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第1話 結菜、33代目の夢使いに
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時刻は、夜の9時を少し回った頃。
「はあっはあっはあっ」
結菜は顔に悲壮感、額に汗を浮かべながら夜の住宅街を必死に走っていた。
その結菜の背中では、ドクロの刺繍が入ったリュックが激しく揺れている。
「はぐうっ! ……気持ち悪っ」
突然、バクさんはリュックの中から真っ青な顔をのぞかせた。
激しい揺れのせいで、たまらず自分でチャックを開けたようだ。
「すまん……、吐きそう」
「ぬあ~っ、バクさん! この緊急事態に余計な仕事を増やさないでよねっ」
結菜は走りながら首だけ振り向いて、ぐったり顔のバクさんをたしなめる。
「血も涙もないこと言わんといてえな! カバンの中に入ってシェイクされる気分が、結菜に分かってたまるもんかっ!」
と、嗚咽を繰り返すバクさん。
しかし。
「悪いけど! 今は止まる訳にいかないのよ!」
結菜は冷たく言ってさらに速度を上げて走る。
「この鬼娘っ! 今カバンの中はなっ、カンガルーの子供もビックリ仰天するほどの揺れ心地なんやでっ」
「……無視無視」
結菜はそう答え、しれっと前を向いて腕を振った。
「カバンの中の様子を面白く例えられるんだから、大丈夫ってことね。じゃあ、もっと飛ばすわよ! バクさんは引き続き、その暗くて狭い場所に引っ込んでてよね!」
結菜はそう言い、さらにギアを全開にするように全速力で住宅街を疾走する。
「はぐうっ! ……ストップ、ザ、シェイク~っ!」
走りながら、結菜はスマートフォンで時間を確認。
(予知夢で見た駅の時計は、たしか……、夜の9時半頃だったよね)
つまり、残された時間はあと20分程ということだ。
それまでに父を探さなくては、大変なことになる。
さっき見た最悪の夢が現実になってしまうのだ。
(もうっ、お父さん! こんなときに限ってぇ)
どこかに祝い酒を飲みに行った父は、このままだと駅のホームから落下してしまい、そして、この世界から姿を消してしまうのだ――。
(ああもうっ! うるさいうるさいうるさい!)
結菜は神田川沿いを走りながら首を横に振る。
「ぬあ~っ、シャ~ラップ! シャ~ラップ! 黙れ黙れ、頭の声!」
と、頭の中でボリュームを上げるネガティブな声を振り払うように。
「ここは、秋葉原かっ!」
結菜が足を止めた瞬間、カバンの中からバクさんがひょっこり顔を出す。
「この地域に海斗が飲みに行った店があるんやな?」
バクさんは駅を行きかうたくさんの人を見やってネオン街に首を回した。
「はあはあはあっ、正解! ここにお父さん行きつけの居酒屋があってね」
昔、父に何度か連れて来てもらったことがある、カウンター席だけの店。
「はあはあはあっ、てゆーか、娘の誕生日を海鮮居酒屋で祝う父親って、どう思う?」
結菜は、わざと自分の父の不満をバクさんに漏らし、ニッコリと微笑んだ。
そうでもしないと、またネガティブな思考が頭の中で暴れそうだったから。
「わしならグレて日本を飛び出して、すっぱり歌姫の夢もあきらめて石油王に代わるビッグな夢を探して放浪するやろな」
「だよね!」
バクさんも結菜の不安を察知したのか、とっさに笑いで返してくれた。
もしかすると、獏、はとってもいい奴なのかもしれないと結菜は思う。
時刻は、9時10分。
「――ええっと、たしかお店はこの筋を曲がったところに」
結菜は居酒屋の場所を思い出しながら小走りで狭い路地を進む。
すると。
「あった、ここだ!」
ふたりがたどり着いたのは、店内外に提灯が並ぶ派手な居酒屋だった。
父の行きつけの店を発見した結菜は、暖簾をくぐって引き戸を開ける。
ガラガラガラ~っ!
しかし。
「いない……嘘っ」
店内に父の姿はなく。
「ねえっ、おっちゃん」
結菜は、カウンターの中で包丁を握る、頭にねじり鉢巻きの男に声をかけた。
おそらく昔、誕生日に美味しいイカゲソをたらふく食べさせてくれた大将だ。
「海斗ちゃん? 祝い酒? 今日は来てねえな……」
「ぬあ~っ、せっかく走って来たのに、ここじゃないんだ~っ」
当てが外れ、結菜はガッカリな顔でうなだれる。
(他に心当たりのあるお店なんて、もう思い出せないよ~っ!)
これはかなりの時間ロス。
(どどどど、どうしようっ)
「力になれなくて悪いねぇ」
大将にそう言われ、疲れた顔で外に出る結菜。地べたに手をついて叫びたくなる気持ちがこみ上げる中、それでも何とかこらえ、両手をグーにしこめかみにぐりぐり押し当てた。
「ぬあ~っ、かなりの時間ロスだわっ! もう~っ、ここだと思ったのにっ!」
「他に海斗が行きそうな場所とか知らんのか?」
リュックから上半身を出したバクさんが短い前足で腕を組む。
その時。
「結菜ちゃん!」
聞き覚えのある声がして、結菜は振り返った。
「……昴じゃん」
夜の飲み屋街に、なんとクラスメイトの山岸昴がいた。首にタオルを巻いた昴は、黒のスウェット姿でランニングシューズを履いている。
彼はダンスの体力づくりにジョギングをしていたようだ。
「やっぱり、結菜ちゃんだ。どうして、こんなところに?」
昴は、額の汗をタオルで拭きながら不思議そうな顔で尋ねた。
一方。
「いや……それがねぇ」
結菜はしどろもどろになって、曖昧に答える。
昴に本当のことを言っていいのか迷っていたのだ。
自分は夢使いで、予知夢で人助けをしているなんて。
(そんなの、信じてくれるわけないよ……、どどどど、どうしようっ)
結菜はとっさに、リュックに収まるバクさんに戸惑いの目を向けた。
「……」
結菜の視線を感じ取ったバクさんは、昴を品定めするようにジト目で見やる。
やがて。
「美男子はいけ好かんけど、このイケメンは信用できそうやな!」
自分にしか聞こえない声でそう言ったバクさんに、結菜は背中を押された気がして覚悟を決めた。
「かくかくしかじか…………というわけで、お父さんを探してるんだよねぇ」
正直に予知夢のことを打ち明けた結菜だったが、少しして、やっぱり後悔するのだった。
(ぬあ~っ、せっかく学校でモテてるのに、これで頭がおかしな子って思われたかも……超最悪だわ)
しかし。
「結菜ちゃんが予知夢を見れるって、本当だったんだね!」
「えっ? ……信じてくれるんだ」
昴が目を輝かせたので、結菜は思わず耳を疑った。
「当たり前だよ! 結菜ちゃんは今朝トラック事故から僕を守ってくれた。だから、きっとただ者じゃないって思ってたんだ」
「じゃあっ、協力してくれるの?」
結菜は身を乗り出して聞く。
「任せてよ! ――それで、話を戻すけど。結菜ちゃんが夢で見た駅の時計って、9時半を指していたんだね?」
「うん、たしかそう」
結菜が頷くと、昴は腕時計に目を落とす。
「だったら、後10分しか時間がないね。結菜ちゃん、他に何か覚えてる?」
「ええっと、ええっとね……」
結菜はまた両手をグーにし、それをこめかみにぐりぐり当てながら夢の詳細を思い出す。
(あっ、満月だ)
ふと夜空を見上げた結菜は、そこにまん丸い月を見つけ、はっと口に手を当てた。
「たしか、夢でまん丸い月を見て……そう、駅のホームから花火も見えたんだわっ」
「花火?」
昴の目の色がパッと変わる。
「ここから300メートルほど北に行くと、花火が見える私鉄があるよ! 僕の家の近くで、きっと花火は野球場から打ち上がったものだと思う」
「花火って野球の――」
「とにかく急ごうっ」
昴はふいに手を握って結菜を遮ると、そのままふたりは一目散に走りだした。
「おっ、置いていかんといて~っ」
結菜は置いてきぼりを食いそうになったバクさんを振り返ると、
「ああ、昴! ちょっと待って!」
バクさんが収まる地面のリュックを、パッとつかむのだった。
「はあっはあっはあっ」
結菜は顔に悲壮感、額に汗を浮かべながら夜の住宅街を必死に走っていた。
その結菜の背中では、ドクロの刺繍が入ったリュックが激しく揺れている。
「はぐうっ! ……気持ち悪っ」
突然、バクさんはリュックの中から真っ青な顔をのぞかせた。
激しい揺れのせいで、たまらず自分でチャックを開けたようだ。
「すまん……、吐きそう」
「ぬあ~っ、バクさん! この緊急事態に余計な仕事を増やさないでよねっ」
結菜は走りながら首だけ振り向いて、ぐったり顔のバクさんをたしなめる。
「血も涙もないこと言わんといてえな! カバンの中に入ってシェイクされる気分が、結菜に分かってたまるもんかっ!」
と、嗚咽を繰り返すバクさん。
しかし。
「悪いけど! 今は止まる訳にいかないのよ!」
結菜は冷たく言ってさらに速度を上げて走る。
「この鬼娘っ! 今カバンの中はなっ、カンガルーの子供もビックリ仰天するほどの揺れ心地なんやでっ」
「……無視無視」
結菜はそう答え、しれっと前を向いて腕を振った。
「カバンの中の様子を面白く例えられるんだから、大丈夫ってことね。じゃあ、もっと飛ばすわよ! バクさんは引き続き、その暗くて狭い場所に引っ込んでてよね!」
結菜はそう言い、さらにギアを全開にするように全速力で住宅街を疾走する。
「はぐうっ! ……ストップ、ザ、シェイク~っ!」
走りながら、結菜はスマートフォンで時間を確認。
(予知夢で見た駅の時計は、たしか……、夜の9時半頃だったよね)
つまり、残された時間はあと20分程ということだ。
それまでに父を探さなくては、大変なことになる。
さっき見た最悪の夢が現実になってしまうのだ。
(もうっ、お父さん! こんなときに限ってぇ)
どこかに祝い酒を飲みに行った父は、このままだと駅のホームから落下してしまい、そして、この世界から姿を消してしまうのだ――。
(ああもうっ! うるさいうるさいうるさい!)
結菜は神田川沿いを走りながら首を横に振る。
「ぬあ~っ、シャ~ラップ! シャ~ラップ! 黙れ黙れ、頭の声!」
と、頭の中でボリュームを上げるネガティブな声を振り払うように。
「ここは、秋葉原かっ!」
結菜が足を止めた瞬間、カバンの中からバクさんがひょっこり顔を出す。
「この地域に海斗が飲みに行った店があるんやな?」
バクさんは駅を行きかうたくさんの人を見やってネオン街に首を回した。
「はあはあはあっ、正解! ここにお父さん行きつけの居酒屋があってね」
昔、父に何度か連れて来てもらったことがある、カウンター席だけの店。
「はあはあはあっ、てゆーか、娘の誕生日を海鮮居酒屋で祝う父親って、どう思う?」
結菜は、わざと自分の父の不満をバクさんに漏らし、ニッコリと微笑んだ。
そうでもしないと、またネガティブな思考が頭の中で暴れそうだったから。
「わしならグレて日本を飛び出して、すっぱり歌姫の夢もあきらめて石油王に代わるビッグな夢を探して放浪するやろな」
「だよね!」
バクさんも結菜の不安を察知したのか、とっさに笑いで返してくれた。
もしかすると、獏、はとってもいい奴なのかもしれないと結菜は思う。
時刻は、9時10分。
「――ええっと、たしかお店はこの筋を曲がったところに」
結菜は居酒屋の場所を思い出しながら小走りで狭い路地を進む。
すると。
「あった、ここだ!」
ふたりがたどり着いたのは、店内外に提灯が並ぶ派手な居酒屋だった。
父の行きつけの店を発見した結菜は、暖簾をくぐって引き戸を開ける。
ガラガラガラ~っ!
しかし。
「いない……嘘っ」
店内に父の姿はなく。
「ねえっ、おっちゃん」
結菜は、カウンターの中で包丁を握る、頭にねじり鉢巻きの男に声をかけた。
おそらく昔、誕生日に美味しいイカゲソをたらふく食べさせてくれた大将だ。
「海斗ちゃん? 祝い酒? 今日は来てねえな……」
「ぬあ~っ、せっかく走って来たのに、ここじゃないんだ~っ」
当てが外れ、結菜はガッカリな顔でうなだれる。
(他に心当たりのあるお店なんて、もう思い出せないよ~っ!)
これはかなりの時間ロス。
(どどどど、どうしようっ)
「力になれなくて悪いねぇ」
大将にそう言われ、疲れた顔で外に出る結菜。地べたに手をついて叫びたくなる気持ちがこみ上げる中、それでも何とかこらえ、両手をグーにしこめかみにぐりぐり押し当てた。
「ぬあ~っ、かなりの時間ロスだわっ! もう~っ、ここだと思ったのにっ!」
「他に海斗が行きそうな場所とか知らんのか?」
リュックから上半身を出したバクさんが短い前足で腕を組む。
その時。
「結菜ちゃん!」
聞き覚えのある声がして、結菜は振り返った。
「……昴じゃん」
夜の飲み屋街に、なんとクラスメイトの山岸昴がいた。首にタオルを巻いた昴は、黒のスウェット姿でランニングシューズを履いている。
彼はダンスの体力づくりにジョギングをしていたようだ。
「やっぱり、結菜ちゃんだ。どうして、こんなところに?」
昴は、額の汗をタオルで拭きながら不思議そうな顔で尋ねた。
一方。
「いや……それがねぇ」
結菜はしどろもどろになって、曖昧に答える。
昴に本当のことを言っていいのか迷っていたのだ。
自分は夢使いで、予知夢で人助けをしているなんて。
(そんなの、信じてくれるわけないよ……、どどどど、どうしようっ)
結菜はとっさに、リュックに収まるバクさんに戸惑いの目を向けた。
「……」
結菜の視線を感じ取ったバクさんは、昴を品定めするようにジト目で見やる。
やがて。
「美男子はいけ好かんけど、このイケメンは信用できそうやな!」
自分にしか聞こえない声でそう言ったバクさんに、結菜は背中を押された気がして覚悟を決めた。
「かくかくしかじか…………というわけで、お父さんを探してるんだよねぇ」
正直に予知夢のことを打ち明けた結菜だったが、少しして、やっぱり後悔するのだった。
(ぬあ~っ、せっかく学校でモテてるのに、これで頭がおかしな子って思われたかも……超最悪だわ)
しかし。
「結菜ちゃんが予知夢を見れるって、本当だったんだね!」
「えっ? ……信じてくれるんだ」
昴が目を輝かせたので、結菜は思わず耳を疑った。
「当たり前だよ! 結菜ちゃんは今朝トラック事故から僕を守ってくれた。だから、きっとただ者じゃないって思ってたんだ」
「じゃあっ、協力してくれるの?」
結菜は身を乗り出して聞く。
「任せてよ! ――それで、話を戻すけど。結菜ちゃんが夢で見た駅の時計って、9時半を指していたんだね?」
「うん、たしかそう」
結菜が頷くと、昴は腕時計に目を落とす。
「だったら、後10分しか時間がないね。結菜ちゃん、他に何か覚えてる?」
「ええっと、ええっとね……」
結菜はまた両手をグーにし、それをこめかみにぐりぐり当てながら夢の詳細を思い出す。
(あっ、満月だ)
ふと夜空を見上げた結菜は、そこにまん丸い月を見つけ、はっと口に手を当てた。
「たしか、夢でまん丸い月を見て……そう、駅のホームから花火も見えたんだわっ」
「花火?」
昴の目の色がパッと変わる。
「ここから300メートルほど北に行くと、花火が見える私鉄があるよ! 僕の家の近くで、きっと花火は野球場から打ち上がったものだと思う」
「花火って野球の――」
「とにかく急ごうっ」
昴はふいに手を握って結菜を遮ると、そのままふたりは一目散に走りだした。
「おっ、置いていかんといて~っ」
結菜は置いてきぼりを食いそうになったバクさんを振り返ると、
「ああ、昴! ちょっと待って!」
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