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双子ギツネの大冒険
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キツネの夫婦の間に
生まれた双子の子
一時たりとも
じっとしてません
家の外へ飛び出し
遊びまわっています
ある日
父親に連れられ
やって来た森の外れ
「いいかい
ここから先は絶対
入っちゃいけないよ!」
川のむこうは深い森
大人のキツネでも
とても危険だ
「うん わかった」
「ぼくたち
絶対いかないよ」
川のむこうは
オオカミ谷
深くて 暗い場所
父親と双子たち
そこから離れて
家へと帰っていく
その様子を
じっと見つめる
グリーンの瞳
木々の色と同じ
オオカミの瞳
愛しそうに
親子を見ています
そう 彼は
父親ギツネを育てた
ひとりぼっちの
オオカミ
立派になったキツネを
優しく見守っています
数日後
小鳥たちと遊ぶ
やんちゃな双子
いつのまにか
森の外れへ…
「入っちゃいけないよ」
父親の言葉を
思いだす
でも…
弟ギツネ
「ねぇ
あっちに
行ってみよう」
兄ギツネ
「ダメだよ!
父さんに怒られるよ」
それでもあきらめない
弟ギツネ
「大丈夫だよ
だまっていれば
わからないよ」
双子たちは
川のむこうへ…
ひたすら前へと
どんどん進んで行く
鬱蒼(うっそう)と
繁った木々
太陽も当たらない
うす暗い森の道
「ねぇ
もう帰ろうよ」
「うん
そうだね」
だんだん
怖くなってきた
引き返そうと
来た道を戻ります
でも…
いつまでたっても
川にはでてきません
「うわ~ん」
泣き出してしまった
泣き声だけが
深い森に
吸い込まれる
「うちの子供たち
見なかった?」
キツネの家では
双子たちを
親ギツネが
探していました
森のみんなに
聞いても
見つからない
「どこに行ったんだ?」
必死で探す両親
「ひょっとして…」
慌てて走りだす
父親ギツネ
彼が来たのは
森の外れ
川のむこうに
向かって
小さな足跡
「あいつら…!」
オオカミ谷へ
入って行く
父親ギツネ
「久しぶりだな」
森の中を
奥へと
進んで行く
迷子になった
双子のキツネ
泣き疲れて
動けません
ガサガサガサ
木々がざわめく
「こわいよ~!」
「とうさーん
かあさーん」
泣いてる子ギツネ
数頭のオオカミが
やって来る
「こりゃ また
ご馳走だな」
「おまけに
二匹だしな!」
双子の周りを
ウロウロする
オオカミたち
怖くて
動けない
双子のキツネ
そのとき
「子供たちに
触るな!」
オオカミに
飛びかかる
父親ギツネ
「またご馳走が
やってきたぜ!」
「今日はついてるな」
にらみ合う
キツネとオオカミ
「バカか おまえ!
俺たちに勝てると
思ってるのか?」
それでも
一歩も引かない
父親ギツネ
「こいつは
俺にまかせて
おまえたちは
そっちのガキを
やっちっまえ!」
他のオオカミたちが
双子のキツネに
襲いかかる
「ウワ~」
「なんだ!?」
襲いかかる
オオカミ
そこに割り込む
一頭のオオカミ
「おまえは…!」
シルバーのたて髪
グリーンの瞳
「あなたは…」
彼を見る
父親ギツネ
「ここは
俺にまかせて
おまえは
チビたちを
連れて
ここから
出ていくんだ!」
「でも…」
「前にも
言っただろ!
ここは
オオカミ谷
おまえなんかが
いる所じゃない!」
数頭のオオカミと
にらみ合う
緑の瞳が光ってる
子供たちに
近づく
父親ギツネ
「いいか!
父さんの後ろに
ついて来い!
おもいっきり
走るんだ
せーのー!」
父親ギツネの
かけ声で走る
双子たち
必死でついていく
やがて
川面が見えてきた
「もう少しだからな!」
川を越えて
森の外れに
帰ってきた
「とうさん
もう動けないよ~」
その場に
へたり込む
双子
「おまえら!
言っただろ!
川のむこうは
ダメだって!」
「だってさ~」
バツの悪そうな
様子の双子
「家に帰ろう
かあさんが心配
してるから」
家に帰ってきた
双子のキツネ
かあさんギツネの
顔を見る
「ワ~ン」
「ばかね
でも よかった」
家に入る
キツネの家族
「彼は
どうしたかな…」
久しぶりに会った
ひとりぼっちの
オオカミ
少し痩せていた
でも
元気そうだった
遠くを見つめる
父親ギツネ
その様子を見て
不思議がる
双子のキツネ
「ねぇ かあさん
とうさん
どうかしたの?」
「とうさんはね
嬉しいのよ」
「嬉しい?」
双子を見つめる
母親ギツネ
遠い昔に
思いを馳せる
父親ギツネ
そんな彼の心を
思いやる彼女
そう
彼に会えて嬉しいの
とうさんにとって
彼は大切な人
いつか
とうさんから
話してもらえるわ
とうさんが
彼と過ごした
素晴らしい時間
オオカミ谷は
とうさんの故郷
生まれた双子の子
一時たりとも
じっとしてません
家の外へ飛び出し
遊びまわっています
ある日
父親に連れられ
やって来た森の外れ
「いいかい
ここから先は絶対
入っちゃいけないよ!」
川のむこうは深い森
大人のキツネでも
とても危険だ
「うん わかった」
「ぼくたち
絶対いかないよ」
川のむこうは
オオカミ谷
深くて 暗い場所
父親と双子たち
そこから離れて
家へと帰っていく
その様子を
じっと見つめる
グリーンの瞳
木々の色と同じ
オオカミの瞳
愛しそうに
親子を見ています
そう 彼は
父親ギツネを育てた
ひとりぼっちの
オオカミ
立派になったキツネを
優しく見守っています
数日後
小鳥たちと遊ぶ
やんちゃな双子
いつのまにか
森の外れへ…
「入っちゃいけないよ」
父親の言葉を
思いだす
でも…
弟ギツネ
「ねぇ
あっちに
行ってみよう」
兄ギツネ
「ダメだよ!
父さんに怒られるよ」
それでもあきらめない
弟ギツネ
「大丈夫だよ
だまっていれば
わからないよ」
双子たちは
川のむこうへ…
ひたすら前へと
どんどん進んで行く
鬱蒼(うっそう)と
繁った木々
太陽も当たらない
うす暗い森の道
「ねぇ
もう帰ろうよ」
「うん
そうだね」
だんだん
怖くなってきた
引き返そうと
来た道を戻ります
でも…
いつまでたっても
川にはでてきません
「うわ~ん」
泣き出してしまった
泣き声だけが
深い森に
吸い込まれる
「うちの子供たち
見なかった?」
キツネの家では
双子たちを
親ギツネが
探していました
森のみんなに
聞いても
見つからない
「どこに行ったんだ?」
必死で探す両親
「ひょっとして…」
慌てて走りだす
父親ギツネ
彼が来たのは
森の外れ
川のむこうに
向かって
小さな足跡
「あいつら…!」
オオカミ谷へ
入って行く
父親ギツネ
「久しぶりだな」
森の中を
奥へと
進んで行く
迷子になった
双子のキツネ
泣き疲れて
動けません
ガサガサガサ
木々がざわめく
「こわいよ~!」
「とうさーん
かあさーん」
泣いてる子ギツネ
数頭のオオカミが
やって来る
「こりゃ また
ご馳走だな」
「おまけに
二匹だしな!」
双子の周りを
ウロウロする
オオカミたち
怖くて
動けない
双子のキツネ
そのとき
「子供たちに
触るな!」
オオカミに
飛びかかる
父親ギツネ
「またご馳走が
やってきたぜ!」
「今日はついてるな」
にらみ合う
キツネとオオカミ
「バカか おまえ!
俺たちに勝てると
思ってるのか?」
それでも
一歩も引かない
父親ギツネ
「こいつは
俺にまかせて
おまえたちは
そっちのガキを
やっちっまえ!」
他のオオカミたちが
双子のキツネに
襲いかかる
「ウワ~」
「なんだ!?」
襲いかかる
オオカミ
そこに割り込む
一頭のオオカミ
「おまえは…!」
シルバーのたて髪
グリーンの瞳
「あなたは…」
彼を見る
父親ギツネ
「ここは
俺にまかせて
おまえは
チビたちを
連れて
ここから
出ていくんだ!」
「でも…」
「前にも
言っただろ!
ここは
オオカミ谷
おまえなんかが
いる所じゃない!」
数頭のオオカミと
にらみ合う
緑の瞳が光ってる
子供たちに
近づく
父親ギツネ
「いいか!
父さんの後ろに
ついて来い!
おもいっきり
走るんだ
せーのー!」
父親ギツネの
かけ声で走る
双子たち
必死でついていく
やがて
川面が見えてきた
「もう少しだからな!」
川を越えて
森の外れに
帰ってきた
「とうさん
もう動けないよ~」
その場に
へたり込む
双子
「おまえら!
言っただろ!
川のむこうは
ダメだって!」
「だってさ~」
バツの悪そうな
様子の双子
「家に帰ろう
かあさんが心配
してるから」
家に帰ってきた
双子のキツネ
かあさんギツネの
顔を見る
「ワ~ン」
「ばかね
でも よかった」
家に入る
キツネの家族
「彼は
どうしたかな…」
久しぶりに会った
ひとりぼっちの
オオカミ
少し痩せていた
でも
元気そうだった
遠くを見つめる
父親ギツネ
その様子を見て
不思議がる
双子のキツネ
「ねぇ かあさん
とうさん
どうかしたの?」
「とうさんはね
嬉しいのよ」
「嬉しい?」
双子を見つめる
母親ギツネ
遠い昔に
思いを馳せる
父親ギツネ
そんな彼の心を
思いやる彼女
そう
彼に会えて嬉しいの
とうさんにとって
彼は大切な人
いつか
とうさんから
話してもらえるわ
とうさんが
彼と過ごした
素晴らしい時間
オオカミ谷は
とうさんの故郷
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