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夜中の攻防 3
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「ミーナ、まずは礼を言わせてくれ。こんなにもアルゴスとマルケスの事を考えてくれて、ありがとう」
「「「ありがとうございます」」」
子供達の姿が扉の向こうに消えた直後、王様を筆頭にディーバさん、ソルゴスさん、なんとエリゴスさんにまで頭を下げられた。
失礼ながら正直、彼から感謝の言葉が貰えるとは思えなかったのだが、本心からだろうと伺えた私は戦略を修正する。エリゴスさんには能力と利用価値を見せ付け、彼の愚直さから傘下に入るよう従わせようと画策していた。
だけれど、力ずくで服従させるのではなく、素直に頭を下げる事の出来る彼には水無月楓と言う人間を知ってもらい認めてほしいという欲も出てきた。
「いえ。むしろ、私としては皆さんに謝りたいんです。アルゴス君とマルケス君にかこつけて、皆さんの教育方針も聞いていないのに好き勝手に言いたい放題してしまいました。申し訳ありません」
一息に言って頭を下げると、王様達もほっと息を吐いた。そのままにやりと口の端を歪めた王様がからかうようにエリゴスさんに言う。
「エリゴス、アルゴスとマルケスを泣かせたミーナに一言申してやるんじゃなかったのか?」
「アルゴス様とマルケス様の成長について聞く前だったからです!!」
顔面どころか耳まで真っ赤に染めるエリゴスさんは可愛らしい人だと思う。
やっぱり、外交ではそうとう損してるんだろうな~。
「私の事より!!さっさと勝負に進みましょう!!」
ツンデレ熊さんが話を打ち切りたくて仕方ないと言外に訴えていたので、少しだけ話に乗ってみる。
「勝負の前に皆様にお聞きしたい事がございます」
「ん?なんだ?」
王様はエリゴスさんを弄る事に飽きたのか、新たなる興味対象として私を選んだのかはわからないが、ニコニコと機嫌よさげに頷いた。
「まず、私を駒として、どのように使いたいのか、という点と、外交と一口に言っても何に力を入れたいのか、の計二点をお伺いしたいのです」
まさかとは思うが酒の席でのコンパニオンや、ハニートラップとして使いたいのなら、勝負の前に、「お話は無かった事に」と辞退させてもらうつもりだ。
「例えば、この国を発展させる為に特産品を使って貿易に力を入れたい、とか、他国との友好関係を深めたい、とか」
私の言葉に全員がポカンとした表情を見せた。
まさか、なにも考えてないとか!?いやいや、それはまさか過ぎでしょう~。でも、なんか、ね~?
駒はプレーヤーの意思でしか動けない。だから、プレーヤーは駒を動かす手順を考える。プレーヤーにいくら、駒は自由に動けと命じられても、最初に意思を伝えられてなければどうやったら良いのか分からず動けない。さらに言うなら捨て駒は考える頭脳も必要も無い。何故なら、疑問を感じてしまった時点であらゆる意味で使い物にならないから。
「すまん。ミーナ、そこまで深くは……その……」
考えてなかった、か。
口ごもりチラチラとこちらを見遣る王様の姿は何故かアルゴス君と重なり、笑みを誘われる。
「はい。では一つだけ。私を色事に使……」
「それは無いっ!!」
物凄い勢いで王様に断言された。おまけでエリゴスさんにも叫ばれた。
「破廉恥な!!」
違えば良いのです。確認したかっただけなんです。だから、エリゴスさん、落ち着いて~。飲む前からそんなに興奮してたら速攻で潰れますよ~。
「「「ありがとうございます」」」
子供達の姿が扉の向こうに消えた直後、王様を筆頭にディーバさん、ソルゴスさん、なんとエリゴスさんにまで頭を下げられた。
失礼ながら正直、彼から感謝の言葉が貰えるとは思えなかったのだが、本心からだろうと伺えた私は戦略を修正する。エリゴスさんには能力と利用価値を見せ付け、彼の愚直さから傘下に入るよう従わせようと画策していた。
だけれど、力ずくで服従させるのではなく、素直に頭を下げる事の出来る彼には水無月楓と言う人間を知ってもらい認めてほしいという欲も出てきた。
「いえ。むしろ、私としては皆さんに謝りたいんです。アルゴス君とマルケス君にかこつけて、皆さんの教育方針も聞いていないのに好き勝手に言いたい放題してしまいました。申し訳ありません」
一息に言って頭を下げると、王様達もほっと息を吐いた。そのままにやりと口の端を歪めた王様がからかうようにエリゴスさんに言う。
「エリゴス、アルゴスとマルケスを泣かせたミーナに一言申してやるんじゃなかったのか?」
「アルゴス様とマルケス様の成長について聞く前だったからです!!」
顔面どころか耳まで真っ赤に染めるエリゴスさんは可愛らしい人だと思う。
やっぱり、外交ではそうとう損してるんだろうな~。
「私の事より!!さっさと勝負に進みましょう!!」
ツンデレ熊さんが話を打ち切りたくて仕方ないと言外に訴えていたので、少しだけ話に乗ってみる。
「勝負の前に皆様にお聞きしたい事がございます」
「ん?なんだ?」
王様はエリゴスさんを弄る事に飽きたのか、新たなる興味対象として私を選んだのかはわからないが、ニコニコと機嫌よさげに頷いた。
「まず、私を駒として、どのように使いたいのか、という点と、外交と一口に言っても何に力を入れたいのか、の計二点をお伺いしたいのです」
まさかとは思うが酒の席でのコンパニオンや、ハニートラップとして使いたいのなら、勝負の前に、「お話は無かった事に」と辞退させてもらうつもりだ。
「例えば、この国を発展させる為に特産品を使って貿易に力を入れたい、とか、他国との友好関係を深めたい、とか」
私の言葉に全員がポカンとした表情を見せた。
まさか、なにも考えてないとか!?いやいや、それはまさか過ぎでしょう~。でも、なんか、ね~?
駒はプレーヤーの意思でしか動けない。だから、プレーヤーは駒を動かす手順を考える。プレーヤーにいくら、駒は自由に動けと命じられても、最初に意思を伝えられてなければどうやったら良いのか分からず動けない。さらに言うなら捨て駒は考える頭脳も必要も無い。何故なら、疑問を感じてしまった時点であらゆる意味で使い物にならないから。
「すまん。ミーナ、そこまで深くは……その……」
考えてなかった、か。
口ごもりチラチラとこちらを見遣る王様の姿は何故かアルゴス君と重なり、笑みを誘われる。
「はい。では一つだけ。私を色事に使……」
「それは無いっ!!」
物凄い勢いで王様に断言された。おまけでエリゴスさんにも叫ばれた。
「破廉恥な!!」
違えば良いのです。確認したかっただけなんです。だから、エリゴスさん、落ち着いて~。飲む前からそんなに興奮してたら速攻で潰れますよ~。
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