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第二三話 めぐる笑顔
第二三話 一
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翌日の午前中、子ども達を街へ送り出すと、ウタセが慈乃に声を掛けた。
「シノ、僕達もこれから豊穣祭に行かない?」
「え、今からですか?」
この日の三番地は豊穣祭の日だった。穀物の収穫時期である秋に行われる祭は、自然の恵みと実りに感謝するために行われる。とはいえ祭好きの住民は祭そのものを楽しんでいる節もある。ウタセも例にもれず祭を楽しみたいようだった。
「シノのお休みって今日まででしょ? 久々に一緒に出掛けようよ」
慈乃が悩んでいる間、一番気にかけてくれたのは他でもないウタセだった。本当は慈乃と話したかったし、遊びたかったのだろう。遠慮する必要がなくなったウタセは子どものように期待に目を輝かせていた。
慈乃は小さく笑うとウタセの誘いを受け入れた。
「ウタくんが一緒なら、楽しくなりそうですね」
「やった!」
「お昼ごろにここに集合ね」と言って、今日は半休であるウタセは仕事を片付けるべく生活棟に向かった。その背を眺めやりながら慈乃はあることを思い出していた。
(ウタくんと街のお祭をまわるのは夏の花祭以来ね。……そういえば、約束……)
せっかくの機会だ。今日はその約束を果たすのにちょうどいいかもしれない。
慈乃は胸を弾ませて、出掛ける準備にとりかかった。
「シノ、僕達もこれから豊穣祭に行かない?」
「え、今からですか?」
この日の三番地は豊穣祭の日だった。穀物の収穫時期である秋に行われる祭は、自然の恵みと実りに感謝するために行われる。とはいえ祭好きの住民は祭そのものを楽しんでいる節もある。ウタセも例にもれず祭を楽しみたいようだった。
「シノのお休みって今日まででしょ? 久々に一緒に出掛けようよ」
慈乃が悩んでいる間、一番気にかけてくれたのは他でもないウタセだった。本当は慈乃と話したかったし、遊びたかったのだろう。遠慮する必要がなくなったウタセは子どものように期待に目を輝かせていた。
慈乃は小さく笑うとウタセの誘いを受け入れた。
「ウタくんが一緒なら、楽しくなりそうですね」
「やった!」
「お昼ごろにここに集合ね」と言って、今日は半休であるウタセは仕事を片付けるべく生活棟に向かった。その背を眺めやりながら慈乃はあることを思い出していた。
(ウタくんと街のお祭をまわるのは夏の花祭以来ね。……そういえば、約束……)
せっかくの機会だ。今日はその約束を果たすのにちょうどいいかもしれない。
慈乃は胸を弾ませて、出掛ける準備にとりかかった。
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