異世界で転生したら襲われたんですが！

第八話

佐藤！鈴木！捕まったっ！？ : 2

「…………はっ？」

鈴木の口から出てきた言葉は最もの反応だ。

『ガバー』

佐藤の口からはスープが駄々漏れになっていた。
………汚いですねー。

「王子って、あの外国とかにいるー、あの？」
「まじでか、本当にあれだな。異世界。」
「は、はい…………」

佐藤は“王子”と言う単語に疑問を持った。

「？田中に何の関係があるんだ？」
「あっ、えーと………それは、そのー…………」

反応に困ってしまった優一は、考える。

ーどう言えば良いって言うんだっ！？普通に、婚約者なんです～！って言えれば良いけど、逆にあっちが反応に困ってしまう………どうすれば………

優一が、あたふたし始めると佐藤は優しく接した。

「別に、言えない事情があるなら無理しなくて良いけどさ、理由が分かんないとどうすれば良いか分からないんだ。」

鈴木は優一の近くに向かうと、優一の肩に優しく手を置き、優一の目線で言葉を発する。

「どんな事情があるか知らないけど、言っては欲しいな。」
「あ、…………分かった。」

優一は覚悟を決め、最後の確認を取った。

「笑うなよ？そして、死んだ目をしないでくれよ？」
「あ、あぁ。」
「おk～。」
「じゃあ、言うぞ………」

『ゴクン………』

「王子との関係は…………“婚約者”なんです。」

「「…………は？」」

死んだ目と笑いは無かったが、無言だけがここの空気を包んだ。

ー…………もう、死のう。友達に嫌われるくらいな、ら…………

優一は涙をポタポタと垂らした。

「あっ！な、泣くなよっ！田中っ！！」　
「た、田中さん！？な、泣かないで！！」