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第二二話 重ねる約束
第二二話 八
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「結月とずっと一緒にいたい。でも、それだけじゃなくて昴と秋とも一緒にいられたらなぁって思ってるんだよ。戦いのない世界で、今みたいに四人ずっと一緒にいたいの」
向ける想いの種類に違いはあれど、あかりにとって幼なじみ三人はかけがえのない大切な存在だ。戦いに危険はつきもので、大人になれば皆結婚することになるのだろう。それで多少関係性は変わるかもしれないが、幼なじみたちを失いたくはないと思うのだ。
「平和で笑顔があって幸せな日々が続く……。そんな未来を、結月と秋と昴と一緒に私は生きたいな」
「……うん。叶えよう、一緒に」
結月が静かに、けれども強い決意を奥に秘めて答えると、あかりは安心したように顔を緩ませて、やがて寝息を立て始めた。
良い夢が見られていると良いと願いながら、結月と秋之介はあかりに優しい視線を注ぐ。昴もふっと柔らかな眼差しであかりのことを見守っていたが、すぐに顔に影を落とした。
「どうした、昴?」
「……『雨が降ります。それが終わりの始まりでしょう』」
沈鬱な表情で昴がぽつりと呟く。
「『皆が失わないものなどないほどに戦いは激しくなります。特に』……」
昴は切ないほどに哀しい色を瞳に浮かべてあかりを見た。
「『あかりさん。彼女には悲痛な結末が待っています』」
「今の言葉、何?」
結月は鋭い眼差しで昴のことを射抜くようにじっと見つめる。昴はあかりから結月に視線を移すと黒の瞳の哀しい色をそのままに暗い表情で答えた。
「さっき御上様から伝えられた卜占の結果だよ」
「……『悲痛な結末』ってなんだよ。その言い方じゃまるで……」
過酷な運命に抗いきれないことに対する怒りを感じながら、秋之介が低い声で唸るように呟く。昴も「僕も同じことを訊いたよ」とやはり暗い声で返した。
「あかりちゃんが……亡くなる……可能性もあるけど、そうとも限らないらしい。運命はまだ変えられるから諦めてはいけないと言われたよ」
「……」
「……」
重苦しい空気が場を支配する。
あかりが三人を必要としているように、三人にとってもあかりは欠けてはいけない大切な幼なじみのひとりだ。あれだけ四人一緒にいたいと願うあかりにとって、今回の卜占の結果は彼女にどう映るのだろう。考えるだけで胸が抉られるように痛む。
あかりが聞いたなら「私なら大丈夫だよ。絶対に諦めないから」と強く微笑むのかもしれないが、その心の裏で大きな恐怖と戦うのだろうことは容易に想像がついた。
だから三人は顔を見合わせて頷き、誓い合う。
運命の思い通りにはさせない。絶対にあかりを守りぬくと。
向ける想いの種類に違いはあれど、あかりにとって幼なじみ三人はかけがえのない大切な存在だ。戦いに危険はつきもので、大人になれば皆結婚することになるのだろう。それで多少関係性は変わるかもしれないが、幼なじみたちを失いたくはないと思うのだ。
「平和で笑顔があって幸せな日々が続く……。そんな未来を、結月と秋と昴と一緒に私は生きたいな」
「……うん。叶えよう、一緒に」
結月が静かに、けれども強い決意を奥に秘めて答えると、あかりは安心したように顔を緩ませて、やがて寝息を立て始めた。
良い夢が見られていると良いと願いながら、結月と秋之介はあかりに優しい視線を注ぐ。昴もふっと柔らかな眼差しであかりのことを見守っていたが、すぐに顔に影を落とした。
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沈鬱な表情で昴がぽつりと呟く。
「『皆が失わないものなどないほどに戦いは激しくなります。特に』……」
昴は切ないほどに哀しい色を瞳に浮かべてあかりを見た。
「『あかりさん。彼女には悲痛な結末が待っています』」
「今の言葉、何?」
結月は鋭い眼差しで昴のことを射抜くようにじっと見つめる。昴はあかりから結月に視線を移すと黒の瞳の哀しい色をそのままに暗い表情で答えた。
「さっき御上様から伝えられた卜占の結果だよ」
「……『悲痛な結末』ってなんだよ。その言い方じゃまるで……」
過酷な運命に抗いきれないことに対する怒りを感じながら、秋之介が低い声で唸るように呟く。昴も「僕も同じことを訊いたよ」とやはり暗い声で返した。
「あかりちゃんが……亡くなる……可能性もあるけど、そうとも限らないらしい。運命はまだ変えられるから諦めてはいけないと言われたよ」
「……」
「……」
重苦しい空気が場を支配する。
あかりが三人を必要としているように、三人にとってもあかりは欠けてはいけない大切な幼なじみのひとりだ。あれだけ四人一緒にいたいと願うあかりにとって、今回の卜占の結果は彼女にどう映るのだろう。考えるだけで胸が抉られるように痛む。
あかりが聞いたなら「私なら大丈夫だよ。絶対に諦めないから」と強く微笑むのかもしれないが、その心の裏で大きな恐怖と戦うのだろうことは容易に想像がついた。
だから三人は顔を見合わせて頷き、誓い合う。
運命の思い通りにはさせない。絶対にあかりを守りぬくと。
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