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悪役子息に転生したんだけど
迷走する二人-シャルルが死なない方法-
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…
50:シャルル伯爵子息
【朗報】隣国の王子が俺の幼馴染やった!
これで勝てる!
51名無し:あなたの後ろに悪役令嬢が
おめでとう!原作では隣国の王子の
ビジュアル出てこなかったから
すげー気になってた。
写真欲しい!プリーズ、シャルル様!
52:シャルル伯爵子息
許可取ったで。ほれ。
【童顔で生意気そうな少年の写真、
隣の少年が頭を撫でるのをうざったそうにしている。
場所は物置のようなところ】
53名無し:あなたの後ろに悪役令嬢が
やだ、カッコ可愛い!
でも意外。もっと王子っぽいかと思ってた。
54名無し:あなたの後ろに悪役令嬢が
そうきたか、でもよかったな、
シャルル様唯一にして最強の味方登場じゃん。
55:シャルル伯爵子息
それだと俺友達いないみたいやん。
やめてー
…
フフっとスマホを見ながら一人で笑ってたら
マユトから怪訝そうな顔をされた。
だがすぐにマユトは気を取り直して俺に尋ねた。
「ところでどうすれば元の世界に戻れるんだ?」
「ああ、そのことやけど、説明しづらいから
このスレ見せながら説明するわ」
「ああ、頼む」
「…嘘だろ」
「今のところこれが一番有力な方法なんやて」
俺はマユトにこの物語の大まかな概要と
役を演じ切り、物語を終わらせれば元の世界に
戻ってこれるということを説明した。
マユトはそのおっきな目を落ちそうなほど見開いて
俺を見た。
「でも、だってそれじゃ…」
「うん、お前が言いたいことはわかる。
けど今はこれしか元に戻ってくる方法がわからんのや。
つまり元の世界に戻ってくるには
俺は悪役シャルルとして処刑台に上らなあかんらしい。
その後はヒロインが王子様と結ばれてハッピーエンド。
それでしまいや。
…だから、その結末のためにお前に協力してほしいねん」
「…ふざけんなよ。
お前、自分が何言ってんのかわかってんの?
お前、お前を処刑台に送るために、
協力しろって言ってんのか?
そんなこと、できるわけないだろ。
いい加減にしろ!」
「でもそうしないと帰れへんよ。
こんな無茶苦茶な意味わからんとこで、
一生過ごすつもりか?
俺は嫌や。絶対嫌や。
お前だってそうやろ?」
「それはそうだけど…。
他の…他の方法考えねぇか?
お前が原作にない行動したことで
物語が変わったって言ってたじゃねぇか。
もしそうなら、
物語の悪役を変えればいいんじゃないか?」
「…何言うとんの、マユト」
「物語の結末が、
悪役が死んで、ヒロインと王子が結ばれるのなら、
それを達成することが物語を終える条件なら、
…悪役だけ別の奴に据えればいい。
そうすればお前は死ななくても済むだろう?」
「お前こそ、何言っとるかわかってる?
俺の、
代わりに、
別の人間が死ぬ、言うことやぞ。
そんなんほんまもんの悪役やん…」
「だってこの世界なんてただの物語の中だろ。
他の人間なんてただのゲームのNPC。
作られたキャラクターだろ。
そんなものとお前の命、
どっちが大事かなんて聞かれなくてもわかるだろ」
「…けど」
「…それに本当に物語を演じ切れば帰ってこれるって
なんで言い切れるんだよ。
ただ、ネットの奴らがそう騒いでいるだけだろ。
本当に死んだらどうするんだよ。
なぁ頼む。紫音。
お前が処刑台に送られるのを見るくらいなら、
…俺は、俺、元の世界に戻らなくてもいい」
マユトに両肩を掴まれてすがられる。
力強いマユトの声がだんだんか細くなっていく。
俺は何も言うことができなかった。
マユトも不安なんだ。
わかってる。
もし、俺が処刑台に送られて死んでしまったら、
その後マユトはこの意味の分からない世界で
一人きりになってしまう。
それはどれだけ恐ろしいことなのか
痛いほど分かる。だって俺も同じだから。
「すまん、マユト。わかった。別の方法を考えよう」
「…おう」
「そ、そうや、ひたすらアホなことしたら
ギャグマンガになるんとちゃう?」
「それ一生終わらなくね?」
「そうやった…」
50:シャルル伯爵子息
【朗報】隣国の王子が俺の幼馴染やった!
これで勝てる!
51名無し:あなたの後ろに悪役令嬢が
おめでとう!原作では隣国の王子の
ビジュアル出てこなかったから
すげー気になってた。
写真欲しい!プリーズ、シャルル様!
52:シャルル伯爵子息
許可取ったで。ほれ。
【童顔で生意気そうな少年の写真、
隣の少年が頭を撫でるのをうざったそうにしている。
場所は物置のようなところ】
53名無し:あなたの後ろに悪役令嬢が
やだ、カッコ可愛い!
でも意外。もっと王子っぽいかと思ってた。
54名無し:あなたの後ろに悪役令嬢が
そうきたか、でもよかったな、
シャルル様唯一にして最強の味方登場じゃん。
55:シャルル伯爵子息
それだと俺友達いないみたいやん。
やめてー
…
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マユトから怪訝そうな顔をされた。
だがすぐにマユトは気を取り直して俺に尋ねた。
「ところでどうすれば元の世界に戻れるんだ?」
「ああ、そのことやけど、説明しづらいから
このスレ見せながら説明するわ」
「ああ、頼む」
「…嘘だろ」
「今のところこれが一番有力な方法なんやて」
俺はマユトにこの物語の大まかな概要と
役を演じ切り、物語を終わらせれば元の世界に
戻ってこれるということを説明した。
マユトはそのおっきな目を落ちそうなほど見開いて
俺を見た。
「でも、だってそれじゃ…」
「うん、お前が言いたいことはわかる。
けど今はこれしか元に戻ってくる方法がわからんのや。
つまり元の世界に戻ってくるには
俺は悪役シャルルとして処刑台に上らなあかんらしい。
その後はヒロインが王子様と結ばれてハッピーエンド。
それでしまいや。
…だから、その結末のためにお前に協力してほしいねん」
「…ふざけんなよ。
お前、自分が何言ってんのかわかってんの?
お前、お前を処刑台に送るために、
協力しろって言ってんのか?
そんなこと、できるわけないだろ。
いい加減にしろ!」
「でもそうしないと帰れへんよ。
こんな無茶苦茶な意味わからんとこで、
一生過ごすつもりか?
俺は嫌や。絶対嫌や。
お前だってそうやろ?」
「それはそうだけど…。
他の…他の方法考えねぇか?
お前が原作にない行動したことで
物語が変わったって言ってたじゃねぇか。
もしそうなら、
物語の悪役を変えればいいんじゃないか?」
「…何言うとんの、マユト」
「物語の結末が、
悪役が死んで、ヒロインと王子が結ばれるのなら、
それを達成することが物語を終える条件なら、
…悪役だけ別の奴に据えればいい。
そうすればお前は死ななくても済むだろう?」
「お前こそ、何言っとるかわかってる?
俺の、
代わりに、
別の人間が死ぬ、言うことやぞ。
そんなんほんまもんの悪役やん…」
「だってこの世界なんてただの物語の中だろ。
他の人間なんてただのゲームのNPC。
作られたキャラクターだろ。
そんなものとお前の命、
どっちが大事かなんて聞かれなくてもわかるだろ」
「…けど」
「…それに本当に物語を演じ切れば帰ってこれるって
なんで言い切れるんだよ。
ただ、ネットの奴らがそう騒いでいるだけだろ。
本当に死んだらどうするんだよ。
なぁ頼む。紫音。
お前が処刑台に送られるのを見るくらいなら、
…俺は、俺、元の世界に戻らなくてもいい」
マユトに両肩を掴まれてすがられる。
力強いマユトの声がだんだんか細くなっていく。
俺は何も言うことができなかった。
マユトも不安なんだ。
わかってる。
もし、俺が処刑台に送られて死んでしまったら、
その後マユトはこの意味の分からない世界で
一人きりになってしまう。
それはどれだけ恐ろしいことなのか
痛いほど分かる。だって俺も同じだから。
「すまん、マユト。わかった。別の方法を考えよう」
「…おう」
「そ、そうや、ひたすらアホなことしたら
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「そうやった…」
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