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第二八話 笑顔に満ちた思い出づくり
第二八話 三
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「実はただ街に行くのもなんだから、ちょっと遠足風にしようと思ってさ」
「……遠足風?」
ヒイラギが訝しそうな顔をした。ヒイラギの側について歩いていたウルフィニは目をぱちくりとさせていた。
リンドウと顔を見合わせたスイセンが「どういうことでしょう?」とガザを見上げた。
ガザは胸を反らしながら計画を簡単に話した。
「街で昼食の材料を買って、原っぱで作って食べようってこと」
そして、ガザは背負っていたリュックサックを開けると中を見せた。そこには簡易調理器具が入っていた。
「茣蓙がないのはさすがに勘弁な」
「なるほど」
スイセンとリンドウは納得した顔をしてみせた。未だ不思議そうな顔をするアヅ、テオ、ウルフィニにヒイラギがわかりやすく説明する。アヅ達の理解も及んだところで、レヤとフィオを捕まえたトゥナとソラルが戻って来た。
「なになに、何の話?」
息を切らせるソラルとは対照的に、トゥナはいつも通り朗らかに話の輪に加わってきた。
「今日の予定についてですよ」
慈乃が教えると、トゥナ達は昨夜あらましをガザから聞いていたらしく、すぐに話を理解した。
「サンドウィッチを作るんだよね。何を入れようかなー?」
「せっかくなら珍しいもの入れたい!」
「なー!」
「レヤもフィオも、一体何を入れるつもりですか……?」
疲れ切った声でソラルが呟く。
街はまだ先だが、この分ではあっという間に着きそうな気がした。
「……遠足風?」
ヒイラギが訝しそうな顔をした。ヒイラギの側について歩いていたウルフィニは目をぱちくりとさせていた。
リンドウと顔を見合わせたスイセンが「どういうことでしょう?」とガザを見上げた。
ガザは胸を反らしながら計画を簡単に話した。
「街で昼食の材料を買って、原っぱで作って食べようってこと」
そして、ガザは背負っていたリュックサックを開けると中を見せた。そこには簡易調理器具が入っていた。
「茣蓙がないのはさすがに勘弁な」
「なるほど」
スイセンとリンドウは納得した顔をしてみせた。未だ不思議そうな顔をするアヅ、テオ、ウルフィニにヒイラギがわかりやすく説明する。アヅ達の理解も及んだところで、レヤとフィオを捕まえたトゥナとソラルが戻って来た。
「なになに、何の話?」
息を切らせるソラルとは対照的に、トゥナはいつも通り朗らかに話の輪に加わってきた。
「今日の予定についてですよ」
慈乃が教えると、トゥナ達は昨夜あらましをガザから聞いていたらしく、すぐに話を理解した。
「サンドウィッチを作るんだよね。何を入れようかなー?」
「せっかくなら珍しいもの入れたい!」
「なー!」
「レヤもフィオも、一体何を入れるつもりですか……?」
疲れ切った声でソラルが呟く。
街はまだ先だが、この分ではあっという間に着きそうな気がした。
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