30 / 58
氷点下と獲物の血
しおりを挟む
講堂に戻ると照明は復旧していたが、生徒たちはまだ倒れたままだった。
「ルーちゃん、しっかりして」
「う……」
微かに身じろぎしたルーちゃんを抱えて講堂を出ると、外にボディーガードさんが待機していた。
「アイリ様、ルチア様は……」
「大丈夫よ、気を失っているだけみたい」
ボディーガードさんがルーちゃんを抱き上げると、ルーちゃんの意識がわずかに戻った。
「……アイ、リちゃん。変な男が、なにかして……。アイリちゃんは、大丈夫、でしたの……?」
「私は平気だよ。……セバスチャンが守ってくれたから。もうあの変な人もいなくなったよ」
「……そう、よかった。さすがセバスチャンですわね……」
ルーちゃんは安堵した顔になり、再び意識を失った。
「ルチア様……、眠ってらっしゃるようです。お怪我も無いようですし、このままお部屋にお連れします」
「うん、お願いします」
しばらくすると講堂の中が騒がしくなってくる。他の生徒たちも起き出したみたいで先生方が慌ただしく出入りし始めた。
私とボディーガードさんはその騒動に巻き込まれないようにそっと各部屋に戻ったのだった。
******
『きゅいきゅい』
部屋に入るとナイトがぷるぷると揺れ出す。
「ナイト?」
バレッタがぽふんっと音を立ててコウモリの姿に戻った。そして、パタパタとベッドまで飛んでいくと眠っている吸血鬼様の頭上をぐるぐると回り始めたのだ。
「きゅいきゅいっ!きゅいっ!」
なんだか焦っているように必死に鳴いていた。
「……吸血鬼様が、どうかしたの?」
そっと眠っている吸血鬼様の顔を覗き込む。静かに目を閉じてるようにしか見えないけど、……なんかちょっと変な感じがした。
「……!」
思わずその頬に手を当てると、まるで氷の塊のようにゾクリとするほど冷たかった。吸血鬼の体温は人間よりも低い。だが普段は少しひんやりして気持ちいい程度の低さだ。だがこの冷たさは異常な気がした。
触っている指先が冷たさでかじかみ、まるで冷凍庫の中にずっと手を入れていたみたいな感覚になる。吸血鬼様の顔はいつもの無表情のまま。でも青白く冷たいその肌が死人の顔を連想させた。
「きゅいーっ」
ナイトが涙目になってぐるぐると飛んだ。なんて言ってるかはわからないが、緊急事態なことだけはわかる。
ゲームでの吸血鬼様はこんな状態になったことなど無かった。でも、きっとどこかになにかヒントがあったはず。
「裏公式設定集……それとも裏公式サイト……。ゲームにも出てこない、マニア向けのホームページ……」
意外と人気のあった吸血鬼様の情報を知りたがるファンはけっこう多かった。
特に弱点系の情報を知ってそのギャップに悶えるファンのために、ゲーム攻略にはまったく関係ない情報が書かれているホームページもあったのだ。(もちろん攻略対象者や他のキャラクターのもあったが、私は吸血鬼様の情報のみを重箱の隅をほじくりかえす勢いで見てたはずだ)
「……思い出した!」
人間が体調を崩すと高熱が出るのと逆で、吸血鬼は体調を崩すと低温になるのだ。低ければ低いほど、体調の悪化を表す。
いくら吸血鬼でも一定の体温を保てないとやはり不調となり、最悪の場合は理性を失い本能のまま動く化け物になってしまう。
そう、書かれていたはずだ。
「……疲れたって言ってたけど、体調が悪かったのね」
しかしこの冷たさはかなりまずいのではないだろうか。吸血鬼自身の体調不良には本人の治癒力は役に立たない。その治癒力の効果が下がってるからこその体調不良なのだ。
とりあえずどうするべきか……。人間の高熱になら冷やせばいいのだから、その逆て温めるでいいのだろうか?さすがにマニア向けのホームページにも治し方までは書いてなかった。
そもそも体調を崩すことがない。という設定だったからだ。
「きゅい~っ」
ナイトがうるうると泣きながら私を見た。
「吸血鬼様が心配なのね。とりあえずできるだけのことをやりましょう。大丈夫よ、吸血鬼様はラスボスだもの。そんな簡単には死なないわ」
ゲームの中で吸血鬼様が死ぬのは、ヒロインと攻略対象者の愛の力が込められた剣で刺された時だ。(このときの愛の力100%なら即死、80%なら封印、50%以下なら返り討ちで攻略対象者が死亡。それによってエンディングも変化する)それ以外で死ぬことはない。
例え本能のまま動く化け物になっても、死にはしないはずなのだ。
私はミニキッチンでお湯を沸かし、熱い蒸しタオルを作って吸血鬼様のおでこに乗せた。ちょっとは暖まるかな?と思ったが、そのタオルは一瞬で氷の塊へと変貌してしまう。
最初から被っていた布団をめくってみると内側にはつららができているし、着ていた服も氷の膜に包まれて触るとパキパキと音を立てた。
さらに温度が下がってる気がする。どれだけ部屋を暖めても吸血鬼様の周囲だけは氷点下のままだ。
私は、自分が熱を出して倒れた時の吸血鬼様を思い出していた。私の回復力をあげるために、一晩中抱き締めていてくれた。
私があの時、吸血鬼様を脅迫なんかしなかったら今頃は森の奥でナイトたちと静かに暮らしていたのに、吸血鬼様の運命をねじ曲げているのは私だ。
指先で自分の首筋に触れた。そこには吸血鬼の傷痕がある。これは、吸血鬼の祝福と呪いの証。
そして、獲物の目印。
吸血鬼様に再び血を吸われ、私も吸血鬼様の血を飲めば私は吸血鬼になる。でも、私が飲まなければどうなる?身体中の血を吸い付くされて吸血鬼様の糧になるだけ。
吸血鬼は元より人間の血を吸って糧にしている。無くても生きていけるけど、いざというとき……そう、自身の体が弱った時の糧にするために獲物を選び目印をつけておくのだ。
それは吸血鬼の生存本能。ならば私の血を飲めば、治るかもしれない。
「私、お子さまだし胸も大きくないし、綺麗じゃないから。私のことお嫁さんにするのは嫌だろうけど……」
私はキッチンにあったフルーツナイフを手首に当てた。
「私の血くらいなら、もらってくれますよね?」
切っ先から赤い血が溢れ出し、吸血鬼様の唇の上にポタポタと落ちた。
「ルーちゃん、しっかりして」
「う……」
微かに身じろぎしたルーちゃんを抱えて講堂を出ると、外にボディーガードさんが待機していた。
「アイリ様、ルチア様は……」
「大丈夫よ、気を失っているだけみたい」
ボディーガードさんがルーちゃんを抱き上げると、ルーちゃんの意識がわずかに戻った。
「……アイ、リちゃん。変な男が、なにかして……。アイリちゃんは、大丈夫、でしたの……?」
「私は平気だよ。……セバスチャンが守ってくれたから。もうあの変な人もいなくなったよ」
「……そう、よかった。さすがセバスチャンですわね……」
ルーちゃんは安堵した顔になり、再び意識を失った。
「ルチア様……、眠ってらっしゃるようです。お怪我も無いようですし、このままお部屋にお連れします」
「うん、お願いします」
しばらくすると講堂の中が騒がしくなってくる。他の生徒たちも起き出したみたいで先生方が慌ただしく出入りし始めた。
私とボディーガードさんはその騒動に巻き込まれないようにそっと各部屋に戻ったのだった。
******
『きゅいきゅい』
部屋に入るとナイトがぷるぷると揺れ出す。
「ナイト?」
バレッタがぽふんっと音を立ててコウモリの姿に戻った。そして、パタパタとベッドまで飛んでいくと眠っている吸血鬼様の頭上をぐるぐると回り始めたのだ。
「きゅいきゅいっ!きゅいっ!」
なんだか焦っているように必死に鳴いていた。
「……吸血鬼様が、どうかしたの?」
そっと眠っている吸血鬼様の顔を覗き込む。静かに目を閉じてるようにしか見えないけど、……なんかちょっと変な感じがした。
「……!」
思わずその頬に手を当てると、まるで氷の塊のようにゾクリとするほど冷たかった。吸血鬼の体温は人間よりも低い。だが普段は少しひんやりして気持ちいい程度の低さだ。だがこの冷たさは異常な気がした。
触っている指先が冷たさでかじかみ、まるで冷凍庫の中にずっと手を入れていたみたいな感覚になる。吸血鬼様の顔はいつもの無表情のまま。でも青白く冷たいその肌が死人の顔を連想させた。
「きゅいーっ」
ナイトが涙目になってぐるぐると飛んだ。なんて言ってるかはわからないが、緊急事態なことだけはわかる。
ゲームでの吸血鬼様はこんな状態になったことなど無かった。でも、きっとどこかになにかヒントがあったはず。
「裏公式設定集……それとも裏公式サイト……。ゲームにも出てこない、マニア向けのホームページ……」
意外と人気のあった吸血鬼様の情報を知りたがるファンはけっこう多かった。
特に弱点系の情報を知ってそのギャップに悶えるファンのために、ゲーム攻略にはまったく関係ない情報が書かれているホームページもあったのだ。(もちろん攻略対象者や他のキャラクターのもあったが、私は吸血鬼様の情報のみを重箱の隅をほじくりかえす勢いで見てたはずだ)
「……思い出した!」
人間が体調を崩すと高熱が出るのと逆で、吸血鬼は体調を崩すと低温になるのだ。低ければ低いほど、体調の悪化を表す。
いくら吸血鬼でも一定の体温を保てないとやはり不調となり、最悪の場合は理性を失い本能のまま動く化け物になってしまう。
そう、書かれていたはずだ。
「……疲れたって言ってたけど、体調が悪かったのね」
しかしこの冷たさはかなりまずいのではないだろうか。吸血鬼自身の体調不良には本人の治癒力は役に立たない。その治癒力の効果が下がってるからこその体調不良なのだ。
とりあえずどうするべきか……。人間の高熱になら冷やせばいいのだから、その逆て温めるでいいのだろうか?さすがにマニア向けのホームページにも治し方までは書いてなかった。
そもそも体調を崩すことがない。という設定だったからだ。
「きゅい~っ」
ナイトがうるうると泣きながら私を見た。
「吸血鬼様が心配なのね。とりあえずできるだけのことをやりましょう。大丈夫よ、吸血鬼様はラスボスだもの。そんな簡単には死なないわ」
ゲームの中で吸血鬼様が死ぬのは、ヒロインと攻略対象者の愛の力が込められた剣で刺された時だ。(このときの愛の力100%なら即死、80%なら封印、50%以下なら返り討ちで攻略対象者が死亡。それによってエンディングも変化する)それ以外で死ぬことはない。
例え本能のまま動く化け物になっても、死にはしないはずなのだ。
私はミニキッチンでお湯を沸かし、熱い蒸しタオルを作って吸血鬼様のおでこに乗せた。ちょっとは暖まるかな?と思ったが、そのタオルは一瞬で氷の塊へと変貌してしまう。
最初から被っていた布団をめくってみると内側にはつららができているし、着ていた服も氷の膜に包まれて触るとパキパキと音を立てた。
さらに温度が下がってる気がする。どれだけ部屋を暖めても吸血鬼様の周囲だけは氷点下のままだ。
私は、自分が熱を出して倒れた時の吸血鬼様を思い出していた。私の回復力をあげるために、一晩中抱き締めていてくれた。
私があの時、吸血鬼様を脅迫なんかしなかったら今頃は森の奥でナイトたちと静かに暮らしていたのに、吸血鬼様の運命をねじ曲げているのは私だ。
指先で自分の首筋に触れた。そこには吸血鬼の傷痕がある。これは、吸血鬼の祝福と呪いの証。
そして、獲物の目印。
吸血鬼様に再び血を吸われ、私も吸血鬼様の血を飲めば私は吸血鬼になる。でも、私が飲まなければどうなる?身体中の血を吸い付くされて吸血鬼様の糧になるだけ。
吸血鬼は元より人間の血を吸って糧にしている。無くても生きていけるけど、いざというとき……そう、自身の体が弱った時の糧にするために獲物を選び目印をつけておくのだ。
それは吸血鬼の生存本能。ならば私の血を飲めば、治るかもしれない。
「私、お子さまだし胸も大きくないし、綺麗じゃないから。私のことお嫁さんにするのは嫌だろうけど……」
私はキッチンにあったフルーツナイフを手首に当てた。
「私の血くらいなら、もらってくれますよね?」
切っ先から赤い血が溢れ出し、吸血鬼様の唇の上にポタポタと落ちた。
5
お気に入りに追加
127
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています
葉柚
ファンタジー
婚約者の二股により婚約破棄をされた33才の真由は、突如異世界に飛ばされた。
そこはど田舎だった。
住む家と土地と可愛い3匹の猫をもらった真由は、猫たちに囲まれてストレスフリーなスローライフ生活を送る日常を送ることになった。
レコンティーニ王国は猫に優しい国です。
小説家になろう様にも掲載してます。
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
中でトントンってして、ビューってしても、赤ちゃんはできません!
いちのにか
恋愛
はいもちろん嘘です。「ってことは、チューしちゃったら赤ちゃんできちゃうよねっ?」っていう、……つまりとても頭悪いお話です。
含み有りの嘘つき従者に溺愛される、騙され貴族令嬢モノになります。
♡多用、言葉責め有り、効果音付きの濃いめです。従者君、軽薄です。
★ハッピーエイプリルフール★
他サイトのエイプリルフール企画に投稿した作品です。期間終了したため、こちらに掲載します。
以下のキーワードをご確認の上、ご自愛ください。
◆近況ボードの同作品の投稿報告記事に蛇補足を追加しました。作品設定の記載(短め)のみですが、もしよろしければ٩( ᐛ )و
転生悪役令嬢、物語の動きに逆らっていたら運命の番発見!?
下菊みこと
恋愛
世界でも獣人族と人族が手を取り合って暮らす国、アルヴィア王国。その筆頭公爵家に生まれたのが主人公、エリアーヌ・ビジュー・デルフィーヌだった。わがまま放題に育っていた彼女は、しかしある日突然原因不明の頭痛に見舞われ数日間寝込み、ようやく落ち着いた時には別人のように良い子になっていた。
エリアーヌは、前世の記憶を思い出したのである。その記憶が正しければ、この世界はエリアーヌのやり込んでいた乙女ゲームの世界。そして、エリアーヌは人族の平民出身である聖女…つまりヒロインを虐めて、規律の厳しい問題児だらけの修道院に送られる悪役令嬢だった!
なんとか方向を変えようと、あれやこれやと動いている間に獣人族である彼女は、運命の番を発見!?そして、孤児だった人族の番を連れて帰りなんやかんやとお世話することに。
果たしてエリアーヌは運命の番を幸せに出来るのか。
そしてエリアーヌ自身の明日はどっちだ!?
小説家になろう様でも投稿しています。
異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!
東導 号
ファンタジー
雑魚モブキャラだって負けない! 俺は絶対!前世より1億倍!幸せになる!
俺、ケン・アキヤマ25歳は、某・ダークサイド企業に勤める貧乏リーマン。
絶対的支配者のようにふるまう超ワンマン社長、コバンザメのような超ごますり部長に、
あごでこきつかわれながら、いつか幸せになりたいと夢見ていた。
社長と部長は、100倍くらい盛りに盛った昔の自分自慢語りをさく裂させ、
1日働きづめで疲れ切った俺に対して、意味のない精神論に終始していた。
そして、ふたり揃って、具体的な施策も提示せず、最後には
「全社員、足で稼げ! 知恵を絞り、営業数字を上げろ!」
と言うばかり。
社員達の先頭を切って戦いへ挑む、重い責任を背負う役職者のはずなのに、
完全に口先だけ、自分の部屋へ閉じこもり『外部の評論家』と化していた。
そんな状況で、社長、部長とも「業務成績、V字回復だ!」
「営業売上の前年比プラス150%目標だ!」とか抜かすから、
何をか言わんや……
そんな過酷な状況に生きる俺は、転職活動をしながら、
超シビアでリアルな地獄の現実から逃避しようと、
ヴァーチャル世界へ癒しを求めていた。
中でも最近は、世界で最高峰とうたわれる恋愛ファンタジーアクションRPG、
『ステディ・リインカネーション』に、はまっていた。
日々の激務の疲れから、ある日、俺は寝落ちし、
……『寝落ち』から目が覚め、気が付いたら、何と何と!!
16歳の、ど平民少年ロイク・アルシェとなり、
中世西洋風の異世界へ転生していた……
その異世界こそが、熱中していたアクションRPG、
『ステディ・リインカネーション』の世界だった。
もう元の世界には戻れそうもない。
覚悟を決めた俺は、数多のラノベ、アニメ、ゲームで積み重ねたおたく知識。
そして『ステディ・リインカネーション』をやり込んだプレイ経験、攻略知識を使って、
絶対! 前世より1億倍! 幸せになる!
と固く決意。
素晴らしきゲーム世界で、新生活を始めたのである。
カクヨム様でも連載中です!
お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
あーもんど
恋愛
ある日、悪役令嬢に憑依してしまった主人公。
困惑するものの、わりとすんなり状況を受け入れ、『必ず幸せになる!』と決意。
さあ、第二の人生の幕開けよ!────と意気込むものの、人生そう上手くいかず……
────えっ?悪役令嬢って、家族と不仲だったの?
────ヒロインに『悪役になりきれ』って言われたけど、どうすれば……?
などと悩みながらも、真っ向から人と向き合い、自分なりの道を模索していく。
そんな主人公に惹かれたのか、皆だんだん優しくなっていき……?
ついには、主人公を溺愛するように!
────これは孤独だった悪役令嬢が家族に、攻略対象者に、ヒロインに愛されまくるお語。
◆小説家になろう様にて、先行公開中◆
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる