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第一話 ~新しい家族~

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 どうして?と思った。先生は愛してくれていたハズなのに、先生は僕の知らない女性と結婚した。他のクラスからの声は、おめでとう!や良いな~や良かったね!の声ばかり。
 自分にとっては心苦しい話だ。今まで生きた中で本当に愛してくれてると思った人間に裏切られたのだ。
 あの時と同じ様な痛みが、胸をぎゅっと掴む。苦しい………泣きはしなかったが何かをやっていなければ辛かった。


ーーーーー
 その後、時は過ぎ中学に上がった。その間に好きになりそうになったりもしたが、あの時の辛さを思いだし付き合うまでにはいかなかった。
 そして第二の性を中学に入ってから調べた。結果は“オメガ”だった。やっぱり汚れていた様だ。
 母もオメガ、子もオメガなら当然捨てるだろう。オメガはただの能無し、ベータは一般人、アルファは天才。そんな世の中で生まれてしまったのだ。この運命は仕方のない事だ。
 あの人と別れてしまったのも、運命だから………

ーーーーー
 中学二年の頃だろうか、自分の努力を前に初めてであろうイラつきを感じた。何度も何度も繰り返し勉強して、けれど一位になれなくて、二位のままで、所詮オメガなのだと知らしめられた。
 そしてオメガだからと言う理由で性処理係りにされた。別にそんなのは良かった。
 アルファでもないのになに生意気に勉強してんだよっ!オメガのくせに、どうせお前らなんか身体売るしか能の無い能無しなんだからよっ!!と言われてしまった。心底殴りたくなったが殴れば孤児院の皆に迷惑をかけてしまうので殴らず素直に従う事にした。
 まぁ、ベータの一年生がその現場を観ていてくれた為、俺は性処理をせずにすんだ。

 ただ一つ、言うのであれば、自分が情けなかった。


ーーーーー
 それからは数少ない友人ができた。アルファはいないが、ベータとオメガの友人はできた。
 たまに会話が続かない時もある、だがこれが幸福と言うのだろう。喋る相手がいて、遊んで、一緒に頑張ったり。
 だけど、たまに傷つく。自分の汚れきった身体に。最初の初夜すらも分からないぐらいの男や女に抱かれ続けた汚い身体。
 人に見せても良い身体なのかと日に日に思ってくる。知られたくない、構わないで、ナカに入ってこないで…………

 けれど、運命は酷くやってくる。



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