年下上司の愛が重すぎる!

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25話

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「はっ、ぁっ!...み、ど...せんせっ....!」

迫り上がってくるものを噛み殺し、なんとか声を絞り出す。
このまま好き勝手やられてたまるか。

「へぇ、まだ喋る余裕があるんですね。なんですか?」

「ぅあっ!やっ...!くっ.....、っは、ゆう、れいを...んんっ、まとめて、たのはっ...ひっ!はっ....、せ、んせ...?」

その間も手が止まることはなく、むしろいつまでもつか試すかのように、指先が胸の先端を掠める。
すると、ただ掠めただけなのに、身体は大袈裟なくらい跳ね、口から漏れる高い声を止めることができない。

色んな感情がごちゃ混ぜになって吐きそうだ。
それでも、正気を保つために必死で言葉を紡いだ。

「幽霊を...?....ああ、まとめていた、というよりもけしかけてた、と言った方が近いですかね?」

「んっ、ふ....、な..で、そんな、んんっ...は..」

「そんなの、あなたとの接点が欲しかったからに決まってるでしょう」

「は......?」

接点?

「私とあなたには、病院しか接点がないでしょう?でも姫崎さん、全然怪我しないし。複数でなら姫崎さんも少しは怪我するかなと思ったんですけど...、駄目ですね。姫崎さんに目をつける奴は姫崎さんとセックスしたい奴らばかりで」

「そっ...な、ことのっ....んっ、はぁ...た、めに....?」

「..........お喋りはここまでにしましょうか。あらがってる姿もそそりますけど、そろそろ快楽でトロけた表情も見せてください」

一瞬、冷たい眼で睨まれたかと思えば、すぐににっこりと微笑んだ。だが、心なしが苛立っているようにも見える。

「こ、なことっ...、もう、やめま...ぁあっ!あっ、やっ...!んんっ....!」

再度説得を試みるが、胸の突起を口に含まれ、それどころではなくなってしまった。ぬるりとした感触に、肌が粟立つ。
佐原にされた時とは雲泥の差だ。あの時は服越しで、今は変な薬を盛られている所為だろうか。今はただただ気持ちが悪い。

なんとか逃れられないかと、力の入らない手で頭を押し返していた時、御堂先生の背後からずっと静観していた男がベッドへ上がってきた。
三人分の体重をかけられたベッドが、ぎしり、と軋む。

「.....邪魔しないでくれる?」

『....俺、もう我慢できないです....』

なんだ....?仲間割れか....?
刺激が止んだことで、多少周りが見れるようになった。まだ頭はぼーっとして、熱は引いてくれないが触られていた時より遥かにマシだ。

「はあ!?約束と違うだろ!」

『でも...、俺のここ、もうこんなで....』

焦ったような手つきでベルトを外してとりだしたモノは、赤黒く腫れ、ドクドクと脈打っている。
それが目に入った瞬間、背筋に悪寒が走った。

「知るか!自分でシコってろ!」

それに関しては激しく同意である。しまえ。見せんな。
っていうかなんなんだ、この状況は。

『邪魔はしません...。触らせてくれるだけでいいんで....』

「ここにいられるだけで邪魔だ!そもそも触らせるつもりなんてねえよ!」

目の前で繰り広げられるバトルに、御堂先生、本当はこんな喋り方するんだな、初めからこんな感じだったら仲良くできた気がするのに、と場違いな感想を抱く。

『そんな!それこそ約束と違うじゃないですか!』

「好きでもない奴とヤれるわけないだろ!」

それはそっくりそのままお返ししたい。自分がやっている事と、やられそうになっている事のなにが違うというんだ。それに気づいていないのが恐ろしい。

だいぶ呼吸は落ち着いたが、手を握ったり開いたりしてもまだ力はあまり入らなかった。

『.....じゃあ、遠慮はいりませんよね』

「は?」

まずいな。そもそも幽霊と取引なんぞするもんじゃない。今回は比較的真面目な幽霊だったようだが、幽霊は平気で嘘をつく。
........いや、それは人間も同じか。
現に御堂先生も嘘をついて幽霊を利用しようとしていたわけだし。
できれば関係のない俺は帰してもらいたいんだが。

「ちょ、やめろ!押し付けんな!」

『傷つけたくないんであまり暴れないでください』

俺の事は眼中にないのか、見向きもしない。正直、自業自得な部分もあるので放っておきたいところだが、そうもいかないだろう。

「御堂、先生......、はぁ....っ、俺の、式札は...どこです....?」

捨てている可能性もあったが、そんなことはしないだろう、という妙な確信があった。
途端に器用に男の手を避けていた御堂先生の顔が、苦虫を噛み潰したような顔になる。

どうやら理解してくれたらしい。
この状況から逃れるためには俺の助けが必要なこと。どちらにしろ、逮捕されるしか道は残されていないこと。

俺に逮捕されるか、その男にヤられてから俺に逮捕されるか、二つに一つだ。

「.....テレビ横のキャビネット。鍵は鞄の中に」

やはり、捨てていなかったようだ。
探すのに時間がかかりそうだが、なんとか耐えてもらうしかない。

だが、力の入らない身体を起こし、ベッドから下りようとした時、後ろ襟を掴まれ、ぐん、と後ろに引っ張られたと思ったら壁に叩きつけられていた。

「がっ....!」

背中を強く打ちつけ、一瞬息が止まる。
痛いのに、叩きつけられた刺激によって快感まで生まれてしまう。迷惑なことだ。いつになったら抜けるのか。

視界が揺れ、すぐには立ち上がれそうにない。
必死に酸素を取り入れようと肺を動かしていると、耳に怒鳴り声が飛び込んできた。

「ってめぇ!姫崎さんになにやってんだよ!」

『わっ、で、でもなんか余計なこと...』

「うるせえ!歯ぁくいしばれ!」

視界が歪んでいるので詳細はわからないが、多分御堂先生が殴りかかろうとしているんだろう。
俺がぶん投げられて怒っているんだとしたら、なぜ怪我をさせて病院に来させようとするのはオッケーなんだろうか。目の前じゃなきゃいいのか?

もしかしたら俺が動きやすいようにわざと騒いでくれたのかもしれない、と思い直し、視力が回復するのをまってから、こっそりとその場から抜け出した。

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