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七章:意識

サイト効果からのイケメン効果?

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瑠偉くんが出勤してからも刈谷さんの態度は変わらず、お店の隅っこでダルそうに立ってるだけで過ごしていた。


(それはそれでクレームが来そう…。)


結局彰が出勤してからストック整理をお願いして店頭メンバーから外した。


「相原さん、打海くん。遅くなってしまったけど、今週のスタッフコーデの指定品番です。」


リストを渡しながら「急いで撮影をしないといけない」と言われた。


夕方頃に撮影したいからそれまでにコーデを考えてほしいということだ。



「二人のスナップが今回もかなり好評でビュアー数もダントツらしい。

本社からも期待が大きいから、今回も頑張ろう!」


「はい!」


本社から期待されてるなんて!瑠偉くんと顔を合わせて喜んだ。


「あと、相原さんは休憩上がりに一回ミーティングの時間を取ろう。

刈谷さんのことを共有しなければいけないから。」


「かしこまりました。」


それから休憩に入ってリスト睨めっこする。


急かされると逆に悩んでしまう。


足を隠すスタイルが多かったから、ミニスカートにしようかな?


可愛いプリントのTシャツなら瑠偉くんと被らないだろう。


大人っぽいスタイルも続いていたから、雰囲気変えて思いっきりカジュアルにするのもありだと思うんだけどなあ。


悩んでいたら神様の宿題をする時間がなくなってしまった!


帰りの電車で書こう…と思いながらお店に戻る。


「あれ?刈谷さんは?」


私と入れ違いで休憩に入るはずなのに、いない…?


それを聞いた彰がはあ…とため息をついて


「また早退したよ。」


「え!?」


その理由が「ストック整理が終わったから」だと言うから更に驚いた。


そんな勝手、ある!?


本当なら私と彰がミーティングしている間は店頭に立っていてもらう予定だったけど、帰ってしまったので瑠偉くんが一人になってしまう。


仕方ないからレジカウンターでミーティングをすることになった。


「本社の人から直接、刈谷さんに電話をして話し合ってくれたんだけど。

退職の一点張りだったらしいんだ。」


異動の話も持ちかけてみたけど断ったとか。


「それで一応辞表を出してから2ヶ月後に正式退職になるから、それまではこのまま勤務してもらうことになったんだけど…。」


はあ…とまたため息をついて


「まあ、こういう態度だよ。昨日は欠勤。

それで今後も欠勤とかの可能性があるから、とりあえず刈谷さんの出勤日に他店からヘルプを入れようという話になっている。」


でも今日みたいに4人入れる日はヘルプはなしということだ。


「今、店長と本社で話し合ってシフトの調整をしてくれている。」


ちょっと大変な2ヶ月間になるかもしれないけど、みんなで協力して頑張ろうと言ってミーティング終わった。


私たちが店頭に出て、瑠偉くんが休憩に入る。


その直後、またサイトを見たという方が来店してくれた。


「あのニットスカート、まだありますか?」


多分同世代の女の子…でも私より大人っぽい雰囲気だ。


ニットスカート、似合いそう!


色違いを案内して、でもサイトを見て欲しいと思ったから…ということで同じ色を購入してくれた。


「相原さんのコーデ、どれも可愛かったです!これからもチェックしますね。」


と言いながらチラチラと近くにいた彰を見る。


お見送りの時にお客様がコソッと話しかけてきた。


「あの打海くんってスタッフさんもカッコいいと思ってたんですけど、今いた方もすごくカッコいいですよね!」


イケメンに囲まれて働けるなんて羨ましい!と。


「今日は打海くんいなくて残念だったけど、あの方に会えてラッキーでした。また遊びに来ますね。」


と言って帰られた。


うーん、サイト効果からのイケメン効果でリピーターさんが増えるかもしれないな…。
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