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第2章 悪女アミィの章
〈22〉幸運の香水(アミィ視点)
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「あー、臭い。鼻が曲がりそうだなぁ」
パタパタと手のひらで自分を扇ぎ、まるで汚物でも見るかのような視線を向けてくるジル。
「なぁっ……!」
男にそんなことを言われたのもそんな視線を向けられたのも初めての経験で、カッと頭に血がのぼる。
「この美しいあたしに向かってなんてこ「あんたさぁ、マニロって男のこと覚えてる?あんたがちょうど学園で隣国の王子をたらしこむ前くらいに会ってるだろ?」なんなのよ!男の名前なんかいちいち覚えてないわよ!」
むかつく!むかつく!むかつく!
あたしに向けられるべき視線はもっと違うものなんだから!
「思い出せよ、絶対に会ってるはずだ。そしてその男からあるものを貰った……いや、奪い取っただろう?」
「うるさいわね!男からもらった宝石やドレスなんか山ほどあるんだから誰がどれをくれたかなんて知らなーーーー「香水だ」え?」
「それを手に入れてからあんたは勝ち組になったんだろ?男どもにちやほやされ、隣国の王子すら魅了した。
実はあれは麻薬成分が入っているんだ。相性の良い人間の体臭と混ざるとその効力が発揮される。異性の“興味”や“欲”を異常なくらい掻き立て我慢がきかなくなり、それを満たす為ならなんでもしてしまう……。みんなあんたの為ならなんでもしてくれていたんだろうけど、けっこう恐ろしいものなんだよ?ちなみにそれ異国から盗まれた物だから、それを使用した罪であんた捕まるよ?」
……この男は、一体何を言ってるのだろう?香水?それって、ずっと愛用しているあたしのお気に入りのこの香水の事なの?
まさかこの香水が、そんな……。違う、だってこれはあたしに“幸運”をもたらしてくれるラッキーアイテムなだけで、今の幸せはあたしの本当の魅力のおかげで……。え、これをくれた男……?
「ほら、思い出して?」
そう言ってジルがあたしの鼻先にシュッと何かを振り掛けた。
それは嗅いだ事の無いような不思議な香りで、嗅げば嗅ぐほど脳の奥がジーンと痺れ出す気がした。
ーーーーあぁ、そうだ。思い出したわ。この香水をあたしにくれた男の事……。
あの頃のあたしは、空回りばかりしてる冴えない男爵令嬢だった。
貴族令嬢とは言え底辺だったし、男爵家のくせにお金も無かったのでマナーや教養のレッスンだってほとんどさせてもらえなかった。貴族の学園には義務だからと通わせてもらったけど、他の上品な令嬢たちとはどうしても馴染めずいつもひとりぼっちだったのだ。
父は自分が貴族であることにやたらプライドを持っていたので高級品を買ったりパーティーに参加するために服を新調ばかりしていたが我が家は娘のあたしから見ても借金まみれの最低の家だった。
そんな時、ひとりの男と出会った。
もう名前も顔も忘れてしまっていたけど、その時のあたしにとても優しくしてくれたっけ。確か訳ありだとかで仕事なんかは言えないと言っていたけれど……あたしのことが好きだと……。
そうだ。初めて男の人に告白されたんだ。
ただ、その頃のあたしはとっくにひねくれていて素直に嬉しいと言えなかった。だから、物語で読んだワガママな令嬢みたいに振る舞ってしまったんだ。
「本当にあたしが好きなら、あなたは何をしてくれるの?」と。
それがすべての始まりだった。
毎日のように宝石やドレスをプレゼントされ、あたしはなんだか自分が女王にでもなったような気分になっていた。だって、冴えない男爵令嬢だったはずなのに今はこの男からこんなに熱望されていると思うと気持ちが高揚して止まらなかった。そしてその高まりは収まらず、とうとうこう言ってしまった。
「あなたが命より大切な物をくれたら、付き合ってあげる」
そうして彼がくれたのが、あの香水だった。
「これがここにあるとわかったら、僕は確実に殺されるだろう。それくらいのものなんだ。だから絶対に使わないでくれ。これを渡すということは、僕の命を君に預けると言う意味なんだよ。それくらい君を本気で愛しているんだ」
そう言って渡されたのは小瓶に入った香水だったが、あたしはガッカリしていた。
だって、たかが香水よ?“命より大切な物”をって言ったのに、ただの香水を渡されるなんて。と怒りすら感じていたのだ。しかも絶対に使うなですって?香水は使うためにあるものなのに……馬鹿にしてるわ。
だから、存分に使ってやったの。
そしたら、あたしの世界は一変した。
それまであたしに見向きもしなかった男たちがあたしをちやほやし出した。次元が違うと思っていた令嬢たちがあたしに嫉妬し出した。
毎日が信じられないくらい楽しくなり、隣国の王子すらもあたしを好きになったのだ。
いつもみんなから羨望の眼差しで見つめられてる公爵令嬢の婚約者である隣国の王子が、あたしの髪の匂いにうっとりして甘い言葉を囁く姿に背筋がぞくぞくした。
香水をくれた男がそんなあたしを諌めようとしたけど、王子に言えばすぐにいなくなったっけ。
それからはあたしの天下よ。あたしに少しでも興味を持った男はみんなあたしの虜になり、さらに体を与えれば全財産を貢いでくれる。初めての時は痛かったけど、それ以降は色んな男が与えてくれる快楽も楽しかった。
あたしにとっての“幸運の香水”。
これを身に付けだしてから全てが上手くいった。今のあたしは気に入らない前公爵令嬢のレベッカを陥れ、新たな公爵令嬢の座に収まり権力を持つ隣国の王子すらも手に入れた。まさにあたしにとっての幸運の絶頂だったのだ。
あんなのは少し変わった香りのする、ただの香水だったはずだ。まさか、そんな香水をつけただけであたしが罪に問われると言うの?
脳の痺れが酷くなり、 だんだんと思考が定まらなくなってきた気がした。
「……それで、マニロの事は思い出したんだ?」
頭上から声が聞こえる。ううん、右か左かもしれない。とにかく脳内にその声が響き渡りあたしの感覚がどんどん麻痺していく。
「……おもい、だした……。あたしに、香水をくれた……地味な男……」
そうだ。マニロだ。地味で目立たなくて、でもなぜか優しい目であたしを見ていた男。
「そう、その男だ。……そいつをどうした?」
あの香りがきつくなる。むせかえる程の痺れる香りに体の力が抜けてきた。
「マ、マニロ……あたしの、香水を奪おうと、するから……隣国の王子に頼んで……追い払ってもらった……」
「どんなふうに?」
どんな?マニロをあたしはどうした?そう、隣国の王子に頼んだんだ。王子の権力を使えばすぐに尻尾を巻いて逃げるだろうと……。そうしたら、マニロが……。
「……もう、あたしに近づくなって脅したら……そした、マニロが……ダメだって、今なら引き返せるって……だから!」
怒った王子が脅してやろうと言って剣を抜いたんだ。
「そして、王子の剣がマニロの首を切り裂いた……」
マニロの血を浴びて、そしたら王子が「君の幸せを邪魔しようとする悪者だから仕方ない」って言われて……。
それからは、誰がどう死のうと悲しくなくなったんだっけ。ううん、楽しいの。嬉しいの。
だってあたしはこいつらの命よりも上の存在で、選ばれた人間なんだって思えたから。だからあの男が死んだのも、仕方ない事なのよ。
「……そうか、やっぱり殺されたのか……。まぁ、そんな気はしていたんだけどね……。おっと、薬を嗅がせ過ぎたかな?これはね、人の深層心理に眠る感情や記憶を素直に白状させる薬なんだけど……あんまり嗅がせると現状の記憶が混乱しちゃうんだ。
……せめて罪悪感でもあれば、なんて……無駄だったな。全部使っちゃったからここでのオレとの会話はきっと忘れちゃうね、公爵令嬢サマ?
それと、問題の香水は返してもらうよ?すぐに体についた臭いも消える。そうしたらどうなるかな」
あれ?誰かが何か言ってる……。
「あぁ、それと……オレにはこの香りは効かないよ。体質的に効果が無いんだ。ひたすら臭いだけの下品な女にベタベタと触られて最悪だった……。どうせ忘れてしまうだろうけど、どうしても言っておきたかったんだ。じゃあね」
冷たい視線、冷たい言葉。
パタン。と、扉の閉まる音がした。
あれ?あたし、さっきまで誰と何をしてたんだっけ?
パタパタと手のひらで自分を扇ぎ、まるで汚物でも見るかのような視線を向けてくるジル。
「なぁっ……!」
男にそんなことを言われたのもそんな視線を向けられたのも初めての経験で、カッと頭に血がのぼる。
「この美しいあたしに向かってなんてこ「あんたさぁ、マニロって男のこと覚えてる?あんたがちょうど学園で隣国の王子をたらしこむ前くらいに会ってるだろ?」なんなのよ!男の名前なんかいちいち覚えてないわよ!」
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「思い出せよ、絶対に会ってるはずだ。そしてその男からあるものを貰った……いや、奪い取っただろう?」
「うるさいわね!男からもらった宝石やドレスなんか山ほどあるんだから誰がどれをくれたかなんて知らなーーーー「香水だ」え?」
「それを手に入れてからあんたは勝ち組になったんだろ?男どもにちやほやされ、隣国の王子すら魅了した。
実はあれは麻薬成分が入っているんだ。相性の良い人間の体臭と混ざるとその効力が発揮される。異性の“興味”や“欲”を異常なくらい掻き立て我慢がきかなくなり、それを満たす為ならなんでもしてしまう……。みんなあんたの為ならなんでもしてくれていたんだろうけど、けっこう恐ろしいものなんだよ?ちなみにそれ異国から盗まれた物だから、それを使用した罪であんた捕まるよ?」
……この男は、一体何を言ってるのだろう?香水?それって、ずっと愛用しているあたしのお気に入りのこの香水の事なの?
まさかこの香水が、そんな……。違う、だってこれはあたしに“幸運”をもたらしてくれるラッキーアイテムなだけで、今の幸せはあたしの本当の魅力のおかげで……。え、これをくれた男……?
「ほら、思い出して?」
そう言ってジルがあたしの鼻先にシュッと何かを振り掛けた。
それは嗅いだ事の無いような不思議な香りで、嗅げば嗅ぐほど脳の奥がジーンと痺れ出す気がした。
ーーーーあぁ、そうだ。思い出したわ。この香水をあたしにくれた男の事……。
あの頃のあたしは、空回りばかりしてる冴えない男爵令嬢だった。
貴族令嬢とは言え底辺だったし、男爵家のくせにお金も無かったのでマナーや教養のレッスンだってほとんどさせてもらえなかった。貴族の学園には義務だからと通わせてもらったけど、他の上品な令嬢たちとはどうしても馴染めずいつもひとりぼっちだったのだ。
父は自分が貴族であることにやたらプライドを持っていたので高級品を買ったりパーティーに参加するために服を新調ばかりしていたが我が家は娘のあたしから見ても借金まみれの最低の家だった。
そんな時、ひとりの男と出会った。
もう名前も顔も忘れてしまっていたけど、その時のあたしにとても優しくしてくれたっけ。確か訳ありだとかで仕事なんかは言えないと言っていたけれど……あたしのことが好きだと……。
そうだ。初めて男の人に告白されたんだ。
ただ、その頃のあたしはとっくにひねくれていて素直に嬉しいと言えなかった。だから、物語で読んだワガママな令嬢みたいに振る舞ってしまったんだ。
「本当にあたしが好きなら、あなたは何をしてくれるの?」と。
それがすべての始まりだった。
毎日のように宝石やドレスをプレゼントされ、あたしはなんだか自分が女王にでもなったような気分になっていた。だって、冴えない男爵令嬢だったはずなのに今はこの男からこんなに熱望されていると思うと気持ちが高揚して止まらなかった。そしてその高まりは収まらず、とうとうこう言ってしまった。
「あなたが命より大切な物をくれたら、付き合ってあげる」
そうして彼がくれたのが、あの香水だった。
「これがここにあるとわかったら、僕は確実に殺されるだろう。それくらいのものなんだ。だから絶対に使わないでくれ。これを渡すということは、僕の命を君に預けると言う意味なんだよ。それくらい君を本気で愛しているんだ」
そう言って渡されたのは小瓶に入った香水だったが、あたしはガッカリしていた。
だって、たかが香水よ?“命より大切な物”をって言ったのに、ただの香水を渡されるなんて。と怒りすら感じていたのだ。しかも絶対に使うなですって?香水は使うためにあるものなのに……馬鹿にしてるわ。
だから、存分に使ってやったの。
そしたら、あたしの世界は一変した。
それまであたしに見向きもしなかった男たちがあたしをちやほやし出した。次元が違うと思っていた令嬢たちがあたしに嫉妬し出した。
毎日が信じられないくらい楽しくなり、隣国の王子すらもあたしを好きになったのだ。
いつもみんなから羨望の眼差しで見つめられてる公爵令嬢の婚約者である隣国の王子が、あたしの髪の匂いにうっとりして甘い言葉を囁く姿に背筋がぞくぞくした。
香水をくれた男がそんなあたしを諌めようとしたけど、王子に言えばすぐにいなくなったっけ。
それからはあたしの天下よ。あたしに少しでも興味を持った男はみんなあたしの虜になり、さらに体を与えれば全財産を貢いでくれる。初めての時は痛かったけど、それ以降は色んな男が与えてくれる快楽も楽しかった。
あたしにとっての“幸運の香水”。
これを身に付けだしてから全てが上手くいった。今のあたしは気に入らない前公爵令嬢のレベッカを陥れ、新たな公爵令嬢の座に収まり権力を持つ隣国の王子すらも手に入れた。まさにあたしにとっての幸運の絶頂だったのだ。
あんなのは少し変わった香りのする、ただの香水だったはずだ。まさか、そんな香水をつけただけであたしが罪に問われると言うの?
脳の痺れが酷くなり、 だんだんと思考が定まらなくなってきた気がした。
「……それで、マニロの事は思い出したんだ?」
頭上から声が聞こえる。ううん、右か左かもしれない。とにかく脳内にその声が響き渡りあたしの感覚がどんどん麻痺していく。
「……おもい、だした……。あたしに、香水をくれた……地味な男……」
そうだ。マニロだ。地味で目立たなくて、でもなぜか優しい目であたしを見ていた男。
「そう、その男だ。……そいつをどうした?」
あの香りがきつくなる。むせかえる程の痺れる香りに体の力が抜けてきた。
「マ、マニロ……あたしの、香水を奪おうと、するから……隣国の王子に頼んで……追い払ってもらった……」
「どんなふうに?」
どんな?マニロをあたしはどうした?そう、隣国の王子に頼んだんだ。王子の権力を使えばすぐに尻尾を巻いて逃げるだろうと……。そうしたら、マニロが……。
「……もう、あたしに近づくなって脅したら……そした、マニロが……ダメだって、今なら引き返せるって……だから!」
怒った王子が脅してやろうと言って剣を抜いたんだ。
「そして、王子の剣がマニロの首を切り裂いた……」
マニロの血を浴びて、そしたら王子が「君の幸せを邪魔しようとする悪者だから仕方ない」って言われて……。
それからは、誰がどう死のうと悲しくなくなったんだっけ。ううん、楽しいの。嬉しいの。
だってあたしはこいつらの命よりも上の存在で、選ばれた人間なんだって思えたから。だからあの男が死んだのも、仕方ない事なのよ。
「……そうか、やっぱり殺されたのか……。まぁ、そんな気はしていたんだけどね……。おっと、薬を嗅がせ過ぎたかな?これはね、人の深層心理に眠る感情や記憶を素直に白状させる薬なんだけど……あんまり嗅がせると現状の記憶が混乱しちゃうんだ。
……せめて罪悪感でもあれば、なんて……無駄だったな。全部使っちゃったからここでのオレとの会話はきっと忘れちゃうね、公爵令嬢サマ?
それと、問題の香水は返してもらうよ?すぐに体についた臭いも消える。そうしたらどうなるかな」
あれ?誰かが何か言ってる……。
「あぁ、それと……オレにはこの香りは効かないよ。体質的に効果が無いんだ。ひたすら臭いだけの下品な女にベタベタと触られて最悪だった……。どうせ忘れてしまうだろうけど、どうしても言っておきたかったんだ。じゃあね」
冷たい視線、冷たい言葉。
パタン。と、扉の閉まる音がした。
あれ?あたし、さっきまで誰と何をしてたんだっけ?
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