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5話「実りの羽根」
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その昔、今はもうなくなってしまった大陸にあった『とある国』の研究者は――
人の『想い』という記憶を、世界に留める為のものを造りだしたのだという。
それは、真っ白な霧となって…たくさんの死が訪れた場所を包み込んでは、何処かへと消えていくわけだった。
――たが、本当はその地に残っている『想い』という記憶を回収して製作者である研究者の元に集められていたのだ。
他国の間諜や〈神の血族〉に見つからないように、と。
研究者は、その『霧』の本体を人の身体に隠してしまう……
『霧』の本体を入れられた人間は、その為に身体に因子を刻み込まれ…一度『霧』を入れられれば生命力を喰われる為か、皆短命となるのだ。
だから、捕虜や被験者として連れてこられた者達が身体に因子を刻み込まれて管理されていた。
――しかし、〈神の血族〉は気づいてしまった…全てを飲み込む『霧』と、その因子を持つ者達の存在に。
書物を閉じた壮年の修道女は、深いため息をついた。
旧き歴史の中で、その存在は忘れられたもの……
そして、人間は〈神の血族〉にばかり贖いさせているのを――
人間は、永い時の中ですっかりと忘れてしまっている。
千森と実湖――この2つの集落の存在が、『霧』の封印の地となっている理由を……
そして、起こってしまった悲劇……
願わくば、『霧』によって奪われた数多の命が狂気より解放されますように――
修道女は、2つの集落を繋ぐ街・輝琉実にある教会より祈るしかできなかった……
人の『想い』という記憶を、世界に留める為のものを造りだしたのだという。
それは、真っ白な霧となって…たくさんの死が訪れた場所を包み込んでは、何処かへと消えていくわけだった。
――たが、本当はその地に残っている『想い』という記憶を回収して製作者である研究者の元に集められていたのだ。
他国の間諜や〈神の血族〉に見つからないように、と。
研究者は、その『霧』の本体を人の身体に隠してしまう……
『霧』の本体を入れられた人間は、その為に身体に因子を刻み込まれ…一度『霧』を入れられれば生命力を喰われる為か、皆短命となるのだ。
だから、捕虜や被験者として連れてこられた者達が身体に因子を刻み込まれて管理されていた。
――しかし、〈神の血族〉は気づいてしまった…全てを飲み込む『霧』と、その因子を持つ者達の存在に。
書物を閉じた壮年の修道女は、深いため息をついた。
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