話ししてる二人の元に近付いて声をかけました。
「あの、お手伝いしましょうか? 急がないといけないみたいですが、何かあったのなら少しはお役に立てるかと」
「少年、ありがたいが遊びじゃねえんだ、すまねえな」
「うむ。この話は少しでも人手はあった方が良いぞ、少年にも頼めることはある。例えば近隣の町は遠いが村になら何か所か行けない事もない」
「そ、そうだな、すまねえな、事が事だけに大人を集める事しか考えてなかったぜ」
「はい。僕も王都に向かって行く用事がありますから、そっち方面ならまったく問題ありませんよ」
「ふむ、考えている方向とは違うがそれもありか、人数は多く集めたいところだ。よし、依頼料は銀貨一枚だが良いか? 良ければギルドカードを預かろう、早速手続きをすまそう。一刻を争うからな」
急ぎですか、では依頼を請けて早速走りませんとね。イシェには一言だけでも知らせておきたいですが、門番さんがいるでしょうし、言付けておきましょう。
僕はテラの分もギルドカードを出し、おじさんに渡します。
「はい。それとギルドマスターさんにもお手紙をお届けしていますので、ギルドマスターさんはいますか?」
「預かろうギルドマスターは俺······んなっ!? Sランク!」
「うおっ、初めて見たぞ······ってか少年Sランクかよ! もう少年に頼むしかねえ! 頼む! お嬢様と仲間達を見付けて助けてくれ!」
ん? どこかで聞いたような······あっ!
「あの、そのお嬢様ってイシェじゃなくて、アフロディーテ公爵?」
「そうだ! 先日人攫いにあってお嬢様と仲間が連れていかれたんだよ! 早く見付けねえと、奴隷にされて売られちまう!」
「それなら、この町の管理監の所にいるはずですよ。今日ここに来る前に助けましたから」
「え?」
「国境砦に向かう街道で見付けて助けました。アフロディーテ公爵も冒険者の方達も全員無事って何人いました? 攫われたのって、アフロディーテ公爵と男の人二人に女の方が三人なら全員ですけど」
「え? あ、ああ、その人数だが······本当に? 全員無事?」
「はい。ですから早く安心したいなら管理監さんのお家に行くと良いですよ」
「王国の新たなSランクの『スライム使い』なぜもう一つの『風使い』を使わないか分かった、その肩のスライムか。おっと、手紙は俺が見て良いのだな。サーバル男爵、剣聖からの手紙か······」
おお。『スライム使い』って呼ばれてるのですね。ムルムルとはずっと一緒ですから『風使い』も良いですが、僕は『スライム使い』の方が好きです。もちろんテラも好きだよ。
(も、もう! 私も······す、好きよ! ムルムルもね!)
(······うれしい······すき······らい······てら)
(え!?)
(ムルムルが喋った!)
(······すこし······できた)
(神眼! やっぱり! ムルムルにスキルよ! 念話が増えてるわ! 流石私の騎獣よ!)
テラはムルムルを見て、そう言いながらぽよんぽよんとムルムルの上で飛び跳ねています。
(凄いよムルムル! 今日は、お祝いだね♪ 何か良いのあるかな、夜にあのお宝の中から探そう!)
いつの間にか僕も飛び跳ねたみたいで。
「どうした急に飛び跳ねたりして、ってか俺は仲間に知らせて早速管理監の屋敷に向かう! ありがとうな『スライム使い』の少年!」
そう言ってお兄さん冒険者は飛び出していきました。
よし、手紙も渡しましたしこれで行こうかと思いましたが、ギルドマスターにはバラクーダ辺境伯とタシンサ男爵の悪さを教えないといけませんね。
そう思い、手紙を読んでいるギルドマスターに向き直ると、険しい顔になっていました。
「これは本当の事なんだな、教国か、怪しいとは思っていたが国をあげて人攫いか······」
「それとですね。バラクーダ辺境伯とタシンサ男爵ですが――」
ギルドマスターはさらに険しい顔になり、怒り顔に変わっていきました。
「――ですから手紙の事と国境砦のダンジョンの話も近くの村にお知らせして欲しいのです。僕はこのまま帝都に向かいながら街道沿いはお知らせの手紙を配って行きます。ですのでそれ以外をお願いしたいですが」
「くそったれだな、分かった、それも合わせて知らせに回る。街道沿い以外か、この近くを回るには一週間だな、よし早速動くことにする。知らせてくれて助かった、残りの道中は任せた」
「はい。では僕はこれで失礼しますね」
ギルドマスターと分かれ、管理監の屋敷に向かうため、ギルドを出ました。
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