5 / 10
助手のもどかしさと探偵の記憶
探偵の欠陥
しおりを挟む
「ではまた。次は3日後に。」
千島美咲に報告すると、部屋にあるアンティーク調の柱時計に近づく。鍵は使わず、時計の裏に手をかける。
ガシャ。開錠したのを確認し、小さい引きだし(因みに後から細工した)の中身を取り出す。USBメモリ、タブレット、その他変換器具。
アリスは寝てる。時間は5時間程だろう。その間に、全てを調べなければ。
タブレットとUSBをパソコンに。タブレットは、10年放置されたものの、動作している。タブレットの画面を見る。
──password? 入力は・・・恐らく。成功。ロック解除。
素早くSNSの画面を開く。IDは、kento2910。木崎のそれだ。しばらくデータを物色する。木崎の行動について前調べたものは間違いないようだ。
次に、USBだが、これも間違いない。何故、此処にこれがある・・・
もし、僕が木崎健斗だとしたら?
無いとは言い切れ無い。御影は、13より前の記憶が無い。この状況、推測するに家族の記憶だ。御影は施設育ちだった。はずなのだ。
──変わる。御影は直感した。今まで生きてきた世界が。この案件で。
「御影さん?何かありました?」
気がつかなかった。とりあえず平常通り。
「アリス、調子は?まだ2時間かな?寝てたの。」
「いえ、体質です。短時間で深く眠れるので。それ、何ですか・・」
──ガタッ。アリスはバランスを崩す。瞬間御影が肩を支える。
「おっと。大丈夫?怪我は?」
アリスは、「待って!御影さん急接近!顔赤い!?大丈夫!?」とパニックになりつつ、表面は涼しい顔で、「はい。そして無いです。」と答える。
「やっぱ回復してないなら、。ちょっと待って・・」隣の部屋の棚を漁る。薬品用棚。瞬間、「あった」と呟く。
「はい、睡眠薬。1錠5時間、4錠同時で普通は死亡」
アリスは実際、怖くは無い。職業柄扱いになれている、馴染み深いモノ。ただ・・・
「あー・・・4錠出てますね。殺す気ですか?」
「ジョークだよ、殺し屋ジョーク。2錠僕の。」嘘。自分用は違う薬。
「10時間睡眠は理想ですが、探偵としてよろしくないと思います。」
「効果は比例しない。2錠じゃ7~8時間かな」
「分かりました。おやすみなさい。」
びっくりした。さて、もう一度。時計は昼を差す。昼食を食べてから、御影は調査を再開した。
千島美咲に報告すると、部屋にあるアンティーク調の柱時計に近づく。鍵は使わず、時計の裏に手をかける。
ガシャ。開錠したのを確認し、小さい引きだし(因みに後から細工した)の中身を取り出す。USBメモリ、タブレット、その他変換器具。
アリスは寝てる。時間は5時間程だろう。その間に、全てを調べなければ。
タブレットとUSBをパソコンに。タブレットは、10年放置されたものの、動作している。タブレットの画面を見る。
──password? 入力は・・・恐らく。成功。ロック解除。
素早くSNSの画面を開く。IDは、kento2910。木崎のそれだ。しばらくデータを物色する。木崎の行動について前調べたものは間違いないようだ。
次に、USBだが、これも間違いない。何故、此処にこれがある・・・
もし、僕が木崎健斗だとしたら?
無いとは言い切れ無い。御影は、13より前の記憶が無い。この状況、推測するに家族の記憶だ。御影は施設育ちだった。はずなのだ。
──変わる。御影は直感した。今まで生きてきた世界が。この案件で。
「御影さん?何かありました?」
気がつかなかった。とりあえず平常通り。
「アリス、調子は?まだ2時間かな?寝てたの。」
「いえ、体質です。短時間で深く眠れるので。それ、何ですか・・」
──ガタッ。アリスはバランスを崩す。瞬間御影が肩を支える。
「おっと。大丈夫?怪我は?」
アリスは、「待って!御影さん急接近!顔赤い!?大丈夫!?」とパニックになりつつ、表面は涼しい顔で、「はい。そして無いです。」と答える。
「やっぱ回復してないなら、。ちょっと待って・・」隣の部屋の棚を漁る。薬品用棚。瞬間、「あった」と呟く。
「はい、睡眠薬。1錠5時間、4錠同時で普通は死亡」
アリスは実際、怖くは無い。職業柄扱いになれている、馴染み深いモノ。ただ・・・
「あー・・・4錠出てますね。殺す気ですか?」
「ジョークだよ、殺し屋ジョーク。2錠僕の。」嘘。自分用は違う薬。
「10時間睡眠は理想ですが、探偵としてよろしくないと思います。」
「効果は比例しない。2錠じゃ7~8時間かな」
「分かりました。おやすみなさい。」
びっくりした。さて、もう一度。時計は昼を差す。昼食を食べてから、御影は調査を再開した。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
10日間の<死に戻り>
矢作九月
ミステリー
火事で死んだ中年男・田中が地獄で出逢ったのは、死神見習いの少女だった―…田中と少女は、それぞれの思惑を胸に、火事の10日前への〈死に戻り〉に挑む。人生に絶望し、未練を持たない男が、また「生きよう」と思えるまでの、10日間の物語。
ワルバイトの粛清
不調会長
ミステリー
定職に就かずフリーター生活の
青年・大森は牛丼屋でのバイトが終わり、いつも通り夜道を徒歩で帰宅していた。
ところが、なぜか尾行されていた大森は数名の黒服に突如襲われボックスカーに引きずりこまれる。
車内で手首を拘束され、抗うことができない。
あまりの突然の出来事に呆然とする大森。
車に乗せられ30分ほど
林の中の古い倉庫の前に停車した。
大森は、手首を拘束されたままその倉庫の中に入る。
倉庫の中には、中央に円卓があり、
大森と同様に手首が拘束されている男が7人座っていた。
大森も1席だけ空いていた円卓の椅子に座らせられた。
間もなくして、不敵な笑みを浮かべた老人が倉庫内に入ってきた。
老人は円卓の8人に白紙の小切手を配った。
これから何が行われるというのか。
巨象に刃向かう者たち
つっちーfrom千葉
ミステリー
インターネット黎明期、多くのライターに夢を与えた、とあるサイトの管理人へ感謝を込めて書きます。資産を持たぬ便利屋の私は、叔母へ金の融通を申し入れるが、拒絶され、縁を感じてシティバンクに向かうも、禿げた行員に挙動を疑われ追い出される。仕方なく、無一文で便利屋を始めると、すぐに怪しい来客が訪れ、あの有名アイドルチェリー・アパッチのためにひと肌脱いでくれと頼まれる。失敗したら命もきわどくなる、いかがわしい話だが、取りあえず乗ってみることに……。この先、どうなる……。 お笑いミステリーです。よろしくお願いいたします。
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
アイリーンはホームズの夢を見たのか?
山田湖
ミステリー
一人の猟師が雪山にて死体で発見された。
熊に襲われたと思われるその死体は顔に引っ搔き傷のようなものができていた。
果たして事故かどうか確かめるために現場に向かったのは若手最強と言われ「ホームズ」の異名で呼ばれる刑事、神之目 透。
そこで彼が目にしたのは「アイリーン」と呼ばれる警察が威信をかけて開発を進める事件解決補助AIだった。
刑事 VS AIの推理対決が今幕を開ける。
このお話は、現在執筆させてもらっております、長編「半月の探偵」の時系列の少し先のお話です。とはいっても半月の探偵とは内容的な関連はほぼありません。
カクヨムweb小説短編賞 中間選考突破。読んでいただいた方、ありがとうございます。
【完結】深海の歌声に誘われて
赤木さなぎ
ミステリー
突如流れ着いたおかしな風習の残る海辺の村を舞台とした、ホラー×ミステリー×和風世界観!
ちょっと不思議で悲しくも神秘的な雰囲気をお楽しみください。
海からは美しい歌声が聞こえて来る。
男の意志に反して、足は海の方へと一歩、また一歩と進んで行く。
その歌声に誘われて、夜の冷たい海の底へと沈んで行く。
そして、彼女に出会った。
「あなたの願いを、叶えてあげます」
深海で出会った歌姫。
おかしな風習の残る海辺の村。
村に根付く“ヨコシマ様”という神への信仰。
点と点が線で繋がり、線と線が交差し、そして謎が紐解かれて行く。
―― ―― ―― ―― ―― ―― ――
短期集中掲載。毎日投稿します。
完結まで執筆済み。約十万文字程度。
人によっては苦手と感じる表現が出て来るかもしれません。ご注意ください。
暗い雰囲気、センシティブ、重い設定など。
学園ミステリ~桐木純架
よなぷー
ミステリー
・絶世の美貌で探偵を自称する高校生、桐木純架。しかし彼は重度の奇行癖の持ち主だった! 相棒・朱雀楼路は彼に振り回されつつ毎日を過ごす。
そんな二人の前に立ち塞がる数々の謎。
血の涙を流す肖像画、何者かに折られるチョーク、喫茶店で奇怪な行動を示す老人……。
新感覚学園ミステリ風コメディ、ここに開幕。
『小説家になろう』でも公開されています――が、検索除外設定です。
警視庁高校生おとり捜査班 倉沢彩那出動篇
ぽて
ミステリー
高校生の倉沢彩那は、ある日警察官の父親から「おとり捜査班」の一員になるように命じられる。以前から警察の仕事を嫌っていた彩那は断ろうとするが、頑固な父親に逆らうことができず、渋々引き受けることになる。異母兄妹である龍哉はもとより、家族全員が参加する「捜査班」。家族の絆を取り戻すため、彩那の戦いが今ここに始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる