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婚約してから破棄してください!
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「お前のような女と婚約するのなんか、絶対に嫌だ!」
「なんでですか!私は公爵令嬢だし、美人(になる予定)だし、後5年もすればボンキュッボン(の予定)なナイスバディですよ!王子妃教育だって完璧にこなす自信が(すでに知ってるから)あるし、我が公爵家が殿下の後ろ楯になれば王太子の座は約束されたようなもの!まさしく優良物件!今が買い時です!」
私が今はまだつるりぺたんな胸をえっへん!と張り訴えると、目の前にいる少年……この国の第1王子であるヴィンセント殿下はため息をついた。あらやだ、憂い顔も美少年。まだ10歳なのに素晴らしい造形である。同い年だけどね!
「……それで、17歳になったら?」
「殿下は聖女候補の男爵令嬢(平民からの養女)と浮気をして、私の18歳の誕生日に私を断罪して婚約破棄してください!私も頑張ってその男爵令嬢をイジメますから!」
「意味がわからん!」
とうとう頭を抱えだしたヴィンセント殿下。こんなに分かりやすく説明しているのに、なぜ理解してくれないのか。
「何がわからないんですか?
私と婚約→聖女候補と浮気からの本気→私と婚約破棄。ほら、簡単」
「だからぁ!なぜ婚約破棄前提の婚約をしなきゃいけないんだ?!そしてなぜ僕が必ず浮気するんだ?!だいたい王家と公爵家の婚約なら政略的婚約なんだぞ?!それを聖女候補だろうがポッと出てきた男爵令嬢に僕がひと目惚れして夢中になってマナーも何もなってない女にうつつを抜かしてその男爵令嬢に注意をした君を断罪して婚約破棄するなんておかしいだろう?!」
「だから、そのマナーも何もないところが“天真爛漫で可愛い”とか“心が純粋だ”とかのろけて、私を“完璧過ぎて隙がない”とか“こんな可愛げのない女など見てるだけで不快”とか罵ってくれたら良いだけなんですってば」
「未来の僕は頭がおかしいのか?!いくら平民からの養女だろうと聖女候補ならば教会から最低限の淑女教育がされるはずだろう!それなのに学園に入ったら僕を含めて5人の男性(全員婚約者あり)に抱きついたりすり寄ったり甘えてくる女を可愛い?天真爛漫?しかもそれぞれの婚約者から略奪しといて真実の愛?!さらに僕は周りの反対を押しきって結婚してその男爵令嬢を未来の王妃にするだと?!」
「ついでにその時の残り4人は全員男爵令嬢の恋人になります。ビバ!逆ハーレムってやつですね!殿下は広い心でそれを許すんですよ。いよっ!器がでかいね!」
「愛人が4人もいる王妃なんかあってたまるかぁ!!」
愛人じゃなくて恋人ですってば。純粋に好きなだけですよ……たぶん。
「まぁまぁ、落ち着いて。どのみち殿下はちゃんと幸せになりますから。これは確定です!私が保証しますよ」
えっへん!と張ったままの胸(つるりぺたん)を拳でポン!と叩けば、ヴィンセント殿下はその場にへなへなと座り込みまたもや大きなため息をついたのだった。
「……だから、その未来がわかっているならなんでわざわざ自分から断罪されて婚約破棄されたがるんだ。
まさか“賢者”がこんな女だなんてーーーー」
あんまりため息ばっかりついていると、幸せが逃げちゃいますよ?
私の名前はエターナ・ルゥ・ラナセン。さっきも言いましたが由緒正しきラナセン公爵家の娘です。そして、誰にも言えない(ヴィンセント殿下には言っちゃったけど)秘密があります。 あ、両親は知ってますが極秘だと念押しされていますよ。
実は私、同じ世界を何度もループしていて、しかもこれまでの記憶もバッチリある“賢者”といわれる存在なんですーーーー。
***
この記憶を思い出したのは今から1年前。ヴィンセント殿下の婚約者候補として名前が上がったと知らされた時だった。まぁ、前回もそのまた前も前の前もさらに前も同じタイミングだった事も思い出したのでこうゆうものなのだろう。
そしてその世界では毎回同じような事が起こる。ひとつ違うと言えば……その聖女候補が最後に結ばれる相手が毎回違うと言う事だけだ。
宰相の息子に大商人の息子、隣国の王子に私の義理の弟……。でもその流れは全く同じである。テンプレートでなぞったんかと思うくらい同じである。
私は毎回ヴィンセント殿下の婚約者で、殿下を含む5人は男爵令嬢の虜。男爵令嬢の側にいつも殿下がいることや、婚約者のいる男性を侍らせていることに怒った私が男爵令嬢に嫌がらせをする。するとそれに怒った殿下が皆さまと結託して私を断罪するのだ。今まで経験したループ世界は計4回。毎回殿下以外の方と結ばれる男爵令嬢を愛し心を通わる。他の男の物になっても、自分以外に3人も恋人がいても愛し続けるなんて並大抵の精神力では出来ないだろう。なんて健気な殿下。
そして毎回、男爵令嬢を勝ち取った男性は周りの反対を押しきって結婚し、恋人たちの存在を許すのだ。ほんと、毎回同じ。なんならセリフも同じ。誰かテンプレート使ってる?
ちなみに私は毎回断罪された後は魔法を使って逃げて、物陰からこっそり覗いている。大罪人で指名手配されてるけどダイジョーブ!なんせ魔法で……あ、私が魔法使えるのも極秘案件だった。ちなみに魔法に関しては両親も知らないのだ。てへっ。
私もね、最初は戸惑ったよ。1回目に断罪されて婚約破棄されてショックだったわけよ。なぜか急に魔法が使えるようになったんで必死で逃げて、その先でたまたま(もはやテンプレートエンディングと化しているが開幕1回目)目撃した時に殿下が男爵令嬢の恋人その1として生きると決めたのを知って……慣れない魔法を使って木の上に隠れてたのはよいがショックで魔法が暴走して木から落ちて死んでしまったのだ。痛みとかは覚えてないけど、よっぽどショックだったのね1回目(男爵令嬢争奪戦、その時の勝者は宰相の息子)の私。
そんでループ世界2回目。1回目の記憶を思い出して混乱したよ。「まさか」とか「悪い夢では」と過ごしていたら、案の定同じ事が起きたのだ。ちなみに第2回男爵令嬢争奪戦の勝者は隣国の王子でした~。ドンドンパフパフ。魔法にも慣れてきてさすがに木からは落ちなかったけど、結末を見届けた後(あら~、やっぱりヴィンセント殿下は恋人その1かぁ。と)海に逃げたらなぜか怪魚(伝説になるほどのでかいやつ)にぱくっと丸飲みされて死んでしまった。もう魔法使う暇もないよね。
はい、やって来ました3回目。もう私は悟ったのだよ。あ、これ同じやつだー。ってね。なんか開き直ったら楽しくなってきちゃって(ランニングハイ状態)積極的に行動もしてみた。やっぱり同じ。第3回男爵令嬢争奪戦の勝者は大商人の息子!金に物を言わせたね!そしてまたもや殿下は恋人その1……。なんか同情しちゃってきたよ。報われないなぁ。ん?私の死因?今度はドラゴンに食べられたよ。丸飲みドン!なんで伝説級のモンスターばっかりでてくるのかね。
4回目キターーーーっ!今度こそ殿下か?殿下の出番か?!とウキウキしてたら、ウキウキし過ぎて男爵令嬢をイジメるの忘れちゃってて。まぁ、毎回イジメって言っても「婚約者のいる男性にベタベタ触るのはいけない」とか「殿下に対して不敬だ」とか「淑女のマナーも覚えないで卒業後どうするつもりなのか」とネチネチ嫌味を言ってただけなんだけど……なんかもう、同じ事ばっかり言うのも飽きたしなぁ。みたいな。だから周りをうろちょろはしてたけど実質何もしていない。それでも結末は同じだった。さすがはテンプレートエンディング。やってもいない冤罪ばかりだったが断罪は滞りなく執り行われ……義弟かぃ!私が断罪された後ちゃっかり公爵家を乗っ取った義弟なんかぃ!!
えー、もう!ちょっと!殿下がしょんぼりしとるやんけーっ!
なんて悶えていたら雷が直撃して死んだ。うん、痛みはなかったよ。これは完全に油断したね。
そしてとうとう5回目……。きっと、今度こそ!ヴィンセント殿下の番だぁぁぁぁぁ!!と記憶を取り戻した直後に両手の拳を天高く上げた。
私は前回の事をとても反省したのだ。どう考えても私の立ち位置は物語でよくある“悪役令嬢”。悪役令嬢なのにヒロインポジションの男爵令嬢をイジメ忘れるなんてあってはならない事だ。と。それまでのループ世界でのイジメだって生温かった。今度こそ本気でイジメて、完璧な悪役令嬢になりたい!
そしてヴィンセント殿下のテンプレートエンディングをこの目に焼き付けて、全員の結末をコンプリートするのだ!
それに、なんとなくだがこの5回目をやり遂げればもうループしない気がする。毎回9歳で思い出して断罪される18歳までの9年間を4回も繰り返してきたのだ。きっとこの5回目で完璧な悪役令嬢になり、最後のひとりであるヴィンセント殿下が男爵令嬢と結ばれる世界を見ることができたらお役御免……。私の中の何かがそう訴えている。
そう、だから私はーーーー。
「ヴィンセント殿下の明るい未来のために私と婚約して将来婚約破棄してください!」
「誰がするかーーーーっ!!」
せっかくヴィンセント殿下の未来を確実にするためにこうやって全てを打ち明けて(一部省略)頼んでるのに、なんで断るのかなぁ?このままじゃ私の理想とする完璧悪役令嬢になれないよーっ!
「なんでですか!私は公爵令嬢だし、美人(になる予定)だし、後5年もすればボンキュッボン(の予定)なナイスバディですよ!王子妃教育だって完璧にこなす自信が(すでに知ってるから)あるし、我が公爵家が殿下の後ろ楯になれば王太子の座は約束されたようなもの!まさしく優良物件!今が買い時です!」
私が今はまだつるりぺたんな胸をえっへん!と張り訴えると、目の前にいる少年……この国の第1王子であるヴィンセント殿下はため息をついた。あらやだ、憂い顔も美少年。まだ10歳なのに素晴らしい造形である。同い年だけどね!
「……それで、17歳になったら?」
「殿下は聖女候補の男爵令嬢(平民からの養女)と浮気をして、私の18歳の誕生日に私を断罪して婚約破棄してください!私も頑張ってその男爵令嬢をイジメますから!」
「意味がわからん!」
とうとう頭を抱えだしたヴィンセント殿下。こんなに分かりやすく説明しているのに、なぜ理解してくれないのか。
「何がわからないんですか?
私と婚約→聖女候補と浮気からの本気→私と婚約破棄。ほら、簡単」
「だからぁ!なぜ婚約破棄前提の婚約をしなきゃいけないんだ?!そしてなぜ僕が必ず浮気するんだ?!だいたい王家と公爵家の婚約なら政略的婚約なんだぞ?!それを聖女候補だろうがポッと出てきた男爵令嬢に僕がひと目惚れして夢中になってマナーも何もなってない女にうつつを抜かしてその男爵令嬢に注意をした君を断罪して婚約破棄するなんておかしいだろう?!」
「だから、そのマナーも何もないところが“天真爛漫で可愛い”とか“心が純粋だ”とかのろけて、私を“完璧過ぎて隙がない”とか“こんな可愛げのない女など見てるだけで不快”とか罵ってくれたら良いだけなんですってば」
「未来の僕は頭がおかしいのか?!いくら平民からの養女だろうと聖女候補ならば教会から最低限の淑女教育がされるはずだろう!それなのに学園に入ったら僕を含めて5人の男性(全員婚約者あり)に抱きついたりすり寄ったり甘えてくる女を可愛い?天真爛漫?しかもそれぞれの婚約者から略奪しといて真実の愛?!さらに僕は周りの反対を押しきって結婚してその男爵令嬢を未来の王妃にするだと?!」
「ついでにその時の残り4人は全員男爵令嬢の恋人になります。ビバ!逆ハーレムってやつですね!殿下は広い心でそれを許すんですよ。いよっ!器がでかいね!」
「愛人が4人もいる王妃なんかあってたまるかぁ!!」
愛人じゃなくて恋人ですってば。純粋に好きなだけですよ……たぶん。
「まぁまぁ、落ち着いて。どのみち殿下はちゃんと幸せになりますから。これは確定です!私が保証しますよ」
えっへん!と張ったままの胸(つるりぺたん)を拳でポン!と叩けば、ヴィンセント殿下はその場にへなへなと座り込みまたもや大きなため息をついたのだった。
「……だから、その未来がわかっているならなんでわざわざ自分から断罪されて婚約破棄されたがるんだ。
まさか“賢者”がこんな女だなんてーーーー」
あんまりため息ばっかりついていると、幸せが逃げちゃいますよ?
私の名前はエターナ・ルゥ・ラナセン。さっきも言いましたが由緒正しきラナセン公爵家の娘です。そして、誰にも言えない(ヴィンセント殿下には言っちゃったけど)秘密があります。 あ、両親は知ってますが極秘だと念押しされていますよ。
実は私、同じ世界を何度もループしていて、しかもこれまでの記憶もバッチリある“賢者”といわれる存在なんですーーーー。
***
この記憶を思い出したのは今から1年前。ヴィンセント殿下の婚約者候補として名前が上がったと知らされた時だった。まぁ、前回もそのまた前も前の前もさらに前も同じタイミングだった事も思い出したのでこうゆうものなのだろう。
そしてその世界では毎回同じような事が起こる。ひとつ違うと言えば……その聖女候補が最後に結ばれる相手が毎回違うと言う事だけだ。
宰相の息子に大商人の息子、隣国の王子に私の義理の弟……。でもその流れは全く同じである。テンプレートでなぞったんかと思うくらい同じである。
私は毎回ヴィンセント殿下の婚約者で、殿下を含む5人は男爵令嬢の虜。男爵令嬢の側にいつも殿下がいることや、婚約者のいる男性を侍らせていることに怒った私が男爵令嬢に嫌がらせをする。するとそれに怒った殿下が皆さまと結託して私を断罪するのだ。今まで経験したループ世界は計4回。毎回殿下以外の方と結ばれる男爵令嬢を愛し心を通わる。他の男の物になっても、自分以外に3人も恋人がいても愛し続けるなんて並大抵の精神力では出来ないだろう。なんて健気な殿下。
そして毎回、男爵令嬢を勝ち取った男性は周りの反対を押しきって結婚し、恋人たちの存在を許すのだ。ほんと、毎回同じ。なんならセリフも同じ。誰かテンプレート使ってる?
ちなみに私は毎回断罪された後は魔法を使って逃げて、物陰からこっそり覗いている。大罪人で指名手配されてるけどダイジョーブ!なんせ魔法で……あ、私が魔法使えるのも極秘案件だった。ちなみに魔法に関しては両親も知らないのだ。てへっ。
私もね、最初は戸惑ったよ。1回目に断罪されて婚約破棄されてショックだったわけよ。なぜか急に魔法が使えるようになったんで必死で逃げて、その先でたまたま(もはやテンプレートエンディングと化しているが開幕1回目)目撃した時に殿下が男爵令嬢の恋人その1として生きると決めたのを知って……慣れない魔法を使って木の上に隠れてたのはよいがショックで魔法が暴走して木から落ちて死んでしまったのだ。痛みとかは覚えてないけど、よっぽどショックだったのね1回目(男爵令嬢争奪戦、その時の勝者は宰相の息子)の私。
そんでループ世界2回目。1回目の記憶を思い出して混乱したよ。「まさか」とか「悪い夢では」と過ごしていたら、案の定同じ事が起きたのだ。ちなみに第2回男爵令嬢争奪戦の勝者は隣国の王子でした~。ドンドンパフパフ。魔法にも慣れてきてさすがに木からは落ちなかったけど、結末を見届けた後(あら~、やっぱりヴィンセント殿下は恋人その1かぁ。と)海に逃げたらなぜか怪魚(伝説になるほどのでかいやつ)にぱくっと丸飲みされて死んでしまった。もう魔法使う暇もないよね。
はい、やって来ました3回目。もう私は悟ったのだよ。あ、これ同じやつだー。ってね。なんか開き直ったら楽しくなってきちゃって(ランニングハイ状態)積極的に行動もしてみた。やっぱり同じ。第3回男爵令嬢争奪戦の勝者は大商人の息子!金に物を言わせたね!そしてまたもや殿下は恋人その1……。なんか同情しちゃってきたよ。報われないなぁ。ん?私の死因?今度はドラゴンに食べられたよ。丸飲みドン!なんで伝説級のモンスターばっかりでてくるのかね。
4回目キターーーーっ!今度こそ殿下か?殿下の出番か?!とウキウキしてたら、ウキウキし過ぎて男爵令嬢をイジメるの忘れちゃってて。まぁ、毎回イジメって言っても「婚約者のいる男性にベタベタ触るのはいけない」とか「殿下に対して不敬だ」とか「淑女のマナーも覚えないで卒業後どうするつもりなのか」とネチネチ嫌味を言ってただけなんだけど……なんかもう、同じ事ばっかり言うのも飽きたしなぁ。みたいな。だから周りをうろちょろはしてたけど実質何もしていない。それでも結末は同じだった。さすがはテンプレートエンディング。やってもいない冤罪ばかりだったが断罪は滞りなく執り行われ……義弟かぃ!私が断罪された後ちゃっかり公爵家を乗っ取った義弟なんかぃ!!
えー、もう!ちょっと!殿下がしょんぼりしとるやんけーっ!
なんて悶えていたら雷が直撃して死んだ。うん、痛みはなかったよ。これは完全に油断したね。
そしてとうとう5回目……。きっと、今度こそ!ヴィンセント殿下の番だぁぁぁぁぁ!!と記憶を取り戻した直後に両手の拳を天高く上げた。
私は前回の事をとても反省したのだ。どう考えても私の立ち位置は物語でよくある“悪役令嬢”。悪役令嬢なのにヒロインポジションの男爵令嬢をイジメ忘れるなんてあってはならない事だ。と。それまでのループ世界でのイジメだって生温かった。今度こそ本気でイジメて、完璧な悪役令嬢になりたい!
そしてヴィンセント殿下のテンプレートエンディングをこの目に焼き付けて、全員の結末をコンプリートするのだ!
それに、なんとなくだがこの5回目をやり遂げればもうループしない気がする。毎回9歳で思い出して断罪される18歳までの9年間を4回も繰り返してきたのだ。きっとこの5回目で完璧な悪役令嬢になり、最後のひとりであるヴィンセント殿下が男爵令嬢と結ばれる世界を見ることができたらお役御免……。私の中の何かがそう訴えている。
そう、だから私はーーーー。
「ヴィンセント殿下の明るい未来のために私と婚約して将来婚約破棄してください!」
「誰がするかーーーーっ!!」
せっかくヴィンセント殿下の未来を確実にするためにこうやって全てを打ち明けて(一部省略)頼んでるのに、なんで断るのかなぁ?このままじゃ私の理想とする完璧悪役令嬢になれないよーっ!
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