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第二章 寺小姓立志譚
4.邂逅(かいこう)(三)
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「うあああああっ!」
ものすごい叫び声がしたかと思うと、入り口の戸が壊れんばかりの勢いで開いた。地獄の底から這い上がった鬼のような形相で、こちらを睨む男に吉左は凍りつく。
「お前、何をしている…!」
「あ、あ…」
吉左が思わず小刀を取り落すと、男は続いて珠希を押さえる熊五郎の目を見据えた。
「そいつを…離せ…今すぐにだ…!」
「う…っ!」
あまりの気迫に圧され、熊五郎は慌てて珠希から体を離す。激しく咳き込みはじめた珠希を放り出し、逃げ出そうと腰を浮かせたその刹那。
「座ってろ…」
男のひと睨みで熊五郎の腰が抜けた。呆気にとられ、落とした小刀を拾いあげようと無意識に身をかがめた吉左。瞬間その右腕は、折れそうな強さで男に掴まれる。
「動くなぁっ!」
震えるほどの恐ろしさに吉左の心は真っ白になった。
「ま、まつ、な、み、さま…! う…っ!」
再び激しく咳き込みはじめた珠希は、嗚咽を漏らしながら秋司に向かい必死に告げる。
「あ、ありがとう…だ、大丈夫…で…す、ううっ、この、人た…ち、知り合い…で…」
「ならばなおさら許しては駄目だ。近しい者に刃を向けるなど…」
――俺が誠之助様に、刃を向けたように。
己の言葉に秋司の殺気がゆるむ。
「…わ、悪いのはそいつなんだよ…! 俺は正しいことをしたんだよ…!」
必死に叫ぶ吉左。何故だかそれは秋司の耳に、弱い己が吐いた言いわけのように聞こえた。
「な…んだ…と…?」
尋常ではない秋司の怒り。焦った吉左は後ろに下がる。その吉左に向かい、秋司はぐいっと一歩を踏み出した。
「も、もう、もういいんです! 吉左さん熊五郎さん、もう帰って…っ!」
とっさに駆け寄った珠希は、秋司の前に飛び込むように吉左を庇った。
「お、前、…」
こんな奴らのことを庇うのか。
『朝陽を咄嗟に庇うがごとく、誠之助様が二人のあいだに飛び込んで…』
冬儀が語った偽りの証言が頭をよぎる。
――ああ…庇うだろう…誠之助様なら、きっと…。
はっとして首を振る秋司。思いがずれて行く。
――心が泳ぐ。俺はどうしてさっきから、あの時のことばかり考えている…?
秋司の心はひどく混乱していた。
その隙をついて、吉左と熊五郎は転がるように外へ走り去る。
気が抜けたのか、がっくり膝を落とした珠希はさめざめと泣き出した。
「…もう、駄目、かと…う、う…ありが、とう、ございます、助け…て、くださって…」
その泣き顔に傷はない。
――救えたのか、俺は、やっと…誰かを。
深く息をついた秋司は、広げた手の平をじっと見つめた。
「ああ…」
――俺は…こういう人間でありたかった。俺は常に人を…誠之助様を…助ける側の人間で、ありたかったのに…。
秋司のまわりがしん、と音を失う。心の中に分け入るように、秋司はそのまま深い思いへと沈んで行った。
――もしも俺が違う世界を選べていたら。こんな風に誠之助様をずっと全てのことから守れていたら。
もう一度始めから…やり直せたら。
あの頃に、戻れたら。
今、俺の目の前で泣いているのが…。
もしも、もしも誠之助様…だった、なら…。
俺はきっと誠之助様に、こう言うんだ…。
涙で震える『誠之助』の横に、秋司はゆっくり膝をつく。その肩をそっと両腕で包み込むと、秋司は身を震わせながらむせび泣いた。
「誠之助様…泣かないでください…俺が…います、俺…お約束…したじゃないですか、俺が一生…必ず誠之助様を…お守りするって…一生お側を…離れないって…」
珠希ははっと目を見開いた。
――松波様は今…僕を誰かに…きっと亡くしてしまったその方に…重ねてるんだ…。
珠希はそっとうなずくと、秋司の夢が醒めてしまわぬように、その肩に頭を預けた。
じっと目を閉じる秋司の脳裏に、懐かしい微笑みが浮かぶ。
『…秋、司…』
優しい声が聞こえた気がして。ふわりと背中を抱かれた気がして。どうしようもないやるせなさに秋司は慟哭した。
波のように押し寄せる涙。秋司はその命をたぐり寄せるかのように、誠之助の名を幾度も、ただ幾度も呼び続けていた。
***
額や頬に当たる冷たい手ぬぐいの感触に、秋司はふと目を開けた。
「あ! 良かった、気が付かれましたか! ちょっと…そのままお待ちくださいね」
ほっとした顔の珠希は一旦脇を離れ、何かを手に戻る。ことん、と枕元に置かれた湯呑みから甘い香りが漂った。
「葛湯です。甘い物がお嫌いでなかったら」
にっこり笑う珠希は、沢山泣いたあとの腫れぼったい目をしている。
――そうだ、俺はこいつを助けに来て…誠之助様を呼ぶうちに気が遠くなって…。
「俺は、一体…? 倒れた、の、か…?」
珠希は言葉を選びながらそっと答えた。
「たぶん、色々なことを、ひと時に沢山お考えになったから…ほんのちょっとのあいだですが、深くお休みに…」
――お寺にいる時に…悲しみのあまり倒れてしまう方を何度も見た。松波様に起こったのもきっと…そういうことなんだろうな。
秋司は慌てて身を起こす。あれほど無力だった左手を支えに。
――夢ではなかった。左手に力が、入る…。
「…済まなかった。助けに来たのに…逆に驚かせてしまったな」
「いえ、そんな…。松波様、本当にありがとうございました、助けていただいて…」
珠希は改めて、深々と頭を下げる。
「そういえばお前…どうして俺の名を?」
「差配さんに伺ったんです。井戸でお会いした話を、僕がその…差配さんにした時に…」
慌てて言いよどむ珠希に、秋司は小さく照れ笑いをした。
「俺の仏頂面に驚いて差配に話したんだろう? あの時は悪かった…謝りたいと思っていたんだ。せっかくお前が気遣ってくれたのに。お前…名は?」
「珠希、って言います」
「珠希、か。その…さっきは少し混乱したというか…おかしなことばかり言って、挙句昏倒してしまうだなんて…戸惑ったろう、珠希」
珠希はゆっくりと首を横に振る。
「いえ…そうまでして助けてくださったお気持ちを…本当にありがたく思っています」
何も尋ねることなく理解しようと務める珠希。その暖かな思いが秋司の心に沁みた。
「いや…気にするな。これは俺自身が…乗り越えねばならないことなんだ」
自らの言葉を噛みしめるように、秋司は小さくうなずく。葛湯を一口飲んでから、秋司は改めて珠希に問いかけた。
「…なあ、珠希。もし差し支えなければ…一体何があったのか、尋ねてもいいか?」
珠希は簡単にこれまでのことを語る。とある寺で寺小姓をしていたが、独り立ちしたくて深川にやってきたこと。一年近く働いている深川木場の材木問屋で、色々といざこざがあったこと。
「…ちょうど今が潮時なんです。あそこは辞めて他のお仕事を探します。できればもう行きたくないけれど…やっぱり御挨拶には伺わなきゃいけないから…」
先ほどの恐怖を思い出し目を曇らせる珠希を見て、秋司は思わず言った。
「俺が、付き添おうか。その…葛湯のお礼に」
そんなことを言い出した自分に驚きながらも、秋司はふと懐かしい気持ちになる。
――遠邊家にいた頃…中間たちの悩みを聞いては、こんなふうに世話を焼いたっけ。
その時秋司の頭に浮かんだひとつの策。どうしてそんなことを考えたのか分からない。
それでもその他愛もない思い付きが、下らない面白さが秋司の心を躍らせる。そんな気持ちは久しぶりのことだった。
「松波様に付き合っていただくなんて、申しわけないな…」
「ちょっとした思い付きがあるんだ。このまま終わらせるのも悔しいだろう?」
――松波様の目に小さな明かりが…。
珠希は何だかほっとする。
「じゃあ…お言葉に…甘えてしまおうかな…」
「ああ。そうしてくれ。いや、本当に下らない、子どもみたいな思い付きなんだが…」
秋司の語る計画を聞いて、珠希はほんのり目を輝かせた。
「松波様、何だか僕…御挨拶に行くのが楽しみになってきました。まるで物語の中に入って行くようで…わくわくします」
照れたようにぐっと葛湯を飲み干す秋司を見つめ、珠希は柔らかく微笑んだ。
***
ものすごい叫び声がしたかと思うと、入り口の戸が壊れんばかりの勢いで開いた。地獄の底から這い上がった鬼のような形相で、こちらを睨む男に吉左は凍りつく。
「お前、何をしている…!」
「あ、あ…」
吉左が思わず小刀を取り落すと、男は続いて珠希を押さえる熊五郎の目を見据えた。
「そいつを…離せ…今すぐにだ…!」
「う…っ!」
あまりの気迫に圧され、熊五郎は慌てて珠希から体を離す。激しく咳き込みはじめた珠希を放り出し、逃げ出そうと腰を浮かせたその刹那。
「座ってろ…」
男のひと睨みで熊五郎の腰が抜けた。呆気にとられ、落とした小刀を拾いあげようと無意識に身をかがめた吉左。瞬間その右腕は、折れそうな強さで男に掴まれる。
「動くなぁっ!」
震えるほどの恐ろしさに吉左の心は真っ白になった。
「ま、まつ、な、み、さま…! う…っ!」
再び激しく咳き込みはじめた珠希は、嗚咽を漏らしながら秋司に向かい必死に告げる。
「あ、ありがとう…だ、大丈夫…で…す、ううっ、この、人た…ち、知り合い…で…」
「ならばなおさら許しては駄目だ。近しい者に刃を向けるなど…」
――俺が誠之助様に、刃を向けたように。
己の言葉に秋司の殺気がゆるむ。
「…わ、悪いのはそいつなんだよ…! 俺は正しいことをしたんだよ…!」
必死に叫ぶ吉左。何故だかそれは秋司の耳に、弱い己が吐いた言いわけのように聞こえた。
「な…んだ…と…?」
尋常ではない秋司の怒り。焦った吉左は後ろに下がる。その吉左に向かい、秋司はぐいっと一歩を踏み出した。
「も、もう、もういいんです! 吉左さん熊五郎さん、もう帰って…っ!」
とっさに駆け寄った珠希は、秋司の前に飛び込むように吉左を庇った。
「お、前、…」
こんな奴らのことを庇うのか。
『朝陽を咄嗟に庇うがごとく、誠之助様が二人のあいだに飛び込んで…』
冬儀が語った偽りの証言が頭をよぎる。
――ああ…庇うだろう…誠之助様なら、きっと…。
はっとして首を振る秋司。思いがずれて行く。
――心が泳ぐ。俺はどうしてさっきから、あの時のことばかり考えている…?
秋司の心はひどく混乱していた。
その隙をついて、吉左と熊五郎は転がるように外へ走り去る。
気が抜けたのか、がっくり膝を落とした珠希はさめざめと泣き出した。
「…もう、駄目、かと…う、う…ありが、とう、ございます、助け…て、くださって…」
その泣き顔に傷はない。
――救えたのか、俺は、やっと…誰かを。
深く息をついた秋司は、広げた手の平をじっと見つめた。
「ああ…」
――俺は…こういう人間でありたかった。俺は常に人を…誠之助様を…助ける側の人間で、ありたかったのに…。
秋司のまわりがしん、と音を失う。心の中に分け入るように、秋司はそのまま深い思いへと沈んで行った。
――もしも俺が違う世界を選べていたら。こんな風に誠之助様をずっと全てのことから守れていたら。
もう一度始めから…やり直せたら。
あの頃に、戻れたら。
今、俺の目の前で泣いているのが…。
もしも、もしも誠之助様…だった、なら…。
俺はきっと誠之助様に、こう言うんだ…。
涙で震える『誠之助』の横に、秋司はゆっくり膝をつく。その肩をそっと両腕で包み込むと、秋司は身を震わせながらむせび泣いた。
「誠之助様…泣かないでください…俺が…います、俺…お約束…したじゃないですか、俺が一生…必ず誠之助様を…お守りするって…一生お側を…離れないって…」
珠希ははっと目を見開いた。
――松波様は今…僕を誰かに…きっと亡くしてしまったその方に…重ねてるんだ…。
珠希はそっとうなずくと、秋司の夢が醒めてしまわぬように、その肩に頭を預けた。
じっと目を閉じる秋司の脳裏に、懐かしい微笑みが浮かぶ。
『…秋、司…』
優しい声が聞こえた気がして。ふわりと背中を抱かれた気がして。どうしようもないやるせなさに秋司は慟哭した。
波のように押し寄せる涙。秋司はその命をたぐり寄せるかのように、誠之助の名を幾度も、ただ幾度も呼び続けていた。
***
額や頬に当たる冷たい手ぬぐいの感触に、秋司はふと目を開けた。
「あ! 良かった、気が付かれましたか! ちょっと…そのままお待ちくださいね」
ほっとした顔の珠希は一旦脇を離れ、何かを手に戻る。ことん、と枕元に置かれた湯呑みから甘い香りが漂った。
「葛湯です。甘い物がお嫌いでなかったら」
にっこり笑う珠希は、沢山泣いたあとの腫れぼったい目をしている。
――そうだ、俺はこいつを助けに来て…誠之助様を呼ぶうちに気が遠くなって…。
「俺は、一体…? 倒れた、の、か…?」
珠希は言葉を選びながらそっと答えた。
「たぶん、色々なことを、ひと時に沢山お考えになったから…ほんのちょっとのあいだですが、深くお休みに…」
――お寺にいる時に…悲しみのあまり倒れてしまう方を何度も見た。松波様に起こったのもきっと…そういうことなんだろうな。
秋司は慌てて身を起こす。あれほど無力だった左手を支えに。
――夢ではなかった。左手に力が、入る…。
「…済まなかった。助けに来たのに…逆に驚かせてしまったな」
「いえ、そんな…。松波様、本当にありがとうございました、助けていただいて…」
珠希は改めて、深々と頭を下げる。
「そういえばお前…どうして俺の名を?」
「差配さんに伺ったんです。井戸でお会いした話を、僕がその…差配さんにした時に…」
慌てて言いよどむ珠希に、秋司は小さく照れ笑いをした。
「俺の仏頂面に驚いて差配に話したんだろう? あの時は悪かった…謝りたいと思っていたんだ。せっかくお前が気遣ってくれたのに。お前…名は?」
「珠希、って言います」
「珠希、か。その…さっきは少し混乱したというか…おかしなことばかり言って、挙句昏倒してしまうだなんて…戸惑ったろう、珠希」
珠希はゆっくりと首を横に振る。
「いえ…そうまでして助けてくださったお気持ちを…本当にありがたく思っています」
何も尋ねることなく理解しようと務める珠希。その暖かな思いが秋司の心に沁みた。
「いや…気にするな。これは俺自身が…乗り越えねばならないことなんだ」
自らの言葉を噛みしめるように、秋司は小さくうなずく。葛湯を一口飲んでから、秋司は改めて珠希に問いかけた。
「…なあ、珠希。もし差し支えなければ…一体何があったのか、尋ねてもいいか?」
珠希は簡単にこれまでのことを語る。とある寺で寺小姓をしていたが、独り立ちしたくて深川にやってきたこと。一年近く働いている深川木場の材木問屋で、色々といざこざがあったこと。
「…ちょうど今が潮時なんです。あそこは辞めて他のお仕事を探します。できればもう行きたくないけれど…やっぱり御挨拶には伺わなきゃいけないから…」
先ほどの恐怖を思い出し目を曇らせる珠希を見て、秋司は思わず言った。
「俺が、付き添おうか。その…葛湯のお礼に」
そんなことを言い出した自分に驚きながらも、秋司はふと懐かしい気持ちになる。
――遠邊家にいた頃…中間たちの悩みを聞いては、こんなふうに世話を焼いたっけ。
その時秋司の頭に浮かんだひとつの策。どうしてそんなことを考えたのか分からない。
それでもその他愛もない思い付きが、下らない面白さが秋司の心を躍らせる。そんな気持ちは久しぶりのことだった。
「松波様に付き合っていただくなんて、申しわけないな…」
「ちょっとした思い付きがあるんだ。このまま終わらせるのも悔しいだろう?」
――松波様の目に小さな明かりが…。
珠希は何だかほっとする。
「じゃあ…お言葉に…甘えてしまおうかな…」
「ああ。そうしてくれ。いや、本当に下らない、子どもみたいな思い付きなんだが…」
秋司の語る計画を聞いて、珠希はほんのり目を輝かせた。
「松波様、何だか僕…御挨拶に行くのが楽しみになってきました。まるで物語の中に入って行くようで…わくわくします」
照れたようにぐっと葛湯を飲み干す秋司を見つめ、珠希は柔らかく微笑んだ。
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