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第八話

佐藤!鈴木!捕まったっ!? : 3.5

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ー励ましてくれるのは、ありがたいけど…………なに、そのベタな励まし方……………

佐藤達もそう思っていた。

ーなんだろう………なんかベタな感じだなこれ。なんか気色悪い………(佐藤

ーうーん。ちょっとマンガの方向に向いている気が………気のせいか?(鈴木

皆、同じことを考えていたらしい。が、それを知る者は当然いなかったが。

「あの、さ…………婚約者?のこと聞いても、いいか?」
「え、き、聞きたいなら…………」

優一はなぜ、自分が王子の婚約者になったのか。その理由を語り始めた…………

「さ、最初はそのー………ギ、ギルドで初めて会って…………」
「ギ、ギルドがあるのかっ!?」
「さすが異世界だね~。」

ギルドがあることに驚く佐藤は好奇心で興奮した。

「で、でっ!」
「えーと、ね。言いにくいんだけど。」
「まさかその場で求婚とか?」
「…………」

優一は顔を赤くした。恥ずかしかったのだろう。

ーえ?なんで顔赤くしてるの?ま、まさかマジで求婚?

「そ、そう…………」
「そうかー!なんか少女漫画みたいな展開だな!」

ーなに盛り上がってるんだよっ!!佐藤は!

「で、王様にまで結婚して欲しいって頼まれて…………」
「えっ!」
「で、でっ!」

佐藤は完全に恋話を聞く、女の子のようになっていた。簡単に言えば乙女ですな。これは。

「どこまでしたのっ!」
「えっ!え、えーと。デートとキスくらい、だよ…………」

ーえ、もうデートとキスしてんの!?完全にカレカノ状態じゃんっ!!

「こ、これで終わりっ!!」
「え~。もっとないの?事故キスとかさ!」

ーおい!乙女脳っ!!やめろ!もう聞きたくないんだっ!昔の恋人とのこと思い出すからっ!!

鈴木は失恋したかのように、気を落としていた。

「な、ない!手を繋いだりとかされたけどっ!」

ーやめてくれーーっ!!もう、聞きたくないっ!!!

鈴木は昔の古傷をエグられていた。



ーーーーー
しばらくして、準備を整えた優一達は外へと出てきた。

「よし、町の方向は知らないから優一に任せる。」
「うん。」
「後は馬に乗って行けばいいから。」

鈴木は気分が悪そうな顔をしていた。

「?どーしたの。鈴木?」
「り、リップがないっ!?ど、どど、どーしよっ!?」
「異世界だ。大丈夫!売ってるさ!!」

軽く佐藤は言うが、鈴木にとっては一大事だった。

「化粧水もあるわけ!?」
「えっ………化粧水?」

佐藤は化粧水が分からないようだ。

『なぁ、田中。化粧水ってどんなのだ?』
『えっ。化粧水?化粧水って言ったら、化粧を落とすやつじゃない?』

違います。化粧水は保湿などに使うのです。ローションなども化粧水の一種です。

「はぁ…………終わった…………」
「そんなのは、自分でどうにかしろ。」

まあそんなこんなで、賊達が使っていた商業用馬車を使い、町に行くことになった。

「馬は変えよう。」
「だな。」
「?どうして?」

理由を聞くと馬達は言わば、恩人であり、友人でもあると言う。

「こっちの白い馬はシロスケな。」
「この子はココアです!!」
「………………」

ーいや、色に関してならあってるけど……………シロスケはオスであってるけど、ココアはオスだぞ!?

この世界には、オスしか存在しないことをまだ知らない佐藤と鈴木だった。









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