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14話 隠し子 その1
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「グレン……お前」
第二王子グレンの確信に迫る話題……その言葉に過剰な反応を示しすのはヨハン・ハンフリー国王だ。顔だけでなく、肩辺りからも汗を流している。それだけでも真実であると認定されてしまいそうな態度だ。
「グレン、その話題は今することではないでしょう?」
「母上、どうしたんだよ? 随分と声が弱くなってるぜ?」
優位を感じ取ったのか、グレンはいつの間にか足を組んでソファに深く座っていた。逆にヨハンとリズリットの二人は弱々しく、肩をすぼめている。リズリットとしても、サンマイト家の令嬢のユリアに聞かせたい内容ではなかった。
その為に、彼女を退室させてから続きを話していこうと考えたのだが……。
「ちょっと、どういう意味なんですか? 産ませたってことは、その子生きてるんですか?」
ユリアは非常に興味深い内容だと悟ったのか、一気に元気さを取り戻していた。場合によっては自らも国王たちの上にいけるかもしれないという期待感を漂わせている。
「俺を母上が産んでしばらく後……平民の愛人との間に出来た子供だよ。確か、名前はなんて言ったかな~~?」
「やめろ、グレン……!」
グレンはヨハンからの制止など無視しているようだ。今は彼の顔さえ見ていない。ユリアも推理をしてみた。グレンがここまでもったいぶる相手……近い間柄でとなると、非常に限られてくるが。
「うそ……グレン様、その隠し子ってまさか……」
「なんだ、ユリア? わかったのか?」
ユリアは一人の少女を思い浮かべている。これが事実だとしたら、大スクープどころではない……身内同士での婚儀になってしまうし、下手をすれば王族家系が崩壊してしまうかもしれない事態だ。それでもユリアは好奇心には勝てず、その人物の名前を口にした。
「まさか、その隠し子って……リオナ・ギュスターブ?」
言ってしまった……もしも正しかった場合、他国であれば彼女は秘密裏に処理されていたかもしれない。平和ボケしているラウコーン王国だからこそ、出来た発言と言えるだろう。
ヨハンにリズリット、グレンの表情は肯定も否定もしていない……次の発言が出るまで、正解はわからない状況だった。
「不正解だ」
「なんだ、違うんですか」
驚くほどあっさりとグレンは首を横に振った。あまりにも普通に否定したので、嘘というわけではなさそうだ。
「いくらなんでも、リオナの奴が隠し子だったら不味いだろうが。俺とも兄妹になるぞ」
「そうでしたね……じゃあ、隠し子って一体?」
「この宮殿で雑務を担当している、シャルロッテ・カーマインだ。絶対記憶とかいう能力の持ち主。お前も知ってるだろ?」
ユリアは聞きなれない人物の名前を思い出すのに時間を要した。しかし、確かに彼女も知ってはいるのだ。表向きは孤児として通っている17歳の少女……リオナとアレンとも面識のある人物である。
第二王子グレンの確信に迫る話題……その言葉に過剰な反応を示しすのはヨハン・ハンフリー国王だ。顔だけでなく、肩辺りからも汗を流している。それだけでも真実であると認定されてしまいそうな態度だ。
「グレン、その話題は今することではないでしょう?」
「母上、どうしたんだよ? 随分と声が弱くなってるぜ?」
優位を感じ取ったのか、グレンはいつの間にか足を組んでソファに深く座っていた。逆にヨハンとリズリットの二人は弱々しく、肩をすぼめている。リズリットとしても、サンマイト家の令嬢のユリアに聞かせたい内容ではなかった。
その為に、彼女を退室させてから続きを話していこうと考えたのだが……。
「ちょっと、どういう意味なんですか? 産ませたってことは、その子生きてるんですか?」
ユリアは非常に興味深い内容だと悟ったのか、一気に元気さを取り戻していた。場合によっては自らも国王たちの上にいけるかもしれないという期待感を漂わせている。
「俺を母上が産んでしばらく後……平民の愛人との間に出来た子供だよ。確か、名前はなんて言ったかな~~?」
「やめろ、グレン……!」
グレンはヨハンからの制止など無視しているようだ。今は彼の顔さえ見ていない。ユリアも推理をしてみた。グレンがここまでもったいぶる相手……近い間柄でとなると、非常に限られてくるが。
「うそ……グレン様、その隠し子ってまさか……」
「なんだ、ユリア? わかったのか?」
ユリアは一人の少女を思い浮かべている。これが事実だとしたら、大スクープどころではない……身内同士での婚儀になってしまうし、下手をすれば王族家系が崩壊してしまうかもしれない事態だ。それでもユリアは好奇心には勝てず、その人物の名前を口にした。
「まさか、その隠し子って……リオナ・ギュスターブ?」
言ってしまった……もしも正しかった場合、他国であれば彼女は秘密裏に処理されていたかもしれない。平和ボケしているラウコーン王国だからこそ、出来た発言と言えるだろう。
ヨハンにリズリット、グレンの表情は肯定も否定もしていない……次の発言が出るまで、正解はわからない状況だった。
「不正解だ」
「なんだ、違うんですか」
驚くほどあっさりとグレンは首を横に振った。あまりにも普通に否定したので、嘘というわけではなさそうだ。
「いくらなんでも、リオナの奴が隠し子だったら不味いだろうが。俺とも兄妹になるぞ」
「そうでしたね……じゃあ、隠し子って一体?」
「この宮殿で雑務を担当している、シャルロッテ・カーマインだ。絶対記憶とかいう能力の持ち主。お前も知ってるだろ?」
ユリアは聞きなれない人物の名前を思い出すのに時間を要した。しかし、確かに彼女も知ってはいるのだ。表向きは孤児として通っている17歳の少女……リオナとアレンとも面識のある人物である。
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