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第一七話 夏の終わりに縁日を

第一七話 一

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 夏休みも終わりが近づいた、ある日の朝礼でのことである。
「それから、以前に少しだけ話した学び家に新しく入る子なんだけれど、やっと詳しい情報が入ったので各々確認しておくように」
 ミトドリはそう言って、青のファイルを掲げた。
「それでは、今日も一日頑張ろう」

 学舎が夏休みの間は学び家にいる子ども達の数が増えていつにも増して賑やかになる。その分忙しくもなるが、年長者は積極的に手伝いを申し出てくれるので助かる部分も多い。
 この日は朝に昼にと目の回るような忙しさだったが、夜にもなればそれは落ち着いた。慈乃はこの隙にと談話室に向かった。もちろん青のファイルの中身を確かめるためだ。ところが考えることは同じだったようで、慈乃が談話室の扉を開けるとすでにそこにはニアとウタセがいた。
「あら、シノ。お疲れ様ー」
「シノもこれ、見に来たの?」
「はい」
 扉をそっと閉めると、慈乃は彼らに近づいた。ウタセがファイルを手渡してくれる。お礼を言って受け取った慈乃は早速文書に目を通した。
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