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第一七話 夏の終わりに縁日を

第一七話 一四

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 ふたりで手分けして湯がいたそうめんを水でしめ、皿に盛っていく。タイミングを見計らってウタセとスギナとスイセンが厨房に顔を出した。
「そろそろ運びましょうか?」
「さっすがスイ! うん、おねがーい」
 真っ先に声を掛けたスイセンは、満載の盆を器用に卓へ運んでいって、慣れた動きで皿を配り始めた。ウタセとスギナも、スイセンに続いてはポットやそうめんを卓に置いていく。
 そこにクルルとカルリアがやってきた。
「なんだ。もう手伝いは始まってたのね」
「だったら私達はみんなを呼んで来ようか」
「そうしましょう」
 彼女達のおかげで次々食堂にひとが集まってくる。全員が揃う頃には配膳もすっかり終わっていた。
「それじゃあ、みんな、おててをあわせて……」
「いただきます!」
 ニアの掛け声に、子ども達は疲れを感じさせないほど元気に挨拶をする。
 今日の席は予め班ごとに分けて決めてあった。慈乃はテオ、フィオ、ライモ、シキブ、ヒイラギと固まって座っていた。
「屋台はどこまで進みましたか?」
 慈乃の問いに、ヒイラギが代表して答えた。
「今は、看板づくりの最中。後は、飴を挿す台とかを作るつもり」
「午後は私も参加しますね」
「うん。お願い」
 慈乃の左隣に座っていたテオが慈乃を見上げて首を傾げた。
「あめはいつつくるの?」
「明日の午前中の予定ですよ」
「あしたかぁ。たのしみだね」
 テオはにっこりと微笑んだ。
「ええ、そうですね」
「早く食べて続きやろう!」
「あらあらぁ。早食いは体によくありませんよぉ」
 テオが落ち着きなく言うのに対しシキブがおっとりと諫める。いずれにせよ子ども達が縁日を待ちわびていることが伝わってきて、慈乃は小さな笑みをこぼした。
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