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意見交換と晩餐 4
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「……あれ?でもさ?」
「あっ!!ママを盗ってっちゃいそうだった!!」
「「だめぇーっ!!」」
セインさんを敵認定していたらしい毛玉ちゃん達は耳をつんざく勢いで絶叫した。
「おっちゃんは良いけど、セインはダメだ!!」
「うん!!ダメ!!」
毛玉ちゃん達はふんふんと鼻息荒く宣言し、「ウォンウォーン」と遠吠えを始めてしまった。
どうか落ち着いてほしいと、毛玉ちゃん達の被毛を撫でながら口を開く。
「不躾ながら、民が城に上がり、陛下と謁見されるのは比較的容易なのでしょうか?」
「一応の時間は定めていますが、容易ですね」
ディーバさんが答えてくれるが、暗殺などの心配は無いのか?とか、血生臭い歴史もあったと言うわりには、警戒心が足りないんじゃないか?とか聞きたい事は山ほどあるが、セインさんの父上を待たせている以上、あまり時間をさけないだろう。
直球でズバッと行く事にした。
「では、危険は無いのでしょうか?」
「あるが、私が城下へ行けぬなら、会いたいと願う民を退ける謂れは無いだろう?」
この人は、だからこそ王様なのだ。
気負うわけでもふて腐れるでも無く、至極当然とばかりにさらりと言った王様に、私は静かに頭を下げた。
□■□■□■□■□■□
ディーバさんと連れ立って部屋に入った私を確認したおじさんとセインさんがパッと顔を輝かせた。
「お風呂してお眠するんだからこのままなの!!」と主張した為、子供達は毛玉ちゃんのまま、私の腕の中に納まっていたのだが、セインさんを見て小さく威嚇音を上げ始めた。獣姿の方が人の姿の時より感情的になりやすいのかもしれないが、これはいただけない。守られる側が、守ってくれる者に傲慢であってはならない。
「皆を守ってくれる為に頑張ってる人だよ?二人がやってるそれは良い事?悪い事?」
「でも、セインはママを俺達からとるだろ?」
「皆でカッコイイのしてくれたの、ママが欲しいからでしょ?」
何故、自分達が諌められるのか分からない、不服だと顔に大きく書かれたままにプリプリして言われる。分からないなら理解出来るように導けば良いだろう。
「アルゴス君とマルケス君は、自分の好きな人に嫌いだ!!来ないで!!って言われたらどう思う?」
「なんでだって思う」
「悲しい。泣いちゃうかも」
悲しい想像をしているのだろう毛玉ちゃん達の耳はぺしゃんこだ。しかし、こうして思うだけで感情を左右されるなら、次のステップの他人を思いやる想像も踏めるはずだ。
「アルゴス君とマルケス君がセインさんにしてるのと違う?」
私の言葉に弾かれたように顔を上げた二人は、次にセインさんを見つめる。
「「おんなじ」」
力無く呟く毛玉ちゃん達は私の腕の中で小さく震えている。
「一緒に言おっか」
問い掛けに毛玉ちゃん達が首を左右に振る。
「俺達だけでやる」
「うん。僕達が意地悪したから僕達がやらなきゃ」
「下ろしてちょうだい」と言う二人の瞳に決意の色が見える。
「「セイン、ごめんなさい」」
「でも!!ママは俺達のママなんだ」
「とらないで~」
「ガキに気を遣わせんな!!馬鹿野郎!!」
それまで静観していた事情を察したらしいおじさんが、セインさんの頭をポカリと叩いた。彼は顔を赤くしたままアルゴス君とマルケス君に頭を下げる。
「アルゴス様、マルケス様、不安にさせて申し訳ありませんでした。お二人からミーナ様を奪うつもりはありません」
「「本当?」」
恐る恐ると言った問い掛けに、セインさんが力強く頷く。
「はい」
「「ありがとう!!」」
ぴょんとセインさんの腕の中に飛び込んでいく毛玉ちゃん達の尻尾はぶんぶん振られている。
セインさんが羨ましいなんて、思ったのは内緒。
「あっ!!ママを盗ってっちゃいそうだった!!」
「「だめぇーっ!!」」
セインさんを敵認定していたらしい毛玉ちゃん達は耳をつんざく勢いで絶叫した。
「おっちゃんは良いけど、セインはダメだ!!」
「うん!!ダメ!!」
毛玉ちゃん達はふんふんと鼻息荒く宣言し、「ウォンウォーン」と遠吠えを始めてしまった。
どうか落ち着いてほしいと、毛玉ちゃん達の被毛を撫でながら口を開く。
「不躾ながら、民が城に上がり、陛下と謁見されるのは比較的容易なのでしょうか?」
「一応の時間は定めていますが、容易ですね」
ディーバさんが答えてくれるが、暗殺などの心配は無いのか?とか、血生臭い歴史もあったと言うわりには、警戒心が足りないんじゃないか?とか聞きたい事は山ほどあるが、セインさんの父上を待たせている以上、あまり時間をさけないだろう。
直球でズバッと行く事にした。
「では、危険は無いのでしょうか?」
「あるが、私が城下へ行けぬなら、会いたいと願う民を退ける謂れは無いだろう?」
この人は、だからこそ王様なのだ。
気負うわけでもふて腐れるでも無く、至極当然とばかりにさらりと言った王様に、私は静かに頭を下げた。
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ディーバさんと連れ立って部屋に入った私を確認したおじさんとセインさんがパッと顔を輝かせた。
「お風呂してお眠するんだからこのままなの!!」と主張した為、子供達は毛玉ちゃんのまま、私の腕の中に納まっていたのだが、セインさんを見て小さく威嚇音を上げ始めた。獣姿の方が人の姿の時より感情的になりやすいのかもしれないが、これはいただけない。守られる側が、守ってくれる者に傲慢であってはならない。
「皆を守ってくれる為に頑張ってる人だよ?二人がやってるそれは良い事?悪い事?」
「でも、セインはママを俺達からとるだろ?」
「皆でカッコイイのしてくれたの、ママが欲しいからでしょ?」
何故、自分達が諌められるのか分からない、不服だと顔に大きく書かれたままにプリプリして言われる。分からないなら理解出来るように導けば良いだろう。
「アルゴス君とマルケス君は、自分の好きな人に嫌いだ!!来ないで!!って言われたらどう思う?」
「なんでだって思う」
「悲しい。泣いちゃうかも」
悲しい想像をしているのだろう毛玉ちゃん達の耳はぺしゃんこだ。しかし、こうして思うだけで感情を左右されるなら、次のステップの他人を思いやる想像も踏めるはずだ。
「アルゴス君とマルケス君がセインさんにしてるのと違う?」
私の言葉に弾かれたように顔を上げた二人は、次にセインさんを見つめる。
「「おんなじ」」
力無く呟く毛玉ちゃん達は私の腕の中で小さく震えている。
「一緒に言おっか」
問い掛けに毛玉ちゃん達が首を左右に振る。
「俺達だけでやる」
「うん。僕達が意地悪したから僕達がやらなきゃ」
「下ろしてちょうだい」と言う二人の瞳に決意の色が見える。
「「セイン、ごめんなさい」」
「でも!!ママは俺達のママなんだ」
「とらないで~」
「ガキに気を遣わせんな!!馬鹿野郎!!」
それまで静観していた事情を察したらしいおじさんが、セインさんの頭をポカリと叩いた。彼は顔を赤くしたままアルゴス君とマルケス君に頭を下げる。
「アルゴス様、マルケス様、不安にさせて申し訳ありませんでした。お二人からミーナ様を奪うつもりはありません」
「「本当?」」
恐る恐ると言った問い掛けに、セインさんが力強く頷く。
「はい」
「「ありがとう!!」」
ぴょんとセインさんの腕の中に飛び込んでいく毛玉ちゃん達の尻尾はぶんぶん振られている。
セインさんが羨ましいなんて、思ったのは内緒。
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