カモミールの福音 ～花と〈家族〉に癒される優しい世界の物語～

第一四話 輝く夏の始まりは

第一四話 一五

　皆も出された屋台の案に賛成したところで、次は役割分担を決めることになった。
「屋台の組み立てはわたし達が中心となって行うから、ニア達女性陣には買い出しと細かい飾り作りなどをお願いするよ」
「了解」
「屋台の班分けは例年通りくじ引きで決めようか」
　既に準備していたらしい紙の山をミトドリが取り出す。ニアから順番に一枚ずつ引いていく。ニアは折られた小さな紙を広げた。
「まずはタムね」
「はい、次はシノ」
　ミトドリに促されて、慈乃も机の上に積まれた紙の山から一枚をつまみだす。
「あ、ラギくんでした」
「スギナは？」
「カルリア」
　紙の山がなくなるまで順番に引いていった結果、班分けは以下のようになった。
　ミトドリ班はテルカ、マリカ、スイセン、クルル。ニア班はツユ、フユ、アヅ、トゥナ、タム。ウタセ班はラナ、セン、ヨルメイ、アスキ。ツクシ班はレヤ、ホノ、メリル、サーヤ、ガザ。スギナ班はラジル、ミオ、ウルフィニ、ソラル、カルリア。そして慈乃班はテオ、フィオ、ライモ、シキブ、ヒイラギだった。
　メンバーの年齢、性格や相性などを考慮してどの屋台に割り振るか話し合った末、ミトドリはビー玉すくい、ニアはおにぎり、ウタセはかき氷、ツクシは焼きそば、スギナは輪投げ、慈乃は果物飴を担当することになった。