44 / 200
一年目
44:良かったね。
しおりを挟む
「ん゛ーーー……」
アザレアは唸っていた。法律の教科書とにらめっこをしながら。
自前の薬草弁当はすでに完食し、アザレアは来週から始まるテストに向けテスト勉強をしていたのだ。
周囲は春の暖かな陽光と爽やかな風に包まれ、春らしい植物達の香に溢れている。
「うー……」
しかしそんな穏やかな陽気も、アザレアのおかげでやや台無しだ。眉間にしわを寄せ法律の教科書を睨み、
「全っっっっっ然、分っかんない!」
と、両腕を投げ出した。
「あ。」
そしてその拍子に、教科書が手からすっぽ抜けた。
「うわ、教科書ー!」
放物線を描き宙を舞う教科書は、地面にぶつかる――
「……危のう御座いますね」
前に、フォラクスが捕まえてくれた。顔をやや傾け、顔の横スレスレを通りそうだった教科書をしっかりと掴んでいる。
「あ、ありがと!」
立ち上がり、アザレアはフォラクスの元に駆け寄る。
「…………いえ。此方に飛んできたものを咄嗟に掴んだだけですので」
「うん、でもありがとう」
「……そうですね。何かの攻撃かと思いうっかり燃やす処でしたが、私の動体視力と反射神経の良さが幸いしましたね」
「…………ごめんなさい」
×
「なんで薬草園にいるの?」
「気晴らしの散歩です」
「へぇー」
教科書を返してもらいながらアザレアはフォラクスに問うと、そんな答えが返ってきた。
「処で、貴女は何にそう悩んでいらっしゃるので?」
今度は逆に、フォラクスがアザレアに質問を投げかける。
「……ん。」
アザレアは口を尖らせ、教科書をフォラクスに見せる。
「『法律』……以前の試験で苦手を克服したのでは無かったのですか」
「んー……。後期になった途端、一気に難易度上がってよく分かんなくなっちゃったんだ」
「然様か」
フォラクスは視線を横に向け、その後斜め下に向けたのち
「……教えて差し上げましょうか。その、『法律』を」
そう、アザレアを見て静かに言う。
「えっ?! ほんと!?」
「……えぇ、勿論」
ゆったりと頷くと、フォラクスはアザレアの隣に座った。
「それで。何処が理解出来ないのです?」
「そもそもなんで『これをしたら駄目なのか』ってやつ」
「……嗚呼、成程」
そして、それからアザレアはフォラクスに『法律』の、色々な解釈の仕方を教えてもらったのだった。
×
数日後。後期初めのテストが終わり、現在、法律の授業でテストの返却が行われていた。
「(……やった!)」
受け取った答案を見て、アザレアは自分のいた席に戻りながら内心でグッと拳を握る。と、
「あら、珍し」
「うわ、ほんと」
返された答案を覗き込み、友人Aと友人Bはそれぞれ呟いた。
「ちょっと、勝手に見ないでよ」
急いで答案を折りたたみ、アザレアは教科書に挟み込む。
「だってあなたがあんまりにも嬉しそうな顔していたんだもの」
「そうそう」
友人Aと友人Bは不機嫌になったアザレアにそう言う。
「薬が関係ない法律で高得点だなんて。何をしたのかしら」
友人Aは不思議そうに問いかける。
「カンニング?」
と、それに続けるように、冗談混じりで友人Bも問いかけた。
「するわけないでしょ?!」
思わず言い返すと、法律の先生に「騒がしい!」と、叱られた。
「へぇ。婚約者の人に教えてもらったのね」
あまりにもしつこく問われたので、とうとうアザレアは白状をした。
「……うん」
フォラクスに教えてもらっている姿は、誰にもみられていないはずなので多分、大丈夫だろう。
「この調子で教えてもらいなよ」
面白いものを見たと言わんばかりになぜか笑う友人Bに、
「…………ん゛」
アザレアは顔をしかめて頷いた。勉強は分からないよりも、分かる方が楽しいからだ。
「「何その顔」」
友人Aと友人Bは笑いながら声を揃えてそういった。
×
そして、その後の昼休憩の時間に薬草園で薬草弁当を食べながら、
「あれ、これってもしかして……あんまり良くない?」
学生会の勧誘とか色々的に。と、アザレアは首を傾げたのだった。
×
「もう、君は学生会には誘わない事にしたよ」
もしゃもしゃと薬草弁当を食べるアザレアに、煌めく髪の男(要は学生会会長)は告げた。
「ふーん、そっか」
じゃあなんでわざわざ薬草園まで来たんだろうと思いながら、アザレアは心底興味なく返事し、他の考え事を再開する。
「代わりに、全体の生徒会役員候補達の役職をずらし、この子を書記として末席に入れる事にした」
「へー。よかったね」
もしゃもしゃ。あの店の薬草は育ちが悪いだとか、歯応えが違うだとか、考えながら薬草を飲み込んだ。
「……何も言うことはないのか?」
怪訝な顔で問いかける学生会会長に
「何が?」
心底不思議そうに返した。
「……いや」
目を逸らす学生会会長を無視し、
「よかったね」
と、その2の方を見る。
「うん」
にっこりと笑みを浮かべた。
×
勉強がわかると、新たな理解の方法を知ると、色々なものが今までとは違う見え方ができる。それは、フォラクスに教えてもらった法律の解釈だけでなく、薬草の効能の解釈や、育つ際に必要な栄養や環境など、本当に様々なものを新しく発見できた。
「(……そっか、ここはこうだから、)」
薬草の図鑑を眺めながら、アザレアは頷く。テストが終わり段々と暖かくなる今の気候は一番のんびりと過ごせる時期だ。
アザレアの本音は、学校を放り出して『薬草を摘みたい』『好きに薬を作りたい』『新しいものが作りたい』『得た情報を生かしたい』そんなところだ。
「(……早くお休みにならないかなー)」
と、図書館の椅子に座り、早る気持ちの代わりのように、足を小さくぱたぱたと動かした。
×
「……其れで。何処に行かれる予定でしたか」
「そこの山」
「…………でしょうね」
はぁ、と柳眉を寄せながら溜息を吐くフォラクスを、アザレアは見上げる。
いつかのように、意気揚々と山へ向かおうとしたアザレアの前にフォラクスが立ちはだかったのだ。
今回も、前回と同じように日課の占いで色々と視たらしい。
「ねぇ、秘密権の行使って知ってる?」
「私事、私生活または秘密を侵害しない事で御座いますね」
「意味を聞いたわけじゃないんだよ」
「法律を覚えていて素晴らしいと思いますよ」
「わたしそこまで法律の興味がないってわけじゃないんだよ」
「然様で。其れで、何故入山なさりたいのですか」
フォラクスが問うので、
「この草採りたいの」
アザレアは素直に答える。
「駄目です」
自作の薬草図鑑を開き、該当のページをフォラクスに見せるが、取り付く島もない。
「なんでさー」
頬を膨らませ、むっとしながらフォラクスに聞くと
「魔獣が出没しており、一時的に立ち入り禁止区域に成りましたので」
フォラクスからそんな答えが返された。
「えっ嘘!? いつのまに?」
「先週ですが」
「長いのか短いのかいまいち分からない時間」
アザレアは少し不機嫌な様子を見せたままだったが、
「……では、同じ植物が採れる別の場所にでも行ってみますか?」
「え、結構遠いよ?」
そんなフォラクスの意外な提案に、不機嫌な気持ちがすっかりなくなった。
アザレアは唸っていた。法律の教科書とにらめっこをしながら。
自前の薬草弁当はすでに完食し、アザレアは来週から始まるテストに向けテスト勉強をしていたのだ。
周囲は春の暖かな陽光と爽やかな風に包まれ、春らしい植物達の香に溢れている。
「うー……」
しかしそんな穏やかな陽気も、アザレアのおかげでやや台無しだ。眉間にしわを寄せ法律の教科書を睨み、
「全っっっっっ然、分っかんない!」
と、両腕を投げ出した。
「あ。」
そしてその拍子に、教科書が手からすっぽ抜けた。
「うわ、教科書ー!」
放物線を描き宙を舞う教科書は、地面にぶつかる――
「……危のう御座いますね」
前に、フォラクスが捕まえてくれた。顔をやや傾け、顔の横スレスレを通りそうだった教科書をしっかりと掴んでいる。
「あ、ありがと!」
立ち上がり、アザレアはフォラクスの元に駆け寄る。
「…………いえ。此方に飛んできたものを咄嗟に掴んだだけですので」
「うん、でもありがとう」
「……そうですね。何かの攻撃かと思いうっかり燃やす処でしたが、私の動体視力と反射神経の良さが幸いしましたね」
「…………ごめんなさい」
×
「なんで薬草園にいるの?」
「気晴らしの散歩です」
「へぇー」
教科書を返してもらいながらアザレアはフォラクスに問うと、そんな答えが返ってきた。
「処で、貴女は何にそう悩んでいらっしゃるので?」
今度は逆に、フォラクスがアザレアに質問を投げかける。
「……ん。」
アザレアは口を尖らせ、教科書をフォラクスに見せる。
「『法律』……以前の試験で苦手を克服したのでは無かったのですか」
「んー……。後期になった途端、一気に難易度上がってよく分かんなくなっちゃったんだ」
「然様か」
フォラクスは視線を横に向け、その後斜め下に向けたのち
「……教えて差し上げましょうか。その、『法律』を」
そう、アザレアを見て静かに言う。
「えっ?! ほんと!?」
「……えぇ、勿論」
ゆったりと頷くと、フォラクスはアザレアの隣に座った。
「それで。何処が理解出来ないのです?」
「そもそもなんで『これをしたら駄目なのか』ってやつ」
「……嗚呼、成程」
そして、それからアザレアはフォラクスに『法律』の、色々な解釈の仕方を教えてもらったのだった。
×
数日後。後期初めのテストが終わり、現在、法律の授業でテストの返却が行われていた。
「(……やった!)」
受け取った答案を見て、アザレアは自分のいた席に戻りながら内心でグッと拳を握る。と、
「あら、珍し」
「うわ、ほんと」
返された答案を覗き込み、友人Aと友人Bはそれぞれ呟いた。
「ちょっと、勝手に見ないでよ」
急いで答案を折りたたみ、アザレアは教科書に挟み込む。
「だってあなたがあんまりにも嬉しそうな顔していたんだもの」
「そうそう」
友人Aと友人Bは不機嫌になったアザレアにそう言う。
「薬が関係ない法律で高得点だなんて。何をしたのかしら」
友人Aは不思議そうに問いかける。
「カンニング?」
と、それに続けるように、冗談混じりで友人Bも問いかけた。
「するわけないでしょ?!」
思わず言い返すと、法律の先生に「騒がしい!」と、叱られた。
「へぇ。婚約者の人に教えてもらったのね」
あまりにもしつこく問われたので、とうとうアザレアは白状をした。
「……うん」
フォラクスに教えてもらっている姿は、誰にもみられていないはずなので多分、大丈夫だろう。
「この調子で教えてもらいなよ」
面白いものを見たと言わんばかりになぜか笑う友人Bに、
「…………ん゛」
アザレアは顔をしかめて頷いた。勉強は分からないよりも、分かる方が楽しいからだ。
「「何その顔」」
友人Aと友人Bは笑いながら声を揃えてそういった。
×
そして、その後の昼休憩の時間に薬草園で薬草弁当を食べながら、
「あれ、これってもしかして……あんまり良くない?」
学生会の勧誘とか色々的に。と、アザレアは首を傾げたのだった。
×
「もう、君は学生会には誘わない事にしたよ」
もしゃもしゃと薬草弁当を食べるアザレアに、煌めく髪の男(要は学生会会長)は告げた。
「ふーん、そっか」
じゃあなんでわざわざ薬草園まで来たんだろうと思いながら、アザレアは心底興味なく返事し、他の考え事を再開する。
「代わりに、全体の生徒会役員候補達の役職をずらし、この子を書記として末席に入れる事にした」
「へー。よかったね」
もしゃもしゃ。あの店の薬草は育ちが悪いだとか、歯応えが違うだとか、考えながら薬草を飲み込んだ。
「……何も言うことはないのか?」
怪訝な顔で問いかける学生会会長に
「何が?」
心底不思議そうに返した。
「……いや」
目を逸らす学生会会長を無視し、
「よかったね」
と、その2の方を見る。
「うん」
にっこりと笑みを浮かべた。
×
勉強がわかると、新たな理解の方法を知ると、色々なものが今までとは違う見え方ができる。それは、フォラクスに教えてもらった法律の解釈だけでなく、薬草の効能の解釈や、育つ際に必要な栄養や環境など、本当に様々なものを新しく発見できた。
「(……そっか、ここはこうだから、)」
薬草の図鑑を眺めながら、アザレアは頷く。テストが終わり段々と暖かくなる今の気候は一番のんびりと過ごせる時期だ。
アザレアの本音は、学校を放り出して『薬草を摘みたい』『好きに薬を作りたい』『新しいものが作りたい』『得た情報を生かしたい』そんなところだ。
「(……早くお休みにならないかなー)」
と、図書館の椅子に座り、早る気持ちの代わりのように、足を小さくぱたぱたと動かした。
×
「……其れで。何処に行かれる予定でしたか」
「そこの山」
「…………でしょうね」
はぁ、と柳眉を寄せながら溜息を吐くフォラクスを、アザレアは見上げる。
いつかのように、意気揚々と山へ向かおうとしたアザレアの前にフォラクスが立ちはだかったのだ。
今回も、前回と同じように日課の占いで色々と視たらしい。
「ねぇ、秘密権の行使って知ってる?」
「私事、私生活または秘密を侵害しない事で御座いますね」
「意味を聞いたわけじゃないんだよ」
「法律を覚えていて素晴らしいと思いますよ」
「わたしそこまで法律の興味がないってわけじゃないんだよ」
「然様で。其れで、何故入山なさりたいのですか」
フォラクスが問うので、
「この草採りたいの」
アザレアは素直に答える。
「駄目です」
自作の薬草図鑑を開き、該当のページをフォラクスに見せるが、取り付く島もない。
「なんでさー」
頬を膨らませ、むっとしながらフォラクスに聞くと
「魔獣が出没しており、一時的に立ち入り禁止区域に成りましたので」
フォラクスからそんな答えが返された。
「えっ嘘!? いつのまに?」
「先週ですが」
「長いのか短いのかいまいち分からない時間」
アザレアは少し不機嫌な様子を見せたままだったが、
「……では、同じ植物が採れる別の場所にでも行ってみますか?」
「え、結構遠いよ?」
そんなフォラクスの意外な提案に、不機嫌な気持ちがすっかりなくなった。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!
雨宮羽那
恋愛
いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。
◇◇◇◇
私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。
元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!
気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?
元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!
だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。
◇◇◇◇
※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。
※アルファポリス先行公開。
※表紙はAIにより作成したものです。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
いつか彼女を手に入れる日まで
月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる