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使者団との昼食会 3
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笑いあう中で周囲を伺い、マッチョな方とスリムな体型の人ばかりな事に少し、安堵する。
なにせ、子供たちと一緒に「おデブおデブ」と連呼していた為、体型を気にしている人がいたらカチンとくると思ったのだ。
楽しい気分に水を差すようだが、唐突に道徳を教えるのは今だと思った。昼食会の前のシュリさんとのやりとりでも感じていたが、タイミングを逃していた。
だからこそ、「人を比較してはいけません」という事を教えるのは今を逃してはいけないと考えた。
「突然だけどね?自分がされたり言われたりして嫌だなって事はしてはいけません。それが相手を傷付けようと考えての悪口だったり意地悪だったりならよけいにダメ」
「「はい」」
突然の説教じみた言葉に戸惑うだろうと思っていた私に対し、子供たちは当然のように真剣な面持ちで頷いてくれた。後にこの時の事をアルゴス君とマルケス君に謝りつつ問うたら、「ママは自分たちに意地悪で言わない。ママが自分たちを好きだから言うんだから、素敵な大人になるために大切な事なんだと思った。なんで謝るのか?」と意訳で返され、良い子過ぎる二人を抱きしめて感極まった私は泣いてしまった。
「例えば、二人は自分で言われたら嫌な事ってあるかな?」
「なんでマルケスよりバカなの?っての」
「僕は、アルゴスは武術凄いのにって言われるのが嫌なの……」
心底嫌そうに顔をしかめたアルゴス君と、泣きそうに表情を歪めたマルケス君に、誰か大人がねちねちと言ったのだろうと容易に考え付くと同時に見知らぬ人間に怒りを覚えた。
うちの可愛い子供たちになんてこと吹き込んでくれてんのよ!?そんなん見かけたらただじゃおかないから!!
荒れ狂う心境を悟らせないように膝の上のちびもふブラザーズをそっと抱きしめる。
「ごめんね。嫌な気分になったよね。思い出させてごめんね」
「全然!!俺たち、言われた時にガブッてしてやったもん」
「うん!!意地悪しないでって噛みついちゃった」
ちょっぴり自慢気な子供たちに、誰かが「ぶほっ」と吹き出した。王様達は知らなかったのか、何かを考える素振りを見せていた。
「「あ!! かじってごめんなさいしてない」」
耳をしょぼんと寝かせて怒られるのではないかと小さくなっている子供たちに笑顔で告げた。
「いきなりかじるのは悪いことだけど、アルゴス君もマルケス君も嫌な気分になったからガブッてしたんでしょ?」
「「はい」」
「あれ?怒らないの?」と言いたげに見つめてくるちびもふブラザーズに笑顔続行のままに告げる。
「二人がガブッてした人を見かけたら教えてくれるかな?私からもご挨拶(ゴアイサツ)したいから」
「「はい!!ママ、ありがとう~」
「一緒に謝ってくれる」と思って嬉しそうに頭をグリグリ擦り付けてくる子供たちには悪いが、私は相手をシメる気でいる。
もちろん、アルゴス君とマルケス君には分からないが相手には分かるように慇懃無礼(いんぎんぶれい)にきっちりしっかり完膚なきほどに。そんな私の思惑に気付いたらしい大人たちは顔をひきつらせていた。我等が良心エリゴスさんは裏を読まずに子供たちを微笑ましく見ている。
「誰かに勝手に比べられたら嫌な気分になっちゃうよね?」
「「はい!!ママも?」」
「そうだよ?その嫌な気分を皆にやらないように出来るかな?」
「「はい!! あ!!」」
「ママも一緒だね」と顔を見合わせて「うふふ」と笑っていたちびもふブラザーズはすぐに何かに気付いたようで声を上げた後、膝の上でもぞもぞと向きを変えて真剣な表情を見せる。
「アレス、シュリ、いっぱい言ってごめんなさい」
「嫌だったよね?本当にごめんなさい」
「はい。謝罪は受け入れますが、私は気にしていません」
「わかればよろしい。ぴょんもぐるぐるもしてしんぜよう」
裏の無い優しい笑顔で返すアレスさんと、芝居がかった口調で返すシュリさんに、嬉しそうに笑いながら子供達は何度も「ありがとう」を繰り返していた。
なにせ、子供たちと一緒に「おデブおデブ」と連呼していた為、体型を気にしている人がいたらカチンとくると思ったのだ。
楽しい気分に水を差すようだが、唐突に道徳を教えるのは今だと思った。昼食会の前のシュリさんとのやりとりでも感じていたが、タイミングを逃していた。
だからこそ、「人を比較してはいけません」という事を教えるのは今を逃してはいけないと考えた。
「突然だけどね?自分がされたり言われたりして嫌だなって事はしてはいけません。それが相手を傷付けようと考えての悪口だったり意地悪だったりならよけいにダメ」
「「はい」」
突然の説教じみた言葉に戸惑うだろうと思っていた私に対し、子供たちは当然のように真剣な面持ちで頷いてくれた。後にこの時の事をアルゴス君とマルケス君に謝りつつ問うたら、「ママは自分たちに意地悪で言わない。ママが自分たちを好きだから言うんだから、素敵な大人になるために大切な事なんだと思った。なんで謝るのか?」と意訳で返され、良い子過ぎる二人を抱きしめて感極まった私は泣いてしまった。
「例えば、二人は自分で言われたら嫌な事ってあるかな?」
「なんでマルケスよりバカなの?っての」
「僕は、アルゴスは武術凄いのにって言われるのが嫌なの……」
心底嫌そうに顔をしかめたアルゴス君と、泣きそうに表情を歪めたマルケス君に、誰か大人がねちねちと言ったのだろうと容易に考え付くと同時に見知らぬ人間に怒りを覚えた。
うちの可愛い子供たちになんてこと吹き込んでくれてんのよ!?そんなん見かけたらただじゃおかないから!!
荒れ狂う心境を悟らせないように膝の上のちびもふブラザーズをそっと抱きしめる。
「ごめんね。嫌な気分になったよね。思い出させてごめんね」
「全然!!俺たち、言われた時にガブッてしてやったもん」
「うん!!意地悪しないでって噛みついちゃった」
ちょっぴり自慢気な子供たちに、誰かが「ぶほっ」と吹き出した。王様達は知らなかったのか、何かを考える素振りを見せていた。
「「あ!! かじってごめんなさいしてない」」
耳をしょぼんと寝かせて怒られるのではないかと小さくなっている子供たちに笑顔で告げた。
「いきなりかじるのは悪いことだけど、アルゴス君もマルケス君も嫌な気分になったからガブッてしたんでしょ?」
「「はい」」
「あれ?怒らないの?」と言いたげに見つめてくるちびもふブラザーズに笑顔続行のままに告げる。
「二人がガブッてした人を見かけたら教えてくれるかな?私からもご挨拶(ゴアイサツ)したいから」
「「はい!!ママ、ありがとう~」
「一緒に謝ってくれる」と思って嬉しそうに頭をグリグリ擦り付けてくる子供たちには悪いが、私は相手をシメる気でいる。
もちろん、アルゴス君とマルケス君には分からないが相手には分かるように慇懃無礼(いんぎんぶれい)にきっちりしっかり完膚なきほどに。そんな私の思惑に気付いたらしい大人たちは顔をひきつらせていた。我等が良心エリゴスさんは裏を読まずに子供たちを微笑ましく見ている。
「誰かに勝手に比べられたら嫌な気分になっちゃうよね?」
「「はい!!ママも?」」
「そうだよ?その嫌な気分を皆にやらないように出来るかな?」
「「はい!! あ!!」」
「ママも一緒だね」と顔を見合わせて「うふふ」と笑っていたちびもふブラザーズはすぐに何かに気付いたようで声を上げた後、膝の上でもぞもぞと向きを変えて真剣な表情を見せる。
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「はい。謝罪は受け入れますが、私は気にしていません」
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裏の無い優しい笑顔で返すアレスさんと、芝居がかった口調で返すシュリさんに、嬉しそうに笑いながら子供達は何度も「ありがとう」を繰り返していた。
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