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第六話 幸せはいつもそばに
第六話 二○
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あかりたちは司の先導に従って客間を出ると廊下を進んだ。
四家の屋敷も大きいものだが、中央御殿はさらに広大だ。平屋の和風づくりの屋敷は廊下が長くあちこちに延びていて、部屋数も数えきれないほどだ。内廊下から眺められる中庭もまた広く、黄色の玉砂利が特に印象的だった。
ひとりで歩いていたら迷子になりそうだと思いながらあかりが司の後に続いていると、間もなく宴会場に到着した。
そこには既に結月の両親と秋之介の両親が座していた。あかりたちの存在に気づいた春朝と香澄は柔和な微笑みを向け、菊助は片手をあげ、梓はひらりと手を振った。あかりは彼らに笑顔を返すと、指定された席に着いた。
上座に司、下座には司から見て両脇に並ぶように膳が整えられていた。あかりの左隣には結月が、離れた向かい側には昴と秋之介が隣り合って座っている。彼らの隣には春朝たちが並び、そのさらに奥には四家の関係者が揃っている。そこに黄麟家の者の姿は少なかったが、代わりに給仕を担う者が多かった。
皆が揃ったところで司が音頭を取り、夕食会が始まった。
絢爛豪華なおせち料理を前に、あかりの目は輝いていた。その様子を見ていたらしい昴は微笑み、秋之介は呆れた様子で何かをしゃべっていた。喧騒にかき消されたため内容は聞き取れなかったが、おそらく食い意地が張ってるなどと言っていたのだろう。
「黄麟家のおせち料理が美味しいことはわかりきったことだし、仕方ないじゃない」
拗ねたように呟いて、あかりは伊達巻を頬張った。途端に眉間のしわがとれ、いかにも幸せそうな顔に転じる。
「うん、ちょうどいい甘さ。美味しいね、結月」
黒豆をつまんでいた結月も「うん」と頷く。するとあかりと結月の前に影が差した。
四家の屋敷も大きいものだが、中央御殿はさらに広大だ。平屋の和風づくりの屋敷は廊下が長くあちこちに延びていて、部屋数も数えきれないほどだ。内廊下から眺められる中庭もまた広く、黄色の玉砂利が特に印象的だった。
ひとりで歩いていたら迷子になりそうだと思いながらあかりが司の後に続いていると、間もなく宴会場に到着した。
そこには既に結月の両親と秋之介の両親が座していた。あかりたちの存在に気づいた春朝と香澄は柔和な微笑みを向け、菊助は片手をあげ、梓はひらりと手を振った。あかりは彼らに笑顔を返すと、指定された席に着いた。
上座に司、下座には司から見て両脇に並ぶように膳が整えられていた。あかりの左隣には結月が、離れた向かい側には昴と秋之介が隣り合って座っている。彼らの隣には春朝たちが並び、そのさらに奥には四家の関係者が揃っている。そこに黄麟家の者の姿は少なかったが、代わりに給仕を担う者が多かった。
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絢爛豪華なおせち料理を前に、あかりの目は輝いていた。その様子を見ていたらしい昴は微笑み、秋之介は呆れた様子で何かをしゃべっていた。喧騒にかき消されたため内容は聞き取れなかったが、おそらく食い意地が張ってるなどと言っていたのだろう。
「黄麟家のおせち料理が美味しいことはわかりきったことだし、仕方ないじゃない」
拗ねたように呟いて、あかりは伊達巻を頬張った。途端に眉間のしわがとれ、いかにも幸せそうな顔に転じる。
「うん、ちょうどいい甘さ。美味しいね、結月」
黒豆をつまんでいた結月も「うん」と頷く。するとあかりと結月の前に影が差した。
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