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第一八話 蕾のリンドウ

第一八話 四

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 翌日、ミトドリは午前中に教会に出向いて、午後にはリンドウを連れて学び家に戻ってきた。先に対面を済ませたニアにホノ達のことを任せて、慈乃とツクシは入れ替わるように客間へ向かった。
「資料は読んだけど、実際どんな子なんだろうね~」
 玄関で内履きに履き替えながら、ツクシが慈乃に問いかける。
「……」
 一方、慈乃は緊張のために珍しくツクシの話を聞き逃していた。ツクシに名前を呼ばれて、はっと我に返る。
「す、すみません……! 何のお話でしたか?」
「リンくんはどんな子かな~って話だよ~。それにしてもシノちゃん、すごい緊張してるね~」
 当初に比べたらひととの関わり合いにも慣れてきた慈乃だったが、人見知りが治ったわけではない。相手は年下といえど、初対面ともなると緊張するなという方が無理な話だった。
 慈乃が顔を強張らせて黙り込んでいると、ツクシは勇気づけるように慈乃の肩をぽんとぽんと軽く叩いた。
「リラックス~、リラックス~。シノちゃんがそんなだと、リンくんも警戒しちゃうよ~」
「う……。そう、ですよね……」
「こういう時はね~、深呼吸だよ~」
 言われた通りに数回深呼吸をしてみると、いくらか気持ちが落ち着いた。先ほどよりも硬さが抜けた慈乃の表情を確認して、ツクシが「そんじゃ~、行ってみよ~」と歩き出す。慈乃もその後を追って客間に入った。
 客間にはミトドリとリンドウの他に、ウタセとスギナもいた。
 最後に入室した慈乃が扉をそっと閉めると、ミトドリが話し始めた。
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