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第3章 アールスト国の章
〈33〉もうひとりの協力者
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「……疲れましたぁ」
王妃様へのお見舞いを終えパーティーへの参加を約束し、少し休むからと人払いをお願いして用意された客室の中へ入るなり、フラフラと吸い込まれるようにソファに突っ伏してしまいました。お行儀が悪いと言われるかもしれませんが、それくらい精神力が削られたんで(主にあの王子のせいで)許して欲しいです。あ、ふかふかだわ。
「お疲れ様。なかなか立派な聖女様だったよ」
反対側のソファにはすでにジルさんが座っていてお茶を飲んでいます。なんで私より先に寛いでいるのでしょうか……。
「そっちの首尾はどうでしたか?」
そう、ジルさんは「ちょっとデザートの仕込みをしてくる」とかなんとか言って姿を消してしまったんです。まぁ、今回はちゃんと何をするのか教えてくれていたから私もひとりで頑張ったんですけどね。
それにしてもあの第1王子の気持ち悪い視線に耐えるのは大変でした!
なんなんですかね、あの王子。まとわりつくようないやらしい目で見てきて気持ち悪いし、ずっとニヤニヤしていて気持ち悪いし、いきなり名前で呼んできて気持ち悪いんですけど。あんなのまさにキモ王子じゃないですか。
「ロティーナがみんなの目を惹き付けてくれたからすんなり行けたよ。仕込みは完璧。情報も手に入れてきたよ。やっぱりあの王子は今は香水の効果が切れているみたいだ。それで今度は聖女を狙ってるね。
今夜のパーティーはオレがエスコートするよ。でないとあの馬鹿王子が名乗り出そうだ」
「お願いしますよ、あんな人にエスコートなんかされたくないですから」
気力を振り絞ってソファに座り直すとジルさんが甘い香りのする紅茶を淹れてくれました。
「……美味しい」
紅茶の香りにほっと息を吐きながら、これまでの事が脳裏に浮かびます。
あの日……私が髪をバッサリ切ってから、それはそれは慌ただしかったのです……。
***
ジルさんは馬車内に散らばる髪を集めて大切に袋に詰めた後、私の方をじーっと見てきます。
「どうしました?」
もしかして、髪が短いと聖女として認められないとか言い出す気でしょうか?まぁ、それならジルさんの事だからウィッグでもなんでも準備しそうですけど。
「いやぁ、その髪のままで屋敷に帰ったら大騒動になりそうだなぁ。と思って」
「あぁ……それもそうですね」
なにせ今の髪型は後ろはバッサリ短いのに、前髪やサイドの髪は長いまま。しかもナイフで切ったから切り口がバラバラです。さすがにこのままで帰宅したらお母様あたりが卒倒しそうですね。
「じゃあ、ちょっと寄り道しよう」
と言って連れてこられたのは町外れにひっそりとある少々古びた小屋でした。こんな場所があったなんて知らなかったので驚いたのですが、小屋の中から出てきた人物にさらに驚いたのです。
「……なんだ、聖女様を連れてきたのか?」
なんとそこにいたのは、私をやたら睨んでいたあの隣国の騎士だったのですから。
「あ、実はオレの仲間ー」
だから!そういうのは先に教えておいて下さいってばぁ!
ジルさん曰く、彼はアミィ嬢の事を内部から探るためのスパイだったそうなのです。まぁ、香水のせいで魅了されていたので全然役に立たなかったとジルさんは悪態をついてますが。それでもなんとかギリギリの所で理性を保っていたとのことで、香水の香りがしなくなった途端にすぐ正気に戻ったそうですよ。
アミィ嬢の所へ行くときにあんなに睨んでいたのは注意喚起と謝罪がしたかったそうなのですが……いえ、注意喚起っぽいことはされましたけど謝罪はされてませんよね?
小屋の中は見た目と違い小綺麗にされていました。そこでこの髪の事情を話すと「お任せください」とどこからともなく鋏と櫛を出して、あっという間に綺麗に整えてくれたのです。
「こいつ、手先が器用なんだよ。口下手だけど。役立たずだし」
「だから、悪かったと言っている!」
「なーにが、『自分は、あのような香水などに惑わされたりはしない』だよ。しっかり惑わされて『アミィ様はお前が言うような酷い女性ではないかもしれない……。自分はあの方をお守りせねば……ポッ』とか言い出して仕事放棄しようとしやがって。魅了が解けたら解けたで『この失態は命で償う!』だの『聖女様に謝罪を!!』とか暴れるし。しかも謝罪するのかと思いきや勝手に触るし睨むし……だから罰として今はオレの手下になって雑用やってもらってんの」
「やはりこの命で償うしか……!」
「いえ、やめてください。死なれても迷惑です」
それにあの中和剤やここまでの馬車なんかもこの人が手配してくれたようですし、髪も綺麗に整えてくれました。ありがたいじゃないですか。
「本当に申し訳ございません……」
「いいんですよ。私は気にしていません」
「ロティーナがそう言うならいいけど。……うん、その髪型も似合ってる。そうだ、聖女としてお勤めに集中するために髪は捨てました。的な事にしておけばどう?」
「そうですね」
「とてもお美しいです!」
それから隣国の騎士ことターイズさん(これもジルさんと同じく偽名だそうです。一応スパイですからね)と今後の話をし、無事に帰宅しました。
この髪型もまわりには案外受けが良かったですよ。両親は「ロティーナの新たな魅力発見ね!」と絶賛してくれましたし、老執事にいたっては「お勤めの為に髪を切るご決心をなさるなんて、なんとご立派に……」と涙を流していました。
その後、隣国へ行く日取りも決まり、その報告も兼ねてメルローズ様に会いに行きました。
王族では女性の髪は長いのが常識ですし嫌われてしまうかしら?とちょっと心配でしたが、メルローズ様は「なんて素敵!やっぱりロティーナ様は最先端だわ!」と誉めて頂きました。さすがにここまで短いのは無理かもしれませんが、もっと貴族の女性は色々な髪型を楽しむべきだとメルローズ様が興奮してらしましたね。なんでもみんながみんな同じような髪型ばかりでつまらないと思っていらしたそうで、メルローズ様の縦ロールも個性を主張する一環だったようです。
それからはジルさんによる“聖女らしい立ち振舞いと言葉遣い”を徹底的に教え込まれ、今に至ります。……鬼コーチでしたけど。
「では聖女様。もう一仕事お願いしますよ?」
「わかってますよ。ジルさんこそちゃんとエスコートしてくださいね」
さぁ、楽しいパーティーの始まりです。
王妃様へのお見舞いを終えパーティーへの参加を約束し、少し休むからと人払いをお願いして用意された客室の中へ入るなり、フラフラと吸い込まれるようにソファに突っ伏してしまいました。お行儀が悪いと言われるかもしれませんが、それくらい精神力が削られたんで(主にあの王子のせいで)許して欲しいです。あ、ふかふかだわ。
「お疲れ様。なかなか立派な聖女様だったよ」
反対側のソファにはすでにジルさんが座っていてお茶を飲んでいます。なんで私より先に寛いでいるのでしょうか……。
「そっちの首尾はどうでしたか?」
そう、ジルさんは「ちょっとデザートの仕込みをしてくる」とかなんとか言って姿を消してしまったんです。まぁ、今回はちゃんと何をするのか教えてくれていたから私もひとりで頑張ったんですけどね。
それにしてもあの第1王子の気持ち悪い視線に耐えるのは大変でした!
なんなんですかね、あの王子。まとわりつくようないやらしい目で見てきて気持ち悪いし、ずっとニヤニヤしていて気持ち悪いし、いきなり名前で呼んできて気持ち悪いんですけど。あんなのまさにキモ王子じゃないですか。
「ロティーナがみんなの目を惹き付けてくれたからすんなり行けたよ。仕込みは完璧。情報も手に入れてきたよ。やっぱりあの王子は今は香水の効果が切れているみたいだ。それで今度は聖女を狙ってるね。
今夜のパーティーはオレがエスコートするよ。でないとあの馬鹿王子が名乗り出そうだ」
「お願いしますよ、あんな人にエスコートなんかされたくないですから」
気力を振り絞ってソファに座り直すとジルさんが甘い香りのする紅茶を淹れてくれました。
「……美味しい」
紅茶の香りにほっと息を吐きながら、これまでの事が脳裏に浮かびます。
あの日……私が髪をバッサリ切ってから、それはそれは慌ただしかったのです……。
***
ジルさんは馬車内に散らばる髪を集めて大切に袋に詰めた後、私の方をじーっと見てきます。
「どうしました?」
もしかして、髪が短いと聖女として認められないとか言い出す気でしょうか?まぁ、それならジルさんの事だからウィッグでもなんでも準備しそうですけど。
「いやぁ、その髪のままで屋敷に帰ったら大騒動になりそうだなぁ。と思って」
「あぁ……それもそうですね」
なにせ今の髪型は後ろはバッサリ短いのに、前髪やサイドの髪は長いまま。しかもナイフで切ったから切り口がバラバラです。さすがにこのままで帰宅したらお母様あたりが卒倒しそうですね。
「じゃあ、ちょっと寄り道しよう」
と言って連れてこられたのは町外れにひっそりとある少々古びた小屋でした。こんな場所があったなんて知らなかったので驚いたのですが、小屋の中から出てきた人物にさらに驚いたのです。
「……なんだ、聖女様を連れてきたのか?」
なんとそこにいたのは、私をやたら睨んでいたあの隣国の騎士だったのですから。
「あ、実はオレの仲間ー」
だから!そういうのは先に教えておいて下さいってばぁ!
ジルさん曰く、彼はアミィ嬢の事を内部から探るためのスパイだったそうなのです。まぁ、香水のせいで魅了されていたので全然役に立たなかったとジルさんは悪態をついてますが。それでもなんとかギリギリの所で理性を保っていたとのことで、香水の香りがしなくなった途端にすぐ正気に戻ったそうですよ。
アミィ嬢の所へ行くときにあんなに睨んでいたのは注意喚起と謝罪がしたかったそうなのですが……いえ、注意喚起っぽいことはされましたけど謝罪はされてませんよね?
小屋の中は見た目と違い小綺麗にされていました。そこでこの髪の事情を話すと「お任せください」とどこからともなく鋏と櫛を出して、あっという間に綺麗に整えてくれたのです。
「こいつ、手先が器用なんだよ。口下手だけど。役立たずだし」
「だから、悪かったと言っている!」
「なーにが、『自分は、あのような香水などに惑わされたりはしない』だよ。しっかり惑わされて『アミィ様はお前が言うような酷い女性ではないかもしれない……。自分はあの方をお守りせねば……ポッ』とか言い出して仕事放棄しようとしやがって。魅了が解けたら解けたで『この失態は命で償う!』だの『聖女様に謝罪を!!』とか暴れるし。しかも謝罪するのかと思いきや勝手に触るし睨むし……だから罰として今はオレの手下になって雑用やってもらってんの」
「やはりこの命で償うしか……!」
「いえ、やめてください。死なれても迷惑です」
それにあの中和剤やここまでの馬車なんかもこの人が手配してくれたようですし、髪も綺麗に整えてくれました。ありがたいじゃないですか。
「本当に申し訳ございません……」
「いいんですよ。私は気にしていません」
「ロティーナがそう言うならいいけど。……うん、その髪型も似合ってる。そうだ、聖女としてお勤めに集中するために髪は捨てました。的な事にしておけばどう?」
「そうですね」
「とてもお美しいです!」
それから隣国の騎士ことターイズさん(これもジルさんと同じく偽名だそうです。一応スパイですからね)と今後の話をし、無事に帰宅しました。
この髪型もまわりには案外受けが良かったですよ。両親は「ロティーナの新たな魅力発見ね!」と絶賛してくれましたし、老執事にいたっては「お勤めの為に髪を切るご決心をなさるなんて、なんとご立派に……」と涙を流していました。
その後、隣国へ行く日取りも決まり、その報告も兼ねてメルローズ様に会いに行きました。
王族では女性の髪は長いのが常識ですし嫌われてしまうかしら?とちょっと心配でしたが、メルローズ様は「なんて素敵!やっぱりロティーナ様は最先端だわ!」と誉めて頂きました。さすがにここまで短いのは無理かもしれませんが、もっと貴族の女性は色々な髪型を楽しむべきだとメルローズ様が興奮してらしましたね。なんでもみんながみんな同じような髪型ばかりでつまらないと思っていらしたそうで、メルローズ様の縦ロールも個性を主張する一環だったようです。
それからはジルさんによる“聖女らしい立ち振舞いと言葉遣い”を徹底的に教え込まれ、今に至ります。……鬼コーチでしたけど。
「では聖女様。もう一仕事お願いしますよ?」
「わかってますよ。ジルさんこそちゃんとエスコートしてくださいね」
さぁ、楽しいパーティーの始まりです。
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