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謝罪とお招き 8
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「フリスト。私の……、現状のままでは到底叶うわけもない、私の夢物語を聞いてくれないか」
「現状のままでは叶わない、夢物語ですかな??」
あ。もしかして……。
じっとフリストさんの視線を捉えてポツリとこぼした王様の静かな声に、オーシャンもフォレストも関係なく、みんな耳を傾けた。
そう。王様の考えはきっと、この場に居るみんなが予想する、あったら素敵だと思う『優しい世界の物語』だろう。
だから、「今は到底(とうてい)叶わない夢物語」と言ったのだろう。
王様の次の言葉を待つ皆の視線の色は、誰もが真剣なくせにどこか優しい。
それは、私と廊下でバリバリの言葉遊びに付き合ってくれた、あのオーシャンのラインさんも同様だった。
フと、私の視線に気付いたのか、彼は視線を上げて、目元を微(かす)かに和(やわ)らげると、小さく、他の人間は気付かないかもしれない程度に頭を下げてくれた。
同じく返して、互いに視線を目の前に戻した。
ああ。もし、王様もフリストさんもこの夢物語を脳裏(のうり)に描いているなら、それに向かって努力を出来るなら、どんなに素敵だろう。
つらつらと考えていれば、王様は小さく頷いてから口を開いた。
「ああ。その通りだ。私は先ほどのフリストの言葉から、オーシャンとフォレストの子供達が笑顔ではしゃぐ夢を見た」
「……はい」
王様の言葉にフリストさんは小さく、だけれども力強く頷いた。
「そして、ミーナの言葉で、国境など関係なく、子供達が楽しそうに笑い、時には喧嘩(けんか)して仲直りする。そんな、……夢を見た」
「はい!!」
王様はどこか不安げに揺れる声色を隠そうともせず、けれども視線と居佇(いたたず)まいはキリッとしている。
そんな彼と同じような姿勢を貫き、しかし、フリストさんの声は小さく滲(にじ)んできている。
「だから、今は難しい、叶うわけのない夢物語を叶えるために。協力してもらえないだろうか」
「はい!!」
フリストさんの力強い返事に、フォレスト、オーシャンのみんなの同じくらいの熱量を持った声が重なった。
「こども達が互いに胸を張って『友だ』と言いきれるように、そんな優しい世界を作るために我々大人が先ず、導(しるべ)となるように、手に手を取り合って切磋琢磨(せっさたくま)して行きたい」
「はい!!そうですな!!はいっ!!」
「はいっ!!」
今は夢物語かもしれないそれを、『子供達に恥ずかしくない大人であるために』という目標を掲(かか)げて共に手を取り合って精進(しょうじん)していこうと、王様が言い、他国のトップ足る長老のフリストさんが頷いた。
素敵で、歴史的瞬間と言っても良いと思う。
「みんな。私の夢物語、一緒に支えてくれないか??」
どこか不安そうに王様が、私たちに問いかけた。
「はいっ!!」
ザッと音を発てて立ち上がり、頭(こうべ)を垂れる。
「陛下。この老いぼれ、オーシャンを代表し、申し上げます!!」
フリストさんが張り上げた声は、涙で揺れていて、瞳から流れるそれは隠しもしなかった。
「今は夢と申した物語、我等と共に紡ぎあげる許可を!!どうか!!どうかお願いします!!」
「お願いします!!」
オーシャンの皆さんががしっと王様の手を握っているフリストさんに続いて頭を下げている。
「ああ。そちらにはこちらから書状も出す。だから、どうか、夢を夢として終わらせないよう、願いたい」
「はいっ!!」
「現状のままでは叶わない、夢物語ですかな??」
あ。もしかして……。
じっとフリストさんの視線を捉えてポツリとこぼした王様の静かな声に、オーシャンもフォレストも関係なく、みんな耳を傾けた。
そう。王様の考えはきっと、この場に居るみんなが予想する、あったら素敵だと思う『優しい世界の物語』だろう。
だから、「今は到底(とうてい)叶わない夢物語」と言ったのだろう。
王様の次の言葉を待つ皆の視線の色は、誰もが真剣なくせにどこか優しい。
それは、私と廊下でバリバリの言葉遊びに付き合ってくれた、あのオーシャンのラインさんも同様だった。
フと、私の視線に気付いたのか、彼は視線を上げて、目元を微(かす)かに和(やわ)らげると、小さく、他の人間は気付かないかもしれない程度に頭を下げてくれた。
同じく返して、互いに視線を目の前に戻した。
ああ。もし、王様もフリストさんもこの夢物語を脳裏(のうり)に描いているなら、それに向かって努力を出来るなら、どんなに素敵だろう。
つらつらと考えていれば、王様は小さく頷いてから口を開いた。
「ああ。その通りだ。私は先ほどのフリストの言葉から、オーシャンとフォレストの子供達が笑顔ではしゃぐ夢を見た」
「……はい」
王様の言葉にフリストさんは小さく、だけれども力強く頷いた。
「そして、ミーナの言葉で、国境など関係なく、子供達が楽しそうに笑い、時には喧嘩(けんか)して仲直りする。そんな、……夢を見た」
「はい!!」
王様はどこか不安げに揺れる声色を隠そうともせず、けれども視線と居佇(いたたず)まいはキリッとしている。
そんな彼と同じような姿勢を貫き、しかし、フリストさんの声は小さく滲(にじ)んできている。
「だから、今は難しい、叶うわけのない夢物語を叶えるために。協力してもらえないだろうか」
「はい!!」
フリストさんの力強い返事に、フォレスト、オーシャンのみんなの同じくらいの熱量を持った声が重なった。
「こども達が互いに胸を張って『友だ』と言いきれるように、そんな優しい世界を作るために我々大人が先ず、導(しるべ)となるように、手に手を取り合って切磋琢磨(せっさたくま)して行きたい」
「はい!!そうですな!!はいっ!!」
「はいっ!!」
今は夢物語かもしれないそれを、『子供達に恥ずかしくない大人であるために』という目標を掲(かか)げて共に手を取り合って精進(しょうじん)していこうと、王様が言い、他国のトップ足る長老のフリストさんが頷いた。
素敵で、歴史的瞬間と言っても良いと思う。
「みんな。私の夢物語、一緒に支えてくれないか??」
どこか不安そうに王様が、私たちに問いかけた。
「はいっ!!」
ザッと音を発てて立ち上がり、頭(こうべ)を垂れる。
「陛下。この老いぼれ、オーシャンを代表し、申し上げます!!」
フリストさんが張り上げた声は、涙で揺れていて、瞳から流れるそれは隠しもしなかった。
「今は夢と申した物語、我等と共に紡ぎあげる許可を!!どうか!!どうかお願いします!!」
「お願いします!!」
オーシャンの皆さんががしっと王様の手を握っているフリストさんに続いて頭を下げている。
「ああ。そちらにはこちらから書状も出す。だから、どうか、夢を夢として終わらせないよう、願いたい」
「はいっ!!」
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