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第1章

第24話 金谷の目的は? ②

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 馬車に乗り、お城の前に到着するまで特に喋ることもなく到着し、馬車を降りた。

 何も警戒もせず、城壁の門へ向かい跳ね橋を渡る。
 跳ね橋を渡りきったところにいた門番に止められることもなく、チラリと見られただけで数メートルはある城壁に空いたトンネルのような門をくぐった。

「チッ、走らされてんな。やっぱりこの外れねえ腕輪のせいか」

「うん。金谷君が腕輪の内側を傷付けてから渡してくれた俺達は大丈夫だけど、みんなは素直になりすぎてるよ」

「こんなもんヤバいって思うの当たり前だろ? お前ら異世界に召喚される小説とか読んだことねえのか?」

 は? じゃあ金谷達は――鑑定!

 ――――――――――――――――――――

 奴隷の腕輪 精神耐性(中)、アイテムボックス(小 破損)付き、取り外し不可
 ※奴隷主 ――(破損)

 ――――――――――――――――――――

 マジかよ! 金谷のはアイテムボックスと奴隷の所が破損になってる。
 取り巻き二人のは、奴隷のだけだが壊れてるじゃん……。

 話を聞いた感じだと、金谷は俺や茜ちゃんと同じラノベ好きで、腕輪の怪しさに気付きとっさに傷付けて奴隷を逃れたってことか。

「あー、言われたらそれもそうだなって思うくらい? それよりどうする? 自分達の腕輪も外せないし、傷付けるにしても、隙間に指も通らないし……」

「絶対に外せる奴がいるはずだ。それか外せる道具だな、とりあえず、アイツらは素直なまま今の内に鍛えてもらっておけば良いだろ」

 金谷はプルプル震えるほど怒りを表している。

「クソ、何が隣の国から復活した魔王が攻めてくるだ、嘘くせえんだよ。元の世界に帰れねえならとことん利用してやる!」

「う、うん。でもそのために俺達は召喚されたんだろ? それ以外って……なんだ? で、今日も王様を探すのか? あの日以来見てないけど」

 いや、金谷の言う魔王は今頃茜ちゃんと薬草採取に行ってるから……人違い、魔王違いだな。
 魔王が何人もいるとして、そんな攻めてくるような気配は街には無かったぞ……だから金谷もおかしいと思っているのか。

「そうだな、俺達が暴れた後、いなくなってそれっきりだ。あれだけ兵士どもを脅しても外さねえんだぞ、だったら王様の奴が外したりできるはずなんだ。よし行くぞ! 邪魔する奴はぶっ飛ばしてな!」

 ん~、金谷の奴、俺以外のクラスメイトは助けようとしてるのか?
 良く分からないが、とりあえず今から城に入るみたいだ、奴隷の腕輪を外せるなら協力しないとな。
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