3 / 11
3: Select 〜収まるべき場所〜
しおりを挟む
***
なんっですか、この重労働!
紙!重い!めちゃくちゃ昔の書類も出てくるので、まずはその辺りを重点的に綴っては箱に入れ、時系列でまとめていきます。が、とにかく多い!多いです!
「こ、これは……ちょっとやそっとでは終わりませんね……」
「悪いね。私の仕事も止める訳にはいかないから、多分進みも鈍いと思いますけど……いつか終わると思うから」
いつかって、いつかしら。ちょっと遠い目になりながら、はは、と眉尻を下げて笑ってしまいました。
「ぷっ。御令嬢もそんな顔、するんですね」
「あっ?!し、失礼いたしました!」
気が抜けておりました!!あっ、でも今また先生、笑われましたよね?氷のヴィクトル様の笑顔はレアと聞きましたので、これからは心のフォルダに貯めておきます。
「いやこちらこそ、失礼。そろそろ休憩にしましょうか」
「あ、そうですね。お茶淹れます。」
お茶を淹れるのはお城での教育でもやっていたので、実はかなり得意なのです。
「伯爵令嬢の淹れてくれるお茶……プレミアがつきそうですね」
「先生まで、そんなことおっしゃって。」
「私もなかなか上手いんですよ。今度披露しましょう」
「まぁ。先生のお茶の方がプレミアです!」
新種の何かのように言ってしまった。また先生は書類を見ながら、くすくすと笑っている。うーん、こっちの先生の方が自分には自然で馴染み深いのだけど。
「先生は、なぜ薬局では『氷の』とお呼ばれなのでしょう」
「……うーん。仕事中はあまり喜怒哀楽を表に出さないようにしてしまうから、ですかね」
「王太子妃教育の授業では、そんなことなかったように思います」
「ああ……人数が少なかったからか、本来の仕事ではなかったからか……ふむ。私も気が緩むことがあるようです」
顎に手を当てながらそう呟き、目線をこちらに投げる。
「なんですか?」
「いや、貴女のおかげでもあるのかな、と思ってね。」
私が何か?
「その、怪訝な顔が面白い」
「和みをご提供できて何よりですわ」
くくっと笑いながら、お茶を受け取ってくれる。
「ああ、いい香りだ。ありがとう」
「どういたしまして」
「貴女は場の雰囲気を作る社交術にも長けているようだ。本当に……王太子妃になれる、あの立場を辞してしまって良かったのかと、私は今でも考える時がありますよ」
「社交術は技術です。それより私は、今のこちらの生活が楽しくて仕方ありません。」
心からそう思う。あそこで『政治の駒』になっている時の私には『私』がいなかったから。
「先生との授業が、希望の光でした」
「確かに『立場』というものは時として重いですね。」
「ええ。ですから、魔法省に来られて幸せです。それと……」
「それと?」
カップを置いて、友人を思い出す。
「おそらく、ラルフ様は昔からシェリル様を想っておいででした。私達は邪魔者……いえ、カモフラージュだったのですわ」
嫣然と、訳知り顔で笑ってみせた。
界隈のものなら知っている事だけど、候補者選びの際に1人だけラルフ様が自分で選んだ令嬢がいる。それがシェリル様なのだ。それを知っていたからことが、あの時私があっさりと決断できた理由でもある。
「そうなんですか?我々教師には、皆さんへ公平に接しているように見えていましたが」
「私たちもそう思っていました。その辺り、ラルフ様は抜け目ない気がします。執政者としての資質がおありかと」
「なるほどね。近しいものほど騙されそうだ。」
「シェリル様とだけ過ごすことで、変わられるかもしれませんけどね」
あの王子様が?と半信半疑の先生と笑い合う。やはり私は、こういう日常がいいなぁと思う。
***
それから幾日も、室長室の紙との戦いは続いた。先生の指示に従い時系列及び種類別になんとか並べ終えると、保管書類からどんどんまとめて保管所へ送る作業が続く。
それなのに、崩したはずの山の隣にまた山ができていて、これまでどれだけ溜め込んできたのか……と、半ば呆れ始めていた。
しかし、人間慣れるのは早い。いつの間にか私もある程度の内容であれば判断がつくようになり、指示は聞きながらもスピードアップできていた。少しずつ部屋に空間が出来て、先生も嬉しそうだ。
「ここが片付いたら、私に補佐官をつける予定になりましたよ」
「補佐官様ですか!それは良かったです」
「片付いたら、だけどね……」
先生が珍しく「うんざり」という空気を醸している。
「先生、片付きますよ……いつか、多分」
「そうだな、頑張ろう。」
今はまだ、補佐官様の机を入れる余地もない部屋だけれど。
***
「パウラ、ちょっといいかな」
「はい、何でしょう」
その日も朝から書類と格闘(文字通り)していると、打ち合わせで出かけていた先生に、帰るなり話があると座らされた。
「先日、補佐官の話をしたでしょう」
「ええ」
「……貴女がやってみる気はないですか?」
はい?
「、え、あの」
「パウラが研究者志望なのはわかっています。しかし、さっき上とも話していて、貴女はどうかという話になりました。なので、これは打診です」
「はぁ……」
突然の出世話に戸惑いを隠せなかった。室長補佐官。薬師より立場がいいのは、わかる。でも、と言いかけてふと思い当たる。
「あの私、研究者としてやっていけなさそうですか……?」
「え?ああ、いや、決してそんな事はないです。ただ、仕事の要領も良いし社交術にも長けている。人が来た時の対応もできるだろうし、補佐官という業務にとても向いた人材だと判断しました。」
「か、買い被りでは……でも、ありがとう存じます」
「うん。」
自分の考えていた事とは逆らしい。そうか、資質を認めてくれたのか。と理解したら、これまた悩ましい。
「一度、持ち帰って検討させてください」
「わかった。しかし早めに決めてくれると助かります」
「はい」
その夜、お風呂やベッドでじっくり考える。研究業務は憧れていたこともあり、医師室の仕事もとても楽しく何かと勉強になる。一方で補佐官としては、性格的に向いているのもあるし、先生の部屋で作業できるなら、それはそれで勉強になるのだろうとも思える。
……『将来の私』のために、どちらがいいんだろう。
王太子妃教育を受けていた頃とは別の『進路の悩み』にぶち当たる。
「でも、先生の部屋も半分は研究室みたいなものだし……。あっ、そうだ!」
良いことを思いついた!と翌朝早めに出勤した私は、先生の部屋に駆け込んだ。
「おはようございます!」
「おはよう、パウラ。いつもより早いですね?」
「はい、あの、昨日のお返事をと思いまして」
「そうか。こちらにどうぞ」
片付いた応接セットに腰掛けると、正面に先生が座った。
「補佐官のお話を、お受けしようと思います。」
「本当ですか?」
「はい。ただ、条件を一つ追加させてください。」
「どのような事を」
「私に先生の研究を、末端でいいのでお手伝いさせていただけませんか」
ぱちり、と先生が瞬く。継いで、あぁ、と言いながら右手が顎に当てられた。果たして。
「そうか、なるほど。助手兼補佐官ということなら、君の希望が叶えられるんですね?」
「そういう事になります」
「……問題ないと思う。こうなると、本当に適任としか思えないですね」
うまくパズルのピースがはまった、というように先生がひとりで頷いている。
「貴女は外国語も学んでましたね」
「はい、周辺3カ国は大丈夫です」
「諸外国との交流もある、この部署的としても心強い。さらに伯爵令嬢で、守秘義務の意識も完璧。……君が王太子妃候補を降りてくれたことは、私にとってもどうやら僥倖だったようです」
うんうん、と満足そうに頷く先生にホッとする。
「それでは、その方向で新たな契約書を作成して来ます。また確認してください」
「ありがとうございます、頑張ります!」
こうして、私の新たな進路はその先を決めた。
***
なんっですか、この重労働!
紙!重い!めちゃくちゃ昔の書類も出てくるので、まずはその辺りを重点的に綴っては箱に入れ、時系列でまとめていきます。が、とにかく多い!多いです!
「こ、これは……ちょっとやそっとでは終わりませんね……」
「悪いね。私の仕事も止める訳にはいかないから、多分進みも鈍いと思いますけど……いつか終わると思うから」
いつかって、いつかしら。ちょっと遠い目になりながら、はは、と眉尻を下げて笑ってしまいました。
「ぷっ。御令嬢もそんな顔、するんですね」
「あっ?!し、失礼いたしました!」
気が抜けておりました!!あっ、でも今また先生、笑われましたよね?氷のヴィクトル様の笑顔はレアと聞きましたので、これからは心のフォルダに貯めておきます。
「いやこちらこそ、失礼。そろそろ休憩にしましょうか」
「あ、そうですね。お茶淹れます。」
お茶を淹れるのはお城での教育でもやっていたので、実はかなり得意なのです。
「伯爵令嬢の淹れてくれるお茶……プレミアがつきそうですね」
「先生まで、そんなことおっしゃって。」
「私もなかなか上手いんですよ。今度披露しましょう」
「まぁ。先生のお茶の方がプレミアです!」
新種の何かのように言ってしまった。また先生は書類を見ながら、くすくすと笑っている。うーん、こっちの先生の方が自分には自然で馴染み深いのだけど。
「先生は、なぜ薬局では『氷の』とお呼ばれなのでしょう」
「……うーん。仕事中はあまり喜怒哀楽を表に出さないようにしてしまうから、ですかね」
「王太子妃教育の授業では、そんなことなかったように思います」
「ああ……人数が少なかったからか、本来の仕事ではなかったからか……ふむ。私も気が緩むことがあるようです」
顎に手を当てながらそう呟き、目線をこちらに投げる。
「なんですか?」
「いや、貴女のおかげでもあるのかな、と思ってね。」
私が何か?
「その、怪訝な顔が面白い」
「和みをご提供できて何よりですわ」
くくっと笑いながら、お茶を受け取ってくれる。
「ああ、いい香りだ。ありがとう」
「どういたしまして」
「貴女は場の雰囲気を作る社交術にも長けているようだ。本当に……王太子妃になれる、あの立場を辞してしまって良かったのかと、私は今でも考える時がありますよ」
「社交術は技術です。それより私は、今のこちらの生活が楽しくて仕方ありません。」
心からそう思う。あそこで『政治の駒』になっている時の私には『私』がいなかったから。
「先生との授業が、希望の光でした」
「確かに『立場』というものは時として重いですね。」
「ええ。ですから、魔法省に来られて幸せです。それと……」
「それと?」
カップを置いて、友人を思い出す。
「おそらく、ラルフ様は昔からシェリル様を想っておいででした。私達は邪魔者……いえ、カモフラージュだったのですわ」
嫣然と、訳知り顔で笑ってみせた。
界隈のものなら知っている事だけど、候補者選びの際に1人だけラルフ様が自分で選んだ令嬢がいる。それがシェリル様なのだ。それを知っていたからことが、あの時私があっさりと決断できた理由でもある。
「そうなんですか?我々教師には、皆さんへ公平に接しているように見えていましたが」
「私たちもそう思っていました。その辺り、ラルフ様は抜け目ない気がします。執政者としての資質がおありかと」
「なるほどね。近しいものほど騙されそうだ。」
「シェリル様とだけ過ごすことで、変わられるかもしれませんけどね」
あの王子様が?と半信半疑の先生と笑い合う。やはり私は、こういう日常がいいなぁと思う。
***
それから幾日も、室長室の紙との戦いは続いた。先生の指示に従い時系列及び種類別になんとか並べ終えると、保管書類からどんどんまとめて保管所へ送る作業が続く。
それなのに、崩したはずの山の隣にまた山ができていて、これまでどれだけ溜め込んできたのか……と、半ば呆れ始めていた。
しかし、人間慣れるのは早い。いつの間にか私もある程度の内容であれば判断がつくようになり、指示は聞きながらもスピードアップできていた。少しずつ部屋に空間が出来て、先生も嬉しそうだ。
「ここが片付いたら、私に補佐官をつける予定になりましたよ」
「補佐官様ですか!それは良かったです」
「片付いたら、だけどね……」
先生が珍しく「うんざり」という空気を醸している。
「先生、片付きますよ……いつか、多分」
「そうだな、頑張ろう。」
今はまだ、補佐官様の机を入れる余地もない部屋だけれど。
***
「パウラ、ちょっといいかな」
「はい、何でしょう」
その日も朝から書類と格闘(文字通り)していると、打ち合わせで出かけていた先生に、帰るなり話があると座らされた。
「先日、補佐官の話をしたでしょう」
「ええ」
「……貴女がやってみる気はないですか?」
はい?
「、え、あの」
「パウラが研究者志望なのはわかっています。しかし、さっき上とも話していて、貴女はどうかという話になりました。なので、これは打診です」
「はぁ……」
突然の出世話に戸惑いを隠せなかった。室長補佐官。薬師より立場がいいのは、わかる。でも、と言いかけてふと思い当たる。
「あの私、研究者としてやっていけなさそうですか……?」
「え?ああ、いや、決してそんな事はないです。ただ、仕事の要領も良いし社交術にも長けている。人が来た時の対応もできるだろうし、補佐官という業務にとても向いた人材だと判断しました。」
「か、買い被りでは……でも、ありがとう存じます」
「うん。」
自分の考えていた事とは逆らしい。そうか、資質を認めてくれたのか。と理解したら、これまた悩ましい。
「一度、持ち帰って検討させてください」
「わかった。しかし早めに決めてくれると助かります」
「はい」
その夜、お風呂やベッドでじっくり考える。研究業務は憧れていたこともあり、医師室の仕事もとても楽しく何かと勉強になる。一方で補佐官としては、性格的に向いているのもあるし、先生の部屋で作業できるなら、それはそれで勉強になるのだろうとも思える。
……『将来の私』のために、どちらがいいんだろう。
王太子妃教育を受けていた頃とは別の『進路の悩み』にぶち当たる。
「でも、先生の部屋も半分は研究室みたいなものだし……。あっ、そうだ!」
良いことを思いついた!と翌朝早めに出勤した私は、先生の部屋に駆け込んだ。
「おはようございます!」
「おはよう、パウラ。いつもより早いですね?」
「はい、あの、昨日のお返事をと思いまして」
「そうか。こちらにどうぞ」
片付いた応接セットに腰掛けると、正面に先生が座った。
「補佐官のお話を、お受けしようと思います。」
「本当ですか?」
「はい。ただ、条件を一つ追加させてください。」
「どのような事を」
「私に先生の研究を、末端でいいのでお手伝いさせていただけませんか」
ぱちり、と先生が瞬く。継いで、あぁ、と言いながら右手が顎に当てられた。果たして。
「そうか、なるほど。助手兼補佐官ということなら、君の希望が叶えられるんですね?」
「そういう事になります」
「……問題ないと思う。こうなると、本当に適任としか思えないですね」
うまくパズルのピースがはまった、というように先生がひとりで頷いている。
「貴女は外国語も学んでましたね」
「はい、周辺3カ国は大丈夫です」
「諸外国との交流もある、この部署的としても心強い。さらに伯爵令嬢で、守秘義務の意識も完璧。……君が王太子妃候補を降りてくれたことは、私にとってもどうやら僥倖だったようです」
うんうん、と満足そうに頷く先生にホッとする。
「それでは、その方向で新たな契約書を作成して来ます。また確認してください」
「ありがとうございます、頑張ります!」
こうして、私の新たな進路はその先を決めた。
***
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
皇帝陛下は皇妃を可愛がる~俺の可愛いお嫁さん、今日もいっぱい乱れてね?~
一ノ瀬 彩音
恋愛
ある国の皇帝である主人公は、とある理由から妻となったヒロインに毎日のように夜伽を命じる。
だが、彼女は恥ずかしいのか、いつも顔を真っ赤にして拒むのだ。
そんなある日、彼女はついに自分から求めるようになるのだが……。
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
〈短編版〉騎士団長との淫らな秘め事~箱入り王女は性的に目覚めてしまった~
二階堂まや
恋愛
王国の第三王女ルイーセは、女きょうだいばかりの環境で育ったせいで男が苦手であった。そんな彼女は王立騎士団長のウェンデと結婚するが、逞しく威風堂々とした風貌の彼ともどう接したら良いか分からず、遠慮のある関係が続いていた。
そんなある日、ルイーセは森に散歩に行き、ウェンデが放尿している姿を偶然目撃してしまう。そしてそれは、彼女にとって性の目覚めのきっかけとなってしまったのだった。
+性的に目覚めたヒロインを器の大きい旦那様(騎士団長)が全面協力して最終的にらぶえっちするというエロに振り切った作品なので、気軽にお楽しみいただければと思います。
冷徹御曹司と極上の一夜に溺れたら愛を孕みました
せいとも
恋愛
旧題:運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜
神楽坂グループ傘下『田崎ホールディングス』の創業50周年パーティーが開催された。
舞台で挨拶するのは、専務の田崎悠太だ。
専務の秘書で彼女の月島さくらは、会場で挨拶を聞いていた。
そこで、今の瞬間まで彼氏だと思っていた悠太の口から、別の女性との婚約が発表された。
さくらは、訳が分からずショックを受け会場を後にする。
その様子を見ていたのが、神楽坂グループの御曹司で、社長の怜だった。
海外出張から一時帰国して、パーティーに出席していたのだ。
会場から出たさくらを追いかけ、忘れさせてやると一夜の関係をもつ。
一生をさくらと共にしようと考えていた怜と、怜とは一夜の関係だと割り切り前に進むさくらとの、長い長いすれ違いが始まる。
再会の日は……。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【完結】お義父様と義弟の溺愛が凄すぎる件
百合蝶
恋愛
お母様の再婚でロバーニ・サクチュアリ伯爵の義娘になったアリサ(8歳)。
そこには2歳年下のアレク(6歳)がいた。
いつもツンツンしていて、愛想が悪いが(実話・・・アリサをーーー。)
それに引き替え、ロバーニ義父様はとても、いや異常にアリサに構いたがる!
いいんだけど触りすぎ。
お母様も呆れからの憎しみも・・・
溺愛義父様とツンツンアレクに愛されるアリサ。
デビュタントからアリサを気になる、アイザック殿下が現れーーーーー。
アリサはの気持ちは・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる