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2話 不安

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 数日が経って、とりあえずわかったことがある。 まず、俺は赤ん坊なっているという事だ。
 まぁ意味が分からないよな、そりゃあそうだ、だって当事者の俺が理解できていないのだからな。
 だから考察を立てる事にした。
 一つ目に説は、輪廻転生をしたという説。 赤ちゃんが前世の記憶を持っているというのはかなり珍しいが、ないこともない。 実際に過去に殺された人間の未解決事件を子供の記憶を頼りに解決したという事例はいくつかあったはずだ。 だから一応有力な説だろう。
 二つ目の説は、今は仮死状態にあって、夢を見ている説だが、これはちょっと無理があるだろう、理由としては夢にしては長すぎるし、ずっと同じ夢ってのもなにか違和感がある。 よってこの説は無視してもよいだろう。
 三つ目の説は、最近よくある異世界転生だが、これもないだろう。 もし死んで異世界に行くのなら臨死体験の一つに異世界に行く幻覚を見た。 くらいの事が書かれていた方が自然だろう…… まぁ最近は異世界というのがかなりの人間に浸透しているために、異世界という物が実体化したという可能性を考えれば、まぁ無くはないと言うのが難しい所だが、とりあえずはこの説を無視していこう

 次にここが日本ではないという事だ。 理由としては、親であろう人の言葉が全くわからない事が証明になるだろう  

 つまり俺は、他国に輪廻転生したとして、この先何をすれば良いのか、願わくば変な風習のない所がいいなぁ…… 成人の日に噛まれたらものすごい痛い蟻がたくさん入った壺に手を入れたりとか、そういうのは嫌だなぁ

 良し…… 少し落ち着いた。 落ち着くと共に数々の言葉にできないほどの不安が襲ってくる。 あいつは助かっただろうか? これからどうすればいいのか? この場所の言葉は覚えられるだろうか? そんな不安が一つずつ、ずしりずしりと、心にのしかかってくる。
 そして怖い。 結局なぜ赤ん坊になったのかも、これからどうなるのかも、なにもわからない。 なにも、わからない
 はぁ…… どうしてこうなったのだろうか、あの時たった一言「行くのはやめよう」と言ってれば、すぐに避ける事が出来たら、救急車の番号を忘れなければ、鋭利な自責の刃が重い心に突き刺さる。

「バブバブゥ(もう寝よう)」

 その不安と恐怖と自責から逃げるように眠りについた。
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