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第一章 戦う聖女

魔王は永遠を夢見る※ゆったりエロですR18注意

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魔王の自室に水音が響く。
ぐちゃぐちゃと掻きまわす音に
羞恥心で耳を塞ぎたくなる。

「…くっ。ーーー…んぁっ」

俺は声を漏らすまいと枕に顔をうずめ、
それを強く握りしめ、後ろからの快感に耐えていた。

腰を高く上げられた状態で後ろから激しく突かれ、
奥深くまで侵入してくるモノに思わず声が漏れる。

魔王は俺の声を聞くと、俺の顔に手を添える。
そして後ろを向かせると噛みつくように俺の唇を
貪った。

「ふぅっ……。ん……」

喰われるような口づけで口内を余すところなく
犯されていく。

角度を変えて何度も何度も。
その度にぐちゃぐちゃといういやらしい音が響き渡る。
息もできないくらいの激しいキス。
酸素不足なのか頭がクラクラする。
ようやく解放されると、

切羽詰まった顔をした魔王と目が合った。

たらっと彼の首から一筋汗が流れる。
一瞬、時が止まったかと思った。

窓から差し込む夕陽を背にする彼の顔は
どうしようもなく切なくて、
なぜか懐かしい気がした。



なぜ?どうして。

ーずっと、逢いたかった。

自分の心が自分でなくなるような感覚に、
今までの常識が曖昧になるような恐怖を感じる。

しかし、それはほんの一瞬の事だった。

「…あっ、やっ、あ、ああああっ!」

体の最奥、結腸をこじ開けるように入り込む
剛直にこらえきれなかった嬌声を上げる。

発情期の雌猫のように高い甘い声が自分の
口から発せられていることすらわからなくなる。

魔王は俺の背骨をなぞるように舌を這わせて、
首筋までべろりとなめあげた。

「ひぃっ、いやあっ、はぁっあっ」

体が魔王から与えられるすべての刺激を享受し、
後から後から絶頂が押し寄せてくる。

何をされてもイってしまうくらいに敏感になった
己の体を制御できずに、貫かれるままに
何度も精を吐き出した。


「だめぇっ、もう、もうむりっ、やだぁ、あんっ」

もう苦しい、快感なんていらないと泣き喚く。
しかし、彼は聞き入れず、さらに追い立てていく。

「ああああっ!だ、だめぇっ!! くるうっ、だめぇっ」

「……いいぞ、狂ってしまえば良い。
そしたらずっと我の傍にいろ」

「ああぁぁぁ~っ!!」

魔王の責めに必死で抵抗するも、
それも虚しく俺は意識を失った。



気絶したユーリを風呂に運ぶ。
優しくしたいと思っているのに、
また限界まで責め立てて気絶させてしまった。

体は満足したが、少し後悔する。

魔王はユーリの着ているドレスを四苦八苦しながら
脱がしていく。

-最初に褒めてやればよかったか。

白いドレスは聖女の高潔な魂を持つ
ユーリにとてもよく似合っている。

魔物たちが騒ぐのもよくわかる。

だが、自分が本当にユーリが好きなところは
そんな見てくれだけの話ではないのだ。

例え彼がどんなに年老いても、
肉体がなくなったとしても
ずっとユーリのことを愛している。

腕にすっぽりとユーリの体を抱きながら、
シャワーを使って後ろに入った精液を掻きだす。

「…ふっ、うぅ」

気絶したままだというのに
感じてしまったのかユーリから声が漏れた。

桜色に色づく唇に口づけを落とすと、
ふっとユーリの口角が緩んだ。

この瞬間が、永遠に続けばいい。
この切り取られた幸福がそのまま。

「魔王様!」

いきなり自室の扉をノックされた。
部下の魔物たちがまた何かやらかしたのだろうか。
喧嘩か、賭け事か、それとも…。

「魔王様!城に侵入者でございます!」

「すぐに来てください!今は料理長が戦闘に巻き込まれました」
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