年下上司の愛が重すぎる!

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27話

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「おま......なに言って.....」

何を言われたのかすぐには理解できず、なんとかそれだけ絞り出す。

「だって辛そうじゃないですか。出した方が少しは楽になりません?」

「っ....だからって、手伝うのは..おかしいだろ....!」

言い争っていると、救急車が到着したようだ。他の捜査員や鑑識も到着し、本当は事情聴取を受けないといけないのだが、体調の悪そうな俺を見て明日でいいということになった。

「姫崎さん、抱えますね」

「は....?んっ....!」

ふらふらと立ち上がった俺を、佐原は難なく横抱きした。

「おいっ、下ろせ....!」

「でも姫崎さん全然力入ってないじゃないですか。危ないんで大人しくしててください」

「っ....」

それには反論できなかった。確かに、俺に合わせていたらそれだけで一日が過ぎてしまうかもしれない。
しかも、なぜか佐原たちが来てくれてから余計力が入らなくなったのだ。
でもだからってこの格好はないだろ...!

周りの捜査員たちにもジロジロ見られ、口笛を吹いてくる者までいた。


「なんでお前ん家なんだよ...!」

佐原が向かっていたのは俺の家ではなく佐原のマンションだった。
無事事件も解決したのだから、同居も終わりだろう。

「こんな状態の姫崎さん一人にしておけるわけないじゃないですか。襲われても抵抗できないでしょう」

正論ではあるが、別に抵抗できないわけじゃ...、と少し強がる。弱いと思われるのはしゃくだ。

「.......それじゃあ、試してみますか?」

「試す.....?」

何を、と聞く前にベッドへ乱暴に下された。
別に痛くはないがなんでそんな怒ってんだ。っていうかこっちは佐原の部屋じゃないか?

不思議に思って見上げると、やはり怒った表情で佐原もベッドへと上がってきた。
妙な圧に、自然と喉が鳴る。蛇に睨まれた蛙のような構図になってしまっている事が腹立たしい。
俺は蛙なんかじゃないからな。

「お願いですから、もっと警戒心を持ってください」

「...な..にっ!?ぁ、バカ、さわ、るなっ...!んぅっ!」

「抵抗できるんでしょう?」

「っ!」

試すってそういう事かよっ!
留めてくれたボタンも再び外され、剥き出しにされた肌を隠そうとした腕をとられてベッドへと縫い付けられる。片手で押さえられているだけなのに、力の入らない身体ではびくともしない。

「もしかして、それで抵抗してるつもりですか?」

「っるさい...!ひぁっ!あ、やめ...!んん...!」

首筋を舌が這い、首を竦めて逃げるも、もう片方の手で顎を持ち上げられ、今度は喉仏をなぞるように這う。

.......待て、

「姫崎さんがいなくなった時、俺がどれだけ心配したかわかってますか?」

「んっ....、そ、れは...、ほんとに..んんっ、わる、かった...っ!」

首筋に唇を寄せたまま話を続けられ、くすぐったさに身をよじると、喉仏に吸い付いた。

.......待て、待て、

「本当に悪いと思ってます?こんな薬まで盛られて...。御堂先生にもこんなエロい声聞かせたんですか?」

「んぁっ!あっ?ぁ..や、そこ、やだっ...!あ、ぅっ!」

唇が下へと下りていき、硬く尖った先端に触れる。それと同時に身体が驚くほど跳ねた。

....なんで、...おかしいだろ。
先程から感じていたが、明らかな違いに戸惑いを隠せない。
だってそうだろ。御堂先生と同じようなことをされているのに、

なんで、なんで気持ち悪くないんだ——

「姫崎さん、乳首好きですもんね。御堂先生にも触られたんですか?」

「あっ、やだって、んんっ!は...、ぁあっ!」

先端を口に含まれ、まるで飴玉を舐めるようにころころと転がされる。
脳にまで届くような甘い刺激にたまらず懇願するが、やめるどころか口に含んだ先端を強く吸われた。

なんで。おかしいだろ。なんでこんなに気持ちいいんだ。
味わったことのない快感に、自分が自分でなくなるようで怖い。

「嫌がっているようには見えませんけどね...。もうトラウマは克服したんですか?」

「んんっ...、わかんなっ...んぁっ!」

「わからない?でもこんなに顔とろとろになってますよ?それとも媚薬の所為ですか?」

「ひっ、ぁ..も、やめ...あっ」

矢継ぎ早に質問をされても、ほとんど答えられない。しかも何に怒っているのかもさっぱりだ。なんで怒られなきゃならないんだ、という思いは快楽によって流されていく。

「.....御堂先生にも、こんな顔見せたんですか...?」

「........?」

怒っていたかと思えば、急にしゅんとした顔になる。
というか、こんな顔と言われても俺は今どんな顔をしてるのかさっぱりなのだが。
とりあえず刺激がやんだことにほっとする。
だが、散々弄られた身体はかなりの熱を持ち、中心は刺激がやんだ今でも自分で扱きたくなるほど昂っていた。

「こんな可愛い顔、他の人にも見せたかと思うとさすがに複雑です....。...やっぱり、触る練習なんてしなきゃよかった」

「ん....、な、に....?」

頬を撫でられただけでじんわりと熱が生まれる。頭がぼーっとして、何を言われているのかよくわからなかった。

「誰でも気持ちよくなるくらいなら、姫崎さんには申し訳ないですけど、克服できない方がよかったです」

なんだって...?誰でも気持ちよくなる...?
半分くらい理解できなかったが、そこは違うぞ。なんでかわからないが、御堂先生に触られた時は嫌悪感も確かにあった。
むしろなんでお前には感じないのか教えてほしいくらいだ。

「みど、せんせいは...、はぁ....っ、こんなに...きもちよく、なかった....」

「....え?それって...どういう意味ですか...?」

「はっ....ん、その、まま...。おまえ、だと...、きもち..わるく、はぁ....ない....。な、んで....?」

途切れ途切れにそう言うと、佐原は目を見開き、俺の両肩を強く掴んだ。それすらも快感に変わってしまい、「んぅっ」と声が漏れてしまう。

「なんでって...!俺が聞きたいんですけど...!」

あまりにも必死な様子に少したじろくが、俺にだってよくわからないんだから仕方ないだろう。
考えようにも、今は頭の中が他のもので占領されているのでそれどころではない。とにかく、射精したい。だから、とりあえずどこかに行ってくれないだろうか。

ここが佐原の部屋だという事はわかっているが、もう歩ける気がしない。
だが、佐原は俺の両肩を掴んだまま、真剣な面持ちで口を開いた。

「俺のことが、好きってことですか....?」



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