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96話 デイトナでの戦い その1
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「ハズキをこの時期にデイトナに向かわせて良かったのかな」
「智司様、どういうことですか?」
「くうう?」
智司はハズキを見送ったことを少しばかり心配していた。具体的には強敵に遭遇するのではないかと危惧しているのだ。それを見たアリスがケルベロスを連れてやってくる。
「ハズキのことが少しだけ心配なんだよ」
「そうですか? ハズキちゃんなら絶対安心だと思いますよ~~。脆弱な人間なんかに負けませんよ」
アリスはハズキの能力を信頼仕切っているのか、全く疑っている様子はない。レジナがこういった言葉を口にしたならば、油断は禁物だと言いたいが、アリス程の規格外の生物の場合は違ってくる。彼女もコンバットサーチをした場合、レドンドの2倍は記録するだろうからだ。
「レドンドはどう思う?」
「はい……私見ではございますが、ハズキに勝てる存在は智司様だけであると考えます」
智司は近くに座っていたレドンドにも聞いてみたが、返って来る答えは変わらなかった。
「あ~~! レドンド、あたしをバカにした~~~! あたしじゃハズキちゃんに勝てないって言うの!?」
「待て……そういうつもりではないぞ……」
「む~~~~!」
「どのみち、姉妹のようなお前たちが戦うことなどあるまい」
「そうなんだけどさ……な~んか、納得いかないな~~~」
ケルベロスを枕にしていたアリスは、レドンドの考えに同調はできなかったのかプンプン怒ってみせる。枕にされているケルベロスは苦笑い状態だ。特に重いわけではないだろうが、上で暴れるアリスを落とさないように必死だった。
「サトシ様」
「レジナか。どうした?」
そんな時、智司の影に隠れていたレジナが姿を現した。心配を続ける彼を励まそうとしているようだ。
「ハズキ様は全然心配ないと思う。敵の戦力は今周囲の警戒に当たっているゴーラすら倒せないレベル。その時点で桁が違う」
「まあ、それはそうだね」
油断をするのは軽薄だが、戦力数値10万のゴーラすらアルビオン王国やマリアナ公国が倒すのは苦労することだろう。タイミングによっては、ゴーラだけで一国を滅ぼせる勢いなのだから。
他の者達の言葉通り、ハズキがまともに勝負をして負けることなど考えられない。そもそも本気の攻撃手段が見えないのだから猶更だ。休戦協定へやって来た者達はレドンドにすら遠く及ばない連中である。あのハズキと渡り合える人間など居るわけがない。それが智司の明確な答えだった。
智司はそのことよりも、リリーの言っていた言葉に専念するべきと考え始めていた──。
-------------------------------
異世界側ではほぼ最強の一角と捉えても問題のないデュラン。対するは魔神の軍勢ナンバー2の実力者。頂上決戦の様相はデイトナの街で幕を開けようとしていた。
「くくくく……ゴールドドラゴンという強敵を倒したばかりでな。今は非常に感度が上がっている状態だ。そこにきてそれ以上かもしれん強敵とは……嬉しい限りだぞ」
「うふふ、ならいきなり死ぬなんてことはないわよね?」
そう言いながら、先手の一撃を喰らわせたのはハズキだ。智司の障壁になるかもしれない相手……生かす意味はないと言える。それだけに透過武装の攻撃は確実に相手を死に至らしめる砲撃を選んだ。この一撃は致死の攻撃ではあるが、同時に彼女と戦う資格があるかも問われている。
大陸に存在する9割以上の生物がこれを耐えられないだろうからだ……ハズキが知っている中で耐えられる者は魔神状態の智司とアリスの二人だけであった。強烈な爆音がデイトナの郊外に鳴り響き、爆炎が辺りを燃やし始めた。
ハズキの攻撃は何人たりとも見ることはできない透明な一撃。その先手の一撃で勝負は決していたはずだが……紙一重のタイミングでデュランは避けていた。しかし、彼の意志に寄るものではない。
「……あら、避けられるなんて」
ハズキは珍しく驚いている。自らの攻撃……見えざる砲撃をデュランは避けたのだ。やはりただ者ではないと彼女は嬉しくなってきた。そして、智司の為にも確実に殺しておく必要があるだろうとも考えている。
「避けなければ俺は……死んでいたか?」
「さあの。しかし、大ダメージは避けられんかっただろうて」
「……」
反射の法則とでも言えばいいのだろうか? 先ほどのハズキの一撃を避けたのは無意識によるものだ。デュランは過去の強敵との戦いからの経験で、考えるよりも先に身体を動かしていた。後からハズキの攻撃を知った形だ。だからこそ、「避けなければ死んでいたか?」という疑問文が生まれているのだ。
彼は戸惑っていた。
「見えない攻撃か……いつかの冒険者の話を聞いていなければ危なかったな……」
「デュラン、気を付けよ。あの女はやはり危険すぎる」
「わかっている」
ざっと見た破壊力だけでも相当なものだ。デュランは命拾いしたと言えるだろう。直後に彼は二本の剣を取りだした。先程の回避は確かにデュランの能力によるものだ。しかし、あくまでも無意識下によるもの……そう簡単に行えるものではない。
一方でハズキの攻撃は「普通」に行える範疇なのだ。ここには大きな差があると言えた。戦闘準備を感じたハズキはタイミングのわからない砲撃を再度発射した。
「ぬう……!」
直線的な二撃目は何とか剣撃で弾いてみせた。しかし、重すぎる攻撃……鈍痛がデュランの腕にのしかかる。不味い……デュランは本能で感じ取っている。ハズキがこのクラスの攻撃を連発できることを。そうなれば命はないと考えたのか、彼は一気に距離を詰めた。
遠距離からの砲撃スタイル……遠距離からでは勝ち目がないと悟ったのだ。自らが勝てる可能性があるのは接近戦のみ……そして、雷撃を剣に通し致命的なほど強烈な攻撃を仕掛けていく。
だが……!!
「ば、馬鹿な……!? こんなことが……!?」
「これは……驚きじゃな……」
効いていない……! デュランの表情は戦慄に満ちていた。レッドドラゴンはおろか、その上位に位置するゴールドドラゴンすら打ち破った男。渾身の二刀流の攻撃はハズキには効いていないのだ。いや、正確には小さな傷を与えてはいるが……。
「大したものね。私に傷を付けているんだから」
「……! 言ってくれるな……!」
ハズキは決してデュランを過小評価しているわけではない。今まで自らに傷を付けられる者は存在しなかっただけに、彼女からすれば称賛しているのだ。ただ、ハズキの圧倒的な自動回復が上回っているだけのこと。デュランは感じたことのない敗北感を味わっていた。
これ程までの実力者の存在……デュラン自体、コンバットサーチに照らし合わせればレドンド以上の数値を叩き出すのは間違いない。しかし、ハズキの強さはそれすら凌駕するものだったのだ。渾身の攻撃を食らわせ、僅かにダメージを与えては回復されていく……信じられないループを見ながら、デュランは初めての上位者の存在を実感していた。
「くくく……これだから戦いはおもしろい……ふはははははっ!」
デュランは大笑いをしながらも決して攻撃の手を緩めることはしない。一向にハズキを打ち破れる気配はないが、それでも攻撃の手を緩めることはしなかった。今、攻撃の手を緩めては相手の反撃で殺されかねない……そのような懸念を抱いているからだ。
-----------------------------------
「その決して揺るがない闘争心……尊敬に値するわね」
「貴様ほどの者に言われるのは悪くはない……!」
それからどのくらいの時間が経ったのか。実測であれば、数分と経過はしていないだろうが……透過武装の攻撃を受け、満身創痍にデュランはなっていた。しかしそれでも彼は笑っている。単純に自らが苦戦していることを楽しんでいるようにも感じられた。上位者であるはずのハズキだが、彼の態度には尊敬の念を抱いている。しかし、いつまでも戦いを楽しんでいるわけにもいかない。ハズキは両腕に見えない鞭を取り出した。
「もう少し戦っていたい気もするけど……この辺りで終わらせてもらうわ」
「……なに!?」
見えざるハズキからの曲線的な一閃。それはデュランの強力な闘気を貫通するには十分な破壊力であった。本来であれば、それが命中し致命傷となるはずだったが……。
「……?」
「曲線的な動き……鞭のような物か?」
デュランはその見えない鞭の攻撃を素手で受け止めていたのだ。手のひらの皮は千切れ血が噴き出してはいるが。ハズキは一瞬、何が起きたのかわからず戸惑っていた。見えないはずの素早い一撃……それをどのように受け止めたのかわからなかったのだ。
「……俺がここまでで死ななかったのは強運と言えるが……反撃とさせてもらおうか」
「……なんですって?」
デュランとしても勝算があったわけではない。見えない角度からのハズキの攻撃……もう少しハズキが好戦的に事を進めていたら、彼の命はここまで持たなかった可能性が高い。
リファインコマンド……相手の動きを観察し、デュランは行動を最適化していた。ハズキの未知なる攻撃にも対抗できるように。ハズキの強敵に遭えた喜び……一気に殺すことを念頭には置いていたが、全力全開で連撃を繰り出したわけではない。
これはハズキの油断と言えるのか? それについては答えが出ないが、デュランのリファインコマンドが最適化されたのは紛れもない事実だ。しかし、彼女からは焦った様子は感じられなかった。
「どうやら、私の攻撃を予測できたみたいね……でも、これでようやく私の足下に立てただけよ?」
「ふん……言ってくれるな……」
ハズキは仮面越しながらも不敵に微笑んでみせる。自らが劣勢になったとは微塵も感じてはいない。それはデュランも同じことではあるが。最強の冒険者を見下げられる確かな実力者ハズキ……デュランとの戦闘は第二ラウンドを迎えようとしていた。
「智司様、どういうことですか?」
「くうう?」
智司はハズキを見送ったことを少しばかり心配していた。具体的には強敵に遭遇するのではないかと危惧しているのだ。それを見たアリスがケルベロスを連れてやってくる。
「ハズキのことが少しだけ心配なんだよ」
「そうですか? ハズキちゃんなら絶対安心だと思いますよ~~。脆弱な人間なんかに負けませんよ」
アリスはハズキの能力を信頼仕切っているのか、全く疑っている様子はない。レジナがこういった言葉を口にしたならば、油断は禁物だと言いたいが、アリス程の規格外の生物の場合は違ってくる。彼女もコンバットサーチをした場合、レドンドの2倍は記録するだろうからだ。
「レドンドはどう思う?」
「はい……私見ではございますが、ハズキに勝てる存在は智司様だけであると考えます」
智司は近くに座っていたレドンドにも聞いてみたが、返って来る答えは変わらなかった。
「あ~~! レドンド、あたしをバカにした~~~! あたしじゃハズキちゃんに勝てないって言うの!?」
「待て……そういうつもりではないぞ……」
「む~~~~!」
「どのみち、姉妹のようなお前たちが戦うことなどあるまい」
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「サトシ様」
「レジナか。どうした?」
そんな時、智司の影に隠れていたレジナが姿を現した。心配を続ける彼を励まそうとしているようだ。
「ハズキ様は全然心配ないと思う。敵の戦力は今周囲の警戒に当たっているゴーラすら倒せないレベル。その時点で桁が違う」
「まあ、それはそうだね」
油断をするのは軽薄だが、戦力数値10万のゴーラすらアルビオン王国やマリアナ公国が倒すのは苦労することだろう。タイミングによっては、ゴーラだけで一国を滅ぼせる勢いなのだから。
他の者達の言葉通り、ハズキがまともに勝負をして負けることなど考えられない。そもそも本気の攻撃手段が見えないのだから猶更だ。休戦協定へやって来た者達はレドンドにすら遠く及ばない連中である。あのハズキと渡り合える人間など居るわけがない。それが智司の明確な答えだった。
智司はそのことよりも、リリーの言っていた言葉に専念するべきと考え始めていた──。
-------------------------------
異世界側ではほぼ最強の一角と捉えても問題のないデュラン。対するは魔神の軍勢ナンバー2の実力者。頂上決戦の様相はデイトナの街で幕を開けようとしていた。
「くくくく……ゴールドドラゴンという強敵を倒したばかりでな。今は非常に感度が上がっている状態だ。そこにきてそれ以上かもしれん強敵とは……嬉しい限りだぞ」
「うふふ、ならいきなり死ぬなんてことはないわよね?」
そう言いながら、先手の一撃を喰らわせたのはハズキだ。智司の障壁になるかもしれない相手……生かす意味はないと言える。それだけに透過武装の攻撃は確実に相手を死に至らしめる砲撃を選んだ。この一撃は致死の攻撃ではあるが、同時に彼女と戦う資格があるかも問われている。
大陸に存在する9割以上の生物がこれを耐えられないだろうからだ……ハズキが知っている中で耐えられる者は魔神状態の智司とアリスの二人だけであった。強烈な爆音がデイトナの郊外に鳴り響き、爆炎が辺りを燃やし始めた。
ハズキの攻撃は何人たりとも見ることはできない透明な一撃。その先手の一撃で勝負は決していたはずだが……紙一重のタイミングでデュランは避けていた。しかし、彼の意志に寄るものではない。
「……あら、避けられるなんて」
ハズキは珍しく驚いている。自らの攻撃……見えざる砲撃をデュランは避けたのだ。やはりただ者ではないと彼女は嬉しくなってきた。そして、智司の為にも確実に殺しておく必要があるだろうとも考えている。
「避けなければ俺は……死んでいたか?」
「さあの。しかし、大ダメージは避けられんかっただろうて」
「……」
反射の法則とでも言えばいいのだろうか? 先ほどのハズキの一撃を避けたのは無意識によるものだ。デュランは過去の強敵との戦いからの経験で、考えるよりも先に身体を動かしていた。後からハズキの攻撃を知った形だ。だからこそ、「避けなければ死んでいたか?」という疑問文が生まれているのだ。
彼は戸惑っていた。
「見えない攻撃か……いつかの冒険者の話を聞いていなければ危なかったな……」
「デュラン、気を付けよ。あの女はやはり危険すぎる」
「わかっている」
ざっと見た破壊力だけでも相当なものだ。デュランは命拾いしたと言えるだろう。直後に彼は二本の剣を取りだした。先程の回避は確かにデュランの能力によるものだ。しかし、あくまでも無意識下によるもの……そう簡単に行えるものではない。
一方でハズキの攻撃は「普通」に行える範疇なのだ。ここには大きな差があると言えた。戦闘準備を感じたハズキはタイミングのわからない砲撃を再度発射した。
「ぬう……!」
直線的な二撃目は何とか剣撃で弾いてみせた。しかし、重すぎる攻撃……鈍痛がデュランの腕にのしかかる。不味い……デュランは本能で感じ取っている。ハズキがこのクラスの攻撃を連発できることを。そうなれば命はないと考えたのか、彼は一気に距離を詰めた。
遠距離からの砲撃スタイル……遠距離からでは勝ち目がないと悟ったのだ。自らが勝てる可能性があるのは接近戦のみ……そして、雷撃を剣に通し致命的なほど強烈な攻撃を仕掛けていく。
だが……!!
「ば、馬鹿な……!? こんなことが……!?」
「これは……驚きじゃな……」
効いていない……! デュランの表情は戦慄に満ちていた。レッドドラゴンはおろか、その上位に位置するゴールドドラゴンすら打ち破った男。渾身の二刀流の攻撃はハズキには効いていないのだ。いや、正確には小さな傷を与えてはいるが……。
「大したものね。私に傷を付けているんだから」
「……! 言ってくれるな……!」
ハズキは決してデュランを過小評価しているわけではない。今まで自らに傷を付けられる者は存在しなかっただけに、彼女からすれば称賛しているのだ。ただ、ハズキの圧倒的な自動回復が上回っているだけのこと。デュランは感じたことのない敗北感を味わっていた。
これ程までの実力者の存在……デュラン自体、コンバットサーチに照らし合わせればレドンド以上の数値を叩き出すのは間違いない。しかし、ハズキの強さはそれすら凌駕するものだったのだ。渾身の攻撃を食らわせ、僅かにダメージを与えては回復されていく……信じられないループを見ながら、デュランは初めての上位者の存在を実感していた。
「くくく……これだから戦いはおもしろい……ふはははははっ!」
デュランは大笑いをしながらも決して攻撃の手を緩めることはしない。一向にハズキを打ち破れる気配はないが、それでも攻撃の手を緩めることはしなかった。今、攻撃の手を緩めては相手の反撃で殺されかねない……そのような懸念を抱いているからだ。
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「その決して揺るがない闘争心……尊敬に値するわね」
「貴様ほどの者に言われるのは悪くはない……!」
それからどのくらいの時間が経ったのか。実測であれば、数分と経過はしていないだろうが……透過武装の攻撃を受け、満身創痍にデュランはなっていた。しかしそれでも彼は笑っている。単純に自らが苦戦していることを楽しんでいるようにも感じられた。上位者であるはずのハズキだが、彼の態度には尊敬の念を抱いている。しかし、いつまでも戦いを楽しんでいるわけにもいかない。ハズキは両腕に見えない鞭を取り出した。
「もう少し戦っていたい気もするけど……この辺りで終わらせてもらうわ」
「……なに!?」
見えざるハズキからの曲線的な一閃。それはデュランの強力な闘気を貫通するには十分な破壊力であった。本来であれば、それが命中し致命傷となるはずだったが……。
「……?」
「曲線的な動き……鞭のような物か?」
デュランはその見えない鞭の攻撃を素手で受け止めていたのだ。手のひらの皮は千切れ血が噴き出してはいるが。ハズキは一瞬、何が起きたのかわからず戸惑っていた。見えないはずの素早い一撃……それをどのように受け止めたのかわからなかったのだ。
「……俺がここまでで死ななかったのは強運と言えるが……反撃とさせてもらおうか」
「……なんですって?」
デュランとしても勝算があったわけではない。見えない角度からのハズキの攻撃……もう少しハズキが好戦的に事を進めていたら、彼の命はここまで持たなかった可能性が高い。
リファインコマンド……相手の動きを観察し、デュランは行動を最適化していた。ハズキの未知なる攻撃にも対抗できるように。ハズキの強敵に遭えた喜び……一気に殺すことを念頭には置いていたが、全力全開で連撃を繰り出したわけではない。
これはハズキの油断と言えるのか? それについては答えが出ないが、デュランのリファインコマンドが最適化されたのは紛れもない事実だ。しかし、彼女からは焦った様子は感じられなかった。
「どうやら、私の攻撃を予測できたみたいね……でも、これでようやく私の足下に立てただけよ?」
「ふん……言ってくれるな……」
ハズキは仮面越しながらも不敵に微笑んでみせる。自らが劣勢になったとは微塵も感じてはいない。それはデュランも同じことではあるが。最強の冒険者を見下げられる確かな実力者ハズキ……デュランとの戦闘は第二ラウンドを迎えようとしていた。
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