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第十一話
過去は過去でも色んな事がある。
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突然だが、ナリスの過去について話そう。
ナリスは、母(男です。)のエルフと父の人間のハーフで生まれた。
エルフの母はエルフとしての誇りを持ち合わせていた人だった。父は出稼ぎに行きながら、空き時間にナリスと遊んであげていたりしていた。
その時にいつも言われていた、『口づけだけは、恋に落ちた者としろ』と。
そしてその言葉は母からも言われていた。『本当に愛した人と口づけを交わしなさい』と、子供だったナリスはその言葉を家訓の様に守ってきた。
そして15の年になったナリスは、とうとう父に連れられ外の世界を知る。『こんなに広いんだ………凄い、凄いよ僕も大人になったらお父さんと一緒に色んな所に行く!もちろんお母さんも!!』こんなにも微笑ましい家族だったが、父は人間。ナリスが成人する頃にはもう、この世にはいないだろう。
その後、20年の時が過ぎ、ナリスの父は人間の生を終えた。
ナリスは父と母、一緒に外で暮らせると思っていた、だが現実には人間の寿命は短くて、エルフとの繋がりが極端に短い。元々釣り合う筈はなかった人種………
そんな中、父がいなくなった事により、母はナリスを庇う様になる。ナリスの母はエルフの中では異端。よってその子供であるナリスは異端児になってしまう。父の死後母は身を粉にしてナリスの為にお金を貯め、そして守り続けた。
未来あるナリスの為、毎日毎日必死に働き、そして窶れながらコツコツとお金を貯め、ついに母は疲労で倒れてしまった。
今では普通の生活が出来るようになってはいるが、その代わり幻覚障害を患ってしまった。
相当苦労し、相当精神を病んでいたのだろう。ナリスの母はもうこの世にはいない空想の父と話している。
今日は何々があったの、貴方の為にスープを作ったら喜んでくれると思ったの、ふふ、ナリスも喜んでいたんだよ?そんな言葉を上の空で話す、こんなにも愛していると言うのに、もうその人が迎えに来ることはない。あるのなら、彼もあの世へ逝くときであろう。
そう思ってしまう自分もまた、人間に恋をするのであろう。その時、どうすれば良いのだろう、どうすれば、寂しくならないのであろう………
──────
[ 現在、ナリス視点から ]
アスカと言う名の獣人にまだ清らかだったはずの唇を汚されてしまった。
そしてその事を隠蔽しようと思っていたのだが、起きたらあろうことかユーイチがその事実を知ってしまった。
あぁ、これは終わった………ユーイチとの純愛が今、終わった。と思っているナリス、だが元々純愛だっただろうか?最初の出会いは裸、ナリスにとっては倒れたのを助けたということだが、優一からすれば身の危険を感じせざるおえない出会いだっただろう。
─クソっ!あの獣野郎!!よ、よくも僕の唇を……!キスしたこと無かったのに………
ナリスは自身のファーストキスを取られた事に屈辱的な感情を抱いていた、その為か優一の姿が今どうなっているかわかっていないらしい。
おいおい、ナリスさんや。優一さんの姿見てみ?縛られてますよね?縛られてるよね!?
「?………!な、なんでユーイチ縛られてるの?!」
今頃気付いたんかいっっっツツ!!
ナリスは、母(男です。)のエルフと父の人間のハーフで生まれた。
エルフの母はエルフとしての誇りを持ち合わせていた人だった。父は出稼ぎに行きながら、空き時間にナリスと遊んであげていたりしていた。
その時にいつも言われていた、『口づけだけは、恋に落ちた者としろ』と。
そしてその言葉は母からも言われていた。『本当に愛した人と口づけを交わしなさい』と、子供だったナリスはその言葉を家訓の様に守ってきた。
そして15の年になったナリスは、とうとう父に連れられ外の世界を知る。『こんなに広いんだ………凄い、凄いよ僕も大人になったらお父さんと一緒に色んな所に行く!もちろんお母さんも!!』こんなにも微笑ましい家族だったが、父は人間。ナリスが成人する頃にはもう、この世にはいないだろう。
その後、20年の時が過ぎ、ナリスの父は人間の生を終えた。
ナリスは父と母、一緒に外で暮らせると思っていた、だが現実には人間の寿命は短くて、エルフとの繋がりが極端に短い。元々釣り合う筈はなかった人種………
そんな中、父がいなくなった事により、母はナリスを庇う様になる。ナリスの母はエルフの中では異端。よってその子供であるナリスは異端児になってしまう。父の死後母は身を粉にしてナリスの為にお金を貯め、そして守り続けた。
未来あるナリスの為、毎日毎日必死に働き、そして窶れながらコツコツとお金を貯め、ついに母は疲労で倒れてしまった。
今では普通の生活が出来るようになってはいるが、その代わり幻覚障害を患ってしまった。
相当苦労し、相当精神を病んでいたのだろう。ナリスの母はもうこの世にはいない空想の父と話している。
今日は何々があったの、貴方の為にスープを作ったら喜んでくれると思ったの、ふふ、ナリスも喜んでいたんだよ?そんな言葉を上の空で話す、こんなにも愛していると言うのに、もうその人が迎えに来ることはない。あるのなら、彼もあの世へ逝くときであろう。
そう思ってしまう自分もまた、人間に恋をするのであろう。その時、どうすれば良いのだろう、どうすれば、寂しくならないのであろう………
──────
[ 現在、ナリス視点から ]
アスカと言う名の獣人にまだ清らかだったはずの唇を汚されてしまった。
そしてその事を隠蔽しようと思っていたのだが、起きたらあろうことかユーイチがその事実を知ってしまった。
あぁ、これは終わった………ユーイチとの純愛が今、終わった。と思っているナリス、だが元々純愛だっただろうか?最初の出会いは裸、ナリスにとっては倒れたのを助けたということだが、優一からすれば身の危険を感じせざるおえない出会いだっただろう。
─クソっ!あの獣野郎!!よ、よくも僕の唇を……!キスしたこと無かったのに………
ナリスは自身のファーストキスを取られた事に屈辱的な感情を抱いていた、その為か優一の姿が今どうなっているかわかっていないらしい。
おいおい、ナリスさんや。優一さんの姿見てみ?縛られてますよね?縛られてるよね!?
「?………!な、なんでユーイチ縛られてるの?!」
今頃気付いたんかいっっっツツ!!
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