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第一四話 交わす約束
第一四話 五
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帰宅後、そのような出来事があったと昴に報告すると、彼は目を丸くした。
「町でそんなことが。気づかなかったよ」
昴が驚くのも無理はない。あかりだって町の中にいなければ気づけないままだったかもしれない。それくらい漂う邪気は軽微なものだった。しかし、影響は出始めているので軽視もできない。昴もそれはわかっているのですぐに手を打つと言ってくれた。
「あかりちゃんが町で働くって言い出したときは心配だったけど、このときのためだったのかもね」
『町の人の笑顔も減った気がする。帰り道、やけに静かだったの』
日が短く、酉の刻になるより先に暗くなる季節である。商店の立ち並ぶ玄舞大路を歩いて帰ってきたあかりだったが、通りに響く笑声や家から漏れる灯りは以前より少なく、道中活気があまりないように感じられた。少し前までならこれもまた気のせいだと片付けていたかもしれないが、現状を正しく把握した今ではそんな楽観視ができるはずもできない。
あかりが告白すると昴は難しい顔をした。
(少し前まではみんなの笑顔が見られて安心してた。だけど、町の中にいればよくわかる。決して安心しきれる状況じゃないってこと)
今はまだ皆の笑顔を守ることができないから、せめて自分だけでも笑っていられるようにしたい。それがあかりが町で働き始めたきっかけであり、今では心の拠りどころの一部でもあるのだから。
「町でそんなことが。気づかなかったよ」
昴が驚くのも無理はない。あかりだって町の中にいなければ気づけないままだったかもしれない。それくらい漂う邪気は軽微なものだった。しかし、影響は出始めているので軽視もできない。昴もそれはわかっているのですぐに手を打つと言ってくれた。
「あかりちゃんが町で働くって言い出したときは心配だったけど、このときのためだったのかもね」
『町の人の笑顔も減った気がする。帰り道、やけに静かだったの』
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あかりが告白すると昴は難しい顔をした。
(少し前まではみんなの笑顔が見られて安心してた。だけど、町の中にいればよくわかる。決して安心しきれる状況じゃないってこと)
今はまだ皆の笑顔を守ることができないから、せめて自分だけでも笑っていられるようにしたい。それがあかりが町で働き始めたきっかけであり、今では心の拠りどころの一部でもあるのだから。
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