2 / 54
1:悪役令嬢とふたりの姉
しおりを挟む
セリィナには7つ年上の双子の姉がいる。
長女のローゼマインと次女のマリーローズは見た目も性格も瓜二つな彼女たちのその美しさは社交界でも有名だった。
将来公爵家を継ぐ事が決まっているローゼマインはあまり感情を外に出さない令嬢だ。“嘲笑う氷の女神”とも揶揄されるくらいの塩対応っぷり。とにかく塩。岩塩だ。将来は婿を貰わなければならないのに塩過ぎてまだ婚約者になれる猛者は現れていない。だが言い寄っては塩漬けにされた勇気ある令息たちの数知れずである。
そして次女のマリーローズはローゼマインが公爵家を継いだ後は補佐役として家を支えることも決まっている。もちろん長女と違いどこかに嫁に行く可能性もあるがそれを断固拒否していた。公爵家を出ていく気は全くなく、嫁に行くときは公爵家が没落した時だと豪語する。忙しい姉に変わって夜会に出ては男性の視線を釘付けにし“夜の微笑”と呼ばれていたが、会話の内容は公爵領の流通や発展についてのみでラブい事はミジンコほどもない鉄の守りなのだ。
同じ顔をしていてふたりとも男性や恋愛には全く興味が無く、唯一関心があるのは公爵家の安泰と可愛い妹セリィナの幸せのみ。ちなみにセリィナが無理矢理政略結婚させられそうになったらきっと相手を家ごと潰すだろう。物理的に。そう物理的に。(大事な事などで2回言いました)
だが今のセリィナはゲームの知識のみしかない。現在の姉たちがどれだけセリィナを溺愛してるかも知らずにゲーム画面での“ヒロインが実の妹だとわかった途端にヒロインを可愛がりセリィナを蔑む姉たちの華麗なる手のひら返し”の姿を思い浮かべてはため息をついていた。
現時点でローゼマインは別に何もしていないがそれでも“嘲笑う氷の女神”の静かな対応がセリィナを不安にさせる。もしかしたらゲームの展開よりも早くヒロインの存在に気づくのではないかと思うと生きた心地がしないでいた。
***
悪役令嬢にはふたりの姉が存在する。
双子である彼女たちは見た目もそっくりで親でもみわけがつかないほどだ。
ハニーブロンドの豊かな髪も翠色の瞳もその美しさを際立たせている。
ゲームの序盤では悪役令嬢の家族としてチラチラと登場していたが、ヒロインの真実がわかった途端にヒロインの本当の家族としてガッツリ出てくるのだ。ヒロインを迎え入れしばらくは義理の姉妹として過ごす悪役令嬢とヒロイン。もちろんヒロインが正式な娘で悪役令嬢は養女の立場だがその関係性は最悪。ヒロインが何かすれば悪役令嬢はすべてが気に入らずケンカになり、その度に姉たちは悪役令嬢を蔑みヒロインを褒め称える。それが悲しい悪役令嬢はさらにヒロインへの憎しみを増加させ、殺意へと変わっていくという悪循環。
ヒロインが出てくるまでは甘やかされて育った悪役令嬢だったが、ヒロインと出会った瞬間に敵意を向けている。今から思えばたぶん自分の家族を奪われることを本能的に感じていたのだろう。
そう、私はお姉様たちとは血の繋がらない他人だ。ゲームでは公爵家を逆恨みした侍女が赤ん坊であるヒロインと同じ髪色と瞳をした産まれたばかりの私をこっそり入れ替えたと白状していた。だが悪役令嬢が本当はどこの生まれで誰の子供なのかは明かされていない。プラチナブロンドの髪色も翠玉色の瞳も多少の色の濃さの差はあれど貴族ではよくある色だからたぶんどこかの貴族の子供なのは確かだと思う。有力なのはヒロインが暮らしていたとある貴族だろうが、その貴族が悪役令嬢を実の娘だと受け入れた描写は無かった。どのみち悪役令嬢は殺されて終わりの存在なのだ。
「セリィナ様、ついたわよ」
お姉様の部屋の前で足を止める。今から顔を合わすのは長女のローゼマインお姉様だ。いつもあまり感情を外に出さないローゼマインお姉様は相手の話を静かに聞いてひとこと返事をするだけであまり誰かに興味を示す人ではないのだが、ヒロインの事はめちゃくちゃ甘やかして溺愛するようになってしまう。
そして次女のマリーローズと一緒になって
『『お前のような人間を妹だと思っていたなんて穢らわしいわ』』と同じ顔をして冷たい目で悪役令嬢に吐き捨てるように言う場面は印象的だった。
「ライル、私……」
「……顔色が悪いわ。挨拶はもう少し後にして部屋で休みましょ」
ライルはそう言うとひょいと私を抱き上げる。
「うん、ごめんねライル……」
ライルに抱き締められると、体の緊張が一気に解けた気がした。
この人だけは絶対大丈夫。そう思うだけで震えが止まる。どうしても他の人を見ると裏切られて殺されるイメージだけが先行してくるのだ。
気分が落ち着くといつも今度こそ頑張って家族と打ち解けようと思うのだが、いざ対峙しようとするとゲーム画面にうつしだされていた家族の冷たい目がまるで現実にあったかのように鮮明に脳裏に浮かんできて体が震えてしまうのだ。きっとゲームの悪役令嬢もあの目を向けられる度に家族の愛を取り戻したくて必死だったんだろうと思う。
もしライルがいなかったらきっと耐えられなかったかもしれないと、ライルの腕の中に身を預けたのだった。
***
「あああぁぁぁぁ……きっとまた怖がらせてしまったんだわ……」
部屋の前からセリィナたちの足音が遠退くのを聞き耳を立てていた部屋の主であるローゼマインは深いため息をついて机に突っ伏した。その拍子に公爵領関係の書類が散らばるが気にする様子はない。今の彼女にとって重要なのは目に入れても痛くない程可愛い末妹が自分を見て怯えている事実だけだった。
あのおぞましい事件から3年、セリィナの症状はだいぶ緩和されたと思う。最初はそれこそ目が合っただけでギャン泣きされたものだ。それが今は部屋の前に来てくれるようにまでになった。それだけでローゼマインは踊り出したくるほど嬉しかった。
「あの子、大丈夫かしら……」
「セリィナならあの執事が部屋に連れて帰ったみたいですわよ、ローゼ姉様」
ひょっこりと自分と同じ顔が目の前に現れるが驚きはしない。双子の妹であるマリーローズだ。
「マリー、もしかして盗み見してたの?セリィナに見つかってないでしょうね」
「抜かりないですわ。姉様の部屋の前であんなに怯えた後に同じ顔のわたくしを見たら今度こそ気絶してしまいそうですもの」
「好きで怯えさせてるわけじゃないわ!」
ため息をつくマリーローズに涙目で抗議するローゼマイン。もし先にセリィナが来ていたのがマリーローズの部屋の前だったらきっと逆の立場でまったく同じ事が起きていたに違いない。
社交界では“嘲笑う氷の女神”などと揶揄されているローゼマインだがその本性は妹に嫌われるのを心底恐れる泣き虫であった。
セリィナが産まれた時に絶対にこの子を守ろうと誓ったのに、ほんの一瞬気が緩んだ隙をつかれてセリィナは暴漢にさらわれてしまったのだ。手を繋いでいたのは自分だったのにと、ずっと責任を感じていた。
そのせいか、うまくセリィナと関われない。下手に声をかけると驚いて泣いてしまうし、以前寝てるときに寝顔だけでもと様子を見に行ったら「助けて、殺さないで」とうなされていた。あの時のショックは今もセリィナの心を深く傷つけているのだ。
でもどんなにセリィナが泣いていても自分たちにはなにもできない。セリィナが側にいることを許しているのはあの執事だけなのだから。
「あの執事、今日もセリィナを抱っこしていましたわよ」
「くっ、羨ましいわ。あの執事め、セリィナに変なことしたら許さないんだから」
本当はセリィナに男の執事なんかつける気はなかったのだがセリィナを助けてくれた恩人であり、そしてセリィナが望んだことを叶えない訳にもいかない。ライルがおねぇなる人種だと言われた時は驚いたが逆に言えばセリィナに下心を持つ可能性がないと言うことだろうと無理矢理自分を納得させたものだ。なによりもあの男を執事にするのを家族総出で許可した時だけセリィナが泣き止んで笑ってくれたのだ。今さら追い出す訳にもいかない。
「今日セリィナを泣かせたのは姉様ですわ」
「言わないでよ~っ。あぁもう、いっそ逆にわたくしから会いにいこうかしら」
「扉を開けた先に姉様が立っていたら、それこそ気絶してしまうんじゃないかしら」
「あああぁぁぁぁ~っ!セリィナを怖がらせるこの顔が憎い!」
なぜここまで怖がられてるのかはわからないが、 ローゼマインは何をしても怯えさせてしまうのでだんだんなにもできなくなってしまっていた。挨拶どころか声もかけれなくなり目も合わせられない。それがさらに冷たい印象を持たせているとも知らずに。
ローゼマインを弄ってるマリーローズだがこちらも似たようなもので、泣かれはしてないが避けられてるのをヒシヒシと感じている。
「そういえば、先日セリィナに婚約の申し込みがあったそうですわよ。相手はどこぞの伯爵家の次男で、どうやらあの事件を知って影でセリィナのようなキズモノをもらってやるんだから感謝されるに違いないとかなんとか言ってるそうですわ。噂ではセリィナと婚約すれば公爵家の懐に入り込んで好きにできると企んでいるとか……もちろんお父様は秒で断りましたけれど」
マリーローズからの情報にローゼマインの瞳がギラリと光った。
「セリィナをキズモノ扱いして利用しようとするなんて、そいつらまとめて潰しましょうか。……物理的に」
「それがいいですわ。もちろん物理的に」
大事なことなので2回言いました。
長女のローゼマインと次女のマリーローズは見た目も性格も瓜二つな彼女たちのその美しさは社交界でも有名だった。
将来公爵家を継ぐ事が決まっているローゼマインはあまり感情を外に出さない令嬢だ。“嘲笑う氷の女神”とも揶揄されるくらいの塩対応っぷり。とにかく塩。岩塩だ。将来は婿を貰わなければならないのに塩過ぎてまだ婚約者になれる猛者は現れていない。だが言い寄っては塩漬けにされた勇気ある令息たちの数知れずである。
そして次女のマリーローズはローゼマインが公爵家を継いだ後は補佐役として家を支えることも決まっている。もちろん長女と違いどこかに嫁に行く可能性もあるがそれを断固拒否していた。公爵家を出ていく気は全くなく、嫁に行くときは公爵家が没落した時だと豪語する。忙しい姉に変わって夜会に出ては男性の視線を釘付けにし“夜の微笑”と呼ばれていたが、会話の内容は公爵領の流通や発展についてのみでラブい事はミジンコほどもない鉄の守りなのだ。
同じ顔をしていてふたりとも男性や恋愛には全く興味が無く、唯一関心があるのは公爵家の安泰と可愛い妹セリィナの幸せのみ。ちなみにセリィナが無理矢理政略結婚させられそうになったらきっと相手を家ごと潰すだろう。物理的に。そう物理的に。(大事な事などで2回言いました)
だが今のセリィナはゲームの知識のみしかない。現在の姉たちがどれだけセリィナを溺愛してるかも知らずにゲーム画面での“ヒロインが実の妹だとわかった途端にヒロインを可愛がりセリィナを蔑む姉たちの華麗なる手のひら返し”の姿を思い浮かべてはため息をついていた。
現時点でローゼマインは別に何もしていないがそれでも“嘲笑う氷の女神”の静かな対応がセリィナを不安にさせる。もしかしたらゲームの展開よりも早くヒロインの存在に気づくのではないかと思うと生きた心地がしないでいた。
***
悪役令嬢にはふたりの姉が存在する。
双子である彼女たちは見た目もそっくりで親でもみわけがつかないほどだ。
ハニーブロンドの豊かな髪も翠色の瞳もその美しさを際立たせている。
ゲームの序盤では悪役令嬢の家族としてチラチラと登場していたが、ヒロインの真実がわかった途端にヒロインの本当の家族としてガッツリ出てくるのだ。ヒロインを迎え入れしばらくは義理の姉妹として過ごす悪役令嬢とヒロイン。もちろんヒロインが正式な娘で悪役令嬢は養女の立場だがその関係性は最悪。ヒロインが何かすれば悪役令嬢はすべてが気に入らずケンカになり、その度に姉たちは悪役令嬢を蔑みヒロインを褒め称える。それが悲しい悪役令嬢はさらにヒロインへの憎しみを増加させ、殺意へと変わっていくという悪循環。
ヒロインが出てくるまでは甘やかされて育った悪役令嬢だったが、ヒロインと出会った瞬間に敵意を向けている。今から思えばたぶん自分の家族を奪われることを本能的に感じていたのだろう。
そう、私はお姉様たちとは血の繋がらない他人だ。ゲームでは公爵家を逆恨みした侍女が赤ん坊であるヒロインと同じ髪色と瞳をした産まれたばかりの私をこっそり入れ替えたと白状していた。だが悪役令嬢が本当はどこの生まれで誰の子供なのかは明かされていない。プラチナブロンドの髪色も翠玉色の瞳も多少の色の濃さの差はあれど貴族ではよくある色だからたぶんどこかの貴族の子供なのは確かだと思う。有力なのはヒロインが暮らしていたとある貴族だろうが、その貴族が悪役令嬢を実の娘だと受け入れた描写は無かった。どのみち悪役令嬢は殺されて終わりの存在なのだ。
「セリィナ様、ついたわよ」
お姉様の部屋の前で足を止める。今から顔を合わすのは長女のローゼマインお姉様だ。いつもあまり感情を外に出さないローゼマインお姉様は相手の話を静かに聞いてひとこと返事をするだけであまり誰かに興味を示す人ではないのだが、ヒロインの事はめちゃくちゃ甘やかして溺愛するようになってしまう。
そして次女のマリーローズと一緒になって
『『お前のような人間を妹だと思っていたなんて穢らわしいわ』』と同じ顔をして冷たい目で悪役令嬢に吐き捨てるように言う場面は印象的だった。
「ライル、私……」
「……顔色が悪いわ。挨拶はもう少し後にして部屋で休みましょ」
ライルはそう言うとひょいと私を抱き上げる。
「うん、ごめんねライル……」
ライルに抱き締められると、体の緊張が一気に解けた気がした。
この人だけは絶対大丈夫。そう思うだけで震えが止まる。どうしても他の人を見ると裏切られて殺されるイメージだけが先行してくるのだ。
気分が落ち着くといつも今度こそ頑張って家族と打ち解けようと思うのだが、いざ対峙しようとするとゲーム画面にうつしだされていた家族の冷たい目がまるで現実にあったかのように鮮明に脳裏に浮かんできて体が震えてしまうのだ。きっとゲームの悪役令嬢もあの目を向けられる度に家族の愛を取り戻したくて必死だったんだろうと思う。
もしライルがいなかったらきっと耐えられなかったかもしれないと、ライルの腕の中に身を預けたのだった。
***
「あああぁぁぁぁ……きっとまた怖がらせてしまったんだわ……」
部屋の前からセリィナたちの足音が遠退くのを聞き耳を立てていた部屋の主であるローゼマインは深いため息をついて机に突っ伏した。その拍子に公爵領関係の書類が散らばるが気にする様子はない。今の彼女にとって重要なのは目に入れても痛くない程可愛い末妹が自分を見て怯えている事実だけだった。
あのおぞましい事件から3年、セリィナの症状はだいぶ緩和されたと思う。最初はそれこそ目が合っただけでギャン泣きされたものだ。それが今は部屋の前に来てくれるようにまでになった。それだけでローゼマインは踊り出したくるほど嬉しかった。
「あの子、大丈夫かしら……」
「セリィナならあの執事が部屋に連れて帰ったみたいですわよ、ローゼ姉様」
ひょっこりと自分と同じ顔が目の前に現れるが驚きはしない。双子の妹であるマリーローズだ。
「マリー、もしかして盗み見してたの?セリィナに見つかってないでしょうね」
「抜かりないですわ。姉様の部屋の前であんなに怯えた後に同じ顔のわたくしを見たら今度こそ気絶してしまいそうですもの」
「好きで怯えさせてるわけじゃないわ!」
ため息をつくマリーローズに涙目で抗議するローゼマイン。もし先にセリィナが来ていたのがマリーローズの部屋の前だったらきっと逆の立場でまったく同じ事が起きていたに違いない。
社交界では“嘲笑う氷の女神”などと揶揄されているローゼマインだがその本性は妹に嫌われるのを心底恐れる泣き虫であった。
セリィナが産まれた時に絶対にこの子を守ろうと誓ったのに、ほんの一瞬気が緩んだ隙をつかれてセリィナは暴漢にさらわれてしまったのだ。手を繋いでいたのは自分だったのにと、ずっと責任を感じていた。
そのせいか、うまくセリィナと関われない。下手に声をかけると驚いて泣いてしまうし、以前寝てるときに寝顔だけでもと様子を見に行ったら「助けて、殺さないで」とうなされていた。あの時のショックは今もセリィナの心を深く傷つけているのだ。
でもどんなにセリィナが泣いていても自分たちにはなにもできない。セリィナが側にいることを許しているのはあの執事だけなのだから。
「あの執事、今日もセリィナを抱っこしていましたわよ」
「くっ、羨ましいわ。あの執事め、セリィナに変なことしたら許さないんだから」
本当はセリィナに男の執事なんかつける気はなかったのだがセリィナを助けてくれた恩人であり、そしてセリィナが望んだことを叶えない訳にもいかない。ライルがおねぇなる人種だと言われた時は驚いたが逆に言えばセリィナに下心を持つ可能性がないと言うことだろうと無理矢理自分を納得させたものだ。なによりもあの男を執事にするのを家族総出で許可した時だけセリィナが泣き止んで笑ってくれたのだ。今さら追い出す訳にもいかない。
「今日セリィナを泣かせたのは姉様ですわ」
「言わないでよ~っ。あぁもう、いっそ逆にわたくしから会いにいこうかしら」
「扉を開けた先に姉様が立っていたら、それこそ気絶してしまうんじゃないかしら」
「あああぁぁぁぁ~っ!セリィナを怖がらせるこの顔が憎い!」
なぜここまで怖がられてるのかはわからないが、 ローゼマインは何をしても怯えさせてしまうのでだんだんなにもできなくなってしまっていた。挨拶どころか声もかけれなくなり目も合わせられない。それがさらに冷たい印象を持たせているとも知らずに。
ローゼマインを弄ってるマリーローズだがこちらも似たようなもので、泣かれはしてないが避けられてるのをヒシヒシと感じている。
「そういえば、先日セリィナに婚約の申し込みがあったそうですわよ。相手はどこぞの伯爵家の次男で、どうやらあの事件を知って影でセリィナのようなキズモノをもらってやるんだから感謝されるに違いないとかなんとか言ってるそうですわ。噂ではセリィナと婚約すれば公爵家の懐に入り込んで好きにできると企んでいるとか……もちろんお父様は秒で断りましたけれど」
マリーローズからの情報にローゼマインの瞳がギラリと光った。
「セリィナをキズモノ扱いして利用しようとするなんて、そいつらまとめて潰しましょうか。……物理的に」
「それがいいですわ。もちろん物理的に」
大事なことなので2回言いました。
2
お気に入りに追加
236
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したので落ちこぼれ攻略キャラを育てるつもりが逆に攻略されているのかもしれない
亜瑠真白
恋愛
推しキャラを幸せにしたい転生令嬢×裏アリ優等生攻略キャラ
社畜OLが転生した先は乙女ゲームの悪役令嬢エマ・リーステンだった。ゲーム内の推し攻略キャラ・ルイスと対面を果たしたエマは決心した。「他の攻略キャラを出し抜いて、ルイスを主人公とくっつけてやる!」と。優等生キャラのルイスや、エマの許嫁だった俺様系攻略キャラのジキウスは、ゲームのシナリオと少し様子が違うよう。
エマは無事にルイスと主人公をカップルにすることが出来るのか。それとも……
「エマ、可愛い」
いたずらっぽく笑うルイス。そんな顔、私は知らない。
悪役令嬢は南国で自給自足したい
夕日(夕日凪)
恋愛
侯爵令嬢ビアンカ・シュラットは7歳の誕生日が近づく頃、
前世の記憶を思い出し自分がとある乙女ゲームの悪役令嬢である事に気付く。
このまま進むと国外追放が待っている…!
焦るビアンカだが前世の自分は限界集落と称される離島で自給自足に近い生活をしていた事を思い出し、
「別に国外追放されても自給自足できるんじゃない?どうせなら自然豊かな南国に追放して貰おう!」
と目を輝かせる。
南国に追放されたい令嬢とそれを見守る溺愛執事のお話。
※小説家になろう様でも公開中です。
※ネタバレが苦手な方は最新話まで読んだのちに感想欄をご覧になる事をおススメしております。
【完結】なぜか悪役令嬢に転生していたので、推しの攻略対象を溺愛します
楠結衣
恋愛
魔獣に襲われたアリアは、前世の記憶を思い出す。 この世界は、前世でプレイした乙女ゲーム。しかも、私は攻略対象者にトラウマを与える悪役令嬢だと気づいてしまう。 攻略対象者で幼馴染のロベルトは、私の推し。 愛しい推しにひどいことをするなんて無理なので、シナリオを無視してロベルトを愛でまくることに。 その結果、ヒロインの好感度が上がると発生するイベントや、台詞が私に向けられていき── ルートを無視した二人の恋は大暴走! 天才魔術師でチートしまくりの幼馴染ロベルトと、推しに愛情を爆発させるアリアの、一途な恋のハッピーエンドストーリー。
貴族としては欠陥品悪役令嬢はその世界が乙女ゲームの世界だと気づいていない
白雲八鈴
恋愛
(ショートショートから一話目も含め、加筆しております)
「ヴィネーラエリス・ザッフィーロ公爵令嬢!貴様との婚約は破棄とする!」
私の名前が呼ばれ婚約破棄を言い渡されました。
····あの?そもそもキラキラ王子の婚約者は私ではありませんわ。
しかし、キラキラ王子の後ろに隠れてるピンクの髪の少女は、目が痛くなるほどショッキングピンクですわね。
もしかして、なんたら男爵令嬢と言うのはその少女の事を言っています?私、会ったこともない人のことを言われても困りますわ。
*n番煎じの悪役令嬢モノです?
*誤字脱字はいつもどおりです。見直してはいるものの、すみません。
*不快感を感じられた読者様はそのまま閉じていただくことをお勧めします。
加筆によりR15指定をさせていただきます。
*2022/06/07.大幅に加筆しました。
一話目も加筆をしております。
ですので、一話の文字数がまばらにになっております。
*小説家になろう様で
2022/06/01日間総合13位、日間恋愛異世界転生1位の評価をいただきました。色々あり、その経緯で大幅加筆になっております。
転生した悪役令嬢は破滅エンドを避けるため、魔法を極めたらなぜか攻略対象から溺愛されました
平山和人
恋愛
悪役令嬢のクロエは八歳の誕生日の時、ここが前世でプレイしていた乙女ゲーム『聖魔と乙女のレガリア』の世界であることを知る。
クロエに割り振られたのは、主人公を虐め、攻略対象から断罪され、破滅を迎える悪役令嬢としての人生だった。
そんな結末は絶対嫌だとクロエは敵を作らないように立ち回り、魔法を極めて断罪フラグと破滅エンドを回避しようとする。
そうしていると、なぜかクロエは家族を始め、周りの人間から溺愛されるのであった。しかも本来ならば主人公と結ばれるはずの攻略対象からも
深く愛されるクロエ。果たしてクロエの破滅エンドは回避できるのか。
悪役令嬢に転生したと思ったら悪役令嬢の母親でした~娘は私が責任もって育てて見せます~
平山和人
恋愛
平凡なOLの私は乙女ゲーム『聖と魔と乙女のレガリア』の世界に転生してしまう。
しかも、私が悪役令嬢の母となってしまい、ゲームをめちゃくちゃにする悪役令嬢「エレローラ」が生まれてしまった。
このままでは我が家は破滅だ。私はエレローラをまともに教育することを決心する。
教育方針を巡って夫と対立したり、他の貴族から嫌われたりと辛い日々が続くが、それでも私は母として、頑張ることを諦めない。必ず娘を真っ当な令嬢にしてみせる。これは娘が悪役令嬢になってしまうと知り、奮闘する母親を描いたお話である。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる