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第一章
第9話 捕縛しちゃいます
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「おい、前の馬車が休憩に入るみたいだ、この先に水場があるんだ、止まる合図の鐘を鳴らしたからそこで止まるぞ」
小窓から顔を覗かせ、先ほど手綱を任せた冒険者の方がそんな報せをしてくれます。
おお、なら好都合かな、この後どうやって馬車を一台ずつやっつけるか、一度にはやりようがないからどこかに止まって欲しいと思ってたので良いじゃないですか!
「なら僕はそこに先回りして、待ち構えまえてやっつけちゃいますね、その場所の目印みたいな物はありますか?」
「馬用に、大きな木桶が小川近くに置いてある、街道から見ればすぐ分かるぞ」
小川に木桶ですね、よし。
「はい、これで皆さんのロープは外しました、後、女性冒険者の方が三名この壁の向こうにいますので、頼めますか?」
「ああ、同じパーティーだからな、すまないが、鍵を開け、ナイフを貸して貰えるかな、ロープを切るにも何も持っていないからな」
良く見ると、薄いワンピースの様な服しか着ていなかったので、何もないですよね。
「分かりました、この馬車を運転していた人の物ですが」
「助かる」
先ほど取り上げておいた盗賊のナイフを手渡します。
「これをどうぞ、それとその内扉を開けますね」
女性冒険者がいるであろう扉の鍵を、ここも魔法の鍵なので、ぐるぐるして、“ガチャ” 開けておきましょう。
「鍵は開きましたのでお願いしますね」
「助かる、そっちは気を付けてな」
「はい、全員やっつけちゃいますよ」
僕は外への扉の鍵も開け、外に飛び出し、すぐに街道脇の林の中に入り、木が立ち並ぶ隙間を縫うように、走り抜け馬車を追い抜き休憩場、水場を目指します。
下草があまり無かったので思ったより早く馬車を追い越し、ある程度馬車から離れたところで街道に戻る、すると五分かからず目的の場所に到着しました。
「へぇ~、結構広いですね、夜営も出来る様な広さがありますね」
大きな木桶も十頭の馬が一度に飲めるほどの数が設置され、小川から水車で自動的に水が溜まるように出来ていました。
見渡すと、広場に石で作られた炊き火の消した後を見付けたので、石を集める手間もありませんから火を起こし、お湯を沸かして馬車が到着するまでお茶することにしました、良く考えると、昨晩のごはんを食べた後何も飲んでいませんでしたから、喉が結構渇いていましたからね。
カップのお茶がなくなり、カップを綺麗にして街道の先を見ると、やっと五台の馬車が見えてきました。
僕は焚き火に木を追加して、盗賊ここでやっつけた後、ごはんにしようと決めました。
ティもだけど、冒険者さん達もお腹減っているでしょうし、オークで塩味のステーキにしましょうかね。
そんな事を考えていると馬車がスピードをゆるめて、休憩場に馬車を街道から外して入ってきました。
ニヤニヤしている男達の魔力は、すぐにでもぐるぐる出来る様に準備万端ですよ。
盗賊達は馬車を止め、十二人が僕の方に歩いてきますが、一度捕まえた僕に気付かないなんて、夜だったからよく見えてなかったのかもですね。
どんどん近付いてきている盗賊達は口と鼻を覆う布をマスク代わりかな? マスクをしています。
一番前にいた盗賊が懐から瓶(ペットボトルくらいかな)を取り出しフタを開け僕の方に向けて撒きました。
「風よ渦巻け! そしてかの者を覆い尽くせ!」
うっわ~、これが攻撃魔法の呪文かぁ~、何の魔法使うかまる分かりなのね~うふふふ、さて攻撃されたのですから反撃ですよね!
ぐるぐるですよ!
放たれた魔法をぐるぐるして主導権を奪い、たぶん眠り薬だと思うのですが、眠り薬を風で巻き上げ、十二の盗賊達にお返し!
「なっ! しくじったのか! こっちくんな!」
「なにやってやがる! 早く消せ!」
「やってるが消えねえ! どうなってやがる!」
あははは、行きますよぉ~!
魔力追加で、ぐるぐるだ!
完全に盗賊達を包み込み眠り薬の風をどんどん範囲を狭め、勢いを増していく。
「やべえぞ! くぅ、吸ってしまった! ヤバい寝ちまぅ······」
「俺も吸い込んじまったぁ······」
「ゲホッゲホッ······」
マスクでは防ぎきれず、次々と息を止めてられなくなった者からバタバタと倒れてゆき、十二人が全て眠りについたのを確認。
睡眠薬入りの風を小川の向こうの林に飛ばしておきました。
「一応、魔力もぐるぐるしておこうかな、ほいっと!」
二分ほど盗賊達の魔力ぐるぐるして、持ち物を全部頂きました、そのせいで盗賊達はパンツだけになりましたが、あはは。
「ライ! 大丈夫!」
馬車の影から覗き見ていたティが、頭にムルムルとテラを乗せて駆け寄ってきました。
「大丈夫だよ、後は縛って終わりかな」
「うんうん、流石ライ、良くやったわ!」
ぷるぷる
「あははは、弱かったからね、眠り薬さえ何とかすれば、そこまで強くないよこの盗賊達」
「ライ、縛り上げてしまいなよ、焚き火に木を加えてあるんだからこの後ごはんにするんでしょ」
「え? ご、ごはん! きゃ」
くぅ~きゅるるる
可愛い音が鳴りましたね。
「そうだよ、皆捕まってから何も食べてなさそうだから、オークステーキにするつもりだよ」
「少年! 無事倒せたようだな、助かった、もうこのまま奴隷にされ売られると半分諦めていたからな、ありがとう」
二台目の手綱を握ってくれたお兄さんが残りの八人を連れこちらにやってきました。
「いえいえ、僕も捕まった側で逃げ出すついでですから、そうです、盗賊を縛るの手伝ってくれますか? 縛って馬車に乗せ込んだ後、オークステーキをご馳走しますよ」
「おお! ありがたい、三日ほど何も口にしていないからな、水は生活魔法でなんとかなったがなぁ、拘束するのはもちろん手伝わせてくれ、こいつらの馬車にロープが沢山有ったからな、さっさと縛ってしまおう」
「はい、さっさと馬車に放り込んで、ごはんにしましょう」
「あははは、助かる、おい、俺達が乗っていた馬車をこっちに回してくれるか」
「おう、行ってくる」
お兄さん達のパーティーから一人走って、お兄さん達が乗っていた馬車を取りに行ってくれました。
皆でやるとあっという間に縛り終え、お兄さん達が乗っていた方に全員壁の金具にくくりつける事が出来ました。
あっ、ちゃんとワンピースは着せてあげました、盗賊達の馬車に大量に乗っていましたからね。
「皆! 俺達の荷物があったぞ! 多分全部揃ってる!」
「本当か! 俺の革鎧買ったばっかだから結構心配してたんだよ、あははは」
お兄さん達の荷物も前を走っていた盗賊達の馬車に乗っていたようですね、皆さん冒険者の格好に着替えに行きました。
なら僕はやることといえば一つですよね!
「よし、オークを焼いていこう!」
「いっぱい焼くのよライ、皆腹ペコなんだからね、それにムルムルのゴブリンと魔石ちょうだい」
「そうだね、ムルムル、とっても助かったから、オーク食べちゃう?」
「ライ、良いの? 皆の分足りなくならない?」
テラは焚き火の所に用意した鉄板を見ながら心配そうに僕に聴いてきた。
「あははは、大丈夫、百匹食べても大丈夫だよ、いっぱいあるから、よし、オークリーダーをあげるよ、魔石付きで、ほいっと!」
焚き火で鉄板を熱している隣にオークリーダーと魔石を出してあげる。
ティの頭からテラごと持ち上げ、うほっ、至近距離でティを見ると、うんうん、凄く可愛い♪ っと、今はムルムルのごはんですね、そっとムルムルをオークリーダーの上に乗せてあげました。
みにょ~んとゴブリンを食べた時のように包み込んでしまうとあっという間にオークリーダーはムルムルに取り込まれ、元の大きさに戻って、ぷるぷるご機嫌にふるえています。
「ムルムルさん凄いです、あんなに大きなオークをあっという間に食べちゃいましたよ!」
「普通のスライムなのにね、ムルムル」
「ぬふふ、私の騎獣ですもの! ほらほら、ライは皆のオークを準備しちゃいなさい」
「は~い♪」
オークを一人前ずつの大きさにカットしていると、お兄さん達が戻ってきました。
小窓から顔を覗かせ、先ほど手綱を任せた冒険者の方がそんな報せをしてくれます。
おお、なら好都合かな、この後どうやって馬車を一台ずつやっつけるか、一度にはやりようがないからどこかに止まって欲しいと思ってたので良いじゃないですか!
「なら僕はそこに先回りして、待ち構えまえてやっつけちゃいますね、その場所の目印みたいな物はありますか?」
「馬用に、大きな木桶が小川近くに置いてある、街道から見ればすぐ分かるぞ」
小川に木桶ですね、よし。
「はい、これで皆さんのロープは外しました、後、女性冒険者の方が三名この壁の向こうにいますので、頼めますか?」
「ああ、同じパーティーだからな、すまないが、鍵を開け、ナイフを貸して貰えるかな、ロープを切るにも何も持っていないからな」
良く見ると、薄いワンピースの様な服しか着ていなかったので、何もないですよね。
「分かりました、この馬車を運転していた人の物ですが」
「助かる」
先ほど取り上げておいた盗賊のナイフを手渡します。
「これをどうぞ、それとその内扉を開けますね」
女性冒険者がいるであろう扉の鍵を、ここも魔法の鍵なので、ぐるぐるして、“ガチャ” 開けておきましょう。
「鍵は開きましたのでお願いしますね」
「助かる、そっちは気を付けてな」
「はい、全員やっつけちゃいますよ」
僕は外への扉の鍵も開け、外に飛び出し、すぐに街道脇の林の中に入り、木が立ち並ぶ隙間を縫うように、走り抜け馬車を追い抜き休憩場、水場を目指します。
下草があまり無かったので思ったより早く馬車を追い越し、ある程度馬車から離れたところで街道に戻る、すると五分かからず目的の場所に到着しました。
「へぇ~、結構広いですね、夜営も出来る様な広さがありますね」
大きな木桶も十頭の馬が一度に飲めるほどの数が設置され、小川から水車で自動的に水が溜まるように出来ていました。
見渡すと、広場に石で作られた炊き火の消した後を見付けたので、石を集める手間もありませんから火を起こし、お湯を沸かして馬車が到着するまでお茶することにしました、良く考えると、昨晩のごはんを食べた後何も飲んでいませんでしたから、喉が結構渇いていましたからね。
カップのお茶がなくなり、カップを綺麗にして街道の先を見ると、やっと五台の馬車が見えてきました。
僕は焚き火に木を追加して、盗賊ここでやっつけた後、ごはんにしようと決めました。
ティもだけど、冒険者さん達もお腹減っているでしょうし、オークで塩味のステーキにしましょうかね。
そんな事を考えていると馬車がスピードをゆるめて、休憩場に馬車を街道から外して入ってきました。
ニヤニヤしている男達の魔力は、すぐにでもぐるぐる出来る様に準備万端ですよ。
盗賊達は馬車を止め、十二人が僕の方に歩いてきますが、一度捕まえた僕に気付かないなんて、夜だったからよく見えてなかったのかもですね。
どんどん近付いてきている盗賊達は口と鼻を覆う布をマスク代わりかな? マスクをしています。
一番前にいた盗賊が懐から瓶(ペットボトルくらいかな)を取り出しフタを開け僕の方に向けて撒きました。
「風よ渦巻け! そしてかの者を覆い尽くせ!」
うっわ~、これが攻撃魔法の呪文かぁ~、何の魔法使うかまる分かりなのね~うふふふ、さて攻撃されたのですから反撃ですよね!
ぐるぐるですよ!
放たれた魔法をぐるぐるして主導権を奪い、たぶん眠り薬だと思うのですが、眠り薬を風で巻き上げ、十二の盗賊達にお返し!
「なっ! しくじったのか! こっちくんな!」
「なにやってやがる! 早く消せ!」
「やってるが消えねえ! どうなってやがる!」
あははは、行きますよぉ~!
魔力追加で、ぐるぐるだ!
完全に盗賊達を包み込み眠り薬の風をどんどん範囲を狭め、勢いを増していく。
「やべえぞ! くぅ、吸ってしまった! ヤバい寝ちまぅ······」
「俺も吸い込んじまったぁ······」
「ゲホッゲホッ······」
マスクでは防ぎきれず、次々と息を止めてられなくなった者からバタバタと倒れてゆき、十二人が全て眠りについたのを確認。
睡眠薬入りの風を小川の向こうの林に飛ばしておきました。
「一応、魔力もぐるぐるしておこうかな、ほいっと!」
二分ほど盗賊達の魔力ぐるぐるして、持ち物を全部頂きました、そのせいで盗賊達はパンツだけになりましたが、あはは。
「ライ! 大丈夫!」
馬車の影から覗き見ていたティが、頭にムルムルとテラを乗せて駆け寄ってきました。
「大丈夫だよ、後は縛って終わりかな」
「うんうん、流石ライ、良くやったわ!」
ぷるぷる
「あははは、弱かったからね、眠り薬さえ何とかすれば、そこまで強くないよこの盗賊達」
「ライ、縛り上げてしまいなよ、焚き火に木を加えてあるんだからこの後ごはんにするんでしょ」
「え? ご、ごはん! きゃ」
くぅ~きゅるるる
可愛い音が鳴りましたね。
「そうだよ、皆捕まってから何も食べてなさそうだから、オークステーキにするつもりだよ」
「少年! 無事倒せたようだな、助かった、もうこのまま奴隷にされ売られると半分諦めていたからな、ありがとう」
二台目の手綱を握ってくれたお兄さんが残りの八人を連れこちらにやってきました。
「いえいえ、僕も捕まった側で逃げ出すついでですから、そうです、盗賊を縛るの手伝ってくれますか? 縛って馬車に乗せ込んだ後、オークステーキをご馳走しますよ」
「おお! ありがたい、三日ほど何も口にしていないからな、水は生活魔法でなんとかなったがなぁ、拘束するのはもちろん手伝わせてくれ、こいつらの馬車にロープが沢山有ったからな、さっさと縛ってしまおう」
「はい、さっさと馬車に放り込んで、ごはんにしましょう」
「あははは、助かる、おい、俺達が乗っていた馬車をこっちに回してくれるか」
「おう、行ってくる」
お兄さん達のパーティーから一人走って、お兄さん達が乗っていた馬車を取りに行ってくれました。
皆でやるとあっという間に縛り終え、お兄さん達が乗っていた方に全員壁の金具にくくりつける事が出来ました。
あっ、ちゃんとワンピースは着せてあげました、盗賊達の馬車に大量に乗っていましたからね。
「皆! 俺達の荷物があったぞ! 多分全部揃ってる!」
「本当か! 俺の革鎧買ったばっかだから結構心配してたんだよ、あははは」
お兄さん達の荷物も前を走っていた盗賊達の馬車に乗っていたようですね、皆さん冒険者の格好に着替えに行きました。
なら僕はやることといえば一つですよね!
「よし、オークを焼いていこう!」
「いっぱい焼くのよライ、皆腹ペコなんだからね、それにムルムルのゴブリンと魔石ちょうだい」
「そうだね、ムルムル、とっても助かったから、オーク食べちゃう?」
「ライ、良いの? 皆の分足りなくならない?」
テラは焚き火の所に用意した鉄板を見ながら心配そうに僕に聴いてきた。
「あははは、大丈夫、百匹食べても大丈夫だよ、いっぱいあるから、よし、オークリーダーをあげるよ、魔石付きで、ほいっと!」
焚き火で鉄板を熱している隣にオークリーダーと魔石を出してあげる。
ティの頭からテラごと持ち上げ、うほっ、至近距離でティを見ると、うんうん、凄く可愛い♪ っと、今はムルムルのごはんですね、そっとムルムルをオークリーダーの上に乗せてあげました。
みにょ~んとゴブリンを食べた時のように包み込んでしまうとあっという間にオークリーダーはムルムルに取り込まれ、元の大きさに戻って、ぷるぷるご機嫌にふるえています。
「ムルムルさん凄いです、あんなに大きなオークをあっという間に食べちゃいましたよ!」
「普通のスライムなのにね、ムルムル」
「ぬふふ、私の騎獣ですもの! ほらほら、ライは皆のオークを準備しちゃいなさい」
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