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二章:神様?

迷子

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ランチを終えてカフェを出たところで、やっと何も予定がなかったことを思い出した。


「さて、どうしようかな。」


食べながら考えようと思っていたのに、居心地の良い雰囲気と美味しい食事に癒されてぼんやり過ごしてしまい、何も考えてない。


1時間も居すわってしまった私にオーナー(らしき人)は、迷惑そうな顔を一切せず最後まで穏やかな笑顔で接してくれた。


素敵なカフェを教えてもらえて感謝しなきゃ。今度一緒に来て奢ってあげようかな。



「散策でもするか!」


せっかく初めての場所に来たんだ。すぐ離れてしまうのは勿体ない。


そう思って駅とは逆の方向にゆっくり歩き出した。


初めての場所は見るもの全て新鮮で楽しい。


結構カフェが多いんだな。
多分あの子は既にいくつか行ってるはずだから、またオススメを聞いてみよう。


更に少し進んだ先に小さな雑貨屋さんを見つけたので入ってみる。


どうやらハンドメイド作家さんの作品をメインに扱っているショップらしい。

レジの近くの棚にはオーガニック食品のコーナーもあった。


気になるハーブティーを見つけたものの、とりあえず物色のみでお店を出て再び散策し始める。



歩きながらふと空を見上げて職場を思い出す。


今日は彰、瑠偉くん、刈谷さんの3人でシフトに入っている。

店長は今日明日2連休だから、共有されるのは土曜日かな?

それとも先にLINEで簡単には知らされているかな?

店長のことだから速やかに伝えている気がする…今日、彰から瑠偉くんに共有されてる可能性が高いか?

だって今日クレームが来るかもしれないもんね?


「………。」



来ませんように…!!!


なんにせよ彰の性格を考えると、刈谷さんとの話し合いより瑠偉くんへの指導を優先してそうだ。


瑠偉くんも覚える仕事が増えて大変そうだし、仮に刈谷さんから愚痴を漏らされても聞く余裕はないだろう。




「……あれ???」



考え事をしながら歩いていたら、どこまで歩いてきたのかわからなくなってしまった!


なんとなく左に曲がったり右に曲がったりしたような気もするし…長く真っ直ぐ歩いた気もする…。


やばい!私は今、どこにいるの?!



思わずキョロキョロ周りを見渡す。


けど、いつの間にか住宅街に入ってしまったみたいで目印になるようなものが見当たらない。


更に平日の午後。人通りが少ない!

道を聞きたいけど…男性に聞くのはちょっと怖いし…かと言って人を選べるほどの人出もないし…


なんて考えながらウロウロしていると鳥居が目に留まった。


住宅街の中に神社があるんだ?


「野間…神社…」

“のま”でいいのかな?


なんとなく境内を覗き込んで見渡してみる。


あまり広くはなく人気もない。でも掃除はされてるみたいで綺麗だった。

管理している人はいるんだろう。


それにしても大きな木のおかげで(“ごしんぼく”って言うんだっけ?)境内に大きな日陰ができてて涼しそう!


晴天の中を歩き回った上に(恥ずかしながら)迷子になって焦ったせいもあって、ちょっと疲れたし喉も乾いた。


ちょうど日陰になったところにベンチがあったので、休憩にしよう!



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