70 / 74
70 言いたい“言葉”を口にするのは
しおりを挟む
あぁ、穴があったら入りたいです……!
小鳥のさえずりと共に目を覚まし、寝惚けた思考がはっきりとしてきた頃。
昨夜の事を全部思い出しました!
「わ、私ったらとんでもないことを……!」
そう、私は確かレベッカ様やアニーと最後の女子会を楽しんでいました。そして、しっかりジルさんにフラれる覚悟をしてパーティーに挑もうと思いレベッカ様に頼んで髪を切って貰ったんです。あの時はあんなことを言ってしまったけれど、ジルさんがその口からちゃんと王女様との結婚報告をしてくれたら笑顔で祝福しようと決めたのですから。
だから、女のケジメとして髪を切って気合いを入れたわけです。
でも、やっぱりちょっと悲しくなってしまっている時にレベッカ様が「これは、飲むと勇気が出る不思議な水なんですのよ」と大きな瓶を渡してくれました。
瓶には〈鬼殺し〉と書かれたラベルが貼ってあり、瓶の中には透明の液体がたっぷりと入っているようでした。
「〈鬼殺し〉ってなんですか?」
「どこかの国の言葉で、“勇気が出る”って意味なんですって」
「初めて聞きました……。世界は広いですね」
せっかくなので勇気を貰おうと一気に飲み干したのですが……これ、きついです!
飲みきった後に「あ、これお酒だ」とは思いましたよ。ちなみにとても美味しかったです。初めて飲む味でしたが口当たりも良く喉ごし爽やかで、自国の酒場でも人気が出そうだと思いました……いえ、それは今は置いといて!
そう、そこまで解析はしたのはよかったのですが、予想以上のアルコール度数のきつさに酔ってしまったのです。
私は体質なのかお酒にはけっこう強い方なのです。多少のお酒ではそんなに酔ったりしないし、暴走するなんて今までなかったのに……。
とうとう暴走してしまいました。だってまさか、ジルさんが突然目の前に現れるなんて思わなかったんですもの!私が欲しかったのはジルさんの結婚を祝福する勇気であって、ジルさんに告白する勇気では無かったのに……!し、しかも……お、襲ってしまうなんて……!
殿方を押し倒して無理矢理唇を奪うなんて、もはや痴女じゃないですか!?しかもいうだけ言ったらそのまま寝てしまうなんて最悪です!
さらに自室で寝てるってことは、ジルさんが運んでくれたってことですよね?!だって私なんかに襲われた現場に他の人を呼んだりしたら聖女が国王を襲ったってバレちゃいますし!そんなの異国の恥さらしになっちゃうじゃないですかぁぁぁ?!
「……これは、解任どころか聖女をクビになっても仕方ない失態ですよね……」
私は大きなため息をつき、涙を堪えて肩を落としました。もう今日は聖女解任のパーティー当日ですが、最早そのパーティーがおこなわれることはないでしょう。もしあったとしてもそれは解任パーティーではなく、私の断罪パーティーになりそうですもの。昔読んだことのある悪役令嬢が出てくる物語をふと思い出してしまいました。真実の愛を邪魔する悪役はパーティーなどの人が集まる場所でその罪を暴かれて断罪されてしまうんです。このままではこの国が積み上げてきた聖女の功績も地に落ちてしまいます。それならば、せめて国民に私が痴女だとバレて非難される前に自主的に出ていくことにしましょう。
アニーやレベッカ様になんて言い訳をしたらいいのか……。せっかく私の為にパーティーの準備をしてくれていたのに申し訳なさ過ぎます。
そんな事を考えながらせめて身の回りを整頓しておこうと鞄に服を詰めていたら、ジルさんから貰った最初の聖女のドレスが目についてしまい堪えていた涙が堰を切ったように溢れ出してしまいました。
どうして私はジルさんを好きになってしまったのでしょう。初恋だと思っていたエドガーにだってこんな気持ちを感じたことなどありません。説明が難しいよくわからない感情がぐるぐるしていて、気がつくとジルさんの事を考えていて……ただひたすらに“好き”だとしか言えなくて……。
「……嫌われたくないです……」
もしこのままジルさんに嫌われたらと考えたら、息が出来なくなりそうでした。
謝ろう。謝罪して、あの告白は忘れてくれていいからせめて元聖女として思い出に残してもらおう。王女様との事だって邪魔する気はないんだって言わないと。
だから────。
「……ロティーナ、起きてるか?」
その時、扉がノックされジルさんの声が聞こえました。
「……ジルさん!」
思わず声が出てしまい、それに反応したように扉が開きジルさんが顔を出したのです。
「ロティーナ、話が……え!なんで泣いてるんだ?!」
涙でボタボタの私を見てジルさんがあたふたとハンカチを差し出してくれました。
「ジルさん……私……ご、ごめんなさ……っ」
ハンカチを受け取り顔を覆いますが、涙が止まらず上手くしゃべれません。どうしたら許してもらえるか、どうしたら嫌われないでいられるか必死に考えますが思考は動きませんでした。
きっと今の私は醜いでしょう。ジルさんを襲った痴女のくせに謝る前に泣いてしまうなんて最悪だと自分でも思います。
でもそんな私をジルさんは優しく抱き締めてくれたのです。
「ロティーナ、聞いて」
「……ジ、ジルさん……?」
ジルさんの胸に顔を押し付けられ、驚きのあまり思わず涙が引っ込みました。
え?なんですか、これ??なにがどうなって……あ、ジルさんの心臓の音がすごく激しく鳴っていて落ち着くけど恥ずかしい。そんな不思議な気持ちになりました。
────やっぱり、好きです。叶うのならば、ずっと彼の側にいたい。理由なんかいらない。ただ、この人と一緒にいたい……それだけなんです。
「ジ、ジルさん……!私……、あなたに言わなければいけないことが────」
「ロティーナが好きだ」
………………?
「オレは、ロティーナが好きなんだ。だから、ずっとオレの側にいて欲しい」
あまりの驚きに目を見開き、ぽかんとしてしまった私の顎に手を添えたジルさんがそっと唇を重ねてきたのでした。
え?
え??
えぇぇぇぇぇぇぇ?!
小鳥のさえずりと共に目を覚まし、寝惚けた思考がはっきりとしてきた頃。
昨夜の事を全部思い出しました!
「わ、私ったらとんでもないことを……!」
そう、私は確かレベッカ様やアニーと最後の女子会を楽しんでいました。そして、しっかりジルさんにフラれる覚悟をしてパーティーに挑もうと思いレベッカ様に頼んで髪を切って貰ったんです。あの時はあんなことを言ってしまったけれど、ジルさんがその口からちゃんと王女様との結婚報告をしてくれたら笑顔で祝福しようと決めたのですから。
だから、女のケジメとして髪を切って気合いを入れたわけです。
でも、やっぱりちょっと悲しくなってしまっている時にレベッカ様が「これは、飲むと勇気が出る不思議な水なんですのよ」と大きな瓶を渡してくれました。
瓶には〈鬼殺し〉と書かれたラベルが貼ってあり、瓶の中には透明の液体がたっぷりと入っているようでした。
「〈鬼殺し〉ってなんですか?」
「どこかの国の言葉で、“勇気が出る”って意味なんですって」
「初めて聞きました……。世界は広いですね」
せっかくなので勇気を貰おうと一気に飲み干したのですが……これ、きついです!
飲みきった後に「あ、これお酒だ」とは思いましたよ。ちなみにとても美味しかったです。初めて飲む味でしたが口当たりも良く喉ごし爽やかで、自国の酒場でも人気が出そうだと思いました……いえ、それは今は置いといて!
そう、そこまで解析はしたのはよかったのですが、予想以上のアルコール度数のきつさに酔ってしまったのです。
私は体質なのかお酒にはけっこう強い方なのです。多少のお酒ではそんなに酔ったりしないし、暴走するなんて今までなかったのに……。
とうとう暴走してしまいました。だってまさか、ジルさんが突然目の前に現れるなんて思わなかったんですもの!私が欲しかったのはジルさんの結婚を祝福する勇気であって、ジルさんに告白する勇気では無かったのに……!し、しかも……お、襲ってしまうなんて……!
殿方を押し倒して無理矢理唇を奪うなんて、もはや痴女じゃないですか!?しかもいうだけ言ったらそのまま寝てしまうなんて最悪です!
さらに自室で寝てるってことは、ジルさんが運んでくれたってことですよね?!だって私なんかに襲われた現場に他の人を呼んだりしたら聖女が国王を襲ったってバレちゃいますし!そんなの異国の恥さらしになっちゃうじゃないですかぁぁぁ?!
「……これは、解任どころか聖女をクビになっても仕方ない失態ですよね……」
私は大きなため息をつき、涙を堪えて肩を落としました。もう今日は聖女解任のパーティー当日ですが、最早そのパーティーがおこなわれることはないでしょう。もしあったとしてもそれは解任パーティーではなく、私の断罪パーティーになりそうですもの。昔読んだことのある悪役令嬢が出てくる物語をふと思い出してしまいました。真実の愛を邪魔する悪役はパーティーなどの人が集まる場所でその罪を暴かれて断罪されてしまうんです。このままではこの国が積み上げてきた聖女の功績も地に落ちてしまいます。それならば、せめて国民に私が痴女だとバレて非難される前に自主的に出ていくことにしましょう。
アニーやレベッカ様になんて言い訳をしたらいいのか……。せっかく私の為にパーティーの準備をしてくれていたのに申し訳なさ過ぎます。
そんな事を考えながらせめて身の回りを整頓しておこうと鞄に服を詰めていたら、ジルさんから貰った最初の聖女のドレスが目についてしまい堪えていた涙が堰を切ったように溢れ出してしまいました。
どうして私はジルさんを好きになってしまったのでしょう。初恋だと思っていたエドガーにだってこんな気持ちを感じたことなどありません。説明が難しいよくわからない感情がぐるぐるしていて、気がつくとジルさんの事を考えていて……ただひたすらに“好き”だとしか言えなくて……。
「……嫌われたくないです……」
もしこのままジルさんに嫌われたらと考えたら、息が出来なくなりそうでした。
謝ろう。謝罪して、あの告白は忘れてくれていいからせめて元聖女として思い出に残してもらおう。王女様との事だって邪魔する気はないんだって言わないと。
だから────。
「……ロティーナ、起きてるか?」
その時、扉がノックされジルさんの声が聞こえました。
「……ジルさん!」
思わず声が出てしまい、それに反応したように扉が開きジルさんが顔を出したのです。
「ロティーナ、話が……え!なんで泣いてるんだ?!」
涙でボタボタの私を見てジルさんがあたふたとハンカチを差し出してくれました。
「ジルさん……私……ご、ごめんなさ……っ」
ハンカチを受け取り顔を覆いますが、涙が止まらず上手くしゃべれません。どうしたら許してもらえるか、どうしたら嫌われないでいられるか必死に考えますが思考は動きませんでした。
きっと今の私は醜いでしょう。ジルさんを襲った痴女のくせに謝る前に泣いてしまうなんて最悪だと自分でも思います。
でもそんな私をジルさんは優しく抱き締めてくれたのです。
「ロティーナ、聞いて」
「……ジ、ジルさん……?」
ジルさんの胸に顔を押し付けられ、驚きのあまり思わず涙が引っ込みました。
え?なんですか、これ??なにがどうなって……あ、ジルさんの心臓の音がすごく激しく鳴っていて落ち着くけど恥ずかしい。そんな不思議な気持ちになりました。
────やっぱり、好きです。叶うのならば、ずっと彼の側にいたい。理由なんかいらない。ただ、この人と一緒にいたい……それだけなんです。
「ジ、ジルさん……!私……、あなたに言わなければいけないことが────」
「ロティーナが好きだ」
………………?
「オレは、ロティーナが好きなんだ。だから、ずっとオレの側にいて欲しい」
あまりの驚きに目を見開き、ぽかんとしてしまった私の顎に手を添えたジルさんがそっと唇を重ねてきたのでした。
え?
え??
えぇぇぇぇぇぇぇ?!
62
お気に入りに追加
402
あなたにおすすめの小説
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
稚拙ながらも投稿初日(11/21)から📝HOTランキングに入れて頂き、本当にありがとうございます🤗 今回初めてHOTランキングの5位(11/23)を頂き感無量です🥲 そうは言いつつも間違ってランキング入りしてしまった感が否めないのも確かです💦 それでも目に留めてくれた読者様には感謝致します✨
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷
欲深い聖女のなれの果ては
あねもね
恋愛
ヴィオレーヌ・ランバルト公爵令嬢は婚約者の第二王子のアルバートと愛し合っていた。
その彼が王位第一継承者の座を得るために、探し出された聖女を伴って魔王討伐に出ると言う。
しかし王宮で準備期間中に聖女と惹かれ合い、恋仲になった様子を目撃してしまう。
これまで傍観していたヴィオレーヌは動くことを決意する。
※2022年3月31日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
エメラインの結婚紋
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢エメラインと侯爵ブッチャーの婚儀にて結婚紋が光った。この国では結婚をすると重婚などを防ぐために結婚紋が刻まれるのだ。それが婚儀で光るということは重婚の証だと人々は騒ぐ。ブッチャーに夫は誰だと問われたエメラインは「夫は三十分後に来る」と言う。さら問い詰められて結婚の経緯を語るエメラインだったが、手を上げられそうになる。その時、駆けつけたのは一団を率いたこの国の第一王子ライオネスだった――
邪魔者はどちらでしょう?
風見ゆうみ
恋愛
レモンズ侯爵家の長女である私は、幼い頃に母が私を捨てて駆け落ちしたということで、父や継母、連れ子の弟と腹違いの妹に使用人扱いされていた。
私の境遇に同情してくれる使用人が多く、メゲずに私なりに楽しい日々を過ごしていた。
ある日、そんな私に婚約者ができる。
相手は遊び人で有名な侯爵家の次男だった。
初顔合わせの日、婚約者になったボルバー・ズラン侯爵令息は、彼の恋人だという隣国の公爵夫人を連れてきた。
そこで、私は第二王子のセナ殿下と出会う。
その日から、私の生活は一変して――
※過去作の改稿版になります。
※ラブコメパートとシリアスパートが混在します。
※独特の異世界の世界観で、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。
三葉 空
恋愛
ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……
夜這いから始まる初恋
羊
恋愛
薬を盛られて結婚を迫られたロイドは、その場から逃げた。
お酒に酔ったマチルダがそこにやってきて、お互いに素面ではない状態で寝てしまった翌日、恋に落ちたことに気付いたのだった。
だけど、ロイドは女性の顔を覚えていないし、名前も知らない。
マチルダはロイドの華やかな浮名を知っているせいで、とても本気で相手にはされないと思う。
必死で探すロイドと、どう出たらいいか悩むマチルダ。
お互いの親友が、仲を取り持とうと頑張りますが...
粋な男達と、可愛い女達の、なぜかスマートに運ばない恋の物語です。
毒気の無い気持ちよく読める短編連載です。
【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。
こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。
彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。
皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。
だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。
何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。
どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。
絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。
聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──……
※在り来りなご都合主義設定です
※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です
※つまりは行き当たりばったり
※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください
4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!
初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる