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1章
目覚め(*ここからR18)
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「大丈夫ですか。どこかけがはありますか?」
お堂の中に入ってすぐ、中尉は素早く手持ちのランプに火を灯し
俺の状態を確認した。
「申しわけありません。足手まといになっただけでなく、
余計なことを…!」
俺は情けなくて中尉に謝る。
中尉なら俺が庇わなくても、自分で対処ができていた。
俺が余計なことをして時間を取らなければ、
妖の息の根を止められていたかもしれない。
しかし、ずっと厳しい表情をしていた中尉が
ほっと表情を緩めた。
「元よりあなたの腕っぷしを期待して連れてきたわけではありません。
気になさらず」
確かに腕っぷしなら中尉の方が格段に上だろう。
しかしはっきり言われて、ちょっと傷ついた。
しょんぼりとへこんだまま中尉に尋ねる。
「あ、あれは何ですか?」
「
あれは土蜘蛛です。
このあたりでは珍しくもない。
人を襲って食べる妖です。
まださっきのも倒してはいませんので
再びここにやってくるのは時間の問題でしょう
」
「まだ、来るんですか?」
「
もちろんです。
かといって今ここを動くのも危険がある。
今夜はここで寝ずの番をしながら、朝を待ちましょう。
」
「はい」
しばらく中尉と俺はお堂の中で
心もとなくに揺れるランプの光の下、
土蜘蛛の襲撃に備えていた。
しかしふと、俺はだんだんと自分の体が
火照ってくることに気づいた。
目ざとい如月中尉はすぐに俺の異変に気付いたようで
声をかけてくる。
「どうしましたか?顔が赤いようですが」
「はぁ、はぁ、わかりません。熱くて」
「わたしを庇った時にどこかけがしたんですか?」
「い、いえ、自分はどこもけがはないです。
ふぅ、油断しました。まさか、あっ、あんな怪物がいるなんて。はぁ」
必死で話題をそらそうとするも、中尉はそれを許さない。
「大丈夫ですか。随分辛そうですが。
息も上がって顔も真っ赤になって」
中尉が手を伸ばして俺の額に触れた。
「ひゃんっ」
瞬間、そこから電撃が走ったような刺激がして、
思わず上ずった高い声が自分の口から洩れていた。
驚いた中尉が手を引っ込める。
「
だ、だいじょうぶです。なにか、はぁ、今刺激がつらい、みたいなので
ちょっと放っておいてもらえると、あっ、はぁ、はぁ、助かります。
」
自分でも何を言っているのかわからなかったが、
とにかく恥ずかしくて、中尉からずりずりと離れてお堂の隅に行く。
しかし、中尉に後ろを向けた途端、背後から凄まじい怒気を感じた。
「佐倉軍曹、怪我をしているでしょう。
背中の服が裂けています」
びくっと体を硬直させて、恐る恐る後ろを振り向いた。
「す、すいません、はぁ、でもすぐに中尉が、
俺を放り投げてくれたので、
かすり傷程度です」
しかし、中尉の圧が収まることはない。
「
わたしは嘘をつかれること、報告すべきことを怠られること
が一番許せないんです。
些細なことかそうでないかの判断はわたしが行います。
佐倉軍曹、今すぐわたしの近くへ来なさい。
」
初めて聞く中尉の威圧的な口調に
俺は情けないくらいに委縮してしまう。
「ひぅっ、すいません、ふぅっ、はいっ、」
ずるずると這うように中尉の傍に寄る。
「頬を出しなさい」
「…は、はい」
横座りの姿勢になって、
びくびくする体を押さえながら
上を向く。
中尉の美しい顔がランプに照らされて、ゆらゆら揺れる。
冷たい視線で俺を見下ろした。
その手には革靴が握られている。
「いいですか?これは懲罰です」
「・・・・はい、」
その手が革靴を振り上げ、思いっきり振り下ろした。
バチンっ。
瞬間、視界に火花が飛んだ。
脳を揺らす衝撃に俺は体ごと吹き飛ばされて、横向きに倒れていた。
革靴で頬をビンタされたのだ。
「・・・・・ふっ、ぁあっ、」
そのままびくんびくんと体が勝手に痙攣する。
中尉もいつまでも起き上がらない俺の様子に気づき、
慌てて駆け寄ってくる。
「えっ」
「み、・・・ないで、ください」
すでに俺の頬は真っ赤に腫れて、じんじんと熱を持っている。
相当痛かった。
それなのにその刺激で、俺は、射精していた。
お堂の中に入ってすぐ、中尉は素早く手持ちのランプに火を灯し
俺の状態を確認した。
「申しわけありません。足手まといになっただけでなく、
余計なことを…!」
俺は情けなくて中尉に謝る。
中尉なら俺が庇わなくても、自分で対処ができていた。
俺が余計なことをして時間を取らなければ、
妖の息の根を止められていたかもしれない。
しかし、ずっと厳しい表情をしていた中尉が
ほっと表情を緩めた。
「元よりあなたの腕っぷしを期待して連れてきたわけではありません。
気になさらず」
確かに腕っぷしなら中尉の方が格段に上だろう。
しかしはっきり言われて、ちょっと傷ついた。
しょんぼりとへこんだまま中尉に尋ねる。
「あ、あれは何ですか?」
「
あれは土蜘蛛です。
このあたりでは珍しくもない。
人を襲って食べる妖です。
まださっきのも倒してはいませんので
再びここにやってくるのは時間の問題でしょう
」
「まだ、来るんですか?」
「
もちろんです。
かといって今ここを動くのも危険がある。
今夜はここで寝ずの番をしながら、朝を待ちましょう。
」
「はい」
しばらく中尉と俺はお堂の中で
心もとなくに揺れるランプの光の下、
土蜘蛛の襲撃に備えていた。
しかしふと、俺はだんだんと自分の体が
火照ってくることに気づいた。
目ざとい如月中尉はすぐに俺の異変に気付いたようで
声をかけてくる。
「どうしましたか?顔が赤いようですが」
「はぁ、はぁ、わかりません。熱くて」
「わたしを庇った時にどこかけがしたんですか?」
「い、いえ、自分はどこもけがはないです。
ふぅ、油断しました。まさか、あっ、あんな怪物がいるなんて。はぁ」
必死で話題をそらそうとするも、中尉はそれを許さない。
「大丈夫ですか。随分辛そうですが。
息も上がって顔も真っ赤になって」
中尉が手を伸ばして俺の額に触れた。
「ひゃんっ」
瞬間、そこから電撃が走ったような刺激がして、
思わず上ずった高い声が自分の口から洩れていた。
驚いた中尉が手を引っ込める。
「
だ、だいじょうぶです。なにか、はぁ、今刺激がつらい、みたいなので
ちょっと放っておいてもらえると、あっ、はぁ、はぁ、助かります。
」
自分でも何を言っているのかわからなかったが、
とにかく恥ずかしくて、中尉からずりずりと離れてお堂の隅に行く。
しかし、中尉に後ろを向けた途端、背後から凄まじい怒気を感じた。
「佐倉軍曹、怪我をしているでしょう。
背中の服が裂けています」
びくっと体を硬直させて、恐る恐る後ろを振り向いた。
「す、すいません、はぁ、でもすぐに中尉が、
俺を放り投げてくれたので、
かすり傷程度です」
しかし、中尉の圧が収まることはない。
「
わたしは嘘をつかれること、報告すべきことを怠られること
が一番許せないんです。
些細なことかそうでないかの判断はわたしが行います。
佐倉軍曹、今すぐわたしの近くへ来なさい。
」
初めて聞く中尉の威圧的な口調に
俺は情けないくらいに委縮してしまう。
「ひぅっ、すいません、ふぅっ、はいっ、」
ずるずると這うように中尉の傍に寄る。
「頬を出しなさい」
「…は、はい」
横座りの姿勢になって、
びくびくする体を押さえながら
上を向く。
中尉の美しい顔がランプに照らされて、ゆらゆら揺れる。
冷たい視線で俺を見下ろした。
その手には革靴が握られている。
「いいですか?これは懲罰です」
「・・・・はい、」
その手が革靴を振り上げ、思いっきり振り下ろした。
バチンっ。
瞬間、視界に火花が飛んだ。
脳を揺らす衝撃に俺は体ごと吹き飛ばされて、横向きに倒れていた。
革靴で頬をビンタされたのだ。
「・・・・・ふっ、ぁあっ、」
そのままびくんびくんと体が勝手に痙攣する。
中尉もいつまでも起き上がらない俺の様子に気づき、
慌てて駆け寄ってくる。
「えっ」
「み、・・・ないで、ください」
すでに俺の頬は真っ赤に腫れて、じんじんと熱を持っている。
相当痛かった。
それなのにその刺激で、俺は、射精していた。
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