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第4話 ヤンキー君改造計画
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翌日から学校で山石君を見つけると声をかけるようになった。相変わらず無愛想でまともに返ってくることの方が少ないけど、これは人見知りだって分かったから遠慮なくずかずかと話しかける。すると、山石君も人見知りしながらも少しずつ反応を返してくれる。それがなんだか野良猫に毎日手を差し出したらすり寄ってくるようになったみたいな、勝手な愛着と達成感を感じてしまってどんどん自分の話をするようになってしまった。それを見ている周りの人は、心配するような恐ろしいものを見るような困った目をしているのは薄々感づいていた。
ついに、私のことを心配した女子グループから背中を押されて、山石君が席を外したタイミングを見計らって裕子がおずおずと話しかけてきた。
「ねぇ、つばめは大丈夫なの?」
「えっ?何が?」
何がなんて分かり切ってるけど、おびえてる裕子が面白かったからもう少し楽しんでみた。
「山石君?だっけ?前にヤンキーで睨まれたって言ってたけど、最近どんどん話しかけてるじゃない?」
「この席に座ってると昔は気軽に話してくれてた親友も近寄らなくて誰も話し相手がいないから……近くには山石君しかいないし……」
「それは本当にごめんね!つばめが辛いんなら席替えるようにお願いするし、私達の方に来てくれていいから!」
申し訳なさそうに心配する裕子の姿に、笑いをこらえることができず吹き出してしまった。
「ごめんごめん、冗談だよ!山石君ね、話してみたら本当はすっごい素直で優しい子なんだよ。話したことないでしょ?みんなも仲良くなってくれたらいいんだけどなぁ。」
「素直……?見た目が素直じゃないけど。」
「あれは……ちょっと迷走した的な?遅れてきた中二病的な?」
「……ちょっとよく分かんないけど。つばめが大丈夫なら別にいいんだけどね。」
「うーん、本当にいい子なんだけどなぁ……あの見た目がとっつきにくいよね……よし!」
思い立ったが吉日!早速、戻ってきた山石君を捕まえて思いついたことをアドバイスする。
「やっぱり金髪はただのヤンキーにしか見えないよ。髪色、戻しちゃいなよ。」
「やっぱりって……まだヤンキーだと思われてるの?」
「私じゃなくってね。周りの子達が、特に女の子がね、山石君が怖いって。」
「そうなんだ、せっかく染めたのにな……本当に戻した方がいい?」
「絶対!見た目からみんな警戒しちゃってるもん!私も最初はうわってなったもん。」
「森野さんって時々すごい正直だよね……まぁ、そう言うなら……」
そうして、その翌日には黒髪に戻った姿で登校する山石君を見つけた。やっぱり素直でいい子だ。
「山石君!絶対絶対こっちの方が素敵だよ。みんなも話しかけやすくなったはず。」
「それならいいんだけど……」
実際、教室に入ってみた時のざわめきから好感触を実感できた。一部の男子生徒は髪色を戻したことについて声をかけてくるようにもなった。このままクラスに打ち解けてくれたら……そうか、これが雛鳥の巣立ちを見守る親鳥の気持ちか、などと考えていると声をかけた男子達が気まずそうに自分の席に帰っていった。山石君が何か不手際でもやったのか?自席に戻った男の子達の会話に聞き耳を立ててみる。
「やっぱまだ怖いよな。」
「睨んでくるし愛想もないしな。」
「森野さんは平気そうだけど、俺らは嫌われてんじゃないか?」
……そうだった、髪の毛を戻したくらいじゃまだ巣立ちには早かった……
それからこの雛鳥をプロデュースするために、様々な手を尽くしたのだった。目つきの悪さを改善するためにコンタクトをやめさせたり、背筋を伸ばしたり、話し方や笑顔の作り方を教えたり……同級生に言われたら生意気に思われるかもしれないことも含めてたくさんのアドバイスをしたけど、山石君は一言たりとも文句を言わず全て聞き入れて実行していった。一つ改善する毎に印象が良くなっていき、少しずつではあるが他の人と話す姿も多くなっていった。
ついに、私のことを心配した女子グループから背中を押されて、山石君が席を外したタイミングを見計らって裕子がおずおずと話しかけてきた。
「ねぇ、つばめは大丈夫なの?」
「えっ?何が?」
何がなんて分かり切ってるけど、おびえてる裕子が面白かったからもう少し楽しんでみた。
「山石君?だっけ?前にヤンキーで睨まれたって言ってたけど、最近どんどん話しかけてるじゃない?」
「この席に座ってると昔は気軽に話してくれてた親友も近寄らなくて誰も話し相手がいないから……近くには山石君しかいないし……」
「それは本当にごめんね!つばめが辛いんなら席替えるようにお願いするし、私達の方に来てくれていいから!」
申し訳なさそうに心配する裕子の姿に、笑いをこらえることができず吹き出してしまった。
「ごめんごめん、冗談だよ!山石君ね、話してみたら本当はすっごい素直で優しい子なんだよ。話したことないでしょ?みんなも仲良くなってくれたらいいんだけどなぁ。」
「素直……?見た目が素直じゃないけど。」
「あれは……ちょっと迷走した的な?遅れてきた中二病的な?」
「……ちょっとよく分かんないけど。つばめが大丈夫なら別にいいんだけどね。」
「うーん、本当にいい子なんだけどなぁ……あの見た目がとっつきにくいよね……よし!」
思い立ったが吉日!早速、戻ってきた山石君を捕まえて思いついたことをアドバイスする。
「やっぱり金髪はただのヤンキーにしか見えないよ。髪色、戻しちゃいなよ。」
「やっぱりって……まだヤンキーだと思われてるの?」
「私じゃなくってね。周りの子達が、特に女の子がね、山石君が怖いって。」
「そうなんだ、せっかく染めたのにな……本当に戻した方がいい?」
「絶対!見た目からみんな警戒しちゃってるもん!私も最初はうわってなったもん。」
「森野さんって時々すごい正直だよね……まぁ、そう言うなら……」
そうして、その翌日には黒髪に戻った姿で登校する山石君を見つけた。やっぱり素直でいい子だ。
「山石君!絶対絶対こっちの方が素敵だよ。みんなも話しかけやすくなったはず。」
「それならいいんだけど……」
実際、教室に入ってみた時のざわめきから好感触を実感できた。一部の男子生徒は髪色を戻したことについて声をかけてくるようにもなった。このままクラスに打ち解けてくれたら……そうか、これが雛鳥の巣立ちを見守る親鳥の気持ちか、などと考えていると声をかけた男子達が気まずそうに自分の席に帰っていった。山石君が何か不手際でもやったのか?自席に戻った男の子達の会話に聞き耳を立ててみる。
「やっぱまだ怖いよな。」
「睨んでくるし愛想もないしな。」
「森野さんは平気そうだけど、俺らは嫌われてんじゃないか?」
……そうだった、髪の毛を戻したくらいじゃまだ巣立ちには早かった……
それからこの雛鳥をプロデュースするために、様々な手を尽くしたのだった。目つきの悪さを改善するためにコンタクトをやめさせたり、背筋を伸ばしたり、話し方や笑顔の作り方を教えたり……同級生に言われたら生意気に思われるかもしれないことも含めてたくさんのアドバイスをしたけど、山石君は一言たりとも文句を言わず全て聞き入れて実行していった。一つ改善する毎に印象が良くなっていき、少しずつではあるが他の人と話す姿も多くなっていった。
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