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義妹が何かを企んでいるらしい
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あれから1週間後。
私とフレデリック殿下の婚約は本当に破棄されました。
フレデリック殿下の訴えを聞いた国王陛下は最初は反対なされたそうです。結婚間近の公爵令嬢と婚約破棄などデメリットしかないですからね。
しかし私は婚約破棄されました。あの陛下は、子供に甘いのだけが欠点です。
貴族の令嬢にとって同じ破談でも破棄と解消では丸っきり違います。しかも王子から婚約破棄されたとなれば私は欠陥のあるキズモノ令嬢として社交界の笑い者となって生きていくしかありません。円満に婚約解消であれば、元よりこの婚約自体がなかったことになるので私の経歴にキズはつきませんのに、フレデリック殿下が本気で私を追い詰めようとしている証拠ですわね。
そして体面上は、長女がとんでもない悪女で王子妃にふさわしくないと判断されたが、その義妹は素晴らしい聖女で殿下と真実の愛で結ばれている。とかなんとか周りに吹聴しているようです。
しかもフレデリック殿下は私とするはずだった結婚式をそのまま全てロゼリアと行うとおっしゃい、なんとあと3週間程でロゼリアが嫁ぐことになってしまったのですわ。なんて暴挙なのかしら。本当なら今から王子妃教育を始めて最短でもロゼリアが学園を卒業してからの結婚になるはずですのに、そんなことしたらまだ通い始めて1年程の学園すらまともに通えなくなるでしょう。
フレデリック殿下はロゼリアを私から守るためには、早く結婚して宮殿に住まわせるしかないと本気で思っているようなのです。
そのせいで、社交界では面白おかしく噂が流れ放題ですわ。私は王子に捨てられた憐れな令嬢で、ロゼリアは義姉の婚約者を奪った恥知らずだと……。しかしフレデリック殿下は自分が本気でロゼリアを守っていると信じているようで、そんな噂すら私が醜い嫉妬をしてこっそり流していると思っているようなのです。
別に私のことはなんと言われてもかまいませんけど、ロゼリアを悪く言われるのは嫌ですわ。なんで陛下はロゼリアとの婚約を認めてしまうのか……これだから子供に甘い親バカは困ります。あの薄くなってるてっぺんを全てむしってやりたいですわ。
婚約破棄が成立してから私は屋敷に引きこもっていました。その間、ロゼリアは王子妃教育のためにと半ば無理矢理王宮に連れていかれてしまったので、さらに1週間の時間が過ぎてしまったのです。あの心優しい義妹が辛い思いをしているのではと考えると、ため息ばかりが出てきてしまいます。
ロゼリアが屋敷を出るとき、彼女は笑顔でこう言ってくれました。
「任せて下さい、お義姉様」と。
その時の私にはその意味がわからなかったのですが、すぐ連れていかれたので真意を聞くことはできませんでした。
「テイレシア」
「お父様、お義母様……」
私が泣いていることに気づいたお父様とお義母様が優しく背中を擦ってくれます。
「……ロゼリアは、大丈夫でしょうか。あれから手紙すらフレデリック殿下に阻まれております……私のせいで、ロゼリアが……」
「大丈夫ですよ、ロゼリアは強く賢い子です。なにより義姉のあなたをとても慕っていますもの。それと朗報ですよ。わたしの跡を継いで伯爵家に入ってくれた再従兄弟から連絡が来ました。どうやらロゼリアとの手紙を阻まれているのは公爵家だけのようで、その他はわりと自由らしいのです」
「まぁ、伯爵家のご当主から……!」
お義母様は父と再婚するさい、遠縁の親戚の方に爵位を継いでもらっているのです。私も1度挨拶をしに行きましたが、とても気さくな優しい方だったと記憶しております。
「ええ、ロゼリアは伯爵家と綿密な連絡を取っていて色々と企んでいるようなのです。……あの再従兄弟は特殊な趣味があってロゼリアとは仲が良かったですから」
お義母様が苦笑いをして言いました。……特殊な趣味ってなにかしら?
とにかくロゼリアが元気ならなによりですわ。
でも、何を企んでいるのかしら?危ないことでないと良いのだけど……。
そしてそのあとしばらくしてから、とんでもない話を聞くことになるのですが、その時の私はまだ知るよしもありませんでした。
私とフレデリック殿下の婚約は本当に破棄されました。
フレデリック殿下の訴えを聞いた国王陛下は最初は反対なされたそうです。結婚間近の公爵令嬢と婚約破棄などデメリットしかないですからね。
しかし私は婚約破棄されました。あの陛下は、子供に甘いのだけが欠点です。
貴族の令嬢にとって同じ破談でも破棄と解消では丸っきり違います。しかも王子から婚約破棄されたとなれば私は欠陥のあるキズモノ令嬢として社交界の笑い者となって生きていくしかありません。円満に婚約解消であれば、元よりこの婚約自体がなかったことになるので私の経歴にキズはつきませんのに、フレデリック殿下が本気で私を追い詰めようとしている証拠ですわね。
そして体面上は、長女がとんでもない悪女で王子妃にふさわしくないと判断されたが、その義妹は素晴らしい聖女で殿下と真実の愛で結ばれている。とかなんとか周りに吹聴しているようです。
しかもフレデリック殿下は私とするはずだった結婚式をそのまま全てロゼリアと行うとおっしゃい、なんとあと3週間程でロゼリアが嫁ぐことになってしまったのですわ。なんて暴挙なのかしら。本当なら今から王子妃教育を始めて最短でもロゼリアが学園を卒業してからの結婚になるはずですのに、そんなことしたらまだ通い始めて1年程の学園すらまともに通えなくなるでしょう。
フレデリック殿下はロゼリアを私から守るためには、早く結婚して宮殿に住まわせるしかないと本気で思っているようなのです。
そのせいで、社交界では面白おかしく噂が流れ放題ですわ。私は王子に捨てられた憐れな令嬢で、ロゼリアは義姉の婚約者を奪った恥知らずだと……。しかしフレデリック殿下は自分が本気でロゼリアを守っていると信じているようで、そんな噂すら私が醜い嫉妬をしてこっそり流していると思っているようなのです。
別に私のことはなんと言われてもかまいませんけど、ロゼリアを悪く言われるのは嫌ですわ。なんで陛下はロゼリアとの婚約を認めてしまうのか……これだから子供に甘い親バカは困ります。あの薄くなってるてっぺんを全てむしってやりたいですわ。
婚約破棄が成立してから私は屋敷に引きこもっていました。その間、ロゼリアは王子妃教育のためにと半ば無理矢理王宮に連れていかれてしまったので、さらに1週間の時間が過ぎてしまったのです。あの心優しい義妹が辛い思いをしているのではと考えると、ため息ばかりが出てきてしまいます。
ロゼリアが屋敷を出るとき、彼女は笑顔でこう言ってくれました。
「任せて下さい、お義姉様」と。
その時の私にはその意味がわからなかったのですが、すぐ連れていかれたので真意を聞くことはできませんでした。
「テイレシア」
「お父様、お義母様……」
私が泣いていることに気づいたお父様とお義母様が優しく背中を擦ってくれます。
「……ロゼリアは、大丈夫でしょうか。あれから手紙すらフレデリック殿下に阻まれております……私のせいで、ロゼリアが……」
「大丈夫ですよ、ロゼリアは強く賢い子です。なにより義姉のあなたをとても慕っていますもの。それと朗報ですよ。わたしの跡を継いで伯爵家に入ってくれた再従兄弟から連絡が来ました。どうやらロゼリアとの手紙を阻まれているのは公爵家だけのようで、その他はわりと自由らしいのです」
「まぁ、伯爵家のご当主から……!」
お義母様は父と再婚するさい、遠縁の親戚の方に爵位を継いでもらっているのです。私も1度挨拶をしに行きましたが、とても気さくな優しい方だったと記憶しております。
「ええ、ロゼリアは伯爵家と綿密な連絡を取っていて色々と企んでいるようなのです。……あの再従兄弟は特殊な趣味があってロゼリアとは仲が良かったですから」
お義母様が苦笑いをして言いました。……特殊な趣味ってなにかしら?
とにかくロゼリアが元気ならなによりですわ。
でも、何を企んでいるのかしら?危ないことでないと良いのだけど……。
そしてそのあとしばらくしてから、とんでもない話を聞くことになるのですが、その時の私はまだ知るよしもありませんでした。
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