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毎夜毎夜やってくるそいつから逃れることはできない
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俺はとんでもないものを被写体にしてしまった
あいつを写真に撮ってから、どこでカメラを構えても、
レンズからこちらをジーッとあいつが眺めているようになった
振り替えれば、あんなところに行かなければよかった
金がなく、どんな仕事も受けた。
怪しい施設の調査なんて、ほいほうい受けてしまったが
運のつきだ。
金がないならカメラを捨てればよかったのだ。
肉体労働でも適当な仕事について生活費を
稼げばよかったんだ。
俺は今最高に不幸のどん底にいる
_____________________________________
止めて。もう、止めてくれ
午前2時をまわった頃、この汚いアパートにあいつが現れる
それは胸をむかつかせるような、ひどく生臭い獣の匂いと、
地獄の底から響き渡るような低い低い唸り声を発しながら現れる
耳を塞いで、縫い付けるような勢いでぎゅっと目をつぶり、
頭から足先まで見つからないように毛布を被り、芋虫の如く手足を縮こめる。
どんなに部屋をエアコンで暖めても、体はぶるぶると震え、
音を立てまいと息を潜めても、勝手にガチガチと騒がしく歯が音を立てる
自分の心臓の音も全速力で走ったときのように
トクトクトクトクと血流が絶えず送り出されるのを感じた
怖い、怖い怖い。
年甲斐もなく俺は震えた。
そいつはカメラの付近からいつも現れる
4畳半の畳の狭い部屋の中。
部屋の隅で縮こまって寝ている俺の対角線上の丁度反対側
部屋の隅に高さが膝ほど、幅が80センチほどの小さな本棚がある
俺はいつもその本棚の上にカメラを置いていた。
俺が唯一持っている高価な持ち物だと言ってもいい、
黒光りする、ごついレンズの大きなカメラだ。
カメラの背後からゆっくりと黒い靄が立ち上がり、
それが広がり、形を成していく。
いびつな常にうごめく黒い塊で構成されたそいつは
徐々に実態に近づいていく。
もののけ姫の祟り神のように、
どろどろとしたうごめく触手たちを
揺らしながら、ゆっくりゆっくりこちらに近づいていく。
二つの赤く光る小さな目は、俺だけを捉える。
見なくてもわかる。
ゆっくり、ゆっくり近づいてくる。
鼻がつぶれるようなひどい獣の死体の腐ったような匂いが
目の前までやってきた。
「…っ!」
布団をどれだけかぶっていても意味がない。
布団の隙間から黒いどろりとした触手が布団の内部に分け入ってくる。
そして、その触手は足先からぬとぬとと生暖かい温度で足を這い、
スウェットのズボンのすその隙間から上へ上へと這いあがってくる。
これから毎夜繰り返される地獄が始まるのだ。
俺は少しでもその恐怖から逃れようときつく目を閉じた。
あいつを写真に撮ってから、どこでカメラを構えても、
レンズからこちらをジーッとあいつが眺めているようになった
振り替えれば、あんなところに行かなければよかった
金がなく、どんな仕事も受けた。
怪しい施設の調査なんて、ほいほうい受けてしまったが
運のつきだ。
金がないならカメラを捨てればよかったのだ。
肉体労働でも適当な仕事について生活費を
稼げばよかったんだ。
俺は今最高に不幸のどん底にいる
_____________________________________
止めて。もう、止めてくれ
午前2時をまわった頃、この汚いアパートにあいつが現れる
それは胸をむかつかせるような、ひどく生臭い獣の匂いと、
地獄の底から響き渡るような低い低い唸り声を発しながら現れる
耳を塞いで、縫い付けるような勢いでぎゅっと目をつぶり、
頭から足先まで見つからないように毛布を被り、芋虫の如く手足を縮こめる。
どんなに部屋をエアコンで暖めても、体はぶるぶると震え、
音を立てまいと息を潜めても、勝手にガチガチと騒がしく歯が音を立てる
自分の心臓の音も全速力で走ったときのように
トクトクトクトクと血流が絶えず送り出されるのを感じた
怖い、怖い怖い。
年甲斐もなく俺は震えた。
そいつはカメラの付近からいつも現れる
4畳半の畳の狭い部屋の中。
部屋の隅で縮こまって寝ている俺の対角線上の丁度反対側
部屋の隅に高さが膝ほど、幅が80センチほどの小さな本棚がある
俺はいつもその本棚の上にカメラを置いていた。
俺が唯一持っている高価な持ち物だと言ってもいい、
黒光りする、ごついレンズの大きなカメラだ。
カメラの背後からゆっくりと黒い靄が立ち上がり、
それが広がり、形を成していく。
いびつな常にうごめく黒い塊で構成されたそいつは
徐々に実態に近づいていく。
もののけ姫の祟り神のように、
どろどろとしたうごめく触手たちを
揺らしながら、ゆっくりゆっくりこちらに近づいていく。
二つの赤く光る小さな目は、俺だけを捉える。
見なくてもわかる。
ゆっくり、ゆっくり近づいてくる。
鼻がつぶれるようなひどい獣の死体の腐ったような匂いが
目の前までやってきた。
「…っ!」
布団をどれだけかぶっていても意味がない。
布団の隙間から黒いどろりとした触手が布団の内部に分け入ってくる。
そして、その触手は足先からぬとぬとと生暖かい温度で足を這い、
スウェットのズボンのすその隙間から上へ上へと這いあがってくる。
これから毎夜繰り返される地獄が始まるのだ。
俺は少しでもその恐怖から逃れようときつく目を閉じた。
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