231 / 454
第一七話 夏の終わりに縁日を
第一七話 一四
しおりを挟む
ふたりで手分けして湯がいたそうめんを水でしめ、皿に盛っていく。タイミングを見計らってウタセとスギナとスイセンが厨房に顔を出した。
「そろそろ運びましょうか?」
「さっすがスイ! うん、おねがーい」
真っ先に声を掛けたスイセンは、満載の盆を器用に卓へ運んでいって、慣れた動きで皿を配り始めた。ウタセとスギナも、スイセンに続いてはポットやそうめんを卓に置いていく。
そこにクルルとカルリアがやってきた。
「なんだ。もう手伝いは始まってたのね」
「だったら私達はみんなを呼んで来ようか」
「そうしましょう」
彼女達のおかげで次々食堂にひとが集まってくる。全員が揃う頃には配膳もすっかり終わっていた。
「それじゃあ、みんな、おててをあわせて……」
「いただきます!」
ニアの掛け声に、子ども達は疲れを感じさせないほど元気に挨拶をする。
今日の席は予め班ごとに分けて決めてあった。慈乃はテオ、フィオ、ライモ、シキブ、ヒイラギと固まって座っていた。
「屋台はどこまで進みましたか?」
慈乃の問いに、ヒイラギが代表して答えた。
「今は、看板づくりの最中。後は、飴を挿す台とかを作るつもり」
「午後は私も参加しますね」
「うん。お願い」
慈乃の左隣に座っていたテオが慈乃を見上げて首を傾げた。
「あめはいつつくるの?」
「明日の午前中の予定ですよ」
「あしたかぁ。たのしみだね」
テオはにっこりと微笑んだ。
「ええ、そうですね」
「早く食べて続きやろう!」
「あらあらぁ。早食いは体によくありませんよぉ」
テオが落ち着きなく言うのに対しシキブがおっとりと諫める。いずれにせよ子ども達が縁日を待ちわびていることが伝わってきて、慈乃は小さな笑みをこぼした。
「そろそろ運びましょうか?」
「さっすがスイ! うん、おねがーい」
真っ先に声を掛けたスイセンは、満載の盆を器用に卓へ運んでいって、慣れた動きで皿を配り始めた。ウタセとスギナも、スイセンに続いてはポットやそうめんを卓に置いていく。
そこにクルルとカルリアがやってきた。
「なんだ。もう手伝いは始まってたのね」
「だったら私達はみんなを呼んで来ようか」
「そうしましょう」
彼女達のおかげで次々食堂にひとが集まってくる。全員が揃う頃には配膳もすっかり終わっていた。
「それじゃあ、みんな、おててをあわせて……」
「いただきます!」
ニアの掛け声に、子ども達は疲れを感じさせないほど元気に挨拶をする。
今日の席は予め班ごとに分けて決めてあった。慈乃はテオ、フィオ、ライモ、シキブ、ヒイラギと固まって座っていた。
「屋台はどこまで進みましたか?」
慈乃の問いに、ヒイラギが代表して答えた。
「今は、看板づくりの最中。後は、飴を挿す台とかを作るつもり」
「午後は私も参加しますね」
「うん。お願い」
慈乃の左隣に座っていたテオが慈乃を見上げて首を傾げた。
「あめはいつつくるの?」
「明日の午前中の予定ですよ」
「あしたかぁ。たのしみだね」
テオはにっこりと微笑んだ。
「ええ、そうですね」
「早く食べて続きやろう!」
「あらあらぁ。早食いは体によくありませんよぉ」
テオが落ち着きなく言うのに対しシキブがおっとりと諫める。いずれにせよ子ども達が縁日を待ちわびていることが伝わってきて、慈乃は小さな笑みをこぼした。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
蓮華
釜瑪 秋摩
ファンタジー
小さな島国。 荒廃した大陸の四国はその豊かさを欲して幾度となく侵略を試みて来る。 国の平和を守るために戦う戦士たち、その一人は古より語られている伝承の血筋を受け継いだ一人だった。 守る思いの強さと迷い、悩み。揺れる感情の向かう先に待っていたのは――
召喚されたけど不要だと殺され、神様が転生さしてくれたのに女神様に呪われました
桜月雪兎
ファンタジー
召喚に巻き込まれてしまった沢口香織は不要な存在として殺されてしまった。
召喚された先で殺された為、元の世界にも戻れなく、さ迷う魂になってしまったのを不憫に思った神様によって召喚された世界に転生することになった。
転生するために必要な手続きをしていたら、偶然やって来て神様と楽しそうに話している香織を見て嫉妬した女神様に呪いをかけられてしまった。
それでも前向きに頑張り、楽しむ香織のお話。
チートな転生幼女の無双生活 ~そこまで言うなら無双してあげようじゃないか~
ふゆ
ファンタジー
私は死んだ。
はずだったんだけど、
「君は時空の帯から落ちてしまったんだ」
神様たちのミスでみんなと同じような輪廻転生ができなくなり、特別に記憶を持ったまま転生させてもらえることになった私、シエル。
なんと幼女になっちゃいました。
まだ転生もしないうちに神様と友達になるし、転生直後から神獣が付いたりと、チート万歳!
エーレスと呼ばれるこの世界で、シエルはどう生きるのか?
*不定期更新になります
*誤字脱字、ストーリー案があればぜひコメントしてください!
*ところどころほのぼのしてます( ^ω^ )
*小説家になろう様にも投稿させていただいています
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
【 本編 完結 】結婚式当日に召喚された花嫁は、余興で呼ばれた聖女、でした!?
しずもり
ファンタジー
まだ私が少女と呼ばれるような歳の頃、私は聖女として異世界に召喚された。
そこで聖女として穢れを祓う旅に出て務めを果たし、恋人と再会を約束し、そして元の世界へと戻された。
元の世界に戻った私は、、、現実を知る。
恋人は本当に私を呼び戻すつもりがあったのだろうか?
そして十年。夢から覚めきった私は今日、結婚する。
・・・・・・・・・はず、だった?
そして気付けば異世界への再召喚は、元恋人の結婚式の宴(二次会)の余興でした!?
独自のなんちゃって異世界ゆるゆる設定になります。
コメディ要素が多めかも?
気をつけているつもりですが、誤字脱字があると思います。気付き次第、修正はかけます。
感想欄は本編完結辺りで期間限定で解放する予定です。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
移転した俺は欲しい物が思えば手に入る能力でスローライフするという計画を立てる
みなと劉
ファンタジー
「世界広しといえども転移そうそう池にポチャンと落ちるのは俺くらいなもんよ!」
濡れた身体を池から出してこれからどうしようと思い
「あー、薪があればな」
と思ったら
薪が出てきた。
「はい?……火があればな」
薪に火がついた。
「うわ!?」
どういうことだ?
どうやら俺の能力は欲しいと思った事や願ったことが叶う能力の様だった。
これはいいと思い俺はこの能力を使ってスローライフを送る計画を立てるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる